JPS6143248B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、工場の生産ラインや倉庫その他の
物流ラインに於いて、種々の加工素材や製品を所
定の搬送路（主としてストレートライン）に沿つ
て連続的に移送するための搬送装置に関するもの
であつて、その目的は、２本の平行な載送レール
に跨つて１列に載置した多数の被送物を、両レー
ル間の凹部に設けた特殊なキヤリヤの歩み送り運
動により一定のストローク毎に極めて円滑且つ確
実に移送し得る機能を備えた新しい搬送装置を比
較的簡単な構造によつて安価に提供することにあ
る。

本発明は、前記の目的を達成するために開発さ
れたものであつて、以下、この発明による搬送装
置の構造及びその使用動作を実施例の図面につい
て具体的に説明すると、図面は紡績工場などに於
いて、被加工品を収容した円筒形のケンス（紡績
工場などに於いて一般にスライバーと呼ばれる半
製品を入れる容器）を連続的に次の加工工程へ移
送する場合に本発明を適用したケンス搬送装置の
一例を示したものである。

図面中の符号１は装置の主体になるフレーム
で、本実施例の場合、フレーム１は、両側部に被
送物載送レール２，２を平行に列設し、その中間
部を低く陥没させて樋状の断面形に形成してあ
り、底壁３下面には支持骨４の適間隔に配列して
固着し、支持骨４の両端部にはフレーム１を水平
に調節して所望の高さに支持するためのネジ付き
脚杆５，５が突設されている。

次に符号６はフレーム１の被送物載送レール
２，２間に設置されるキヤリヤ、７はこのキヤリ
ヤ６を支持するガイドボルトで、ガイドボルト７
はフレーム１の底壁３上に少なくも左右一対のも
のを前後方向（被送物移動方向）に沿つて適数本
所定の間隔毎に配列して樹立し、このガイドボル
ト７の上部に跨つてキヤリヤ６の下部プレート８
を上下方向に滑動可能に架設すると共に、前記の
下部プレート８の上部に転子１０を介在させてキ
ヤリヤ６の上部プレート９を前後方向に移動可能
に載持せしめ、キヤリヤ６の下部プレート８とフ
レーム１の底壁３との間には、コンプレツサー
（図示せず）から供給される圧縮空気により膨縮
するフラツトホース１１を介挾して布設し、キヤ
リヤ６の上部プレート９を被送物載送レール２の
上面よりも高い位置に出没させることができるよ
うに構成され、また上部プレート９の後端部に
は、該プレート９を前後方向に往復動させるため
の流体圧シリンダー１２（本実施例の場合はクレ
ビス型の油圧シリンダー）が連結してあり、前記
フラツトホース１１の膨縮による上下動と流体圧
シリンダー１２による前後往復動とを組合わせた
ボツクス形の軌跡を持つキヤリヤ６によつて、載
送レール２，２に跨つて１列に載置された多数の
被送物（ケンス）を１ストローク毎に１ピツチづ
つ歩み送り方式で移送するようになつている。

尚、前記実施例に於いて、キヤリヤ６の上部プ
レート９と下部プレート８との間に介在する転子
１０には鋼球が使用されているが、円筒形のロー
ラーを用いてもよく、また、この転子１０は下部
プレート８の側壁１５及び上部プレート９下面の
連結板１４と前後に対向する先後位のガイドボル
ト７，７の頭部とで平面方向の移動領域を規制
し、上部プレート９と下部プレート８との間に
ほゞ均等に分布するように配列されている。

この発明による搬送装置は上記構造を有するの
で、紡績工場などに於いて、被加工品を収容した
円筒形のケンス１３を次の工程へ移送する際に、
その搬送ラインに沿つて本発明の装置を設置し、
ケンス１３を被送物載送レール２，２の後端部上
面に跨つて順次１ストローク毎に１個づつ載置し
ながら装置を駆動すれば、次のような動作でケン
ス１３を載送レール２に沿つて前方へ移送するこ
とができる。

即ち、第５図乃至第９図は本発明装置による１
サイクル毎の移送動作を示したもので、先ず第５
図のように搬送レール２，２の後端部上面に跨つ
てケンス１３が載置されると、キヤリヤ６の下部
プレート８とフレーム１の底壁３間に介挾されて
いるフラツトホース１１の内部に圧縮空気が送り
込まれ、その空気圧によつてフラツトホース１１
が円形に膨張するため、キヤリヤ６全体が第６図
図示の如く上方へ押し上げられ、ケンス１３が載
送レール２，２から離脱した状態でキヤリヤ６の
上部プレート９に載持される。前記の動作によつ
てケンス１３が上方に押し上げられると、次に上
部プレート９の後端部に連結してある流体圧シリ
ンダー１２が動作し、そのピストンロツドで上部
プレート９を所定のピツチだけ第７図図示の如く
前進させる。上部プレート９が所定の位置まで移
動して停止すると、今度はフラツトホース１１内
にある圧縮空気の排除動作が行なわれ、フラツト
ホース１１が元の扁平な状態に戻るため、その場
所でキヤリヤ６全体が第８図図示の如く載送レー
ル２，２よりも低い位置に下降し、ケンス１３が
左右の載送レール２，２上面に跨つて載置され
る。このようにしてケンス１３が所定の位置まで
移送された後、キヤリヤ６の上部プレート９は流
体圧シリンダー１２のピストンロツドにより後退
して第９図図示の如く当初の位置に復帰するた
め、こゝで次のケンス１３を左右の載送レール
２，２上面に跨つて載置し、引続き次の送り動作
を行なえば、第５図から第９図の動作の反復によ
り多数のケンス１３を次々と前方へ移送すること
が出来るので、最先位のケンス１３が装置の前端
部に到達した時に、これを手動もしくはロボツト
による機械操作で搬送路から順次排除していけば
よい。

従つて、この発明の搬送装置を工場の生産ライ
ンや倉庫その他の物流ラインに於いて種々の加工
素材や製品を所定の搬送路（主としてストレート
ライン）に沿つて連続的に移送する際に使用すれ
ば、２本の平行な載送レールに跨つて１列に載置
した多数の被送物を、両レール間の凹部に設けた
特殊なキヤリヤの歩み送り運動により一定のスト
ロークで前方へ移送することができ、またシリン
ダー及びフラツトホースの動作方向を逆向きに調
節すれば、被送物を後方に向かつて移送すること
が可能なので、多数の加工素材を所定の加工機械
に供給し、加工完了後にこれらの加工素材を再び
同一搬送路に沿つて元の位置に帰還させるような
移送方法も採用することができる。

以上のように、本発明の搬送装置は、従来のコ
ンベヤーやシユート及びリフト等と違つて、被送
物を移動するキヤリヤが空気圧によるフラツトホ
ースの膨縮運動により上下に昇降し、キヤリヤの
上部プレートが流体圧シリンダーの作動により下
部プレートとの間に介在する転子を媒体として前
後に移動する仕組になつているので、被送物に悪
影響を与えるような振動や作業騒音が発生しない
ことは勿論、被送物に大きな慣性力が作用しない
ため、その移送動作が非常に円滑で搬送中に被送
物が倒れたり形崩れする恐れがなく、また、被送
物の移送ストロークが常に一定に保持されるた
め、搬送動作が極めて正確で他の供給装置及び排
出装置と同期させることが容易であり、然かも重
量の大きな加工素材や製品でもこれをキヤリヤ上
に多数配列して軽々と順序よく能率的に搬送する
ことができる等の効果を発揮し、さらに装置全体
の構造が著しく簡単で製作費及び据付費が安く、
且つ、保守に手間が掛らないなど数々の優れた利
点を併有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による搬送装置の具体的な実施
構造の一例を示す平面図、第２図はその縦断面
図、第３図は装置の内部構造を示す第１図Ａ−Ａ
線矢視の拡大断面図、第４図は同じく第１図Ｂ−
Ｂ線矢視の拡大断面図、第５図ａ，ｂ、第６図
ａ，ｂ、第７図ａ，ｂ、第８図ａ，ｂ、第９図
ａ，ｂはそれぞれ装置の作動状態を示す要部の側
面図及び断面図である。 １……フレーム、２……被送物載送レール、３
……底壁、４……支持骨、５……脚杆、６……キ
ヤリヤ、７……ガイドボルト、８……下部プレー
ト、９……上部プレート、１０……転子、１１…
…フラツトホース、１２……流体圧シリンダー、
１３……ケンス、１４……連結板、１５……側
壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両側部に被送物載送レールを平行に列設し中
   間部を低く陥没させて樋状の断面形に形成したフ
   レームの底壁に、適数のガイドボルトを適間隔に
   配列して樹立し、このガイドボルトの上部に跨つ
   てキヤリヤの下部プレートを上下滑動可能に架設
   すると共に、前記下部プレートの上部に転子を介
   在させてキヤリヤの上部プレートを前後方向に移
   動可能に載持せしめ、キヤリヤの下部プレートと
   フレームの底壁との間には圧縮空気により膨縮す
   るフラツトホースを介挾して布設し、キヤリヤの
   上部プレートを被送物載送レール面よりも高い位
   置に出没し得るように構成し、キヤリヤの上部プ
   レートの一端部には該プレートを前後方向に往復
   動させる流体圧シリンダーを連結して設けたこと
   を特徴とする搬送装置。 ２ キヤリヤの上部プレートと下部プレートとの
   間に介在する転子が鋼球で形成してある特許請求
   の範囲第１項記載の搬送装置。 ３ キヤリヤの上部プレートと下部プレートとの
   間に介在する転子が下部プレートの側壁及び上部
   プレート下面の連結板と前後に対向するガイドボ
   ルトの頭部とでその移動領域を規制してある特許
   請求の範囲第１項及び第２項記載の搬送装置。