JPS6142483B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は配電盤内の基台上に引出し可能に設
置された電気機器をその運転位置と試験位置との
それぞれで自動的に鎖錠し手動解錠する鎖錠装置
に関する。

この種の装置は鎖錠位置での鎖錠が確実に行な
われるとともに手動解錠操作がやり易く、しかも
鎖錠装置の取付け位置決めが簡単であることが望
まれている。

従来の引出形電気機器と配電盤との間に設けら
れる鎖錠装置としては第１図および第２図に示す
ものが知られている。これは配電盤１の基台２上
に引出し可能に設置された電気機器３を実線で示
す運転位置と、鎖線で示す試験位置とのそれぞれ
で自動的に鎖錠が行なわれ、しかも電気機器３の
操作面下方に設けられた開口部４より手動解錠操
作が可能となる鎖錠装置が設けられている。鎖錠
装置は電気機器３のベース５の下面に取付けられ
た鎖錠金物組体６と基台２上に取付けられた鎖錠
板７とにより構成されている。鎖錠金物組体６は
ベース５とベース５に取付けられた支持金物８と
のそれぞれに穿設された通し孔を介して上、下動
可能に支承された支持金物８の下面より突出する
鎖錠片９と、鎖錠片９を下方に押下げるばね１０
と、鎖錠片９に一体化された操作レバー１１とに
より構成されている。一方鎖錠板７は電気機器３
の引出し方向に沿つて台形状に折曲げ形成され、
その上面になる水平部に電気機器３の運転位置お
よび試験位置のそれぞれで鎖錠片９が嵌入する鎖
錠孔１２，１３が穿設されている。そして鎖錠片
９が鎖錠孔１２に嵌入し電気機器３は運転位置で
自動的に鎖錠された状態になつている。以上の構
成になる鎖錠装置の解錠操作はたとえば図示状態
の運転位置から試験位置への移動の場合には一方
の手で操作レバー１１を引上げ鎖錠片９を鎖錠孔
１２からはずしながら他方の手で電気機器３を引
き出す必要がある。このことは電気機器３の引き
と押しの違いがあるが、試験位置から運転位置へ
の移動に当たつても同様である。したがつて低い
無理な姿勢で一度に両手を使はねばならないこと
になり操作性が極めて悪いという欠点がある。ま
た鎖錠片９が鎖錠孔１２，１３のいずれにも確実
に嵌入させるためには鎖錠板７の軸線と電気機器
３の引出方向の軸線との関係位置を正確にする必
要があることから鎖錠板７の位置決め取付けが面
倒であるという欠点もある。

この発明は上記従来の欠点を除去して手動解錠
の操作性がよく位置決め取付けが簡単な引出形電
気機器の鎖錠装置を提供することを目的とする。

この発明によれば上記目的は基台に沿つて引出
可能に設置された電気機器を運転位置と試験位置
との両位置で鎖錠しかつ操作面の基台近傍から手
動による解錠操作が可能となる装置において、鎖
錠片が植設され前記電気機器の下面に引出し方向
に沿い回動可能に軸支されるとともに一定の回動
方向にばねにより付勢された操作軸と、該操作軸
に対向して前記基台上に取付けられ前記ばねの付
勢力によつて前記鎖錠片が前記両位置間の移動過
程で案内される案内部および両位置で捕捉される
開口部を有する鎖錠溝が設けられた係止部材と、
前記鎖錠溝の開口部のそれぞれに対向して取付け
られ前記開口部との間に前記鎖錠片が通過可能な
間隙を有しかつ前記操作軸側に自由端を有する板
ばねとにより鎖錠装置を構成することにより達せ
られる。

以下この発明の実施例を図面に基づき説明す
る。第３図ないし第６図において図はいずれも配
電盤および引出形電気機器の全体が第１図の従来
例における配電盤１と電気機器３と同様につきこ
れを省略し、第２図に示した鎖錠装置部に該当す
る部分のみが示されている。鎖錠装置は電気機器
のベース５の下面に−線で示す電気機器の引
出し方向の軸線に沿つて取付けられた鎖錠金物組
体２１と、鎖錠金物組体２１に対向して配電盤の
基台２上に取付けられた鎖錠板組体３１とにより
構成されている。鎖錠金物組体２１はベース５の
下面に−線に沿つて取付けられた軸受２２，
２３により回動可能に支承された操作軸２４と、
操作軸２４の中間部に植設された鎖錠片２５と、
操作軸２４の操作面側端部より折曲げ形成された
操作レバー２６と、操作軸２４をＰ矢方向の回動
力を付与する引張りばね２７とにより構成されて
いる。一方鎖錠板組体３１は基台２上に図示され
ていないボルトなどにより操作軸２４に対向して
取付けられ薄板折曲げによる断面Ｚ字状に形成さ
れた係止部材３２と、係止部材３２の水平板３３
に設けられ垂直板３４側に開口し電気機器の運転
位置と試験位置とのそれぞれで鎖錠片２５の端部
を捕捉する鎖錠溝３５，３６と、鎖錠溝３５と３
６との間で水平板３３と垂直板３４との折曲げ個
所に設けられた電気機器の移動時に鎖錠片２５を
案内する案内部３７と、鎖錠溝３５，３６それぞ
れの開口部に対向して垂直板３４に前記操作軸２
４側が自由端として取付けられた断面Ｚ字状にな
る板ばね３８とにより構成されている。

以上の構成になる鎖錠装置の鎖錠動作および解
錠操作につき説明すると第３図は電気機器が運転
位置で自動鎖錠された状態が示されており、この
状態では鎖錠片２５の端部が鎖錠溝３５に捕捉さ
れしかもばね２７のＰ矢方向のばね力により脱出
止めがされている。この状態からの手動解錠は操
作レバー２６をばね２７のばね力に抗してＱ矢方
向に回動する。この回動により鎖錠片２５の端部
は鎖錠溝３５から外れると同時に板ばね３８に当
接し板ばね３８を外方へ押し曲げ始める。さらに
同方向の回動を続けるとついには鎖錠片２５の端
部は板ばね３８の先端から外れて第４図に示す状
態、すなわち鎖錠片２５の端部が板ばね３８の先
端で係止されしかもばね２７のばね力により押圧
された安定状態であり、操作レバー２６から手を
離すことができることになる。第４図の状態から
電気機器をＲ矢で示す試験位置へ移動させると鎖
錠片２５の端部は板ばね３８の先端による係止か
ら解除されると同時に案内部３７により係止され
た第５図に示す移動過程状態になる。そしてこの
状態における鎖錠片２５の端部の垂直板３４の面
からの突出量Ａは垂直板３４の面から板ばね３８
の内側までの寸法Ｂより小さくなるように選ばれ
ている。したがつてさらに電気機器をＲ矢方向に
引き第６図に示す試験位置に達するとばね２７の
ばね力によつて操作軸２４は回動され鎖錠片２５
の端部は試験位置側の鎖錠溝３６に自動的に嵌り
込むすなわち自動鎖錠されることになる。なおこ
のことは第６図から第３図への移動すなわち電気
機器の試験位置から運転位置への移動においても
同様にして行なわれることは勿論のことである。

以上の説明で明らかなようにこの発明によれば
自動鎖錠される運転、試験の各位置に手動解錠操
作を容易にするための鎖錠片の解錠保持機構を設
けたことにより、手動解錠から運転あるいは試験
の各位置への移動が片方の手で可能になり、しか
も鎖錠板組立が一方向が開口された鎖錠溝で構成
されていることから鎖錠板の取付けに当たつて軸
線のずれは或る程度の許されることになる。した
がつて自動鎖錠の確実性が損なわれることなく、
また手動解錠操作もやり易すく取付け位置決めも
容易な鎖錠装置が得られる。

なお以上の実施例では係止部材の薄板の折曲げ
構造を採用したが厚板に一方が開口するＵ字状の
鎖錠溝を設けてもよく、また鎖錠片の解錠保持機
構を板ばねによつたが一時保持するものであれば
その他の手段によつてもよいことは当然のことで
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の引出形電気機器と配電盤との間
に設けられる鎖錠装置の一例を示す側断面図、第
２図は第１図の要部拡大断面図、第３図ないし第
６図はいずれもこの発明の一実施例の引出形電気
機器の鎖錠装置の要部斜視図であり、第３図はそ
の運転位置における鎖錠状態を示す図、第４図は
その手動解錠操作の過程を示す図、第５図はその
移動過程を示す図、第６図はその試験位置で自動
鎖錠された図である。 ２……基台、３……電気機器、４……開口部、
５……ベース、２２，２３……軸受、２４……操
作軸、２５……鎖錠片、２６……操作レバー、２
７……引張りばね、３２……係止部材、３５，３
６……鎖錠溝、３７……案内部、３８……板ば
ね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台に沿つて引出し可能に設置された電気機
   器を運転位置と試験位置との両位置で鎖錠しかつ
   手動により解錠操作される鎖錠装置において、鎖
   錠片が植設され前記電気機器の下面に引出し方向
   に沿い回動可能に軸支されるとともに一定の回動
   方向にばねにより付勢された操作軸と、該操作軸
   に対向して前記基台上に取付けられ前記ばねの付
   勢力によつて前記鎖錠片が前記両位置間の移動過
   程で案内される案内部と前記両位置において前記
   鎖錠片を保持する開口部を有する鎖錠溝が設けら
   れた係止部材および前記鎖錠溝の開口部のそれぞ
   れに対向して取付けられ前記開口部との間に前記
   鎖錠片が通過可能な間隙を有しかつ前記操作軸側
   に自由端を有する板ばねを備えたことを特徴とす
   る引出形電気機器の鎖錠装置。