JPS6141912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はドア枠を開口部に取付けるにあたつて
使用される補強装置に関するものである。

一般に、ドア本体を蝶番を用いてドア枠に取付
ける場合、ドア枠の蝶番取付け部裏面に補強用の
裏板を当接して、ドア枠の変形やドア本体の傾斜
を防止しているのであるが、本考案は更に、この
変形防止や傾斜防止を確実にして強固且つ精度の
高いドア枠を提供することを目的として、その補
強構造に格別の創意工夫を凝らしたものである。

即ち、本考案装置は、建物開口部の内周面にド
ア堅枠固定用金具を固着し、当該金具の建物開口
部内周面への固着部からドア堅枠の裏面に向う突
出部に嵌合部を形成するとともに、ドア堅枠の裏
面に固着された蝶番用裏板に水平状の嵌合用突片
を連設して、ドア堅枠とドア堅枠固定用金具との
連結時に、嵌合用突片を上記嵌合部に挿通嵌合し
て成ることを特徴とするものである。

以下、本考案を図示した実施例に基づいて説明
すれば、図は、古い建物の開口部に取付けられて
いる既設の鉄製枠Ｓを取払うことなく、この鉄製
枠Ｓを被うようにして取付ける改装用のドア枠Ａ
を示すものである。

ドア枠Ａに用いられるドア堅枠１は中空状の押
出形材として成形されるものであり、当該ドア堅
枠１の既設鉄製枠Ｓに対向する面の室外側には、
この鉄製枠Ｓの室外側面イに当接係止する係止部
２が設けられ、この係止部２から室内側に向う側
壁３は、鉄製枠Ｓから離れていくような階段状に
形成され、この側壁３の中程に形成された上記係
止部２と平行な段部４の室内側には、側壁３と鉄
製枠Ｓとの間にはさまれた空間部５が形成され、
当該空間部５は室内側に開口し、上記段部４に挿
通されるボルト６の回転操作、あるいは、溶接固
定の際に用いられるアンカー（図示せず）の取付
けのために利用される。

このようなドア堅枠１へドア本体Ｂに取付けた
蝶番７を固着するにあたつては、ドア堅枠１の中
空部１９内に挿通される裏板Ｃを用いるものであ
るが、この裏板Ｃはドア堅枠１の蝶番取付壁２１
に当接する螺着板部８と、鉄製枠対向側壁３の中
程のボルト挿通用段部４に当接する当接板部９と
から成るＬ状に形成され、この当接板部９の上下
には室内側に向つて水平に突き出る嵌合用突片１
０，１０が連設される。この裏板Ｃの当接板部９
は室内側から操作されるボルト６を螺着するため
に用いられるので、当接板部９には螺着孔１１が
穿設される。

一方、ドア堅枠固定用金具Ｄは、第３図に示さ
れるように、鉄製枠Ｓへの固着部１２の室外端に
鉄製枠Ｓの室外側面イに係止する係止片１３を有
し、略中程にドア堅枠１の側壁３に向つて突き出
た突出部１４を有するものとして形成され、ドア
堅枠１と略同寸のものであるが、この突出部１４
には上記裏板Ｃの嵌合用突片１０，１０が挿通嵌
合する嵌合部１５，１５が切除加工によつて形成
され、又、連結用ボルト６を挿通するための挿通
部１６が適宜間隔をおいて切除加工によつて形成
される。尚、上記嵌合部１５と挿通部１６は、い
ずれもドア枠Ａ取付け時の左右方向の位置調整を
可能にするとともに、建物開口部の大小寸法を吸
収することを考慮して水平方向の長溝として形成
される。

尚、第１図において１７はドア枠Ａの取付け完
了後にドア枠Ａに取付けられる回り縁であり、ド
ア枠Ａと鉄製枠Ｓとの間に生ずる空間部５を隠蔽
し、ドア枠Ａの美観を整えるものである。

又、１８は上記回り縁１７の室内側に取付けら
れた封鎖材であり、回り縁１７と壁面ロとの間に
生ずる空隙を閉鎖するためのものである。

而して、方形枠状に連結されたドア枠Ａを取付
けるにあたつては下記の通りである。

ドア堅枠１は中空状であるので、中空部１９内
に嵌入した裏板Ｃの嵌合用突片１０，１０を、第
４図に示すように、側壁３の中程段部４に形成さ
れた開口部２０から突き出し、各嵌合用突片１
０，１０を鉄製枠Ｓに固着されたドア堅枠固定用
金具Ｄの嵌合部１５，１５に挿通嵌合するととも
に、室内側から中間部５へ挿入したボルト６を突
出部１４の挿通部１６に挿通して、当接板部９の
螺着孔１１に螺着するのであり、他のボルト６は
該当挿通部１６に挿通してドア堅枠１の段部４に
直接螺着するのである。

かくして、ドア堅枠１はドア堅枠固定用金具Ｄ
を介して建物開口部に固定されるのである。

次いで、ドア本体Ｂの蝶番７と裏板Ｃの係止板
部８を蝶番取付壁２１をはさんで連結固定する。

以上のように、蝶番用裏板Ｃはそれ自体従来通
り蝶番７の取付けにあたつてドア堅枠１を補強す
るものであるが、裏板Ｃの嵌合用突片１０，１０
とドア堅枠固定用金具Ｄの嵌合部１５，１５との
相互嵌合関係により、裏板Ｃは鉄製枠（建物開口
部）に固着されたドア堅枠固定用金具Ｄによつて
支持されるので、更に補強されることになり、結
局、ドア堅枠１の変形及びドア本体Ｂの傾斜は一
層確実に防止されるのである。

従つて、本考案はドア枠をより強固に取付け、
気水密性能やドアの開閉に支障のない精度の高い
ドアセツトを提供し得る効果を有するのである。

尚、本考案において、ドア堅枠、蝶番用裏板、
ドア堅枠固定用金具の形状・構造は、図示された
ものに限定されず適宜設計的に変更し得ることは
もちろん、ドア枠の取付けは古い建物の開口部に
限定されることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の使用例を示すドアの横
断面図、第２図は蝶番用裏板の一例を示す斜視
図、第３図はドア堅枠固定用金具の一例を示す部
分斜視図、第４図はドア堅枠の部分斜視図、第５
図はドア堅枠の取付け状態を示す部分図である。 符号、Ａ……ドア枠、Ｃ……蝶番用裏板、Ｄ…
…ドア堅枠固定用金具、１……ドア堅枠、６……
ボルト、７……蝶番、１０……嵌合用突片、１２
……固着部、１４……突出部、１５……嵌合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物開口部の内周面にドア堅枠固定用金具を固
   着し、当該金具の建物開口部内周面への固着部か
   らドア堅枠の裏面に向う突出部に、嵌合部を形成
   するとともに、ドア堅枠の裏面に固着された蝶番
   用裏板に水平状の嵌合用突片を連設して、ドア堅
   枠とドア堅枠固定用金具との連結時に、嵌合用突
   片を上記嵌合部に挿通嵌合して成ることを特徴と
   するドア枠補強装置。