JPS6141111B2 - - Google Patents
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- JPS6141111B2 JPS6141111B2 JP57167128A JP16712882A JPS6141111B2 JP S6141111 B2 JPS6141111 B2 JP S6141111B2 JP 57167128 A JP57167128 A JP 57167128A JP 16712882 A JP16712882 A JP 16712882A JP S6141111 B2 JPS6141111 B2 JP S6141111B2
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Links
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Landscapes
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(a) 発明の技術分野
この発明は、EL表示装置の発光層となるEL薄
膜の形成方法に関し、特に発光中心としてTbF3
のような希土類弗化物を用いたEL薄膜の新しい
形成方法に関するものである。
膜の形成方法に関し、特に発光中心としてTbF3
のような希土類弗化物を用いたEL薄膜の新しい
形成方法に関するものである。
(b) 技術の背景
最近、全固体化表示装置としてEL(エレクト
ロルミネツセンス)薄膜を利用した平板状表示装
置の実用化が広く注目されている。ところが現在
までに開発されたEL表示装置は、主として発光
層にMnドープのZnS薄膜を用いた黄橙色発光型
のものであり、多色表示を達成する観点から、発
光色の異なるEL薄膜の開発が望まれている。
ロルミネツセンス)薄膜を利用した平板状表示装
置の実用化が広く注目されている。ところが現在
までに開発されたEL表示装置は、主として発光
層にMnドープのZnS薄膜を用いた黄橙色発光型
のものであり、多色表示を達成する観点から、発
光色の異なるEL薄膜の開発が望まれている。
(c) 従来技術の問題点
一方、従来から、発光中心として希土類弗化物
を用いれば、種々の発光色の得られることが知ら
れている。しかしながら、希土類弗化物添加の
EL薄膜についてこれまで報告されたデータで
は、いずれも発光の輝度や効率等が不充分で、
ZnS:Mnの特性に匹敵するようなEL薄膜は得難
い状況にある。
を用いれば、種々の発光色の得られることが知ら
れている。しかしながら、希土類弗化物添加の
EL薄膜についてこれまで報告されたデータで
は、いずれも発光の輝度や効率等が不充分で、
ZnS:Mnの特性に匹敵するようなEL薄膜は得難
い状況にある。
因に、ZnSに発光中心としてTbF3を添加した
EL薄膜を用いると緑色発光の得られることが知
られているが、ZnS:Mnの場合と同様の電子ビ
ーム蒸着法で形成したZnS:TbF3膜では、TbF3
がクラスタ状に付着して薄膜中のTbF3濃度が不
均一になる問題がある。また、ZnS:TbF3膜を
高周波スパツタリングの手法で成膜することも一
部試みられているが、得られたEL薄膜の発光特
性は実用性の観点から見て充分とはいい難い。
EL薄膜を用いると緑色発光の得られることが知
られているが、ZnS:Mnの場合と同様の電子ビ
ーム蒸着法で形成したZnS:TbF3膜では、TbF3
がクラスタ状に付着して薄膜中のTbF3濃度が不
均一になる問題がある。また、ZnS:TbF3膜を
高周波スパツタリングの手法で成膜することも一
部試みられているが、得られたEL薄膜の発光特
性は実用性の観点から見て充分とはいい難い。
(d) 発明の目的
この発明は、以上のような従来の状況から、希
土類弗化物を発光中心とするEL薄膜のための新
しい成膜手法を提供し、以てこの種EL薄膜の特
性の改善を目的とするものである。さらに具体的
に述べるとこの発明は、ZnS:TbF3よりなる緑
色発光EL薄膜のような希土類弗化物系EL薄膜の
発光効率と輝度の向上を目的とするものであり、
ひいてはEL表示装置の多色化の要望を満たそう
とするものである。
土類弗化物を発光中心とするEL薄膜のための新
しい成膜手法を提供し、以てこの種EL薄膜の特
性の改善を目的とするものである。さらに具体的
に述べるとこの発明は、ZnS:TbF3よりなる緑
色発光EL薄膜のような希土類弗化物系EL薄膜の
発光効率と輝度の向上を目的とするものであり、
ひいてはEL表示装置の多色化の要望を満たそう
とするものである。
(e) 発明の構成
上記のような目的を達成すべくこの発明による
EL薄膜の形成方法は、要するに、希土類弗化物
を所定量添加した発光母材をターゲツトとしてス
パツタリングによりEL薄膜を形成することと、
該スパツタリングによる膜厚を少なくとも5000Å
以上に成膜すること、および成膜後のEL薄膜を
500℃を越えない範囲で熱処理すること、の3点
を特徴とするものである。
EL薄膜の形成方法は、要するに、希土類弗化物
を所定量添加した発光母材をターゲツトとしてス
パツタリングによりEL薄膜を形成することと、
該スパツタリングによる膜厚を少なくとも5000Å
以上に成膜すること、および成膜後のEL薄膜を
500℃を越えない範囲で熱処理すること、の3点
を特徴とするものである。
(f) 発明の実施例
以下この発明の好ましい実施例につき、図面を
参照してさらに詳細に説明する。
参照してさらに詳細に説明する。
第1図は、この発明を適用して作成したEL表
示装置の1例構造を模式的に示す断面図で、透明
ガラス基板1の上にインジウム酸化物と錫酸化物
の混合蒸着膜(ITO膜)よりなる透明電極2が設
けられ、その上にZnS:TbF3のEL薄膜3とAlの
背面電極4を積層した構造となつている。しかし
てこの第1図の構成自体はDC(直流)発光型EL
素子の代表例として周知のものであり、一般的に
は透明電極2と背面電極4の間にDC電圧源5を
接続することにより、EL薄膜3が発光してガラ
ス基板1側から表示を観察することが可能とな
る。
示装置の1例構造を模式的に示す断面図で、透明
ガラス基板1の上にインジウム酸化物と錫酸化物
の混合蒸着膜(ITO膜)よりなる透明電極2が設
けられ、その上にZnS:TbF3のEL薄膜3とAlの
背面電極4を積層した構造となつている。しかし
てこの第1図の構成自体はDC(直流)発光型EL
素子の代表例として周知のものであり、一般的に
は透明電極2と背面電極4の間にDC電圧源5を
接続することにより、EL薄膜3が発光してガラ
ス基板1側から表示を観察することが可能とな
る。
ここで本発明に従うと、上記EL薄膜3は、高
周波スパツタリング法によつて作られる。すなわ
ち、第2図は高周波スパツタリングの模様を示す
概念図で、ターゲツトホルダ6上の石英シヤーレ
7の中にターゲツト材8が入れてある。ターゲツ
ト材8はこの場合、発光母材としてのZnS粉末に
発光中心となるTbF3粉末を2%前後の割合で添
加した混合粉末の形で準備されており、その直径
は約105mmである。他方背面にヒータ9をそなえ
た基板ホルダ1上に前記ターゲツトと約40mmの間
隔をへだてて対向するよう基板1が設置してあ
る。基板1の表面には事前に透明電極2のような
下地構成要素が形成されている。
周波スパツタリング法によつて作られる。すなわ
ち、第2図は高周波スパツタリングの模様を示す
概念図で、ターゲツトホルダ6上の石英シヤーレ
7の中にターゲツト材8が入れてある。ターゲツ
ト材8はこの場合、発光母材としてのZnS粉末に
発光中心となるTbF3粉末を2%前後の割合で添
加した混合粉末の形で準備されており、その直径
は約105mmである。他方背面にヒータ9をそなえ
た基板ホルダ1上に前記ターゲツトと約40mmの間
隔をへだてて対向するよう基板1が設置してあ
る。基板1の表面には事前に透明電極2のような
下地構成要素が形成されている。
上記のような形態で、最初にスパツタリング装
置のベルジヤ(図示せず)内を真空に排気しつつ
ターゲツト材8を加熱してターゲツト材の脱ガス
処理を行う。その後、1例としてベルジヤ内に
Arガスを2×10-2Torrの圧力になるよう導入
し、基板温度を150℃に設定するとともにスパツ
タリングパワーを100Wに調整してスパツタす
る。このときのスパツタリング速度は、150Å/
minであつた。
置のベルジヤ(図示せず)内を真空に排気しつつ
ターゲツト材8を加熱してターゲツト材の脱ガス
処理を行う。その後、1例としてベルジヤ内に
Arガスを2×10-2Torrの圧力になるよう導入
し、基板温度を150℃に設定するとともにスパツ
タリングパワーを100Wに調整してスパツタす
る。このときのスパツタリング速度は、150Å/
minであつた。
かかるスパツタリング法ではターゲツト表面の
原子が一層ずつスパツタされて基板上に付着する
ので、電子ビーム蒸着法のようにTbF3がクラス
タ状に存在することはなく、ZnS中のTbF3濃度
分布は均一なものとなる。このようにしてZnS:
TbF3の薄膜3を形成後、スパツタリングによる
ダメージを回復して膜の結晶性を改善するための
熱処理を施し、最後にAlの背面電極4を真空蒸
着法で形成して第1図の素子を得る。
原子が一層ずつスパツタされて基板上に付着する
ので、電子ビーム蒸着法のようにTbF3がクラス
タ状に存在することはなく、ZnS中のTbF3濃度
分布は均一なものとなる。このようにしてZnS:
TbF3の薄膜3を形成後、スパツタリングによる
ダメージを回復して膜の結晶性を改善するための
熱処理を施し、最後にAlの背面電極4を真空蒸
着法で形成して第1図の素子を得る。
第3図は上記のようにして作成したEL素子の
発光効率とZnS:TbF3膜3の膜厚との関係を示
す図で、膜厚が5000Å以上のところでは効率はほ
ぼ一定となるが、5000Å以下では効率が急激に低
下して、膜厚依存性が顕著となり、一様で安定し
た特性は得難いものとなる。これは膜厚が5000Å
以下ではZnSの結晶性が悪く、発光中心を励起す
る電子が結晶粒界で遮られて充分に加速されない
ためと考えられる。従つて、0.1lm/W以上の安
定した効率が得られて、しかもできるだけ膜厚の
不均一さに伴う発光特性の不均一さを解消するた
めには、少なくとも5000Å以上の厚みのスパツタ
膜を形成することが必要である。ただし、膜厚が
厚くなるほど動作に必要な電圧も高くなるので、
動作電圧との兼合いから実際上の膜厚は1μm前
後に選ぶのが好ましい。
発光効率とZnS:TbF3膜3の膜厚との関係を示
す図で、膜厚が5000Å以上のところでは効率はほ
ぼ一定となるが、5000Å以下では効率が急激に低
下して、膜厚依存性が顕著となり、一様で安定し
た特性は得難いものとなる。これは膜厚が5000Å
以下ではZnSの結晶性が悪く、発光中心を励起す
る電子が結晶粒界で遮られて充分に加速されない
ためと考えられる。従つて、0.1lm/W以上の安
定した効率が得られて、しかもできるだけ膜厚の
不均一さに伴う発光特性の不均一さを解消するた
めには、少なくとも5000Å以上の厚みのスパツタ
膜を形成することが必要である。ただし、膜厚が
厚くなるほど動作に必要な電圧も高くなるので、
動作電圧との兼合いから実際上の膜厚は1μm前
後に選ぶのが好ましい。
次に第4図は、同じ条件でスパツタリングした
ZnS:TbF3薄膜を真空中で熱処理した時の発光
効率と温度の関係を示す線図である。図から明ら
かなように、480℃で熱処理したものが最大の発
光効率を示し、500℃以上では効率が極端に悪く
なる傾向にある。このように高温処理によつて効
率が低下する現象は、一般的なZnS:Mnの蒸着
膜の熱処理時に見られる現象とは著しく異なつて
いる。すなわちZnS:Mn膜の場合には、発光中
心としてのMnの拡散を足進して濃度分布を均一
にするとともにZnSの結晶性を改善するという観
点から熱処理温度は高いほど良いとされ、通常は
ガラス基板の加熱許容温度から定まる580℃を代
表例として、殆どの場合500℃以上の熱処理を施
すのが普通となつていた。
ZnS:TbF3薄膜を真空中で熱処理した時の発光
効率と温度の関係を示す線図である。図から明ら
かなように、480℃で熱処理したものが最大の発
光効率を示し、500℃以上では効率が極端に悪く
なる傾向にある。このように高温処理によつて効
率が低下する現象は、一般的なZnS:Mnの蒸着
膜の熱処理時に見られる現象とは著しく異なつて
いる。すなわちZnS:Mn膜の場合には、発光中
心としてのMnの拡散を足進して濃度分布を均一
にするとともにZnSの結晶性を改善するという観
点から熱処理温度は高いほど良いとされ、通常は
ガラス基板の加熱許容温度から定まる580℃を代
表例として、殆どの場合500℃以上の熱処理を施
すのが普通となつていた。
しかるにこの発明の対象とするZnS:TbF3膜
の場合、発光中心としてのTbF3はMnのように熱
処理によつて拡散させることができないため、あ
えてスパツタリング法で成膜しているものであ
り、ZnS中のTbF3濃度分布はすでに均一なもの
となつているので、熱処理はもつぱらスパツタリ
ングダメージを回復してEL薄膜の結晶性を改善
するという意味を持つ。従つて結晶性の改善に効
果のある低温域では、処理温度の増大とともに発
光効率が向上するけれども、500℃以上に処理温
度が上昇すると、Mnの場合のような発光中心の
拡散効果による効率の改善は見られず、なんらか
の原因で効率が低下する。従つて、TbF3のよう
な化合物の形の発光中心を添加してスパツタリン
グによつて形成したEL薄膜については、500℃を
越えない範囲で熱処理を施すことが肝要である。
図示した実施例の場合、最も好ましい熱処理温度
は480℃であり、その低温側において結晶性改善
効果を得るためには、成膜時のスパツタリング条
件や処理時間によつても異なるが、少なくとも
350℃以上で処理するのが好ましい。
の場合、発光中心としてのTbF3はMnのように熱
処理によつて拡散させることができないため、あ
えてスパツタリング法で成膜しているものであ
り、ZnS中のTbF3濃度分布はすでに均一なもの
となつているので、熱処理はもつぱらスパツタリ
ングダメージを回復してEL薄膜の結晶性を改善
するという意味を持つ。従つて結晶性の改善に効
果のある低温域では、処理温度の増大とともに発
光効率が向上するけれども、500℃以上に処理温
度が上昇すると、Mnの場合のような発光中心の
拡散効果による効率の改善は見られず、なんらか
の原因で効率が低下する。従つて、TbF3のよう
な化合物の形の発光中心を添加してスパツタリン
グによつて形成したEL薄膜については、500℃を
越えない範囲で熱処理を施すことが肝要である。
図示した実施例の場合、最も好ましい熱処理温度
は480℃であり、その低温側において結晶性改善
効果を得るためには、成膜時のスパツタリング条
件や処理時間によつても異なるが、少なくとも
350℃以上で処理するのが好ましい。
なお、上述のようにZnS:TbF3膜の発光効率
が500℃以上の熱処理で急激に悪化する原因につ
いては、現在のところ詳細な理由は不明である
が、1つには、スパツタ中にZnS膜中に取込まれ
たAr原子が500℃以上の熱処理によつてZnS膜か
ら放出され、その抜穴がZnS中に添加した発光中
心の非輻射再結合中心となるためEL薄膜として
の発光効率が低下するものと考えられる。また別
の観点からは、ZnS中に分子状態で存在すべき発
光中心TbF3のTbとFの結合が500℃以上の熱処
理によつて切断され、F原子が解離して結晶構造
が崩れるため発光効率が低下するということも考
えられる。
が500℃以上の熱処理で急激に悪化する原因につ
いては、現在のところ詳細な理由は不明である
が、1つには、スパツタ中にZnS膜中に取込まれ
たAr原子が500℃以上の熱処理によつてZnS膜か
ら放出され、その抜穴がZnS中に添加した発光中
心の非輻射再結合中心となるためEL薄膜として
の発光効率が低下するものと考えられる。また別
の観点からは、ZnS中に分子状態で存在すべき発
光中心TbF3のTbとFの結合が500℃以上の熱処
理によつて切断され、F原子が解離して結晶構造
が崩れるため発光効率が低下するということも考
えられる。
ところで、以上はZnSを発光母材とし、TbF3
を発光中心としたEL薄膜の実施例について述べ
たのであるが、この発明は、TbF3以外にSmF3
(赤橙),DyF3(黄),ErF3(緑),HoF3(緑),
PrF3(白緑),NdF3(橙),TmF3(青)のよう
な各種の希土類弗化物を発光中心とするEL薄膜
の形成に適用することができ、発光母材としても
ZnSの代りにZnSe又はそれらの混合物を用いるこ
とができる。またこの発明を適用するEL表示装
置としては、第1図に例示したよなDC駆動素子
に限らず、EL薄膜層を絶縁層でサンドイツチ状
に挾んで両側に電極を付けた所謂2重絶縁膜構成
のAC駆動素子も当然対象となる。
を発光中心としたEL薄膜の実施例について述べ
たのであるが、この発明は、TbF3以外にSmF3
(赤橙),DyF3(黄),ErF3(緑),HoF3(緑),
PrF3(白緑),NdF3(橙),TmF3(青)のよう
な各種の希土類弗化物を発光中心とするEL薄膜
の形成に適用することができ、発光母材としても
ZnSの代りにZnSe又はそれらの混合物を用いるこ
とができる。またこの発明を適用するEL表示装
置としては、第1図に例示したよなDC駆動素子
に限らず、EL薄膜層を絶縁層でサンドイツチ状
に挾んで両側に電極を付けた所謂2重絶縁膜構成
のAC駆動素子も当然対象となる。
(g) 発明の効果
以上の説明から明らかなように、要するにこの
発明は、TbF3のような希土類弗化物を発光中心
とするEL薄膜を形成するのに、スパツタリング
法を用いて少なくとも5000Å以上の厚みのEL薄
膜を形成し、これを500℃を越えない範囲で熱処
理することを骨子としたものである。かくするこ
とによりこの発明では、従来この種の希土類弗化
物系EL薄膜で得られていたものより5〜10倍高
い発光効率を得ることができ、これによつて輝度
の向上も達成できるので、ZnS:Mnの黄橙色以
外の発光色のEL表示装置を実現し、EL表示パネ
ルの多色化を図る上できわめて効果大である。
発明は、TbF3のような希土類弗化物を発光中心
とするEL薄膜を形成するのに、スパツタリング
法を用いて少なくとも5000Å以上の厚みのEL薄
膜を形成し、これを500℃を越えない範囲で熱処
理することを骨子としたものである。かくするこ
とによりこの発明では、従来この種の希土類弗化
物系EL薄膜で得られていたものより5〜10倍高
い発光効率を得ることができ、これによつて輝度
の向上も達成できるので、ZnS:Mnの黄橙色以
外の発光色のEL表示装置を実現し、EL表示パネ
ルの多色化を図る上できわめて効果大である。
第1図はこの発明を適用して作成したEL表示
装置の1例構造を模式的に示す断面図、第2図は
この発明に従つてEL薄膜を形成する時のスパツ
タリングの模様を概念的に示す図、第3図はEL
薄膜の発光効率と膜厚の関係を示す線図、第4図
は発光効率と熱処理温度の関係を示す線図であ
る。 図において、1はガラス基板、2は透明電極、
3はEL薄膜、4は背面電極、5はDC電圧源、6
はターゲツトホルダ、7は石英シヤーレ、8はタ
ーゲツト材、9はヒータ、10は基板ホルダであ
る。
装置の1例構造を模式的に示す断面図、第2図は
この発明に従つてEL薄膜を形成する時のスパツ
タリングの模様を概念的に示す図、第3図はEL
薄膜の発光効率と膜厚の関係を示す線図、第4図
は発光効率と熱処理温度の関係を示す線図であ
る。 図において、1はガラス基板、2は透明電極、
3はEL薄膜、4は背面電極、5はDC電圧源、6
はターゲツトホルダ、7は石英シヤーレ、8はタ
ーゲツト材、9はヒータ、10は基板ホルダであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 希土類弗化物を所定量添加した発光母材をタ
ーゲツトとして少なくとも5000Å以上の膜厚にな
るようEL薄膜をスパツタリングにより成膜し、
しかる後該EL薄膜に500℃を越えない範囲で結晶
性改善のための熱処理を施すことを特徴とする
EL薄膜の形成方法。 2 前記ターゲツト材が、所定量のTbF3粉末を
混合したZnS粉末であることを特徴とする特許請
求の範囲第1項に記載したEL薄膜の形成方法。 3 前記EL薄膜に対する熱処理が、350℃〜480
℃の範囲で施されることを特徴とする特許請求の
範囲第1項または第2項に記載したEL薄膜の形
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57167128A JPS5956390A (ja) | 1982-09-24 | 1982-09-24 | El薄膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57167128A JPS5956390A (ja) | 1982-09-24 | 1982-09-24 | El薄膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5956390A JPS5956390A (ja) | 1984-03-31 |
JPS6141111B2 true JPS6141111B2 (ja) | 1986-09-12 |
Family
ID=15843949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57167128A Granted JPS5956390A (ja) | 1982-09-24 | 1982-09-24 | El薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5956390A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62149866A (ja) * | 1985-12-23 | 1987-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スパツタ用タ−ゲツト |
-
1982
- 1982-09-24 JP JP57167128A patent/JPS5956390A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5956390A (ja) | 1984-03-31 |
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