JPS6140989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は変速操作装置のミスシフト防止機構、
詳しくはシフト方向及びセレクト方向に動作する
ホークシフトレバーと該レバーを支持するコント
ロール軸とを備え、１つの前進段と後進段とが同
一シフト操作線上に配置された変速操作装置のミ
スシフト防止機構としては、例えば実公昭57−
39661号公報に示されている如く、前記コントロ
ール軸に、前記ホークシフトレバー側に向けた扇
形の溝を有するカム体を所定範囲内で軸方向及び
周方向に変位可能に支持して、スプリングにより
ホークシフトレバー側に付勢させると同時に、該
シフトレバーの後進段への回動方向とは反対方向
に回動付勢させる一方、前記ホークシフトレバー
に、該シフトレバーが所定の前進段にシフト動作
した時にのみ前記カム体の溝に係合する突起を設
けたものが開発されている。

ところで以上の構造のものでは前記カム体の周
方向の回動を所定範囲内に規制する手段として前
記カム体に長孔を形成するとともに、ミツシヨン
ケースに前記長孔に挿嵌するピンを別途組付けて
いるので、組付けに手間を要するし、又前記溝造
のものは前記ホークシフトレバーのセレクト動作
のストローク量を規制する手段がないので、ミス
シフト防止機構の作動が不安定になる虞れがあつ
た。

本考案はこのような実情に鑑みて考案したもの
で、目的とするところは大きな配設スペースを必
要としないコンパクトな構造でしかも安定した作
動が期待できるミスシフト防止機構を提供せんと
するにある。

以下本考案を図面に示す実施例に基づいて説明
する。

図において１はトランスミツシヨンケース２内
に回動自由に支持し、変速レバー（図示せず）の
シフト操作によりシフトアーム１１を介して回動
する如く設けたコントロール軸、１３はこのコン
トロール軸１にスプライン嵌合により軸方向のみ
移動可能に支持したホークシフトレバーであつ
て、このホークシフトレバー３は、変速レバー
（図示せず）のセレクト操作により、セレクトア
ーム３０ａ及びこのセレクトアーム３０ａと連動
するセレクトヨーク３０ｂを介して軸方向に移動
すべく成す一方、変速レバーのシフト操作により
前記シフトアーム１１及びコントロール軸１を介
して揺動すべく成している。

又２１は１，２速用のシフトフオークシヤフ
ト、２２は３，４速用のシフトフオークシヤフ
ト、２３は５速及び後進速用のシフトフオークシ
ヤフトであつて、これら各シヤフト２１，２２，
２３を前記トランスミツシヨンケース２に摺動可
能に支持する一方、これら各シヤフト２１，２
２，２３に固定したシフトヘツド２１ａ，２２
ａ，２３ａには、前記ホークシフトレバー３の遊
端部が嵌合する嵌合溝２１ｂ，２２ｂ，２３ｂを
設けている。

而して以上の構成からなる変速操作装置は、変
速レバーのセレクト操作に伴なう前記ホークシフ
トレバー３の軸方向移動により該ホークシフトレ
バー３の遊端部が所定の嵌合溝に嵌合し、かつ変
速レバーのシフト操作に伴なう前記ホークシフト
レバーの揺動により、選択したシフトフオークが
摺動して所望変速段に切換えられるのである。

即ち、第８図のシフトパターンに示す如く、変
速レバーのN₀位置からN₁位置へのセレクト操作
に伴ない、前記フオークシフトレバー３は、前記
セレクトアーム３０ａ乃至セレクトヨーク３０ｂ
を介して第１図右方向に移動し、その遊端部が
１，２速用シフトフオークシヤフト２１における
シフトヘツド２１ａの嵌合溝２１ｂに嵌合する。

そしてこの位置から変速レバーのF₁位置への
シフト操作に伴ない、前記フオークシフトレバー
３はコントロール軸１を介して第２図反時計回転
方向に揺動して前記１，２速用シフトフオークシ
ヤフト２１を軸方向に摺動させ、これにより第１
速が得られ、又変速レバーのF₂位置へのシフト
操作に伴ない前記フオークシフトレバー３は、第
２図時計回転方向に揺動して１，２速用シフトフ
オークシヤフト２１を軸方向に摺動させ、これに
より第２速が得られる。

次に変速レバーのN₀位置からF₃位置へのシフ
ト操作に伴ない、フオークシフトレバー３は第１
図に示す位置で第２図反時計回転方向に揺動して
３，４速用シフトフオークシヤフト２２を軸方向
に摺動させ、これにより第３速が得られ、又F₄
位置へのシフト操作に伴ない、フオークシフトレ
バー３は第１図に示す位置で第２図時計回転方向
に揺動して３，４速用シフトフオークシヤフト２
２を軸方向に摺動させ、これにより第４速が得ら
れる。

一方、変速レバーのN₀位置からN₂位置へのセ
レクト操作に伴ない、前記フオークシフトレバー
３は、セレクトアーム３０ａ及びセレクトヨーク
３０ｂを介して第１図左方向に移動し、その遊端
部が５速後進速用シフトフオークシヤフト２３に
おけるシフトヘツド２３ａの嵌合溝２３ｂに嵌合
する。

そしてこの位置から変速レバーのF₅位置への
シフト操作に伴ない、フオークシフトレバー３は
第２図反時計回転方向に揺動して５速、後進速用
シフトフオークシヤフト２３を軸方向に摺動さ
せ、これにより第５速が得られ、又Ｒ位置へのシ
フト操作に伴ない、フオークシフトレバー３は第
２図時計回転方向に揺動して５速、後進速用シフ
トフオークシヤフト２３を軸方向に摺動させ、こ
れにより後進速が得られる。

而して本考案は以上の如く構成した変速操作装
置において、前記コントロール軸１に、変速レバ
ーのN₂位置へのセレクト操作時に前記ホークシ
フトレバー３の第１図左方向への移動ストローク
を所定値に規制するためのスペーサー４を固定す
るのである。

このスペーサー４は小径筒部４１と、後記する
リターンスプリング４０の収納部４２ａを備えた
大径筒部４２とからなり、この大径筒部４２の開
口部側端面で前記ホークシフトレバー３を受止め
るようにしている。

又前記大径筒部４２の収納部４２ａとホークシ
フトレバー３との間に、リターンスプリング４０
を介装し、変速レバーのN₀位置からN₂位置への
セレクト操作に伴ない前記リターンスプリング４
０を圧縮し、且つ変速レバーのN₂位置からN₀位
置へのセレクト操作時、該リターンスプリング４
０の弾発力により前記ホークシフトレバー３を第
１図右方向に移動させる如くしている。

一方、前記スペーサー４には、変速レバーの
F₅位置からN₂位置へのシフト操作時に、前記ホ
ークシフトレバー３のN₂位置（第６図に示す位
置）から後進段位置（第７図に示す位置）への動
作を制限するレストリクトレバー５を所定範囲内
摺動並びに揺動自由に枢支するとともに、前記ス
ペーサー４の小径筒部４１に遊挿したコイルスプ
リング５０の一端をトランスミツシヨンケース２
に、他端を前記レストリクトレバー５にそれぞれ
係止することで、該レストリクトレバー５を、ホ
ークシフトレバー３側（第１図右方向）に常時摺
動付勢させると同時に第２図反時計回転方向に常
時揺動付勢させている。

又前記ホークシフトレバー３の前記レストリク
トレバー５との対向壁には、該レストリクトレバ
ー５に設けた突起５１を押圧する押圧面３１と該
突起５１が係合する係合溝３２とを設け、前記ホ
ークシフトレバー３のN₀位置（第１図に示す位
置）からN₂位置（第３図に示す位置）へのセレ
クト動作時、前記押圧面３１を介してレストリク
トレバー５を第１図左方向に摺動させる如く成す
一方、ホークシフトレバー３のN₂位置からF₅位
置（第４図に示す位置）へのシフト動作時、前記
押圧面３１の突起５１との当接を解除して該突起
５１を前記係合溝３２内に突入させる如く成して
いる。

又前記トランスミツシヨンケース２の内側壁
に、前記レストリクトレバー５の第２図反時計回
転方向への揺動を規制する第１ストツパー面２４
と該レストリクトレバー５の第２図時計回転方向
への揺動を規制する第２ストツパー面２５とを設
け、前記レストリクトレバー５の揺動範囲を所定
範囲に、詳しくは前記ホークシフトレバー３の
N₂位置へのセレクト動作時、前記押圧面３１と
突起５１とがオーバラツプしているラツプ代Ｓに
見合う範囲に規制するごとく成している。

尚、図中５２は、前記レストリクトレバー５に
設けた抜け止め防止用フランジである。

本考案ミスシフト防止装置は以上の如く構成す
るのであつて、第１図及び第２図は変速レバーが
N₀位置に位置する状態を示している。

而してこの位置から変速レバーをN₂位置にセ
レクト操作すると、ホークシフトレバー３はセレ
クトアーム３０ａ乃至セレクトヨーク３０ｂを介
して第１図左方向に移動し、その遊端部が５速、
後進速用シフトフオークシヤフト２３におけるシ
フトヘツド２３ａの嵌合溝２３ｂに嵌合した位置
で前記スペーサー４によりそれ以上の移動が規制
されるのであつて、又前記ホークシフトレバー３
の第１図左方向への移動に伴ない、該ホークシフ
トレバー３の押圧面３１が前記レストリクトレバ
ー５の突起５１を押圧するので、該レストリクト
レバー５はコイルスプリング５０に抗して第３図
に示す如く前記スペーサー４上を左方向に摺動す
る。

斯かる状態から変速レバーを更にF₅位置にシ
フト操作すると、前記ホークシフトレバー３はシ
フトアーム１１乃至コントロール軸１を介して第
２図反時計回転方向に所定ストローク揺動し、第
４図に示す如く前記押圧面３１と突起５１との軸
方向のオーバラツプが解消されるので、前記レス
トリクトレバー５はコイルスプリング５０の反発
力で第５図に示す如く元位置に復帰し、前記突起
５１が係合溝３２内に突入する。

以上の如く変速レバーをF₅位置にシフト操作
した後、F₁〜F₄位置にシフトダウンする場合、
若しくはN₀位置に復帰操作する場合、変速レバ
ーのF₅位置からN₂位置へのシフト操作に伴な
い、前記ホークシフトレバーは第４図に示す位置
から第４図時計回転方向に揺動するが、この時前
記レストリクトレバー５の突起５１が前記係合溝
３２の内側面に係合するので、前記レストリクト
レバー５もコイルスプリング５０に抗しながら第
４図時計回転方向に揺動しようとする。

ところが前記レストリクトレバー５は、所定範
囲、具体的にはレストリクトレバー３のN₂位置
へのセレクト動作時においてはオーバラツプする
押圧面３１と突起５１とのラツプ代Ｓに見合う範
囲しか揺動しないので、前記ホークシフトレバー
３は第６図に示すN₂位置からそれ以上第６図時
計回転方向に揺動することが出来ず、従つて変速
レバーのF₅位置からN₀位置への切換えは出来て
もＲ位置へのオーバシフトは確実に阻止される。

一方、前記した如く変速レバーをN₀位置から
N₂位置にセレクト操作した後、Ｒ位置にシフト
操作した場合には、前記ホークシフトレバー３は
第２図に示す状態から第２図時計回転方向に揺動
し、前記押圧面３１による突起５１の押圧状態が
維持されているので、変速レバーのＲ位置から例
えばN₀位置への復帰操作時、前記レストリクト
レバー５によつて前記ホークシフトレバー３の第
７図位置から反時計回転方向の揺動が阻止される
ことはない。

従つて全体としてシフトレバーのN₀位置から
N₂位置へのセレクト操作乃至N₂位置からF₅位置
若しくはＲ位置へのシフト操作を適確に行なうこ
とが出来ながら、F₅位置からN₀位置へ復帰操作
時におけるＲ位置へのオーバシフトを確実に防止
することが出来る。

尚、変速レバーのN₂位置からN₀位置へのセレ
クト時、前記ホークシフトレバー３の第３図位置
から右方向への移動は、リターンスプリング４０
により行なわれる。

以上の如く本考案によれば、１つの前進段と後
進段とが同一シフト操作線上に配置されている変
速操作装置において、変速レバーによる前記前進
段変速位置から例えば中立位置への復帰操作時誤
つて後進段変速位置にオーバシフトされる虞れが
全くないのは勿論のこと、ホークシフトレバーを
支持するコントロール軸に、ミスシフト防止機構
を構成するスペーサー及びレストリクトレバーを
組付けているので、組付スペースが小さくてよ
く、装置全体をコンパクトに出来るし、しかも、
前記レストリクトレバーの揺動を規制するストツ
パー面をミツシヨンケースに直接形成しているの
で、従来の如くストツパー部材を別途組付ける必
要がない。

又コントロール軸に組付けた前記スペーサーに
よりホークシフトレバーの所定方向へのセレクト
動作を規制するようにしているので、ホークシフ
トレバーの安定した作動が期待出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の第１実施例を示し、第１図はそ
の断面図、第２図は第１図−線断面図、第３
図乃至第４図は本考案ミスシフト防止機構の作動
説明図であつて、第３図は変速レバーをN₂位置
にセレクト操作した状態、第４図及び第５図は変
速レバーをF₅位置にシフト操作した状態、第６
図は変速レバーをF₅位置からN₂位置にシフト操
作した状態、第７図は変速レバーをＲ位置にシフ
ト操作した状態を示す。又第８図は変速レバーの
シフトパターン図である。 １……コントロール軸、２……トランスミツシ
ヨンケース、３……ホークシフトレバー、４……
スペーサー、５……レストリクトレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフト方向及びセレクト方向に動作するホーク
   シフトレバーと、該レバーを支持するコントロー
   ル軸とを備え、１つの前進段と後進段とが同一シ
   フト操作線上に配置された変速操作装置のミスシ
   フト防止機構であつて、前記コントロール軸に前
   記ホークシフトレバーの１つの前進段と後進段へ
   のセレクト動作を規制するスペーサーを設けて、
   該スペーサーに前記ホークシフトレバーの後進段
   への動作を制限するレストリクトレバーを摺動並
   びに揺動自在に設けると共に、トランスミツシヨ
   ンケースに、前記レストリクトレバーのシフト方
   向への揺動を規制するストツパー面を設けたこと
   を特徴とする変速操作装置のミスシフト防止機
   構。