JPS6140889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイーゼルエンジンの排気パテイキユ
レート浄化装置、特にその再生時期を制御すべく
排気ガス径路内に接続された背圧検出用ポートを
通じて排気ガスを背圧センサへ導くことにより排
気ガスの背圧を検出する装置に関する。

デイーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるカ
ーボン粒子及びそれと同様な粒状物（以下、パテ
イキユレートという）を物理的方法によつて適切
な捕集材トラツパに捕集し、捕集されたパテイキ
ユレートを周期的に焼却し、トラツパを再生する
に適した排気微粒子浄化装置は従来から知られて
いる。

この種のパテイキユレートはカーボン粒子のよ
うに可撚性のものがほとんどで、このような可撚
性のパテイキユレートを捕集し、捕集されたパテ
イキユレートを焼却して捕集材トラツパを再生す
るには、次のような方法が考えられる。

(1) デイーゼルエンジンの吸気系を絞り、吸入空
気量を減じて排気ガスの温度を上昇させ、パテ
イキユレートを燃焼させる方法。

(2) デイーゼルエンジンの排気系にオイルバーナ
を設け、排気ガスの温度をパテイキユレートが
燃焼する温度まで上昇させて焼却する方法。

(3) 電気ヒータを捕集材の前面に取り付け、捕集
材トラツパの表面に付着したパテイキユレート
を燃焼させ、それを熱源として下流のパテイキ
ユレートを自然させる方法。

(4) デイーゼルエンジンの排気系を絞り、かつ燃
料噴射量を増量して、排気ガスの温度を上昇さ
せ、パテイキユレートを燃焼させる方法。

(5) 上記に述べた方法を適切に組み合わせること
により、パテイキユレートの燃焼を行なう方
法。

本考案の背圧検出装置は、再生手段として上記
(1)〜(5)のいずれの方式においても適用できるもの
である。これらの再生手段において、再生開始時
期を如何に設定するかは重要な問題である。

トラツパの再生時期を検出する方式として、排
気ガスの背圧を例えば半導体歪ゲージ等で検出
し、背圧が一定値を越えた時点を再生時期とする
方式がある。即ち、トラツパに蓄積されているパ
テイキユレートの量が多くなると、排気抵抗が大
きくなり、排気ガスの背圧が高くなるからであ
る。しかし、一般的な背圧センサの場合、排気ガ
ス径路に接続された背圧検出用ポートを通じて排
気ガスに背圧センサに導いているので、長期間の
使用後にはパテイキユレートのデポジツトがポー
ト内壁面に付着し、その量が多くなると終にはポ
ート内部がパテイキユレートで詰まつてしまい、
背圧センサには正確な排気ガス圧力が伝わらなく
なり、信頼性が著しく悪化するという問題があつ
た。

本考案の目的は、デイーゼルエンジンの背圧検
出装置において、背圧検出ポートへの排気パテイ
キユレートのデポジツトの付着を防止し、もつて
背圧センサの性能を長期間にわたつて良好に維持
し、それによりトラツパの再生時期を適切に制御
できるようにすることである。

この目的を実現するために、本考案では、デイ
ーゼルエンジンの排気ガス径路に接続された背圧
検出ポートを通じて前記排気ガス通路から背圧セ
ンサへ排気ガスを導き、該排気ガスの背圧を検出
するものにおいて、前記背圧検出ポートには所定
の背圧検出時以外はポートから排気ガス通路内に
向つて空気を流し続け、その空気流によつてポー
トへのパテイキユレートのデポジツトの付着を防
止せんとするものである。

以下、添付図面を参照し本考案の実施例につい
て詳細に説明する。

第１図は、トラツパ容器及び背圧検出装置の断
面図である。デイーゼルエンジンの排気系におい
て、排気マニホルド（図示せず）の下流の排気管
路１０にトラツプ容器１が設けてあり、このトラ
ツプ容器１の内部には捕集材（トラツプ材）２が
ある。このトラツプ材２としては、公知の発泡セ
ラミツクおよびこれに類似する材料を用いること
ができる。即ち、トラツプ材は三次元の網目構造
で、その内部を排気ガス（白ぬき矢印）が流通可
能でありかつ排気ガスに含まれているパテイキユ
レートをその網目間に捕集することができるよう
になつている。

トラツプ容器１内のトラツプ材２のすぐ上流部
には、排気ガス径路（トラツプ容器）に接続開放
された背圧ポート３があり、この背圧ポート３は
ゴムホース４を通じて背圧センサ５に接続されて
いる。この背圧センサ５は、例えば公知の半導体
歪ゲージ等から成り、圧力変化に応じて電気抵抗
値が変化する形式のものである。図において、デ
イーゼルエンジンの排気ガスが矢印Ｐ方向に排出
されると、排気ガスに含まれるパテイキユレート
がトラツプ材２に捕集・蓄積され、それに応じて
トラツプ材２上流の背圧が上昇する。その背圧は
ポート３、ホース４を通じて背圧センサ５に伝わ
るので、適切なトラツパの再生時期に対応する圧
力を受けた時の背圧センサ５の電気抵抗値を予め
実験等で求めておく。そして、そのセンサ５の信
号S₂をコンピユータCPU１１に入力し、再生の
必要な時期に再生装置（例えば、吸気絞り、電気
ヒータ、排気絞り、燃料増量装置等）に再生信号
S₁を送りこれを作動させ、トラツパのパテイキユ
レートを焼却するのである。

本考案によれば背圧ポート３と背圧センサ５と
を結ぶ圧力管路内に圧力切替弁（VSV）７が設
けられる。VSV（パキユームスイツチングパル
ス）７は背圧ポート３に連結される第１ポート７
ａ、背圧センサ５に接続される第２ポート７ｂ、
及びエアポンプ９に連結される第３ポート７ｃを
有し、通常は第１ポート７ａと第３ポート７ｃと
が連通している（第１位置）。その結果背圧ポー
ト３には排気管１０側に向つて常にエアポンプ９
から空気が供給され続ける。従つてこの空気流に
より排気ガスのパテイキユレートのデポジツトが
背圧ポート３に付着するのを防止することができ
る。エアポンプ９は例えばエンジンにより駆動さ
れるタイプのものでよい。

切替弁ではCPU１１からの作動信号S₂に基づ
き切替られ第１ポート７ａと第２ポート７ｂとが
連通する第２の位置をとる。この第２位置におい
てはポンプ９からの空気は遮断され、背圧ポート
３からの排気ガスの背圧は背圧センサ５に送られ
るので、トラツプの再生時期か否かを適切に判断
することができる。

尚、CPU１１には公知の如くトラツプの再生
時期を判断するための種々のフアクタ、例えばエ
ンジン回転数積算量、エンジン水温、排気ガス温
度の信号Ｓが入力されそれに基づき再生時期を適
切に判断し再生装置（図示せず）に再生信号S₁を
送る。従つてVSV７への切替作動信号S₂は例え
ばエンジン回転数積算量あるいは走行距離が所定
値を越えたときのみ出力するようにすればよい。

以上に記載した如く本考案によれば背圧ポート
には背圧検出時を除き常に空気を排気管側に向つ
て逆流させておくことにより背圧ポートへのパテ
イキユレートのデポジツトの付着を有効に防止す
ると共に排気ガスが背圧センサに流れ込むのを防
止し、こうして背圧ポートへのパテイキユレート
デポジツトの付着を防止すると共に背圧センサの
寿命を増大せしめ、それにより長期間にわたつて
排気ガス背圧の適正な検出を可能ならしめ、もつ
てトラツパの再生時期を適切に定めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る排気パテイキユレート浄化
装置の全体システムを示す図解図。 １……トラツプ容器、２……トラツプ材、３…
…背圧検出用ポート、５……背圧センサ、７……
切替弁、９……エアポンプ、１０……排気管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイーゼルエンジンの排気ガス径路内に設けた
   パテイキユレートトラツプの再生時期を該排気ガ
   ス径路内に臨ませた背圧ポートからの背圧信号を
   を検出する背圧センサにより制御するデイーゼル
   エンジンの排気パテイキユレート浄化装置におい
   て、上記背圧センサと背圧ポートとを結ぶ圧力管
   路中にエアポンプに連結される圧力切替弁を設
   け、該切替弁はエアポンプからのエアを背圧ポー
   トに流出せしめる第１の位置とエアポンプからの
   エアを遮断し背圧ポートからの背圧を背圧センサ
   に伝達せしめる第２の位置とを選択的にとること
   を特徴とするデイーゼルエンジンの排気パテイキ
   ユレート浄化装置。