JPS6140170B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はモールデイングの製造方法、特にイ
ンサートモールデイングによりエンドキヤツプを
形成するモールデイングの製造方法に関するもの
である。

自動車用のボデーサイドモールデイング、バン
パーモールデイング等のモールデイングとして、
合成樹脂の押出成形品からなる長尺状のモールデ
イング本体の両端末部に、インサートモールデイ
ングによりエンドキヤツプを形成したモールデイ
ングが使用されている。このインサートモールデ
イングは、雄型と雌型とで形成されるキヤビテイ
空間に長尺状のモールデイング本体の端末部を挿
入した状態で、樹脂を射出してエンドキヤツプを
形成する方法である。

ところで、このようなインサートモールデイン
グでは、モールデイング本体をキヤビテイ空間に
挿入する際、位置決め用のピンにより位置決めし
て樹脂を射出しているため、形成されたエンドキ
ヤツプに、ピンによつて形成された穴が残り、目
視可能な状態となる。前記ボデーサイドモールデ
イング、バンパーモールデイングのように、裏側
をボデーの取付面に貼付けるタイプのモールデイ
ングの場合には、裏面に穴があいても問題はない
が、フードモールデイング、トランクリツドモー
ルデイングのように、エンドキヤツプが全面にわ
たつて目視されるタイプのモールデイングの場合
には、表面に穴が出ると著しく外観を害するとい
う問題点があつた。

この発明は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、位置決めピンを型締めしたと
きに後退させることにより、上記問題点を解決す
ることを目的としている。

この発明は射出成形型内に形成されるキヤビテ
イ空間に長尺のモールデイング本体の端部を挿入
し、前記キヤビテイ空間内に樹脂を射出してエン
ドキヤツプを形成するモールデイングの製造方法
において、型開きしたときに前記キヤビテイ空間
内に突出するピンを型締めに連動してスライドす
るスライドベースに設け、このピンに前記モール
デイング本体の長手方向先端を当接させて位置決
めし、型締めによりモールデイング本体を挟持す
るとともに、前記ピンの先端を型の壁面まで後退
させ、ピンをロツクした状態でキヤビテイ空間内
に樹脂を射出することを特徴とするモールデイン
グの製造方法である。

以下、この発明を図面に基づいて説明する。第
１図ないし第３図および第５図はそれぞれ本発明
をフードモールデイングに適用した実施例の各工
程における型の状態を示す垂直断面図、第４図は
第３図の−断面図、第６図は成形されたモー
ルデイングを示す一部の斜視図である。

図面において、１はモールデイング本体、２は
エンドキヤツプ、３はキヤビテイ型、４はコア
型、５はスライドコア型である。モールデイング
本体１は金属プロフアイル等の芯材１ａに、押出
成形により樹脂層１ｂを形成した押出成形品を所
定の長さに切断した長尺状の部材であり、その両
端末部にエンドキヤツプ２が形成されてモールデ
イングが完成する。

キヤビテイ型３およびスライドコア型５は上下
し、型締めされたときにコア型４との間にキヤビ
テイ空間６を形成するように型彫込み面が形成さ
れている。スライドコア型５はプラテン７上にコ
ンプレツシヨンスプリング８によつて支持されて
いる。またプラテン７にはコンプレツシヨンスプ
リング９によつてスライドベース１０が支持され
ており、ガイドピン１１がガイドされて上下でき
るようになつている。スライドベース１０にはロ
ツド１２、ピン１３が設けられており、キヤビテ
イ型３が下降するときにロツド１２を押下げてス
ライドベース１０をプラテン７に接するまで下降
させ、これによりコア型４を貫通してキヤビテイ
空間６に突出しているピン１３をコア型４の壁面
まで後退させ、この状態でロツクピン１４により
スライドベース１０をロツクするようになつてい
る。

製造方法は、まず第１図のように型開きすると
スライドコア型５およびスライドベース１０が上
昇してピン１３がコア型４から突出するので、ス
ライドベース１０にモールデイング本体１を取付
け、その端末をピン１３に当接して位置決めす
る。次いで第２図のように、キヤビテイ型３を下
降させると、キヤビテイ型３がロツド１２に当接
してスライドベース１０を押下げ、これによりピ
ン１３も後退する。

完全に型締めを行うと、第３図および第４図に
示すように、モールデイング本体１はキヤビテイ
空間６に挿入された状態でキヤビテイ型３、コア
型４およびスライドコア型５によつて挾持され、
ピン１３はコア型４の壁面まで後退する。この状
態でランナー１５およびゲート１６を通して樹脂
を射出すると、モールデイング本体１の端末にエ
ンドキヤツプ２が形成される。射出する樹脂とし
てはモールデイング本体１の樹脂層１ｂと相溶性
のある樹脂、特に同じ樹脂であることが望まし
い。モールデイング本体１およびスライドコア型
５の形状によつてはすき間１７が生じる場合があ
るが、この場合でも多量の樹脂を射出すると、外
に漏出した樹脂が冷却固化されて、すき間１７を
塞ぎ、樹脂をキヤビテイ空間６に充満させること
ができる。

射出した樹脂が固化したのち型開きを行うと、
第５図のようにスライドコア型５が上昇するの
で、モールデイング本体１をスライドコア型５か
ら取出すと、第６図に示すモールデイングを得る
ことができる。製品取出後ロツクピン１４をはず
すと、第１図の状態に戻り、再び同じ操作をくり
返えす。

なお上記実施例ではピン１３はスライドベース
１０により前進、後退させるようにしたが、スラ
イドベース１０から分離し、別の機構により前
進、後退させてもよい。またピン１３の形状は丸
棒状に限らず、角棒状、プレート状、その他の形
状のものが使用できる。またモールデイング本体
の形状によつてはスライドコア型５も省略するこ
とができる。さらに本発明はフードモールデイン
グに限らず、トランクリツドモールデイング、そ
の他の自動車用モールデイング、ならびに他の用
途のモールデイングの製造にも同様に適用可能で
ある。

以上説明してきたように、この発明によれば、
その構成を、型開きしたときにキヤビテイ空間内
に突出するピンを設け、このピンの端部にモール
デイング本体を当接させて位置決めし、型締めし
てモールデイングが本体を挾持するとともに、ピ
ンを型の壁面まで後退させた状態で樹脂を射出し
てエンドキヤツプを形成するようにしたため、モ
ールデイング本体を正確に位置決めして、エンド
キヤツプの表面に、ピンによる穴を形成すること
なく成形を行うことができ、外観上優れたモール
デイングを得ることができる。

またピンをスライドベースにより前進、後退さ
せたので型締めとともにピンを後退させることが
できる。さらにモールデイング本体をスライドコ
アに取付けて型締めするようにすると、モールデ
イング本体の着脱、位置決めが容易になる。また
ピンの後退位置において、ピンをロツクすると、
製品の取出が容易になるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図および第５図はそれぞれ本
発明をフードモールデイングに適用した実施例の
各工程における型の状態を示す垂直断面図、第４
図は第３図の−断面図、第６図は成形された
モールデイングを示す一部の斜視図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、１はモールデイング本体、２はエンドキヤツ
プ、３はキヤビテイ型、４はコア型、５はスライ
ドコア型、６はキヤビテイ空間、７はプラテン、
８，９はコンプレツシヨンスプリング、１０はス
ライドベース、１１はガイドピン、１２はロツ
ド、１３はピン、１４はロツクピンである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 射出成形型内に形成されるキヤビテイ空間に
   長尺のモールデイング本体の端部を挿入し、前記
   キヤビテイ空間内に樹脂を射出してエンドキヤツ
   プを形成するモールデイングの製造方法におい
   て、型開きしたときに前記キヤビテイ空間内に突
   出するピンを型締めに連動してスライドするスラ
   イドベースに設け、このピンに前記モールデイン
   グ本体の長手方向先端を当接させて位置決めし、
   型締めによりモールデイング本体を挟持するとと
   もに、前記ピンの先端を型の壁面まで後退させ、
   ピンをロツクした状態でキヤビテイ空間内に樹脂
   を射出することを特徴とするモールデイングの製
   造方法。 ２ モールデイング本体をスライドコアに取付
   け、型締めとともにキヤビテイ空間内に挿入する
   ようにした特許請求の範囲第１項記載のモールデ
   イングの製造方法。