JPS6139005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は便器洗浄用タンク装置に係り、詳しく
はフロート弁の閉止を確実なものとし、漏水のお
それを解消するようにした便器洗浄用タンク装置
に関する。

従来の技術 便器洗浄用タンク装置においては、タンク底部
に流出口が設けられ、この流出口にフロート弁座
が装着（取り付け固定）されている。このフロー
ト弁座は、良く知られているように略筒形であつ
て、上下方向に弁孔が延在するものである。そし
て、フロート弁座の上端側が喇叺形に拡径して、
その内周面に接離するようにフロート弁体が設置
されている。なお、フロート弁座にはオーバーフ
ロー管が連設されており、タンク内の水を該管の
上端開口からオーバーフローさせて便器へ流下さ
せるようになつている。

周知の通り、タンク側面にはフロート弁体を持
ち上げるためのハンドルが取り付けられており、
このハンドルとフロート弁体とは鎖によつて連結
されている。そして、このハンドルを回すと、フ
ロート弁体が引き上げられ、タンク内に貯留され
ていた洗浄水が便器へ流し出される。洗浄水が所
定量流出すると、フロート弁体は貯留水面の下降
とともに下降し、最終流出水の吸引力により弁座
に着座する。

このように、フロート弁体は最終流出水の吸引
力によつて着座されるのであるが、フロート弁体
がフロート弁座の正規位置に着座しないと漏水が
生じ、不経済である。

そのため従来、フロート弁体にガイド軸を下方
に延びるように設けると共に、フロート弁座にこ
のガイド軸を案内するガイドを設け、該ガイド軸
とガイドとの係合によりフロート弁体を正規着座
位置へ案内するようにしている。（なお、以下、
この下方に延びるガイド軸を第１のガイド軸とい
い、フロート弁座に設けられたガイドを第１のガ
イドということがある。） ところで、従来の便器洗浄用タンク装置におい
ては、タンク底部の流出口は該タンクの底面の中
央付近に設けられ、一方、ハンドルはタンク側面
に設けられている。そのため、ハンドルを回して
鎖を引くと、この鎖は斜め上方に引張られ、フロ
ート弁体も斜め上方へ引き上げられる。

このようなフロート弁体の斜め上方への移動を
円滑なものとするために、従来の便器洗浄用タン
ク装置においては、第１のガイド軸と第１のガイ
ドとの間に所要の大きめの間隙があけられてい
る。（この間隙が小さいと、フロート弁体が斜め
上方にひき上げる際に大きな摩擦が生じ、無理に
ひき上げると、破損が生じる。） 本考が解決しようとする問題点 ところが、このように、第１のガイド軸と第１
のガイドとの間に大きな間隙があいていると、フ
ロート弁体の位置決めも甘くなり、フロート弁体
が前後左右に振れながら下降するようになり、正
規位置への着座がなされない事態が生じ、漏水を
もたらすことがあつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、フロート弁体に、上方に延びる第２
のガイド軸を設けると共に、フロート弁座の上方
に該第２のガイド軸案内用の第２のガイドを設け
たものであり、かつこの第２のガイドを、スプリ
ングを介してオーバーフロー管に取り付けるよう
にしたものである。

実施例 以下、第１、２図を参照して実施例について説
明する。

第１、２図は実施例を示す断面図であり、各図
において、タンク１内の洗浄水を流出するための
開閉弁として設けられているフロート弁２はフロ
ート弁体３と弁座４とにより成る。タンク１の側
壁には開閉ハンドル５が設けられており、フロー
ト弁体３は、該開閉ハンドル５の回動操作により
上昇されるように鎖６を介してハンドル５に連結
されている。

弁座４には第１のガイド７が設けられている。
そして、該第１のガイド７により弁体３が案内さ
れ弁座４に着座するように、第１のガイド軸８が
流出管９内を下方に延びるようにフロート弁体３
に取り付けられている。さらに、弁体３には上方
に延びる第２のガイド軸１０を固定取付けすると
ともに、該第２のガイド軸１０を支持する第２の
ガイド１１を、スプリング１２によりオーバーフ
ロー管１４に取り付けてある。符号１５は弁体３
の上昇ストツパーである。

かかる構成の便器洗浄用タンク装置を使用する
に際し、ハンドル５を回動させると、鎖６によつ
て弁体３が引き上げられ、弁座４の弁口１３が開
放し、貯留水Ｗが弁口１３より流出管９を経て便
器（図示せず）に供給される。

而して、貯留水Ｗの水位の下降に伴つてフロー
ト弁体３も下降するのであるが、該弁体３は、上
下の二個のガイド及びガイド軸の係合により案内
されているため、前後左右に振れることなく、確
実に弁座４の正規位置に着座するように案内され
る。また、上方の支持をスプリング１２により行
なつているため、弁体３を引き上げる際は、第２
ガイド１１がハンドル５への接近側にシフトし、
弁体３の斜め上方への移動を阻害しない。

なお、第１のガイド軸８と第１のガイド７との
間には所定の大きめの間隙があけられている。そ
のため第１のガイド軸８は、弁体３の引き上げ方
向に傾斜した状態にて円滑に上昇できる。なお、
ハンドル５を戻すと第２のガイド１１はスプリン
グ１２によつて正規の位置に復元し、弁体３を弁
座４に正しく案内する。

効 果 以上説明したように、本考案によればフロート
弁体を上下２箇所でガイドするので、フロート弁
体を確実に弁座の正規位置に着座させることがで
き、従来のように不確実な弁体の弁座への着座に
よる漏水がない。

さらに、弁座上方の第２のガイドは、スプリン
グによつて支持されており、フロート弁体引き上
げ時にも支障とならず、ハンドル操作も軽快であ
る。

このように、本考案によれば、洗浄作動も確実
であり、構造も簡単である等、有益なる便器洗浄
用タンク装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１
図は、弁口が閉止した状態の断面図、第２図は、
弁口を開放し便器の洗浄時を示す断面図である。 ３……フロート弁体、１０……第２のガイド
軸、１１……第２のガイド、１２……スプリン
グ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 底部に流出口が開設されたタンクと、該流出口
   に装着されたフロート弁座と、該フロート弁座に
   着座可能に設けられたフロート弁体と、該フロー
   ト弁座に連設されており上方に延在するオーバー
   フロー管とを有し、該フロート弁体には下方に延
   びる第１のガイド軸が設けられると共に、前記フ
   ロート弁座には該第１のガイド軸の案内用の第１
   のガイドが設けられている便器洗浄用タンク装置
   において、 前記フロート弁体に、上方に延びる第２のガイ
   ド軸を設けると共に、前記フロート弁座の上方に
   第２のガイド軸の案内用の第２のガイドを設置し
   た装置であつて、この第２のガイドはスプリング
   を介して前記オーバーフロー管に取り付けられて
   いることを特徴とする便器洗浄用タンク装置。