JPS6138080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、製鉄所等で溶融金属の収納に用いら
れる鋳鍋又は転炉等の内面煉瓦の築造装置に関す
るものである。

通常、製鋼工場等で使用される鋳鍋や転炉の内
面は溶融金属の保温および鉄皮の保護のために耐
火煉瓦が内面に内張りされているが、耐火煉瓦は
使用の都度溶損するので適時耐火煉瓦を新しい耐
火煉瓦に張り替えている。

従来、溶融金属容器（鋳鍋や転炉）の耐火煉瓦
を張り替える特別な築造装置がないため、該容器
内に搬入した耐火煉瓦を作業者が該容器内で、先
ず一個ずつ手で持つて該容器内の壁側まで運搬
し、築造し、次に手持ちグラインダーの如き研磨
機を持つて煉瓦の表面を水平に、しかも隣接して
いる煉瓦との段差をなくすように研磨していた。

煉瓦表面の研磨作業は耐火煉瓦は非常に硬く、
研磨作業に長時間を要しており、特に研磨作業は
手で持つて手持ち研磨機であるために作業者は前
屈みの姿勢で、しかも研磨機が手持ちであるため
に研磨機の振動が諸に両手腕に伝わり、連続的な
作業ができない状態であつた。

又耐火物施工装置にバランス装置を設けて作業
する方法が特開昭55−50409号公報等に知られて
いるが、これだけでは種々の角度で傾いた煉瓦を
効率よく研磨することができなかつた。本考案は
かかる欠点を解消し操作が容易で作業効率が良い
溶融金属用容器の煉瓦築造用煉瓦研磨装置を提供
せいとするものであり、その要旨は溶融金属用容
器の煉瓦築造装置において吊り下げられて移動自
在な可動アームにボールジヨイントを介して煉瓦
研磨機を傾動自在に取付けたことを特徴とする溶
融金属容器の煉瓦築造用煉瓦研磨装置にある。以
下、本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

第１図は実施例を示す一部切欠正面図であり、
第２図は同実施例に使用する煉瓦研磨装置を示す
正面図、第３図、４図は同実施例に使用する煉瓦
吸着器を示す図面、第５図は旋回アームの取付機
構を示す平面図である。図中１は溶融金属用容
器，２は同容器底部中央に載置されたセツト耐火
煉瓦，３は耐火煉瓦，４は門型架台，５は水平調
節装置，６は先端に昇降杆８を垂下した旋回アー
ム，７は同旋回アームの操作バー，８は昇降杆，
９は位置設定バー，９′は昇降杆の昇降方向に設
けられ位置設定バー９の先端と係合して昇降杆の
昇降位置を固定するためののこぎり刃状連続係合
段部，１０はバランス装置，１１は同バランス装
置の先端に設けた水平方向に回転自在なアーム，
１２は煉瓦研磨装置で、同煉瓦研磨装置の詳細な
構造を第２図で示している。１４〜１８までは同
煉瓦研磨装置の構成部分であつて、１４・１４′
は球型接ぎ手１５を挾む凹面板、１５は球型接ぎ
手、１６は同球型接ぎ手圧着Ｌボルト、１７は煉
瓦研磨具，１８，１８′は防振用ゴムパツトであ
る。

又、第３，４図は煉瓦吸着器１３の一例を示す
図面であつて図中、１９はエアカプラー，２０は
エア配管を兼ねた吸着盤支持棒，２１はエアゴム
ホース，２２は操作取つ手を兼ねたエア鉄管，２
３は吸着盤を自在に動かすボールジヨイント，２
４はボールジヨイント２３を保護するフレキシブ
ルチユーブ，２５は吸着盤，２６はボルトナツト
である。第５図は旋回アーム６の旋回機構を示す
図面であり、図中３０は門型架台４上に架設した
旋回アーム６の取付基板，３１は旋回アーム６の
枢軸，３２は位置設定バーの先端に設けられ、の
こぎり刃状連続係合段部９′と係合するノツクピ
ン，３３は位置設定バー９のスライド操作レバ
ー，３４は門型架台４の下部の取付フランジ部で
ある。

本煉瓦吸着器はパラマン等のバランス装置１０
に装着した回転自在なアーム１１先端に装着さ
れ、耐火煉瓦３を吸着して運搬し、同耐火煉瓦が
斜めの位置に置かれていてもボールジヨイント２
３で、吸着盤２５が自由に傾動させて吸着するこ
とができ、また多角度からでも操作ができるよう
に運搬具に回転自在な機構を持たせたものであ
る。

本実施例では容器１内面に耐火煉瓦３を築造す
る場合は、予めほぼ水平に据置かれた容器１上に
クレーン等で門型架台４全体を移動させ、昇降杆
８が容器１の略中心に位置するよう容器１の上縁
上に搭載し、水平調節装置５にて門型架台４を水
平に調整し、そののち位置設定バー９を解放して
クレーンによりバランス装置１０を容器１内部の
煉瓦築造位置まで吊り降し、その後位置設定バー
９を操作して昇降杆８ののこぎり刃状連続係合段
部９′を位置設定バー９のノツクピン３２によつ
て係止せしめて昇降杆８を固定する。バランス装
置先端に装着されたアーム１１に煉瓦吸着器１３
をボルトナツト２６で固定し、エアー配管（図示
せず）とエアカプラー１９を連結し、そののちに
バランス装置１０の取つ手２７と煉瓦吸着器１３
の操作取つ手を兼ねたエア鉄管２２により吸着盤
２５をセツト耐火煉瓦２上に移動させ、煉瓦を１
枚づつ吸着し、吸着した状態で容器１内面の壁側
築造位置である下部１段目まで移動し、吸着盤２
５より放し、次の煉瓦を同様にして１周築造完了
するまで行う、その時のバランス装置１０には煉
瓦の重量に見合うエアを供給することによりウエ
イトを平衡させ、軽い力で作業を行うことができ
る様にする。煉瓦築造後煉瓦吸着器１３を取外
し、煉瓦研磨装置１２を該アーム１１にナツトで
固定し、煉瓦研磨具１７を水平調整治具（図示せ
ず）にて水平を出し、凹面板１４，１４′をＬ型
ボルト１６で締付け、球型接ぎ手１５を固着し、
容器内面に築造した煉瓦の段差をなくすように煉
瓦研磨装置１２で研磨し、時折平面に研磨できた
かどうかを確認しながら１段目を全部研磨し、同
様にして運搬と研磨を交互に行い最上段までの築
造をして行く。なお、容器１内のセツト耐火煉瓦
２がなくなつた場合は、門型架台４を移動させる
ことなく、旋回アーム６を枢軸３１を中心に容器
１内面壁側に旋回させることより、容器１の中央
に空間を作り、容器内面中央下部にクレーン等で
セツト耐火煉瓦２を容器１の底部中央に搬入する
ものである。

以上の様に本考案によれば可動アームにボール
ジヨイントを介して煉瓦研磨機を傾動自在に取付
けたことによつて、煉瓦研磨機の自重を可動アー
ムで受けて作業の負担とならない様にして移動を
容易にし、しかも長時間の作業を可能とし、更に
ボールジヨイントを介して傾動自在に取付けてい
るから煉瓦の種々の傾きに応じて研磨機を傾ける
ことができ、よつて研磨作業を楽に且つ効率よく
行なえる様にできたという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案実施例の側面図、第２図は同実施
例の要部を示す正面図、第３図は煉瓦吸着器の例
を示す正面図、第４図は同煉瓦吸着器を示す縦断
面図、第５図は旋回アームの旋回機構を示す平面
図である。 １……溶融金属を収納する容器、２……セツト
耐火煉瓦、３……耐火煉瓦、４……門型架台、５
……水平調節装置、６……旋回アーム、７……操
作バー、８……昇降杆、９……位置設定バー、１
０……バランス装置、１１……アーム、１２……
煉瓦研磨装置、１４，１４′……凹面板、１５…
…球型接ぎ手、１６……Ｌ型ボルト、１７……煉
瓦研磨具、１８，１８′……ゴムパツト、１９…
…エアカプラー、２０……エア配管を兼ねた吸着
盤支持棒、２１……エアゴムホース、２２……操
作取つ手を兼ねたエア鉄管、２３……ボールジヨ
イント、２４……フレキシブルチユーブ、２５…
…吸着盤、３１……枢軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶融金属用容器の煉瓦築造装置において吊り下
   げられて移動自在な可動アームにボールジヨイン
   トを介して煉瓦研磨機を傾動自在に取付けたこと
   を特徴とする溶融金属容器の煉瓦築造用煉瓦研磨
   装置。