JPS6137868Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主としてオートバイその他の自動２輪
車に適用されるデイスクブレーキ装置に関する。

本願出願人は、先に特願昭53−152868号（特開
昭55−78826号）をもつてこの種装置として、車
軸上の一側に、外周部から内方にのびる環状のブ
レーキデイスクを有する車輪ハブを中心の筒軸に
おいて端部のボールベアリングその他の軸受部材
を介して嵌合させて廻動自在に設けると共に該車
軸上の他側に、該デイスクを内径方向から跨ぐシ
シングルピストン型のキヤリパ部材を中心の軸孔
で嵌合させて摺動自在に設ける式のものを提案し
たが、この場合該キヤリパ部材はその外端近傍の
比較的小径の短い該軸孔で該車軸上に嵌合される
式を一般としたもので、かゝるものではその作動
時の比較的大きなブレーキ力によればこれにこじ
れを生じ易い不都合を伴う。従来、かゝる不都合
を無くすべく、実願昭54−8232号（実開昭55−
109141号）をもつて該車軸上の中間部に該筒軸の
後端部の外周にのびる別個の筒状のガイド部材を
備え、該キヤリパ部材の中間段部即ち中間軸孔部
をこれに嵌合支承させるようにした式のものを提
案されたが、かゝるものでは該ガイド部材を別個
に備えるを要すると共に、該キヤリパ部材は該車
軸上の軸孔部分と、該ガイド部材上の軸孔部分と
を２段に備えるを要し、構造が複雑となる不都合
を免れない。

本考案はかゝる不都合のない装置を得ることを
その目的としたもので、外周部から内方にのびる
環状のブレーキデイスク２を有する車輪ハブ３
を、その中心の筒軸４に設けた１対の軸受部材
５，５を介して車輪１に廻転自在に支承させると
共に、該車輪１に前記ブレーキデイスク２を内径
方向から跨ぐキヤリパ部材６を設けるものにおい
て、前記車輪１に、前記筒軸４より大径の筒体か
らなるガイド部材８を固設し、該ガイド部材８の
一側の延長端８ａと前記軸受部材５の一方とを前
記ブレーキデイスク２の内径方向の延長線上に略
位置させると共に、該ガイド部材８外周に前記キ
ヤリパ部材６を、その中心の軸孔７で摺動自在に
嵌合支承させて成る。

該端部の軸受部材５と、該端部の外周にのびる
該ガイド部材８の延長端部８ａとは該ブレーキデ
イスク２の内径方向の延長線上に略位置されるも
ので、かくてその作動に際し該デイスク２の個所
に生ずべきブレーキ力Ｐはその作用線上の該延長
端部８ａと該軸受部材５とにそのまゝ支承され、
かくてこじれの発生が防止されるようにした。図
面で９，９はリヤホークその他の車体枠を示し、
該車輪１はこれに固定されて横方向にのびるよう
にした。該車輪ハブ３は該筒軸４の他方の端部に
も略同様の軸受部材５ａを備えるものとし、更に
その端面にはドリプンスプロケツト１０と、その
外周にはスポーク１１とを備える。更に該キヤリ
パ部材６は該デイスク２の両外側の少くとも１対
のブレーキパツド１２，１２と、その一側のキヤ
リパピストン１３とを備えてシングルピストン型
に構成されるもので、その外周にこれを廻り止め
すべく車体枠９との間にトルクリング１４を備え
ると共に、その端部にはブーツ１５を備えてその
内部にグリース室１６が形成されるようにした。
図面１７では該デイスク２と該ハブ３とを結着す
る外周部の端子を示す。尚ガイド部材８は車輪１
上のカラ１８と一体に形成されるもので該カラ１
８は一個の車体枠９とこれに対向する該端部の軸
受部材５とで挾持されて該車輪１上に固定される
ようにした。

その作動を説明するに、キヤリパピストン１３
の作動によれば両外側のバツド１２，１２は互に
閉じて該デイスク２を挾圧し、かくて該車輪ハブ
３に制動が与えられるもので、この点は先に提案
したものと特に異らないが、かゝる作動に際し該
デイスク２に生ずるブレーキ力Ｐは該デイスク２
側においては該車輪ハブ３を介して該軸受部材５
と、該バツド１２，１２においては該キヤリパ部
材６を介して該ガイド部材８の延長端部８ａとに
夫々支承されてこれらにこじれの発生がなく、更
に該バツド１２，１２の摩耗に際しては該キヤリ
パ部材６は該ガイド部材８上を摺動してこれを補
正する。

このように本考案によるときは、環状のブレー
キデイスク２を有する車輪ハブ３を軸支する車輪
１には車輪ハブ３の中心の筒軸４より大径の筒体
からなるガイド部材８を固設し、該ガイド部材８
の一側の延長端８ａと、前記筒軸４内の軸受部材
５の一方とを前記ブレーキデイスク２の内径方向
の延長線上に略位置させると共に、該ガイド部材
８の外周にキヤリパ部材６を、その中心の軸孔７
で摺動自在に嵌合支承させたものであるからキヤ
リパ部材６は、その中心の比較的大径の軸孔７で
嵌合支承されてその支承強度を高めて簡単に支承
することができると共に、筒軸４内の軸受部材５
とガイド部材８の延長端８ａとを、その外周のブ
レーキデイスク２に対し、その内周側に位置させ
てブレーキ力をこれに支承させ得られ、こじれの
発生を防止して作動を円滑且つ安定にする等の効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本案装置の１例の截断側面図である。 １……車軸、２……ブレーキデイスク、３……
車輪ハブ、４……筒軸、５……軸受部材、６……
キヤリパ部材、７……軸孔、８……ガイド部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周部から内方にのびる環状のブレーキデイス
   ク２を有する車輪ハブ３を、その中心の筒軸４に
   設けた１対の軸受部材５，５を介して車輪１に廻
   動自在に支承させると共に、該車輪１に前記ブレ
   ーキデイスク２を内径方向から跨ぐキヤリパ部材
   ６を設けるものにおいて、前記車輪１に、前記筒
   軸４より大径の筒体からなるガイド部材８を固設
   し、該ガイド部材８の一側の延長端８ａと前記軸
   受部材５の一方とを前記ブレーキデイスク２の内
   径方向の延長線上に略位置させると共に、該ガイ
   ド部材８外周に前記キヤリパ部材６を、その中心
   の軸孔７で摺動自在に嵌合支承させて成るデイス
   クブレーキ装置。