JPS6137440Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシヤツ等の衣類をプレスする装置に関
する。

シヤツ等の前身頃、後身頃をプレスする場合、
次に構成をなす装置が使用されている。すなわ
ち、人体の上部に類似した形状を有する中間支持
体の両側に鏝を接離可能に配置している。そし
て、中間支持体にシヤツを着せてその両側から鏝
を押し付けることにより、シヤツの前身頃と後身
頃をプレスしていた。しかしながら、この装置で
は、鏝を中間支持体に対して水平方向に押し付け
てプレスするだけであるため、肩部をプレスでき
ない。このため肩部を別作業でプレスしなければ
ならず、作業性が悪かつた。

そこで、肩部を前身頃、後身頃と同時にプレス
する装置が開発されている。すなわち、中間支持
体の上端部にエアーバツクを設け、このエアーバ
ツクを膨らませることにより、肩部をプレスする
ようになつている。しかしながら、この装置では
構造が複雑となり、装置の製造コストが高くなる
欠点があつた。

本考案は上記事情に基づきなされたもので、そ
の目的は、簡単な構造で肩部をプレスできる衣類
プレス装置を提供することにある。

本考案の要旨は、少なくとも一方の鏝の上端部
に湾曲された肩部プレス部を形成し、かつ、この
鏝が中間支持体に当たつた状態において、固定支
軸とアームの鏝側端部とを結ぶ線が傾斜するよう
にし、これにより、水平方向のプレス力と下方へ
のプレス力とを付与するようにしたことを特徴と
する衣類プレス装置にある。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。図中１は中間支持体であり、この中間支持
体１は人体の上部に類似した形状を有し、その上
端部には湾曲した肩部支持部２が形成されてい
る。中間支持体１は硬質の基部３とこの基部３を
覆うマツト４とを有している。また、中間支持体
１は紙面と直交する方向に往復移動できるように
なつている。

中間支持体１の両側には、鏝１１，１２が配置
されている。各鏝１１，１２の上端部には、それ
ぞれ湾曲した肩部プレス部１１ａ，１２ａが形成
されている。

各鏝１１，１２の裏面側には、く字形をなすア
ーム２０が配置されている。アーム２０はその中
央屈曲部において固定支軸２１に回動自在に支持
されている。アーム２０の一端部は各鏝１１，１
２の裏面に回動自在に連結されている。また、鏝
１１，１２の裏面にはリンク群２５が取り付けら
れており、このリンク群２５は、アーム２０とと
もに平行クランク機構を構成し、鏝１１，１２を
常時垂直に保持する役割を担つている。

アーム２０は、次に説明する駆動機構３０によ
り回動されるようになつている。なお、図におい
て一方のアーム２０用の駆動機構３０のみ示し、
他方のアーム２０の駆動機構を省略してある。基
台３１に設置された支持部３２には、リンク３３
の一端部が回動自在に支持されている。このリン
ク３３の他端部と、上記アーム２０の鏝１１，１
２側とは反対側の端部との間には、他のリンク３
４が回動自在に連結されている。リンク３３は第
１エアーシリンダー３５により回動されるように
なつている。また、支持部３２には偏心カム（図
示しない）が内蔵されており、この偏心カムはリ
ンク３６を介して第２エアーシリンダー３７によ
り回動されるようになつている。

上記構成において、鏝１１，１２から離れた位
置で中間支持体１にシヤツを着せる。次に、中間
支持体１を紙面と直交する方向に移動させて、第
１図に示すように鏝１１，１２間に配置する。

この後、第１エアーシリンダー３５により、リ
ンク３３を回動させると、第２図に示すようにリ
ンク３３とリンク３４とが一直線となつて伸び
る。これに伴ないアーム２０が回動し、鏝１１，
１２が中間支持体１の方向へ移動し衣類をプレス
する。鏝１１，１２が中間支持体１に当たつた状
態で、固定支軸２１とアーム２０の鏝１１，１２
側の端部とを結ぶ線Ａは約45度傾いており、この
ため、アーム２０の回動力は鏝１１，１２のプレ
ス力（第２図中矢印Ｐで示すように45度斜め下方
に向いている）に変換される。したがつて、鏝１
１，１２は、上記プレス力Ｐの水平成分（矢印Ｘ
で示す）によりシヤツの前身頃および後身頃をプ
レスできるとともに、プレス力Ｐの垂直成分（矢
印Ｙで示す）により肩部プレス部１１ａ，１２ａ
でシヤツの肩部を同時にプレスできる。さらに、
第２エアーシリンダー３７により、支持部３２内
の偏心カムが回動してリンク３３，３４を上方へ
押しあげ、アーム２０を微少回動させることによ
り、シヤツの前身頃、後身頃、肩部をさらに強く
プレスする。

上記プレス後に、エアーシリンダー３５，３７
の作動により、アーム２０を上記とは逆方向に回
動させて、鏝１１，１２を中間支持体１から離
す。最後に中間支持体１を紙面と直交する方向に
移動させて、鏝１１，１２から離し、中間支持体
１からシヤツを脱がす。

なお、本考案は上記実施例に制約されず、種々
の態様が可能である。たとえば、一方の鏝のみに
衣類の肩部全域をプレスするための湾曲した肩部
プレス部を形成してもよい。

以上説明したように、本考案によれば、シヤツ
等の衣類の前身頃と後身頃とをプレスすると同時
に肩部をプレスすることができ作業性が良い。し
かも、肩部をプレスのための構成は、鏝の上端部
に湾曲した肩部プレス部を形成するとともに、鏝
のプレス力が斜め下方に付与されるようにするだ
けで済むから、従来のようにエアーバツク等を設
ける必要がなく、構造が簡単で、装置の製造コス
トを安くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の一実施例をなす衣類
プレス装置を一部省略して示す部分断面図であ
り、第１図はプレス解除状態、第２図はプレス状
態をそれぞれ示す。 １……中間支持体、１１，１２……鏝、１１
ａ，１２ａ……肩部プレス部、２０……アーム、
２１……固定支軸、３０……駆動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間支持体と、この中間支持体の両側に接離可
   能に配置された鏝と、固定支軸に支持されるとと
   もに一端部が鏝の裏面側に回動自在に取り付けら
   れるアームと、このアームを回動させる駆動機構
   とを備え、上記駆動機構によりアームを回動させ
   て鏝を中間支持体へ押し付け、この中間支持体に
   着せられた衣類をプレスする装置において、少な
   くとも一方の鏝の上端部に湾曲された肩部プレス
   部を形成し、かつ、この鏝が中間支持体に当たつ
   た状態において、固定支軸とアームの鏝側端部と
   を結ぶ線が傾斜するようにし、これにより、水平
   方向のプレス力と下方へのプレス力とを付与する
   ようにしたことを特徴とする衣類プレス装置。