JPS6137366Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコーヒー液を濾過する構成に改良を加
えたミル付コーヒー沸し器に関する。

ミル付コーヒー沸し器にあつては、粉砕後のコ
ーヒー豆に熱湯を加えながらこれをフイルタに通
し、コーヒー液を抽出するようにしている。この
際、フイルタに目詰まりが起こるのは避けられ
ず、従来からコーヒー液抽出の都度、フイルタを
清掃するようにしている。

ところが、前記フイルタは微細なナイロン線を
縦横に編成し、或はステンレスによりいずれも密
目なネツト状に形成したもので、このため清掃
時、注意しないと目が拡大してしまう虞れがあ
る。このようにフイルタの目が拡大してしまう
と、フイルタの所定の濾過機能が失なわれてしま
い、コーヒー液にコーヒー粉等が混ざり質的に不
安定なものになる不都合が生ずる。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的はコーヒー液をフイルタにより濾過する事
情にありながらも、フイルタの清掃が不要になつ
て清掃性を向上し得、しかもコーヒー液にコーヒ
ー粉等が混ざることがなく質的に安定したコーヒ
ー液が得られるなどの効果を奏するミル付コーヒ
ー沸し器を提供するにある。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。１はミル付コーヒー沸し器の本体で、これは
中空の基台２と、これの図示左半部に立設した筒
体３とから成り、前記基台２の図示右半部をカツ
プ載置台４とする一方、前記筒体３は仕切板５に
より上下二室に区分され、下部室をモータ６が配
設された機械室７とし、上部室をコーヒー豆の粉
砕が行なわれる粉砕室８としている。

さて、９は有底円筒状のミルケースで、これの
底部は支骨９ａにより格子状に形成され、中央に
は径小な挿通筒１０が起立状態に一体成形され、
さらに、内底部周縁には周方向に多数の矩形状の
突起１１が間欠的に突設されている。斯るミルケ
ース９は前記粉砕室８内に仕切板５と所定距離だ
け離間して配設されている。又、ミルケース９と
仕切板５との間の空間には案内樋１２が傾斜状に
配設され、その最下降傾斜端部を前記カツプ載置
部４に載置されたカツプ１３に臨ませている。

さて、１４はコーヒー液抽出用の紙フイルタ
で、これは透液性の円形薄紙を絞り込んで前記ミ
ルケース９より若干径小な有底円筒状に形成して
おり、底部中央にはミルケース９の挿通筒１０に
対応させて開口周縁部に環状の延長片１４ａを有
する透孔１５が形成されている。斯る紙フイルタ
１４はミルケース９内に配設され、この状態では
透孔１５内に挿通筒１０が挿通される一方、紙フ
イルタ１４の底部が突起１１に載置されてミルケ
ース９の内底面から離間している。尚、この紙フ
イルタ１４の外周壁は絞り込んだことにより折曲
され、縦方向に容易に圧潰されないようになつて
いる。１６は前述したモータ６の回転軸で、これ
は上下方向に指向して仕切板５及び案内樋１２を
貫通し、上端部は挿通筒１０を介して粉砕室８内
に突出している。１７は中央のボス部１８と、こ
れの外周に取着されたブレード状のカツタ１９と
から成るミル機構部で、これはボス部１８を介し
て回転軸１６の上端部に着脱可能に取付けられて
いる。２０はミルケース９の上端開口部に着脱可
能に装着される蓋部材で、これは中央に装着口体
２０ａを有する環状盤２１と保持枠２２とから成
り、保持枠２２は環状盤２１の下方に複数の支骨
２３を介して連結された押えリング２４とから成
るもので、押えリング２４の中央部には前記ミル
機構部１７が通過可能な押え枠２５がアーム２６
により支持されるように、これと共に一体成形さ
れている。斯る蓋部材２０の装着状態では、押え
リング２４が紙フイルタ１４の底部をその内側か
ら突起１１に対して押え付け、支骨２３が紙フイ
ルタ１４の内周面に押え枠２５が透孔１５の周縁
部夫々に沿つており、これにより紙フイルタ１４
を所定の形状に保持している。２７は前記装着口
体２０ａに着脱可能に取付けられる有底円筒のキ
ヤツプで、これの底面部は凸状に湾曲形成される
一方、底面外周縁部には複数の注湯口２８が形成
されている。２９はともにカツプ載置台４内に設
けられ、電気ヒータ３０と送湯管３１とから成る
ドリツプ機構部で、送湯管３１の一端は粉砕室８
に隣接状態に設けられた貯水タンク３２に連結さ
れ、他端は粉砕室８内のキヤツプ２７内に臨んで
いる。そして、電気ヒータ３０の通電時には、こ
れにより送湯管３１内の水が加熱され、熱湯とし
てキヤツプ２７内に注入され、ついで注湯口２８
を介して紙フイルタ１４内に供給されるようにな
つている。尚、前記筒体３及び貯水タンク３２の
上端の共通開口部３３にはカバー３４を着脱可能
に被冠している。

つぎに、上記構成の作用を説明する。コーヒー
豆をミルケース９内に設けた紙フイルタ１４内に
収容した状態で、モータ６に通電すると、ミル機
構部１７のカツター１９が回転してコーヒー豆が
粉砕され、遠心作用もあつて主に紙フイルタ１４
の下端内周部（第１図で記号Ｇで示す部分）に集
まるようになる。しかして、コーヒー豆の粉砕終
了後モータ６を断電して電気ヒータ３０に通電す
ると、熱湯が送湯管３１によりキヤツプ１３の注
湯口２８を介して紙フイルタ１４内に供給され
る。このとき、注湯口２８を介して紙フイルタ１
４内に供給された熱湯はキヤツプ２７の底面が凸
状になつていることから、第１図に矢印Ｆで示す
如き軌跡を描いて紙フイルタ１４の下端内周部Ｇ
に落下し、コーヒー粉に浸透する。この熱湯のコ
ーヒー粉に対する浸透によりコーヒー液が抽出さ
れ、ついで紙フイルタ１４で濾過されてミルケー
ス９の格子状の底部及び案内樋１２を順に介して
カツプ１３内に滴下されて貯留される。

このようにしてコーヒー液が得られるものであ
るが、カツタ１９によるコーヒー豆の粉砕時、粉
砕されたコーヒー豆が飛散され紙フイルタ１４に
衝突するものの紙部材であるため衝突による騒音
は低い。

また、紙フイルタ１４の底部は突起１１によつ
てミルケース９の内底部から離間しているので、
紙フイルタ１４がミルケース９に接触するものと
は違つて、濾過面積が狭められることがなく濾過
効率を高め得る。

さらには、コーヒー液抽出後にはカバー３５及
び蓋部材２０を夫々取外した状態で、ミル機構部
１７を回転軸１６から取外し、この状態にて紙フ
イルタ１４をミルケース９から抜き取つて捨て、
つぎのコーヒー液抽出に備えて新しい紙フイルタ
１４に取換える。従つて、所謂フイルタ清掃が不
要になることは勿論、フイルタ清掃に伴うフイル
タ目の拡大等の不都合を生じないので質的に安定
したコーヒー液が得られる。しかも、紙フイルタ
１４は比較的安価なので、使い捨てても、特に不
経済にはならない。

以上、本考案によれば、コーヒー液をフイルタ
により濾過する事情にありながらもフイルタを紙
フイルタにしたので、コーヒー豆粉砕時の騒音を
低減でき、しかも紙フイルタをコーヒー液抽出の
都度、新しいものと取換えるようにしたので、フ
イルタの清掃が不要になつて清掃性を向上し得、
これに伴つてフイルタの目が拡大する心配がなく
なりコーヒー液にコーヒー粉等が混ざることがな
く質的に安定したコーヒー液が得られるといつた
実用上、有益なミル付コーヒー沸し器を提供でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体の破断面図、第２図は要部の分解斜視図で
ある。 図中、９はミルケース、１１は突起、１４は紙
フイルタ、１７はミル機構部、２０は蓋部材、２
９はドリツプ機構部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミル機構部とドリツプ機構部とを有してミルケ
   ース内で粉砕したコーヒー粉に給湯して抽出する
   方式のコーヒー沸し器において、ミルケース内に
   配置されるコーヒー液濾過用の紙フイルタと、こ
   の紙フイルタ及びミルケースの内底面との間にコ
   ーヒー液抽出用の隙間を確保するように前記ミル
   ケースに設けられた突起と、前記ミルケースに着
   脱可能に装着されその装着状態で前記紙フイルタ
   を定形に保持する蓋部材とを具備して成るミル付
   コーヒー沸し器。