JPS6136366Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシリアルプリンタの活字輪着脱装置に
関し、その目的とするところは活字輪の着脱を容
易、確実に行なうことにある。

母形印字型のインパクトシリアルプリンタは、
電動タイプライタ、或いは各種データ処理装置の
出力機等に多用されている。そして、この種シリ
アルプリンタにおいては、活字担体（活字輪群）
に収納される記号の数に限定を受けるため、予め
収納記号或いは字体の異なる記号を収納（形成）
した活字担体を数種類設けておき、必要に応じこ
れを取換えねばならず、その取換え作業が煩雑で
あつた。

本考案は上記の点に鑑み成されたもので、以下
本考案の詳細を第１図〜第３図示の１実施例によ
つて説明する。

図示した実施例は、桁方向に移送されるキヤリ
ツジ１に、４段に積層した活字輪２……を上下シ
フト並びに回転自在に保持したシリアル式印字装
置を示している。図において、両側枠３Ａ，３Ｂ
間に掛渡した案内軸４，５にはキヤリツジ１が桁
方向に摺動自在に取付けられており、バネ６によ
つてホームポジシヨン（第１図右下方向）側へ常
時引張られている。乂、両側枠間３Ａ，３Ｂ間に
軸支したシフト軸７、活字選択軸８、ハンマ駆動
兼キヤリツジ移送軸（以下H.CA軸と称す）９
が、キヤリツジ１内の回転体とスプライン結合さ
れている。即ち、シフト軸７には、螺線状の溝カ
ム１０ａを有するシフトカム１０がスプライン結
合をしており、上記溝カム１０ａと係合したシフ
トレバー１１が、シフトカム１０の回動に伴つて
支軸１２を中心に回動することによつて、前記活
字輪２……群を上下にシフトする。又、前記活字
選択軸８とスプライン結合をしたカサ歯車１４
は、活字輪２……と一体回転するカサ歯車１５と
噛み合い、活字選択軸８の回転によつて活字輪２
はその回転位置を選択される。又、前記H.CA軸
９にはハンマカム並びにスクリユー体（共に図示
せず）がスプライン結合をしている。そして、
H.CA軸９の前半の半回転でハンマカムが、キヤ
リツジ１に軸支されたハンマ１７を駆動し、選択
された活字輪２を用紙を介してプラテン１９に押
し付けると共に、H.CA軸９の後半の半回転でラ
ツク体２０と係合したスクリユー体がキヤリツジ
１を１桁相当分移送する。

上記各軸７，８，９は、側枠３Ａに設置された
歯車列、クラツチを介してモータ２１に連結さ
れ、クラツチを制御する電磁石、レバー群、カム
群の組み合せ出力でモータ２１の回転は選択的に
各軸７，８，９に伝達され、活字輪の回転位置選
択、活字輪の上下シフト、ハンマリング、キヤリ
ツジ移送を行なうようになつている。（この構成
の詳細については、本考案の要旨と直接関係がな
いのでここでは割愛するが、もし必要ならば本願
出願人が先に出願した特願昭55〜123040号を参照
されたい。） ２２は、前記活字輪２……群を回動自在に保持
した活字軸ホルダーで、活字輪２……群はこの活
字輪ホルダー２２と共に上下動される。又、図示
していないが、活字輪ホルダー２２内には中空ボ
ビンが回動自在に保持されており、該中空ボビン
にその中央部を挿通された各活字輪２……は、中
空ボビンと一体回転すると共に、各々独立して中
空ボビンと直交する方向、即ち、プラテン１９方
向に押出されるようになつており、押出された活
字輪２は、印字後自身に内蔵したバネ手段によつ
て元の位置に復帰するようになつている。２２ａ
……（第２図参照）は、各活字輪２……を分離し
て担持するための活字輪ホルダー２２と一体の腕
部、２３……は（第２図参照）各活字輪２……に
対応して設けられた押圧体で、活字輪ホルダー２
２のシフト位置に応じて前記ハンマ１７の叩打部
１７ａと対向し、ハンマ１７駆動によつて選択さ
れた活字輪２をプラテン１９方向に押出すように
なつている。又、第１図において、２４は活字輪
ホルダー２２に軸支されたインクローラで、活字
輪２……外周にインクを供給する。

第２図において、２５は、前記カサ歯車１５を
固着した断面非円形の活字輪軸で、キヤリツジ１
にその一部を軸支されており、前記活字輪ホルダ
ー２２内の中空ボビンとスプライン軸結合されて
いる。

即ち、前記活字選択軸８の回転は活字輪軸２５
を介して活字輪２……に伝えられ、各活字輪２は
中空ボビンと共に、換言するなら活字輪ホルダー
２２と共に、活字輪軸２５に沿つて上下動するよ
うになつている。

２６は回動アームで、第２，３図に示したよう
に略コ字形の基部２６ａと、基部２６ａの両端か
ら下方に延びた支腕部２６ｂ，２６ｂと、基部２
６ａの中央部に折曲げ・形成した操作部２６ｃと
を有し、基部２６ａの両端部を、活字輪ホルダー
２２の側面部においてそれぞれ軸２７支されてい
る。２８，２８は（一方図示せず）回動アーム２
６に第２図反時計回り方向の回動力を与えている
つる巻バネで、その一端を係止ピン２９に、他端
を前記基部２６ａにそれぞれ係止されている。２
６ｂ−１，２６ｂ−１は前記支腕部２６ｂ，２６
ｂの先端にそれぞれ固着した円柱状の突起（係合
部）で、該突起２６ｂ−１，２６ｂ−１はその一
部を、活字輪ホルダー２２の側面に形成した弧状
の溝２２ｂ，２２ｂに係合させており、支腕部２
６ｂ，２６ｂ、即ち回動アーム２６は、溝２２
ｂ，２２ｂで規制される範囲内でのみ回動できる
ようになつている。２６ｂ−２は支腕部２６ｂに
設けた凹部（第２図紙面の裏面から表面側に突出
形成されている）で、活字輪ホルダー２２に設け
た凸部２２ｃと嵌合自在となつている。

即ち、第２図実線で示した回動アーム２６の位
置、換言するならつる巻きバネ２８によつて偏倚
させられた回動アーム２６の回動軌跡の一方端で
は、突起２６ｂ−１，２６ｂ−１が前記シフトレ
バー１１，１１端部の２叉状の係合部１１ａ，１
１ａにそれぞれ係合した状態を保持され、又、第
２図２点鎖線で示した回動アーム２６の位置、換
言するならつる巻バネ２８に抗して回動した回動
アーム２６の回動軌跡の他方端では、前記凹部２
６ｂ−２が突起２２ｃに嵌合して、この位置を保
持されるようになつている。

上記構成において、第２図実線図示の状態では
シフトカム１０の溝カム１０ａにその突起１１ｂ
を係合させたシフトレバー１１の回動によつて、
活字輪ホルダー２２、即ち活字輪２……群はその
上下のシフト位置を選択され、つる巻きバネ２８
によつて回動・偏倚された回動アーム２６の突起
２６ｂ−１は、シフトレバー１１の係合部１１ａ
に常に確実に係合している。又、この状態から、
前記操作部２６ｃを押下げて回動アーム２６を第
２図２点鎖線図示の位置まで回動させれば、回動
アーム２６の凹部２６ｂ−２が活字輪ホルダー２
２の凸部２２ｃと嵌合してこの位置を保持される
と共に、回動アーム２６とシフトレバー１１との
係合が断たれ、活字輪ホルダー２２は前記活字輪
軸２から容易に上方に抜去される。上記操作は、
回動レバー２６の操作部２６ｃの押下げと、活字
輪ホルダー２２の上方への持ち上げ動作だけで済
み、片手で簡単、容易にこれを行なえるようにな
つている。又、活字輪ホルダー２２を装着するに
は、活字輪ホルダー２２を活字輪軸２５に挿通し
て定位置まで押込んだ後、前記操作部２６ｃを押
上げれば、回動アーム２６の突起２６ｂ−１がシ
フトレバー１１と係合した第２図実線状態となる
ように構成されている。なお、ここで第２図にお
いて３０は、活字輪ホルダー２２の下方位置を規
制するストツパである。

叙上のように本考案によれば、活字輪ホルダー
に軸支した回動アームの突起（係合部）をシフト
レバーと係合自在とした構成なので、回動アーム
の回動位置を選択するだけで、シフトレバーと回
動アームとの係合・離脱を選択でき、フリーとな
つた活字ホルダーを容易に装脱できると共に、回
動アームがその回動軌跡の両端においてその位置
を安定に保持されるので、片手操作での着脱が可
能であると共に、回動アームとシフトレバーとの
係合も確実であり、この種、多層配列の活字輪を
もつシリアルプリンタに適用してその実用的価値
は多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案の１実施例に係るシリアル
プリンタを示し、第１図は全体斜視図、第２図は
活字輪ホルダー周辺部の側面図、第３図は同平面
図である。 １……キヤリツジ、２……活字輪、７……シフ
ト軸、８……活字選択軸、１０……シフトカム、
１１……シフトレバー、２２……活字輪ホルダ
ー、２２ｂ……溝、２２ｃ……凸部，２５……活
字輪軸、２６……回動アーム、２６ａ……基部，
２６ｂ……支腕部、２６ｂ−１……突起（係合
部）、２６ｂ−２……凹部、２６ｃ……操作部、
２８……つる巻きバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多段に積層した活字輪を上下動並びに回転自在
   としたシリアルプリンタにおいて、前記活字輪群
   を回転自在であるように保持し且つ活字輪群と共
   に上下動される活字輪ホルダーと、前記活字輪群
   を挿通自在とした活字輪軸と、前記活字輪ホルダ
   ーに軸支され且つ自身の回動軌跡の両端において
   安定状態となる回動アームと、前記回動アームの
   係合部と係合自在としたシフトレバーとを備え、
   回動アームの回動軌跡の一端において回動アーム
   とシフトレバーとを係合させてシフトレバーによ
   り前記活字輪ホルダーを上下動させると共に、回
   動アームの回動軌跡の他端において回動アームと
   シフトレバーとを離間させ、活字輪ホルダーを前
   記活字輪軸から抜去するようにしたことを特徴と
   するシリアルプリンタの活字輪着脱装置。