JPS6136133B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、形状記憶金属から成る伸縮部材を利
用して、家屋の部屋，温室等の換気窓の開閉を自
動的に行なう新規な換気窓の自動開閉装置に関す
るもので、以下本発明の一実施例を添付図面に基
づいて説明する。第１図と第２図において、１は
不動の壁、２は前記壁１にあけられた換気窓、そ
して３は前記換気窓２を開閉する開閉部材であ
る。前記開閉部材３は、その一方端３ａと前記壁
１の一側１ａとにブラケツト４が取付けられてい
るため、該ブラケツト４の回りに回動可能であ
る。５は前記壁１の他側１ｂに取付けられたスト
ツパーで、該ストツパー５と前記開閉部材３の他
方端３ｂとの間に、リターンスプリング６が連結
されている。このため、前記開閉部材３には、常
時閉方向のバネ力が作用している。

次に、本発明の要部である自動開閉装置１０の
構成について詳細に説明する。第３図において１
１，１２，１３は作動部材で、本発明の特徴とす
る形状記憶金属により構成されている。この形状
記憶金属は、温度変化により固体状態で相変態を
起して結晶構造が変化するもので、変態点と呼ば
れる温度を境にして、これより高温側で母相構造
に変化し、低温側でマルテンサイト構造に変化す
るものである。そして温側から次第に冷却して行
くと、母相構造からマルテンサイト構造への変態
が起こり、超弾性を有し（マルテンサイト変態と
云う）、逆に低温側から加熱して行くと、マルテ
ンサイト構造から母相構造に変態して成形工程で
記憶された形状に戻る（逆変態）と云う性質を有
するものである。そして従来より銅・亜鉛（真ち
ゆう），銀・カドミウム，ニツケル・アルミニウ
ム，銅・錫（青銅）等の多くの合金が見出されて
おり、変態点は合金の種類及び配合割合の選択に
よつて任意に選択できる。

本発明の一実施例では、第４図に示す如く中温
時に伸びるのが作動部材１３で、第５図に示す如
く中高温時に伸びるのが作動部材１２，１３で、
そして第１図と第３図に示す如く高温時に伸びる
のが作動部材１１，１２，１３であり、第２図に
示す如く低温時には前記作動部材１１，１２，１
３はいずれもリターンスプリング６のバネ力によ
り縮められた状態を保持する。なお、以上の形状
記憶金属と逆の性質、即ち高温側でマルテンサイ
ト構造、低温側で母相構造となる形状記憶金属も
見出されている。前記作動部材１１，１２，１３
は、第３図に示す如く、互いにビス１４によつて
蛇腹状に連結されている。そして、前記自動開閉
装置１０は、作動部材１１が前記開閉部材３に、
また作動部材１３が前記ストツパー５に、夫々ビ
ス等の固着手段（図示略）によつて連結されるこ
とにより、組付けられている。

以上の如き構成において、家屋の部屋，温室等
内の温度が低い場合には、自動開閉装置１０は、
作動部材１１，１２，１３がいずれもマルテンサ
イト構造のため、第２図の如く、リターンスプリ
ング６のバネ力により縮められ、従つて、開閉部
材３は、ブラケツト４を支点にして回動し、換気
窓２を閉じる。

次に、家屋の部屋，温室等内の温度が中温にな
ると、作動部材１３のみが母相構造に変態して成
形工程で記憶された第４図の如き形状、即ち運動
方向へ長さが長くなる形状に、前記リターンスプ
リング６のバネ力に抗して変化する。従つて、前
記開閉部材３は、ブラケツト４を支点にして回動
し、換気窓２を少し開く。

更に、家屋の部屋，温室等内の温度が中高温に
なると、作動部材１２も母相構造に変態して、成
形工程で記憶された第５図の如き形状に変形す
る。従つて、前記開閉部材３は、更に換気窓４を
開く。

そして、家屋の部屋，温室等内の温度が高温に
なると、作動部材１１も母相構造に変態して、成
形工程で記憶された第１図と第３図の如き形状に
変形する。従つて、前記開閉部材３は、最大限に
換気窓４を開く。

以上の如く本発明によれば、家屋の部屋，温室
等内の温度が高い時に最も開き、中高温時，中温
時の順に、所定の開生だけ閉じ、そして低温時に
完全に閉じるよう自動的に開閉制御する作動部材
を形状記憶金属により形成すると共に、該形状記
憶金属を開閉部材とストツパーとの間に固着した
ので、設置位置が限定されるようなことはなく、
広範囲に設置可能なため設計に無理がかかるよう
なことはない。また、形状記憶金属は高温，中高
温，中温或いは低温に応じ正確に作動するので、
換気窓の開閉制御が自動的に確実に行なわれると
共に、構造も極めて簡単に構成できる。

更には、前記作動部材自体が温度感知と作動を
かねるため、他の一切の電源パワーを必要とせ
ず、従つて装置が非常にコンパクトとなりメンテ
ナンスが容易である。

尚、本発明の一実施例では、自動開閉装置を構
成する作動部材を３種類用いて説明したが、一種
類のみでも、二種類でも、或いは多種類でもよ
く、更にはその形状も蛇腹状に限らず、螺旋状等
でもよく、これらはいずれも本発明に含まれるこ
とは明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

図は全て本発明換気窓の自動開閉装置の一実施
例を示すもので、第１図は高温時の全開状態を示
す要部断面図、第２図は低温時の閉状態を示す要
部断面図、第３図は高温時における自動開閉装置
の拡大斜視図、第４図は中温時における自動開閉
装置の正面図、そして第５図は中高温時における
自動開閉装置の正面図である。 １：壁、２：換気窓、３：開閉部材、６：リタ
ーンスプリング、１０：自動開閉装置、１１，１
２，１３：作動部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 壁にあけられた換気窓に、開閉部材を回動可
   能に設け、前記壁と開閉部材との間に、前記開閉
   部材を常時閉方向へ付勢するリターンスプリング
   と、更には低温時には前記開閉部材を閉じ或いは
   温度が高くなると前記リターンスプリングのバネ
   力に抗して開閉部材を開く機能を備えた形状記憶
   金属から成る作動部材とを設けて成る換気窓の自
   動開閉装置。