JP2009041299A - サーモエレメント付き蝶番 - Google Patents

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Abstract

【課題】 換気装置における換気口の開閉用等として用いるサーモエレメント付き蝶番を、簡易型構造であって開度調整機能と防火機能とを持たせたものを得る。
【解決手段】 サーモエレメント付き蝶番10は、回動可能に軸支した蝶番部材の一方11を他方12に対して回動駆動させるように構成される。蝶番部材の他方側に設けた筒状ホルダ25内で進退自在に保持されサーモエレメント20のピストン22の動きが伝達されることによりこれに連動して進退動作するロッド部材21と、蝶番部材の一方側に設けられた当接部材30とを備える。この当接部材にロッド部材が当接して押し上げ動作させることにより、蝶番部材の一方側を他方側に対して回動動作させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、温度変化により作動するサーモエレメントの進退移動するピストンで一方片を他方片に対して相対的に回動動作させるサーモエレメント付き蝶番に関し、特に換気装置の換気口を開閉動作させるために用いて好適なサーモエレメント付き蝶番に関する。
たとえば温度変化に伴って開口を開閉する蓋を取り付けるために用いられる蝶番において、周囲温度が所定値以下になると、前記蓋が蝶番に備えたスプリングの付勢力で閉じ、周囲温度が所定値以上になると前記蓋がサーモエレメントのピストンの前進により開くようにした構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来のサーモエレメント付き蝶番によれば、温度変化に伴うサーモエレメントのピストンの進退動作により蓋が開閉されるため、蓋の開度を周囲温度変化に応じて、低温時には閉じ、温度上昇に伴って開くことができるので、たとえば建物の換気装置等に採用したものが知られている。
ここで、上述した建物の換気装置等によれば、換気口の開度を任意に調整できることが望まれており、また火災時においては、該換気口を閉じる等の対策を講じることが必要となっている。
また、このような従来のサーモエレメント付き蝶番において、開度が大きいほど、一対の蝶番部材のうち回動する蝶番部材の占有するスペースは大きい。そこで、省スペース化を達成するために必要な開度だけ開くような蝶番が望まれ、そのために回転角度(開閉量)を規制する機能を持たせた構造のものも知られている。しかし、サーモエレメントの組込み部やそのピストンの動きとの関連もあり、簡単には適用できないものであった。
特に、この種の蝶番において、回転角度の規制機能を付加すると、サーモエレメントの組込み構造に注意が必要となる。すなわち、サーモエレメントが、ピストンを所定量以上に押出したときに、蝶番部材を必要以上に動作させないようなオーバリフト防止機構を付加する必要がある。これは、蝶番を構成する各部品、さらに該蝶番を取り付けた蓋体などの損傷を防ぐうえで必要である。
また、サーモエレメントは温度上昇に伴いピストンを押し出すが、オーバーリフト防止機能がないと、回転を規制されること等によりピストンの動きが規制され、これによりサーモエレメント内部に過大な圧力が発生し、サーモエレメントを構成するピストンの折損やダイヤフラムの損傷を引き起こし、いわゆるサーモエレメントの破損を招いてしまうおそれがある。
このため、このような従来のサーモエレメント付き蝶番による不具合を一掃しようとして、本出願人は、相対的に回動可能な一対の蝶番部材と、蝶番部材の一方を他方に対して一方向に回動するように付勢力を与えるばね手段と、温度変化に伴う熱膨張体の熱膨張、熱収縮によって進退動作することによりばね手段の付勢力に抗して蝶番部材の一方を回動動作可能なピストンを有するサーモエレメントとを備えたサーモエレメント付き蝶番において、蝶番部材の一方側に設けられた係合ピンと、ばね手段の付勢力により係合ピンが係合する案内カム面を有しピストンのロッド部上の任意の位置に設けられたカム部材とを備え、カム部材の案内カム面は、前記ピストンの軸線方向への進退動作に従って前記係合ピンが該案内カム面に沿って相対的に移動することにより、周囲温度変化に対応して蝶番部材の回動動作量を可変できるように形成したものを先に提案している(例えば特許文献2参照)。
特許第3172903号公報 特開2005−282304号公報
しかし、上述したサーモエレメント付き蝶番では、蝶番部材用のトーションばねとサーモエレメント作動用のコンプレッションスプリングの2つを使用しており、その他の部分でも構成部品点数が多く、組み立て作業も面倒かつ煩雑である等の不具合があった。さらに、上述したサーモエレメント付き蝶番では、サーモエレメントのピストンやそのロッド部、カム部材等の支持部において片持ち支持している部分が多く、サーモエレメントのピストンとその保持部材との間で偏荷重が加わる構造であり、可動部の剛性、さらに耐久性などの面で問題であった。
特に、この種のサーモエレメント付き蝶番において、これを換気装置における換気口の開閉用等として用いるにあたっては、全体の構成部品点数が少なく、組立作業性などの面で優れ、しかも可動部等に無用な偏荷重が生ぜず、安定した動作を期待できる簡易型構造であって、開度調整機能と防火機能とを備えていること等が望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、蝶番部材の回転量を任意の特性をもって調整する機能やオーバリフト防止機能を備えるとともに、火災に対しての防火機能も備え、また各部にかかる応力を吸収する構造を採ることで、機械的強度を確保し耐久性を向上させることができる簡易型構造をもつサーモエレメント付き蝶番を得ることを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るサーモエレメント付き蝶番は、支軸により相対的に回動可能に軸支される一対をなす蝶番部材と、前記支軸上に設けられ前記蝶番部材の一方を他方に対して一方向に回動するように付勢力を与えるトーションばねと、温度変化に伴う熱膨張体の熱膨張、熱収縮によって進退動作することにより前記トーションばねの付勢力に抗して前記蝶番部材の一方を回動動作可能なピストンを有するサーモエレメントとを備え、サーモエレメントのピストンが進退動作することにより、蝶番部材の一方を他方に対して回動駆動させるサーモエレメント付き蝶番において、蝶番部材の他方側に設けた筒状ホルダ内で進退動作自在に保持されサーモエレメントのピストンの動きが伝達されることによりこれに連動して進退動作するロッド部材と、蝶番部材の一方側に設けられた当接部材とを備え、この当接部材に前記ロッド部材が当接して押し上げ動作させることにより、蝶番部材の一方側を他方側に対して回動動作させることを特徴とする。
本発明(請求項2記載の発明)に係るサーモエレメント付き蝶番は、請求項1記載のサーモエレメント付き蝶番において、ロッド部材の当接部材との当接部は、その当接面が平坦であって、かつ他の部分よりも径が太く形成され、この当接部に当接する前記当接部材は円柱状に形成され、その円弧面が前記ロッド部材の当接部に当接するように構成されるとともに、このロッド部材の当接面と当接部材との当接部位は、該ロッド部材の中心軸よりも前記蝶番部材の支軸側にずれて位置付けられていることを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係るサーモエレメント付き蝶番は、請求項1記載のサーモエレメント付き蝶番において、ロッド部材の当接部材との当接部は大径部と小径部を有しており、蝶番部材の一方を第1の状態と第2の状態との間で温度変化に応じて回動動作させるように構成されている場合において、予め設定した温度よりも高い温度を感温したときに、前記ロッド部材の上面の平面から当接部材が外れて当接部材がロッド部材の小径部に相当する部分でフリー状態となり、蝶番部材の一方を第2の状態から第1の状態へと動作させることにより、1回のピストンリフトによって、第1の状態、第2の状態、さらに第1の状態という動作を行わせることができるように構成されていることを特徴とする。
本発明(請求項4記載の発明)に係るサーモエレメント付き蝶番は、請求項3記載のサーモエレメント付き蝶番において、ロッド部材における小径部の軸線方向の長さは、設定された温度より高温となって蝶番部材の一方が第1の状態となった場合において、温度がさらに上昇し、サーモエレメントのピストンが突出した際に、ロッド部材の一部が前記支軸または蝶番部材の一方と当接するよりも早く、サーモエレメントのピストンが、該ピストンを摺動保持するサーモエレメントの保持部から押し出されて外れることによって、前記当接部材が押し上げられないような長さで形成されていることを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係るサーモエレメント付き蝶番は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のサーモエレメント付き蝶番において、サーモエレメントのピストンを初期位置に復帰させるためのリターンスプリング機能を、蝶番部材の一方側と他方側との間に設けたトーションばねに兼用させて持たせたことを特徴とする。
本発明(請求項6記載の発明)に係るサーモエレメント付き蝶番は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のサーモエレメント付き蝶番において、蝶番部材の一方を、換気装置における換気口を開閉する部材として用いたことを特徴とする。
以上説明したように本発明に係るサーモエレメント付き蝶番によれば、以下のような種々優れた効果がある。
すなわち、本発明(請求項1記載の発明)によれば、サーモエレメントのピストンを直接当接部材などに当接させる構造に比べて、その中間位置で蝶番部材の他方に設けた筒状ホルダに保持させるようにロッド部材を配置することで、剛性面での性能が向上し、蝶番部材の一方が回動動作する際の偏荷重が直接ピストンに加わることがなくなるので、ピストンによる筒状ホルダの内面の偏摩耗がなくなり、全体の耐久性が向上するという利点がある。
本発明(請求項2記載の発明)によれば、従来装置において偏荷重を低減するために当接部材が当接するピストン側の当接部を円錐形等としていたが、このような円錐形の場合には必ず斜め方向に荷重が加わるため、荷重は低減できても、なくすことはできなかったが、ピストン側の当接箇所を平面にすることで横方向への荷重が加わらなくなるため偏荷重を防止でき耐久性を向上させることができる。
本発明(請求項3記載の発明)によれば、ロッド部材の当接部材への当接部を、大径部と小径部とを有する形状とし、かつその当接面は円錐形状で当接面を平面状にしたため、温度が上昇して、ある一定以上ピストンがリフトすると当接部材が当接面から外れることで、蝶番部材を所要の状態、たとえばダンパを開状態から閉状態への動作させることができる。したがって、このような蝶番部材を、例えば換気口などの開閉用として用いた場合に、サーモエレメントの1回のピストンのリフトで、閉状態、開状態、閉状態という動作状態を得ることが可能となり、火災時等で温度が所定以上に上昇したときに、開状態から再度の閉状態へと動作させることができる。
本発明(請求項4記載の発明)によれば、上述したように再度の閉状態になった後に、さらに温度が上昇してサーモエレメントのピストンが突出した際に、ロッド部材の一部が支軸または蝶番部材の一方と当接するよりも早く、サーモエレメントのピストンが、該ピストンを摺動保持するサーモエレメントの保持部から押し出されることにより抜け出して外れることによって、当接部材等が押し上げられないようにすることができるため、さらに温度上昇した際に開状態となることがない。
本発明(請求項5記載の発明)によれば、上述したような構成とすることにより、サーモエレメント等の取り付け部の剛性を向上させ、またリターンスプリング、オーバストローク吸収のためのスプリングやその他の機構等を省略し、1個のばね手段で構成することができるという利点もある。
また、本発明(請求項6記載の発明)によれば、住宅設備である換気口装置の換気口に用いる開閉手段として用いた場合において、該換気口に防火機能を備えるにあたって、部品点数の増加を招くことなく、また電気を使用することなく自動的に閉じることができ、防火性能を有し、また開度調整機能をも備えているサーモエレメント付き蝶番を得ることができる。
図1および図2は本発明に係るサーモエレメント付き蝶番の一実施の形態を示し、この実施の形態では、建物の室内と室外との間に配設されて換気を行う換気装置に採用した場合を説明する。
これらの図において、全体を符号10で示すサーモエレメント付き蝶番は、図1および図2に示されるように、第1の蝶番部材11とこれと対をなす第2の蝶番部材12と、これらの蝶番部材11,12の一部に設けた軸支部を軸支することにより相対的に回動可能な状態で連結する支軸13とを備えている。そして、この支軸13の回りに巻回させたトーションばね14の一端を第1の蝶番部材11に、他端を第2の蝶番部材12に係止させることにより、第1の蝶番部材11に対して一方向、ここでは常時閉じる方向に付勢力を与えている。
ここで、第2の蝶番部材12は、全体がほぼコ字状を呈する本体フレームであり、この本体フレーム12の上部に支軸13が架設され、これに第1の蝶番部材11が回動自在に軸支されている。この第1の蝶番部材11は、取り付け台状を呈するブラケットであり、このブラケット11には、図示は省略したが、換気口の開口部を開閉するダンパ(図中想像線で示す)が取り付け固定される。なお、このような換気口としては、住宅の屋根裏に設けられ、室内外を連通するダクト部によって構成され、このダクト部内でブラケットの揺動角度を可変することにより該ダクト部の開口部を開状態、あるいは閉状態とするように構成されている。
前記第2の蝶番部材である本体フレーム12の下側には、縦方向に立設するようにして、ワックス等の熱膨張体(内部構造の図示は省略する)を封入したサーモエレメント20が配置されている。そして、このサーモエレメント20の上端部側には、ロッド部材21の下部筒部が嵌め付けられることにより組み付けられ、このロッド部材21は、サーモエレメント20のピストン22の進退動作によって進退動作するように構成されている。
なお、サーモエレメント20の下部は、本体フレーム12の下側部分に折曲げ形成されている下部支持片23に保持固定されている。
また、このロッド部21は、前記本体フレーム12の中央部上側部分に折曲げ形成された上部支持片24に固定されている筒状ホルダ25内に摺動自在に保持されている。
前記ブラケット11の支軸13による軸止部から偏心した位置には当接部材としての当接ピン30が設けられ、この当接ピン30に前記ロッド部21の上端部の当接部31が当接し、この当接ピン30を押し上げ動作させることにより、ブラケット11を回動動作させ、これにより前記ダンパにより換気口を開閉するように構成されている。
ここで、前記ロッド部材21の当接ピン30との当接部31は、その当接面が平坦であって、かつ他の部分よりも径が太く形成された大径部32と、これよりも径が小径の小径部33とで構成されている。なお、この当接部31に当接する前記当接ピン30は円柱状に形成され、その円弧面が前記ロッド部材21の当接部31に当接するように構成されている。なお、大径部32の小径部33側は円錐状に形成され、当接ピン30が小径部33に対応する部分に位置したのちに、元の状態に復帰する場合の傾斜面として機能するようになっている。
また、上述したこのロッド部材21の当接面と当接ピン30との当接部位は、該ロッド部材21の中心軸よりも前記ブラケット11の支軸13側にずれて位置付けられている。これは、ロッド部材21の押し上げ動作によって、ブラケット11を確実に回動動作させるためである。
また、上述したロッド部材21の当接部31において、大径部32のピストン22側に小径部33を形成する理由は、通常は、温度変化に伴うワックス等の熱膨張体の膨張、収縮によるサーモエレメント20のピストン22の進退動作に伴ってロッド部材21の大径部32の先端側の平坦面で当接ピン30を押し上げたりすることで、ブラケット11を所要の回動角度に回動させるようになっているが、例えば火災時などにおいて予め設定した所定温度以上の高い温度になったときに、ピストン22の突出方向への動きに伴ってロッド部材21が、さらに上昇することにより、ロッド部材21の上面の平面から当接ピン30が外れて該当接ピン30がロッド部材21の小径部33に相当する部分でフリー状態となり、ブラケット11による通気口の開閉を、開状態から閉状態へと瞬時に変化させることができるようにするためである。
すなわち、ブラケット11は、サーモエレメント20のピストン22の進退動作によってロッド部材21を介して、閉状態と開状態との間で開閉動作するが、このピストン22が開状態の方向にさらに動作すると、小径部33に対応することで、閉状態となるようになっている。
したがって、このような構成では、このサーモエレメント付き蝶番10を例えば換気口などの開閉用として用いた場合に、サーモエレメント20の1回のピストン22のリフトで、閉状態(第1の状態)、開状態(第2の状態)、閉状態(第1の状態)という動作状態を得ることが可能となり、火災時等で温度が所定以上に上昇したときに、開状態から再度の閉状態へと動作させることができるのである。
ここで、このロッド部材21における小径部33の軸線方向の長さは、設定された温度より高温となってブラケット11が第1の状態である閉状態となった場合において、温度がさらに上昇してサーモエレメント20のピストン22が突出した際に、ロッド部材21の一部が前記当接ピン30または第1の蝶番部材であるブラケット11と当接するよりも早く、サーモエレメント20のピストン22が、該ピストン22を摺動保持するサーモエレメント20のガイド体22aから押し出されて外れることによって、ロッド部材21の前記大径部33とは異なる大径部分21a等によって前記当接ピン30が押し上げられないような長さで形成されているものである。
すなわち、前述したような所定温度以上の温度上昇により再度の閉状態になった後において、さらに温度が上昇してサーモエレメント20のピストン22が突出した際に、ロッド部材21の一部が当接ピン30またはブラケット11等と当接するよりも早く、ピストン22が、該ピストン22を摺動保持するサーモエレメント20のガイド体22aから押し出されることにより抜け出して外れることによって、ロッド部材22の当接部31における大径部32や小径部33、さらにそれ以外の部分がブラケット11、例えば当接ピン30を押し上げて、再度開状態となる等の不具合が生じないようにすることができるのである。
また、上述したサーモエレメント付き蝶番10によれば、サーモエレメント20のピストン22を初期位置、すなわちピストン22の突出量が最も小さい位置に復帰させるためのリターンスプリング機能を、蝶番部材の一方側のブラケット11と他方側の本体フレーム12との間に設けたトーションばね14に兼用させて持たせている。そして、このような構成によれば、サーモエレメント20等の取り付け部の剛性を向上させ、またリターンスプリング等を省略し、1個のばね手段で構成することができるのである。
この実施形態において、図3(a)は周囲温度が27℃以下であってダンパが全閉状態にあるときのブラケット11の回動状態を示し、同図(b)は周囲温度が50℃程度であってダンパが全開状態にあるときのブラケット11の回動状態を示す。
通常は、これらの温度の間で変化するサーモエレメント20のピストン22の進退動作に従って、ロッド部材21の上端の当接部31の平面がブラケット11の当接ピン30に当接して押し上げたり、前記トーションばね14の付勢力により反対方向に復帰回動したりすることで、通気口を開閉するようになっている。
また、このような構成において、サーモエレメント20が火災時等において異常な温度を感知し、前記ピストン22が、さらに上方に突出動作すると、当接ピン30を押し上げてロッド部材21の大径部32から当接ピン30が離脱し、図4に示すように、小径部33に対応する位置に当接ピン30が位置することになる。このようになると、ブラケット11は、トーションばね14の復帰力により図中時計方向に回動し、ダンパが全閉状態になり、通気口が完全に閉塞されて、火災時の防火性能を発揮できるのである。そして、この状態は、さらなる温度上昇によって、ピストン22が上方に突出しても、小径部33の軸線方向の長さ等によって、その全閉状態を維持するようになっている。
以上の構成によれば、サーモエレメント20のピストン22を直接当接ピン30などに当接させる構造に比べて、その中間位置で本体フレーム12に設けた筒状ホルダ25に保持させるようにロッド部材21を配置することで、装置可動部における剛性面での性能が向上し、ブラケット11が回動動作する際の偏荷重が直接ピストン22に加わることがなくなるので、ピストン22を保持するガイド体22aの内面での偏摩耗がなくなり、全体の耐久性が向上するという利点がある。
また、上述した構成では、従来装置においては偏荷重を低減するために当接ピン30が当接するピストン22側の当接部31を円錐形等としており、このような円錐形の場合には必ず斜め方向に荷重が加わるため、荷重は低減できても、なくすことはできなかったが、ピストン22側の当接箇所を平面にすることで横方向への荷重が加わらなくなるため偏荷重を防止でき耐久性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、図2、図5に示すように、本体フレーム12の一方の側板外側部分で支軸13にリンクプレート41を回動自在に軸支し、ブラケット11と連動して回動するように構成している。そして、このリンクプレート41の外方端に設けた折曲げ片41aを、本体フレーム12の側板外側に設けたマイクロスイッチ42のスイッチ片42aに係合させることにより、ブラケット11の回動位置によって、スイッチ42をオンオフするように構成している。
このようにすれば、ブラケット11の回動位置によるダンパの開閉状態に応じて、たとえば通気口に設けたファンの回転を所要の状態で制御することができるのである。すなわち、全閉状態では、ファンは停止状態にし、開状態になるに従ってファンを駆動すればよいのである。
ここで、図5(a)はブラケット11が閉位置にあり、スイッチ42がオフである状態を示す。また、同図(b)はブラケット11が所定角度宛回動し、リンクプレート41の折曲げ片41aが真下にあるときのスイッチ42がオンである状態を、同図(c)はブラケット11が最大限回動して開放位置にあり、スイッチ42を最大限押し下げたオンである状態を示す。
さらに、同図(d)は火災時等でサーモエレメント20のピストン22が最大リフトし、当接ピン30から離脱し、ブラケット11が、通気口を閉状態とする閉位置に復帰したときの状態であって、このときスイッチ42は、図示の通り、オフの状態となる。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。たとえば蝶番10を構成する蝶番部材11,12の形状などを適宜変形し得ることは勿論である。
また、上述した実施の形態では、1回のピストン22のリフトによって、閉動作から開動作、さらに閉動作という動作を得ることで、たとえば換気口の開閉を周囲温度変化によって開閉制御しているが、これに限らず、当接部31の形状を適宜選択することで、開動作、閉動作、開動作というように動作させてもよいことは言うまでもない。
さらに、上述した当接ピン30が当接する当接部31の大径部32や小径部33等の形状としても、上記の実施の形態で説明したものに限定されず、使用される分野や部位などによって適宜選択することができる。
また、上述した実施の形態では、本発明に係るサーモエレメント付き蝶番10を住宅設備用の換気装置等に採用した場合を説明したが、これに限定されず、種々の分野における蓋体の開閉装置や蝶番に応用できることは言うまでもない。
本発明に係るサーモエレメント付き蝶番の一実施形態を示す概略側断面図である。 図1に示すサーモエレメント付き蝶番の概略斜視図である。 本発明に係るサーモエレメント付き蝶番の動作を説明するものであり、(a)は蝶番部材の一方(ブラケット)が第1の状態である閉状態にあるときの概略側面図、(b)は第2の状態である開状態にあるときの概略側面図である。 図3の(a),(b)に連続してピストンがさらに突出動作したときに蝶番部材の一方(ブラケット)が第1の状態である閉状態に変化したときの概略側面図である。 上述した図3、図4においての蝶番部材の一方(ブラケット)の回動動作に伴ってオンオフするマイクロスイッチの動きを説明するための図である。
符号の説明
10…サーモエレメント付き蝶番、11…第1の蝶番部材(ブラケット)、12…第2の蝶番部材(本体フレーム)、13…支軸、14…トーションばね、20…サーモエレメント、21…ロッド部材、22…ピストン、23…下部支持片、24…上部支持片、25…筒状ホルダ、30…当接ピン、31…当接部、32…大径部、33…小径部、41…リンクプレート、42…マイクロスイッチ。

Claims (6)

  1. 支軸により相対的に回動可能に軸支される一対をなす蝶番部材と、前記支軸上に設けられ前記蝶番部材の一方を他方に対して一方向に回動するように付勢力を与えるトーションばねと、温度変化に伴う熱膨張体の熱膨張、熱収縮によって進退動作することにより前記トーションばねの付勢力に抗して前記蝶番部材の一方を回動動作可能なピストンを有するサーモエレメントとを備え、サーモエレメントのピストンが進退動作することにより、蝶番部材の一方を他方に対して回動駆動させるサーモエレメント付き蝶番において、
    前記蝶番部材の他方側に設けた筒状ホルダ内で進退動作自在に保持され前記サーモエレメントのピストンの動きが伝達されることによりこれに連動して進退動作するロッド部材と、
    前記蝶番部材の一方側に設けられた当接部材とを備え、
    この当接部材に前記ロッド部材が当接して押し上げ動作させることにより、前記蝶番部材の一方側を他方側に対して回動動作させることを特徴とするサーモエレメント付き蝶番。
  2. 請求項1記載のサーモエレメント付き蝶番において、
    前記ロッド部材の当接部材との当接部は、その当接面が平坦であって、かつ他の部分よりも径が太く形成され、
    この当接部に当接する前記当接部材は円柱状に形成され、その円弧面が前記ロッド部材の当接部に当接するように構成されるとともに、
    このロッド部材の当接面と当接部材との当接部位は、該ロッド部材の中心軸よりも前記蝶番部材の支軸側にずれて位置付けられていることを特徴とするサーモエレメント付き蝶番。
  3. 請求項1記載のサーモエレメント付き蝶番において、
    前記ロッド部材の当接部材との当接部は大径部と小径部を有しており、
    前記蝶番部材の一方を第1の状態と第2の状態との間で温度変化に応じて回動動作させるように構成されている場合において、予め設定した温度よりも高い温度を感温したときに、前記ロッド部材の上面の平面から当接部材が外れて当接部材がロッド部材の小径部に相当する部分でフリー状態となり、蝶番部材の一方を第2の状態から第1の状態へと動作させることにより、1回のピストンリフトによって、第1の状態、第2の状態、さらに第1の状態という動作を行わせることができるように構成されていることを特徴とするサーモエレメント付き蝶番。
  4. 請求項3記載のサーモエレメント付き蝶番において、
    前記ロッド部材における小径部の軸線方向の長さは、前記設定された温度より高温となって蝶番部材の一方が第1の状態となった場合において、温度がさらに上昇し、サーモエレメントのピストンが突出した際に、ロッド部材の一部が前記支軸または蝶番部材の一方と当接するよりも早く、サーモエレメントのピストンが、該ピストンを摺動保持するサーモエレメントの保持部から押し出されて外れることによって、前記当接部材が押し上げられないような長さで形成されていることを特徴とするサーモエレメント付き蝶番。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のサーモエレメント付き蝶番において、
    前記サーモエレメントのピストンを初期位置に復帰させるためのリターンスプリング機能を、前記蝶番部材の一方側と他方側との間に設けたトーションばねに兼用させて持たせたことを特徴とするサーモエレメント付き蝶番。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のサーモエレメント付き蝶番において、
    前記蝶番部材の一方を、換気装置における換気口を開閉する部材として用いたことを特徴とするサーモエレメント付き蝶番。
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