JPS6136074Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は正特性サーミスタをヒータとして使用す
る加熱装置に於て、始動大電流の流れる時間を短
縮せんとするものである。

正特性サーミスタは、大電流が流れて温度上昇
すると抵抗が増大して電流を押える作用をもつの
で、安全装置が不用となつて、ヒータとして広く
使用されているが、始動時に温度が低い時は抵抗
が小さいので大電流が流れる欠点があり、大電流
が長時間流れていると機器の耐久性を損い、又損
傷を与えることがある。

本案は始動時に大電流の流れる時間を短縮せん
とするもので、以下図に基いて説明すると、１は
前面に衣類投入用のドア２を有する衣類乾燥機
で、その内部には回転ドラム３を装着し、該ドラ
ムの背面側開口部に面して固定側にヒータ取付板
４を装着している。５はモータで、ベルトを介し
て前記回転ドラム３を駆動すると同時に、熱風循
環用の送風機６を回転するものである。この送風
機によつて生ぜしめられた空気流は、凝縮器７を
通過する際に水分を奮われた後、前記ヒータ取付
板４を通過する時に加熱されて前記回転ドラム３
内に吹込まれ、該ドラム内の衣類から水分を奮つ
て、衣類投入口の周縁に設けた通風孔８から前記
送風機６に吸込まれる。

而して前記ヒータ取付板４には四個の透孔９ａ
〜９ｄが穿設されており、そのうち３個９ａ〜９
ｃには、ハニカム状の通風路が多数形成された正
特性サーミスタ１０，１０，１０が装着されてい
るが、残りの一個９ｄには、正特性サーミスタに
代えてバイメタル板１１が装着されている。この
バイメタル板は始動時の温度が低い時には前記透
孔９ｄを開いているが、温度が上昇するつれてこ
の透孔９ｄを閉じるようになつている。

従つて始動時には、送風機６によつて発生され
た空気流のほとんどが、バイメタル板１１によつ
て開かれている透孔９ｄを通つて流れ、通風抵抗
の大きい正特性サーミスタ１０，１０，１０を通
してあまり流れない。その結果この正特性サーミ
スタ１０，１０，１０は、空気流によつてあまり
熱を奮われないのですぐに温度上昇し、抵抗が大
きくなる。それによつて、始動時に大電流が流れ
ている時間が大幅に短縮される。而してこの正特
性サーミスタ１０，１０，１０を通して多少は空
気が流れるので、送風機６によつて循環せしめら
れる空気は除々に温度上昇していき、それにつれ
てバイメタル板１１が透孔９ｄを塞ぐので空気流
の全てが正特性サーミスタ１０を通過するように
なり、回転ドラム内の温度は加速度的に上昇して
いく。

第３図はこの衣類乾燥機１を一槽式全自動洗濯
機１２と組合わせて設置した正面図で、この衣類
乾燥機はスタンド１３上に設置されている。而し
てこの衣類乾燥機１はその横幅Ｌが前記一槽式全
自動洗濯機１２の横幅に略等しく、又縦幅Ｍが二
槽式洗濯機の横幅に略等しくなつており、二槽式
洗濯機と組合わせて使用する時はこの衣類乾燥機
１を横転してスタンド上に載置すると、洗濯機と
大きさのバランスがとれてデザイン上優れたもの
となる。

なお衣類乾燥機１の縦幅Ｍが前記のように定め
ると、従来の衣類乾燥機よりも縦幅が大きくな
り、衣類乾燥機内に無駄な空間が生ずるが、この
部分に小物収納凹所を形成して空間の有効利用を
図つている。１４はこの小物収納凹所の蓋を示し
ている。

本案はヒータとして正特性サーミスタを使用し
た加熱装置に於て、始動時には大部分の空気流が
バイメタル板によつて開かれている透孔を通つて
流れ、その結果、空気流が正特性サーミスタをあ
まり通らないので、正特性サーミスタはすぐに温
度上昇して抵抗値が高くなり、始動大電流の流れ
ている時間を短縮することができ実用的効果の大
なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案衣類乾燥機の縦断面図、第２図ヒ
ータ取付部分の拡大部分の拡大斜面図、第３図は
洗濯機と組合わせて設置した場合の正面図であ
る。 ４……ヒータ取付板、９ａ〜９ｄ……透孔、１
０……正特性サーミスタ、１１……バイメタル
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒータ取付板に穿設した複数個の透孔に、ハニ
   カム状の通風路が多数形成された正特性サーミス
   タを装着し、該サーミスタを通して流れる空気を
   このサーミスタによつて加熱するものに於て、前
   記複数個の透孔のうち少くとも一つには前記正特
   性サーミスタに代えてバイメタル板を装着し、こ
   のバイメタル板は始動時には透孔を開放し、温度
   上昇に伴つて閉鎖するようにしたことを特徴とす
   る加熱装置。