JPS6135413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンクリート建築物に配管や配線
その他各種部材を取付ける際に使用されるコンク
リートアンカー、特に内ねじ式アンカーの打込具
に関するものである。

内ねじ式のコンクリートアンカーは筒状に形成
され、先端には複数のスリツトが、又基端部内周
には雌ねじが設けられたアンカー本体と、この本
体の先端部内に挿入される楔部材とで構成され、
アンカー本体と楔部材をセツトした状態でコンク
リート建築物の所定位置に開設された下孔内に挿
入し、アンカー本体を打込むことによりその先端
を拡開させて抜止状とし、基端内周の雌ねじを利
用して各種部材の取付けを行なうものである。

上記の内ねじ式コンクリートアンカーは、その
取付時にアンカー本体の雌ねじを備えた基端側を
打撃するので、打撃時に雌ねじに損傷が生じない
よう端面を保護する必要があり、このため専用の
打込具が使用される。

ところで、従来の打込具は、アンカー本体の外
径と略同径に形成されたハンドル棒の先端面にア
ンカー本体内に嵌入する小径軸部を達成した一本
物の構造であつた。

しかし、コンクリートアンカーは直径の異なる
多くの種類があり、上記のような一本物の打込具
では、コンクリートアンカーのサイズごとに専用
の打込具を用意しなければならず、しかも一本物
であるため全長が長くなり、嵩張つて携行に不便
であり、更には打撃時の振動が直接手に伝わると
いう欠点があつた。

この考案は、上記のような欠点を解消するため
になされたものであり、コンクリートアンカーの
種類に対して部分的な取替えだけで対応できるた
めに嵩ばらず、よつて持運びが便利となり、かつ
打撃時の振動を緩衝することができる打込具を提
供するのが目的である。

この考案の構成は、軸状のハンドル杆と、この
ハンドル杆に抜止状となるよう嵌挿された巻ばね
と、コンクリートアンカーのサイズに合せて複数
種類が用意されたヘツド部材とで形成され、所望
するヘツド部材をハンドル杆の先端に巻ばねとの
螺合によつて取付けるように構成したものであ
る。

以下、この考案を添付図面の実施例に基づいて
説明する。

図示のように、内ねじ式のコンクリートアンカ
ー１は、筒状のアンカー本体２と、この本体２の
先端をコンクリート建築物Ａの所定位置に開設さ
れた下孔Ｂ内で拡開させる楔部材３とで構成さ
れ、前記アンカー本体２は先端に拡開用のスリツ
ト４が、又基端部内周面には雌ねじ５が形成され
ている。

上記した如く構成されたコンクリートアンカー
１の打込具１１は、軸状のハンドル杆１２と、こ
のハンドル杆１２の外側に抜止状となるよう嵌挿
された巻ばね１３と、この巻ばね１３との螺合に
よつてハンドル杆１２の先端に取付けられるヘツ
ド部材１４とで構成されている。

前記ハンドル杆１２は、例えば片手で握持する
と少し余る程度の長さを有し、その先端面にヘツ
ド部材１４との結合軸１５が設けられ、基端側は
小径のテーパ部１６に形成されている。

また上記巻ばね１３は適当な径の線材を用い、
ハンドル杆１２に外嵌する内径をもつて密巻きに
形成されている。この巻ばね１３は、全長がハン
ドル杆１２よりも長くなり、その基端部をハンド
ル杆１２のテーパ部１６に沿うよう絞り込み、こ
の部分でハンドル杆１２に抜止状となるよう固定
され、その先端は例えば３巻程度がハンドル杆１
２の先端から突出している。更に前記ヘツド部材
１４は、第２図に示すように、アンカー本体２内
に嵌合する小径の先端軸１７と、アンカー本体２
に打撃を伝える打撃軸１８と中間軸１９、及びハ
ンドル杆１２への取付軸２０とからなり、前記取
付軸２０は巻ばね１３の内径よりも少し大径で、
その外周面に巻ばね１３の突出部分１３ａと螺合
する螺着溝２１が形成され、又端面には結合軸１
５の嵌合孔２２が設けられている。

このヘツド部材１４は、巻ばね１３と螺着溝２
１との螺合によつてハンドル杆１２の先端に着脱
自在でかつ弾力的に取付けられ、結合軸１５と嵌
合孔２２の嵌り合いによりハンドル杆１２と同軸
芯に保持される。

上記ヘツド部材１４は、コンクリートアンカー
１のサイズに対応した種類数が用意される。即
ち、コンクリートアンカー１のサイズに合せて、
先端軸１７及び打撃軸１８の直径が異なり、取付
軸２０は同一寸法としたものを用意し、打込まん
とするコンクリートアンカー１に適応するヘツド
部材を選択してハンドル杆１２に取付けるもので
ある。

なお、ハンドル杆１２に対するヘツド部材１４
の着脱操作が容易に行なえるよう、巻ばね１３の
突出部分１３ａにおける先端に、突出部分１３ａ
の内径を拡径させるための押広げ片１３ｂを屈曲
連成している。

また、ヘツド部材１４の中間軸１９には、径方
向の貫通孔２３を設け、棒状ハンドルをこの貫通
孔２３に差込むことにより、ヘツド部材１４の回
動操作を軽く行なえるようにしている。

この考案の打込具は上記のような構成であり、
コンクリート建築物Ａの所定位置に設けた下孔Ｂ
内にコンクリートアンカー１を打込むには、アン
カー１のサイズに適応したヘツド部材１４を選
び、このヘツド部材１４の取付軸２０に設けた螺
着溝２１を巻ばね１３の突出部分１３ａに螺合
し、ハンドル杆１２の先端にヘツド部材１４を延
長状に取付ける。

この状態でハンドル杆１２を巻ばね１３と共に
握り、第１図及び第２図に示すように、ヘツド部
材１４の先端軸１７をアンカー本体２内に挿入
し、打撃軸１８の端面をアンカー本体２の基端部
端面に押当て、次にハンドル杆１２を基端側から
軸方向にハンマー等で打込む。

上記打込みによつてアンカー本体２は下孔Ｂ内
に進入し、停止する楔部材３によつて第３図のよ
うに先端が拡開し、コンクリート建築物Ａに対し
て完全な固定状態になる。

以上のように、この考案によると、ハンドル杆
に外嵌した巻ばねとの螺合によつて、ハンドル杆
の先端にヘツド部材を着脱自在に取付けるように
したので、使用しないときは、ハンドル杆とヘツ
ド部材とに分離でき、嵩ばらないので携行等に便
利である。

また、ハンドル杆に対し、巻ばねを介してヘツ
ド部材を取付けたので、打込時の振動や衝撃をば
ねで緩衝でき、手に伝わるようなことがなくな
る。

さらに、ヘツド部材はコンクリートアンカーの
サイズごとに応じたものを用意するようにしたの
で、ヘツド部材のみ数種用意すればよく、ハンド
ル杆及び巻ばねは併用できるので、設備コストの
大幅な低減を図ることが可能になり、しかも巻ば
ねとの螺合であるので、ヘツド部材の着脱操作も
容易に行なえるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の打込具を示す使用状態の一
部縦断正面図、第２図は同上の要部を拡大した縦
断面図、第３図は同上の打込状態を示す一部縦断
正面図である。 １はコンクリートアンカー、１１は打込具、１
２はハンドル杆、１３は巻ばね、１４はヘツド部
材、１８は打撃軸、２０は取付軸、２１は螺着
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸状のハンドル杆と、このハンドル杆の外側に
   抜止状となるよう嵌挿されその先端がハンドル杆
   の先端から所要長さ突出する筒状の巻ばねと、外
   周に巻ばねの先端突出部に螺合する螺着溝を有し
   巻ばねへの螺合によつてハンドル杆の先端に着脱
   自在に取付けられるヘツド部材とで構成されてい
   ることを特徴とするコンクリートアンカーの打込
   具。