JPS639674Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、さく岩機の打撃ピストンで打撃され
るシヤンクロツドに関する。

従来、坑道等の天盤あるいは側壁の維持すなわ
ち肌落ち等の防止は、上記天盤あるいは側壁に挿
入孔をさく孔し、この挿入孔にロツクボルトを挿
入して行なつていたが、近年、このロツクボルト
の代りに商品名「スプリツトセツト」で販売され
ている長さ方向にスリツトを有する円筒状の打込
体を上記挿入孔に打ち込むことによつて行なうよ
うになつた。（実開昭56−121800号及び実開昭57
−197599号公報参照）ところが、このように打込
体を打ち込むことによつて肌落ち等を防止する方
法は、さく岩機本体に設けられた打撃ピストンに
よつて打撃されるシヤンクロツドの他に、さく孔
用のインサートビツト又はロツド及びこれをシヤ
ンクロツドに結合するための内周面にネジが切ら
れたスリーブと、打込用として、打込体およびこ
の打込体とシヤンクロツドとの間に配置される打
込治具とを準備し、まずインサートビツトをスリ
ーブを介してシヤンクロツドに接続して挿入孔の
さく孔を行ない、次いでスリーブをシヤンクロツ
ドから取り外し、この後打込治具をシヤンクロツ
ドに嵌め込み、最後にこの打込治具に打込体をセ
ツトし、この状態でこの打込体を上記挿入孔へ打
ち込むことによつて行なわれていた。

このように従来は、上記したような肌落ち等の
防止に数多くの部材を必要とするとともに、数多
くの工程を必要としていた。

そこで本考案は、上述の肌落ち等の防止の施工
に必要な部材数を減少するとともに、必要な工程
数をも減少することのできるさく岩機のシヤンク
ロツドを提供することを目的とするものである。

本考案は、さく岩機に対して抜け止め支持さ
れ、かつさく岩機の打撃ピストンで打撃されるシ
ヤンクロツドにおいて、シヤンクロツド本体上で
あつて、さく孔ロツド結合用のネジ部の後方部位
に、さく孔された孔へ打ち込まれる筒状の打込体
の受面をなす鍔部を設け、上記打込体を上記ネジ
部に嵌挿支持して上記鍔部で打ち込むようにした
ことを特徴とするものである。

以上の構造のさく岩機のシヤンクロツドを用い
て上記肌落ち等を防止するための作業を行なうに
は、さく孔作業は従来と同じで、スリーブとイン
サートビツトあるいはロツドを準備して行なわな
ければならないが、打込用としては従来のように
打込治具を準備する必要がなく、シヤンクロツド
のネジ部から上記スリーブを取り外したまま状態
で該ネジ部に打込体を嵌挿し、上記鍔部を用いて
打ち込めばよいので、準備すべき部材が１つ減少
するとともに、その部材のために必要な工程も減
少し、従つて上記作業を迅速かつ低コストで行な
えるようになる。本考案のシヤンクロツドは、長
さ方向にスリツトを有する円筒状のいわゆるスプ
リツトセツトに限らず、その他の打込体の打込み
にも使用できる。

以下、添付図面を参照して本考案の好ましい実
施例によるさく岩機のシヤンクロツドを説明す
る。

第１図は、さく岩機に取り付けられたシヤンク
ロツドの縦方向断面図である。

シヤンクロツド１は、図のようにさく岩機Ｄに
装着され、このさく岩機Ｄ中に設けられた打撃ピ
ストン（図示せず）によつて打撃されて作業を行
なうものである。このシヤンクロツド１は、本体
２を有し、この本体２の先端には、第２図に示し
た取付スリーブ３を介して第３図に示すさく孔用
インサートビツト４を該本体２に装着するための
ネジ部２ａが設けられている。インサートビツト
４の後端にも、ネジ部２ａと同様のネジ部４ａが
設けられている。また、スリーブ３の内周面に
は、シヤンクロツド１のネジ部２ａが螺合するネ
ジ部３ａと、インサートビツト４のネジ部４ａが
嵌合するネジ部３ｂとが設けられている。なお、
シヤンクロツド１には、さく岩機Ｄからの抜けを
防ぐために通常ストツパー２ｃが設けられてい
る。

シヤンクロツド１の本体２のネジ部２ａの直ぐ
後方には、鍔部５が設けられている。この鍔部５
は、例えばネジ部４ａの後方に、本体２の先端か
ら後端に向つて徐々に拡径するテーパ部２ｂを設
けておき、このテーパ部２ｂにリング状部材５ａ
をかたく嵌合することによつて形成することがで
きる。この鍔部５は、第４図に示されたような打
込体６を打撃して打込む際に使用されるものであ
つて、この打込体６は本体２のネジ部２ａの外径
よりわずかに大きい内径の孔６ａを有したほぼ円
筒状で長さ方向にスリツトが形成されている。

次に以上説明した構造のさく岩機のシヤンクロ
ツド１を用いてのさく孔および打込体６の打込み
について説明すると、まず第５図に示すように取
付スリーブ３を介してインサートビツト４をシヤ
ンクロツド１に取り付け、さく岩機の打撃ピスト
ンでこのインサートビツト４を打撃して坑道の側
壁等に挿入孔（図示せず）をさく孔し、次いでス
リーブ３をシヤンクロツド１から取外し、この後
このシヤンクロツド１のネジ部２ｂに打込体６を
嵌挿して支持させ、この状態で該打込体６を再び
さく岩機の打撃ピストンを用いて上記鍔部５で打
撃して上記挿入孔に打ち込む。以上を繰り返すこ
とにより容易に多数本の打込体６を坑道の天盤や
側壁に打ち込み、これらの維持、すなわち肌落ち
を防止することができる。

なお、上記した実施例においては、シヤンクロ
ツド１の本体２が実質的に一体的に形成されてい
るものについて説明したが、本体２の上記鍔部５
を備えた先端部を第７図に示すように本体２側か
ら分離し、両者をネジS₁，S₂によつて着脱自在に
構成することもできる。こうすれば、第７図に示
した先端部のみを準備すれば、従来のシヤンクロ
ツド１を何等変更することなく、そのまま用いる
ことができるので便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例のさく岩機のシヤン
クロツドを示す縦断面図、第２図は、スリーブを
示す縦断面図、第３図は、インサートビツトを示
す一部断面正面図、第４図は、打込体を示す一部
断面正面図、第５図は、第１図のシヤンクロツド
に第３図のインサートビツトを第２図のスリーブ
を用いて接続した状態を示す縦断面図、第６図
は、第１図のシヤンクロツドに第４図の打込体を
装着した状態を示す縦断面図、第７図は、シヤン
クロツドの変形例を示す縦断面図である。 Ｄ……さく岩機、１……シヤンクロツド、２…
…本体、２ａ……ネジ部、３……スリーブ、４…
…インサートビツト、５……鍔部、６……打込
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. さく岩機に対して抜け止め支持されかつ、さく
   岩機の打撃ピストンで打撃されるシヤンクロツド
   において、シヤンクロツド本体の、さく孔ロツド
   結合用のネジ部の後方部位に、さく孔された孔へ
   打ち込まれる筒状の打込体の受面をなす鍔部を設
   け、前記打込体を前記ネジ部に嵌挿支持して前記
   鍔部で打込むようにしたさく岩機のシヤンクロツ
   ド。