JPS6134485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は通常のカメラでインスタントフイルム
を使用可能にしたモニタ撮影用光学装置に関す
る。

商業写真を撮影するスタジオなどでは撮影の結
果を予測するために瞬時現像フイルムを用いたカ
メラによる撮影がしばしば行なわれる。正しい予
測をするためには照明等が同一の条件で同一の光
学系で撮影されることが望ましい。特殊な大型カ
メラで、インスタントフイルムのカメラバツクを
使用できるようにあらかじめ設計されている場合
においては、前記要請を満すことができる。とこ
ろが近時の35mmカメラの高性能化とあいまつて、
商業写真撮影を行なうスタジオでも35mm一眼レフ
カメラが広く用いられるようになつて来ている。

一般的に言つて35mmカメラではインスタントフ
イルムを使用することを目的とするものでなく、
市販されているインスタントフイルムバツクのフ
イルム面をカメラのピント面に合致させることは
不可能である。

35mmカメラにおいてもリレーレンズ等を用いて
インスタントフイルム上に結像させるという光学
装置が実施されているが、装置自体がきわめて大
形になり、光学装置が高価になるという問題があ
る。

本考案の目的は前述した通常のカメラにおい
て、そのフイルム面の後方にインスタントフイル
ム用の第２のフイルム面を形成し、そのフイルム
面に前記カメラレンズと同一焦点距離でモニタ撮
影を可能にするモニタ撮影用光学装置を提供する
ことにある。

前記目的を達成するために、本考案によるモニ
タ撮影用光学装置は、撮影レンズ、前記レンズに
対応するフイルム面を有するカメラと、前記カメ
ラの前記第１のフイルム面の後方にインスタント
フイルム用の第２のフイルム面を形成するために
インスタントフイルムバツクを前記カメラに固定
する手段と、前記第２のフイルム面に結像させる
ために前記撮影レンズの前方に配置される補助レ
ンズと、前記補助レンズを前記撮影レンズの前方
に固定する手段とを含み、前記補助レンズと撮影
レンズの合成光学系の前方主面は、前記補助レン
ズの主面と一致し、前記補助レンズは補助レンズ
を配置しないときの撮影レンズの第２のフイルム
面の物側共役面を無限位置にもたらす焦点距離を
有し、合成光学系の焦点距離が撮影レンズの焦点
距離と等しくなるように構成されている。

以下図面等を参照して、本考案をさらに詳しく
説明する。

第１図は本考案によるモニタ撮影用光学装置の
光学系の原理を示す図、第２図は同装置の実施例
を示す断面図である。

各図においてL₁はカメラの撮影レンズL₂は補
助レンズである。補助レンズL₂はレンズ枠１０
により撮影レンズの前方にねじ込み固定されてい
る。通常のフイルム（35mmフイルム）を用いる撮
影のときには前記補助レンズL₂を使用せず、第
１のフイルム面（F₁）はカメラボデイのレール面
１の位置に形成される。

前記通常の撮影のモニタのためにカメラボデイ
にインスタントフイルムバツク５が固定手段によ
り固定される。市販されているインスタントフイ
ルムバツク（ポラロイドバツク、米国ポラロイド
社の商品名）の前方に支持部材９を固定し、この
支持部材９をこの補助装置用に設けた裏蓋２に連
結する。支持部材９はガイドピン４，４により裏
蓋に対する位置が規制され、強い板ばね３，３で
裏蓋に対して前方に付勢されている。裏蓋２を閉
じると、支持部材９の前端面がカメラボデイに圧
接されて、インスタントフイルム面の第２のイン
スタントフイルム面８（F₂）が形成される。６は
フイルムバツクであり、最前面のインスタントフ
イルムの面が第２のフイルム面となる。なおバツ
ク支持部材には、一枚づつモニタできるように遮
光板７が設けられている。インスタントフイルム
バツク５を前述のようにカメラボデイに装着し、
モニタ時は遮光板７を開く。フイルムバツク５を
取りはずすときは遮光板７を閉じる。

次に第１図を中心にして光学系の原理を説明す
る。図においてH₁，H₁′は撮影レンズL₁の主面、
f₁は焦点距離を示す。レンズL₁を無限の位置に調
節すると無限位置の像は第１のフイルム面F₁上
に結像する。このF₁の中心をＲとする。前述し
たように、インスタントフイルムバツクをカメラ
に装着して第２のフイルム面F₂を形成したと
き、この第２のフイルム面F₂の中心点の物側共
役点をＴとし、その任意の等価光路をSWVTと
する。ただし、L₂を装着していないとする。

第２のフイルム面（F₂）から前記撮影レンズの
焦点距離f₁と等しい距離f₂だけ前方にとつた面を
H₂′とし、この面と直線WSとの交点をＱとす
る。レンズL₁の前方空間で直線TVと前記Ｑと同
じ高さで交る平面をＡとする。このときAH₁が焦
点距離f₁に等しいことは知られている。負の補助
レンズL₂の後方主面はこのＡと一致する位置と
し、その焦点距離はATに等しくする。このよう
なレンズ系を構成すると無限Ｕからの光線はレン
ズL₂で発散されPVWQの経路をたどり、Ｓ点に
達する。つまり補助レンズL₂は、L₂がないとき
のＳの共役点をＵに追い出す働きをする。この合
成レンズ系の主点はH₂′となり、その焦点距離f₂
は撮影レンズL₁の焦点距離f₁と変らない。

第３図は標準レンズの場合の実施例を示す光路
図である。図中L₁，L₂，Ｐ，Ｑ，F₁，F₂などの
意味は第１図の場合と同様に用いてある。このよ
うなレンズでは補助レンズL₂として一枚の凹レ
ンズをL₁に近接したＡの位置に直接配置すれば
良い。第１図で説明した場合と同様にL₁と変ら
ない焦点距離f₂（＝f₁）をもつ合成レンズ系が得ら
れる。

第４図は望遠タイプの交換レンズL₁を用いた
カメラの場合の実施例を示す光路図である。
L₁，L₂，Ｐ，Ｑ，F₁，F₂等は同様に用いてあ
る。第１図または第３図に示したように一枚の凹
レンズで目的を達成しようとすると、L₂をはる
か前方に配置しなければならなくなるので、第４
図に示すように、一枚の凹レンズと一枚の凸レン
ズを組み合せて、その合成光学系において主点
H₂がはるか前方に位置するような系となした補
助レンズL₂を用いることで、L₁に近接させるこ
とができるようにしてある。

以上詳しく説明したように本考案によれば補助
レンズを撮影レンズの前方近くに固定することに
より、通常のフイルム面F₁より後方の第２のフ
イルム面に、有限距離での撮影において、通常の
撮影レンズと同一の焦点距離で撮影が可能であ
る。

焦点距離が変らないので、撮影レンズの距離目
盛をそのまゝ利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による光学装置の光学系の原理
を説明するための光路図、第２図は同光学装置の
実施例を示す断面図、第３図は標準レンズの場合
の実施例を示す光路図、第４図は望遠レンズの場
合の実施例を示す光路図である。 L₁……カメラの撮影レンズ、L₂……補助レン
ズ、１……レール面、２……裏蓋、３……板ば
ね、４……ガイドピン、５……インスタントフイ
ルムバツク、６……フイルムバツク、７……遮光
板、８……第２のフイルム面F₂、９……バツク
支持部材、１０……補助レンズ枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 撮影レンズ、前記レンズに対応するフイルム面
   を有するカメラと、前記カメラの前記第１のフイ
   ルム面の後方にインスタントフイルム用の第２の
   フイルム面を形成するためにインスタントフイル
   ムバツクを前記カメラに固定する手段と、前記第
   ２のフイルム面に結像させるために前記撮影レン
   ズの前方に配置される補助レンズと、前記補助レ
   ンズを前記撮影レンズの前方に固定する手段とを
   含み、前記補助レンズと撮影レンズの合成光学系
   の前方主面は、前記補助レンズの主面と一致し、
   前記補助レンズは補助レンズを配置しないときの
   撮影レンズの第２のフイルム面の物側共役面を無
   限位置にもたらす焦点距離を有し、合成光学系の
   焦点距離が撮影レンズの焦点距離と等しいことを
   特徴とするモニタ撮影用光学装置。