JPS6134245B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁性体を吸着して持ち運びに使用す
るハンドマグネツトに関する。

従来、簡単な作用で磁力を解除できるととも
に、磁性体を吸着して安定した状態で持ち運びの
できるハンドマグネツトを出願人は既に出願して
いる。

これを、たとえば第１図に示す如く、把手とし
て使用する連結部材１とガイド２，３とを門型に
形成した非磁性体からなる枠体と、保磁力は小さ
いが大きな透磁率を有する磁性材料である軟磁性
体からなりガイド２，３の相対抗する面に連続し
て固着した吸着部材４，５と、吸着部材４，５と
の間の空間にそれぞれ前記吸着部材４，５に対向
した面にＮ極、Ｓ極が表われる主永久磁石６を前
記連続部材１内側に設けた作動部材７に固装して
前記ガイド２，３に沿つて摺動自在に嵌装して構
成されている。

いま、たとえば吸着部材４と対向する永久磁石
６の面にＮ極が、吸着部材５に対向する永久磁石
６の面にＳ極が表われるように永久磁石６が設け
てあるものとする。

まず、磁性体からなる被吸着物を吸着するとき
は、吸着部材４および５の先端を被吸着物に当接
させ、永久磁石６を、第１図ａに示す如く、吸着
部材４と５との間にまで摺動させる。

そこで、永久磁石６のＮ極、吸着部材４、被吸
着物、吸着部材５、永久磁石６のＳ極に到る磁気
閉回路が形成され、連続部材１を保持して被吸着
物を吸着したまま移動させることができる。

一方、被吸着物を離脱させるときは、作動部材
７と連結部材１とを接近させるように握ることに
より、永久磁石６は、第１図ｂに示した如く、吸
着部材４，５間の空間から出て吸着部材４，５と
の対向部分はなくなり、永久磁石６の磁力による
被吸着物への作用はなくなり、被吸着物は吸着部
材４，５から離する。

しかるに、上記の如き従来のハンドマグネツト
によるときは、被吸着物を離脱させる場合におい
て、被吸着物が小型軽量の物体、またはこれらの
集合物である場合には、永久磁石６は吸着部材
４，５から離れて位置してるにもかかわらず、吸
着部材４，５の残留磁気による磁力により被吸着
物が完全に吸着部材４，５から離脱しない場合が
存在する。これは被吸着物が軽量の場合に生じ、
また吸着部材４，５の残留磁気による磁力の大き
い場合に生ずる。

この現象は、両吸着部材４，５を保磁力は小さ
いが透磁率の大きい磁性材料である軟磁性体で形
成した場合にも生じる。

これは、吸着部材４，５の残留磁気を完全に零
にすることができないためである。

本発明は上記にかんがみなされたもので上記の
従来の欠点を解消し、被吸着物を離脱させる場合
の吸着部材の磁気吸引力を完全に零とすることが
できるハンドマグネツトを提供することを目的と
するものであつて、この目的は本発明によれば吸
着部材から離れた位置に主永久磁石を位置させた
とき、吸着部材の残留磁気を打消す手段を設ける
ことにより達成される。

以下、本発明を実施例により説明する。

第２図は本発明の第１の実施例の斜視図であ
る。

第２図において、第１図ａおよびｂと同一構成
要素には同一の符号を付してある。

すなわち、１は連結部材であり、２および２′
と３および３′は連結部材１で連結されるガイド
であり、非磁性体からなつている。

４および５は軟磁性体からなる吸着部材であ
り、６は主永久磁石であり、７は主永久磁石６に
固着した作動部材である。

なお、８は主永久磁石６のストツパである。

本実施例は、第１図に示したハンドマグネツト
の吸着部材４と５との間に、主永久磁石６の摺動
の邪魔にならない、たとえば吸着部材４，５を延
長した位置に、主永久磁石６の磁極面の極性と反
対の極性がそれぞれ吸着部材４，５にそれぞれ対
向するように副永久磁石９が固着されている。

そこで、被吸着物を吸着する場合、および被吸
着物を離脱させる場合の主永久磁石６の位置は、
第１図に示した従来のハンドマグネツトの場合と
同様であり、それぞれ被吸着物を吸着部材４，５
に吸着し、また吸着部材４，５から被吸着物を離
脱させることができる。

しかるに、主永久磁石６を吸着部材４，５間か
ら脱出させる場合、すなわち被吸着物を吸着部材
４，５から離脱させる場合、吸着部材４，５に発
生した主永久磁石６の磁力による残留磁気は、こ
の主永久磁石６とは反対方向に磁力を作用させる
副永久磁石９の磁力により打消される。

すなわち、副永久磁石９は、その磁力が、主永
久磁石６の磁力により吸着部材４，５に生じる残
留磁気を同程度の磁力に設定されており、これが
ため吸着部材４，５間から主永久磁石６が離脱す
ると、この主永久磁石６の磁力により生じた残留
磁気と副永久磁石９の磁力とが互い打消し合い、
もつて吸着部材４，５は磁気による被吸着物に対
する吸引力を全く失うことになり、これによつて
被吸着物を確実に離脱させることができることに
なる。

つぎに本発明の第２の実施例について説明す
る。

第３図ａ〜ｄは本発明の第２の実施例の斜視図
およびその作用の説明図である。

第３図においても第１図に示したハンドマグネ
ツトと同一の構成要素には同一の符号を付してあ
る。

本実施例は第２図に示した本発明の第１の実施
例の副永久磁石９を主永久磁石と連動して作動す
るようにしたものである。

第３図に示す如く、副永久磁石９は、両吸着部
材４，５間に回動軸１２により揺動自在に軸承さ
れた揺動杆１１の一端に固着されており、また前
記揺動杆１１の他端には主永久磁石６の表面に摺
動接触する摺動部材１０が固着されている。

すなわち、主永久磁石６が吸着部材４，５間に
侵入位置すると、この主永久磁石６によつて摺動
部材１０を固着した揺動杆１１の他端が下降変位
し、もつて副永久磁石９は吸着部材４，５間から
上昇離脱変位する。

反対に、主永久磁石６が吸着部材４，５間から
上昇離脱変位すると、副永久磁石９が自重により
下降変位して、吸着部材４，５間に侵入位置し、
もつて吸着部材４，５に磁力を作用させる。

一方、ガイド２には副永久磁石９が回動したと
き、この副永久磁石９の回動を邪魔しないように
切欠１３が設けてある。

そこで、被吸着物を吸着するときおよび被吸着
物を離脱させるときは、従来の場合と同様に、主
永久磁石６を吸着部材４と５との間にまで摺動さ
せて被吸着物の吸着部材４，５に吸着させ、また
主永久磁石６を吸着部材４，５間から離脱した位
置にまで摺動させて被吸着物を吸着部材４，５か
ら離脱させる。しかるに主永久磁石６を吸着部材
４と５との間にまで摺動させたときは、揺動杆１
１は第３図ｃに示す如く、回動軸１２を中心とし
て反時計方向に回動させられて副永久磁石９は吸
着部材４，５から離れ、主永久磁石６を吸着部材
４，５から離した位置にまで摺動させたときは、
第３図ｄに示した如く、揺動杆１１は回動軸１２
を中心として反時計方向に回動させられて副永久
磁石９は吸着部材４と５との間に位置する。

従つて、副永久磁石９は、被吸着物の吸着時に
は、主永久磁石６の磁力を減殺することなく、ま
た被吸着物を離脱させるときは、吸着部材４と５
との間に装入されて、吸着部材４，５の主永久磁
石６により生じた残留磁気は打消されて、被吸着
物が軽量物の場合においても被吸着物は完全に吸
着部材４，５から離脱する。

以上説明した如く本発明によれば、ハンドマグ
ネツトにおいて吸着部材の残留磁気を打消す手段
を設けたことにより、被吸着物を吸着部材から離
脱させるとき、吸着部材の残留磁気が弱められ、
もしくは零となつているために、被吸着物が軽量
物の集合体などであつても完全に吸着部材から自
重により離脱し従来のハンドマグネツトの欠点は
解消する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａおよびｂは従来のハンドマグネツトの
斜視図、第２図は本発明の第１の実施例の斜視
図、第３図ａ，ｂおよびｃ，ｄは本発明の第２の
実施例の斜視図およびその作用の説明に供する図
である。 １；連結部材、２，３，２′および３′；ガイ
ド、４および５；吸着部材、６；主永久磁石、
７；作動部材、９；副永久磁石、１０；摺動部
材、１１；揺動杆、１２；回動軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対のガイドの上端間を把手として使用され
   る連結部材で連結して門型に成形された非磁性体
   製の枠体と、該枠体の下端に一定間隔をあけて対
   向固定された保磁力は小さいが透磁率の大きい磁
   性材料である軟磁性体製の第１および第２の吸着
   部材と、前記ガイドに沿つて前記第１および第２
   の吸着部材間の空間に出入り自在に摺動し、前記
   第１および第２の吸着部材に各別にＮ極、Ｓ極を
   対向させる主永久磁石と、該主永久磁石に固定さ
   れて該主永久磁石の把手となる作動部材とから成
   るハンドマグネツトにおいて、前記両吸着部材間
   に、前記主永久磁石の磁力によつて該両吸着部材
   に生じた残留磁気を打消すことのできる程度の磁
   力を有する副永久磁石を、前記主永久磁石とは反
   対の磁極方向で位置させて成るハンドマグネツ
   ト。