JPS6134096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は射出成形機におけるエジエクターロ
ツド駆動装置に関するものであり、特に、エジエ
クターロツドの突出量を容易に且つ正確に調節で
きるエジエクターロツド駆動装置に係わるもので
ある。

従来、射出成形機において成形品を金型内から
取出すためには、エジエクターロツドを突き出し
て金型のエジエクタープレートを押上げ、該エジ
エクタープレートに突設されたエジエクターピン
を型彫空間内に突出して成形品を突き出すことが
行われていた。しかるところ、該エジエクターピ
ンにより成形品を突き出す際に、金型によつて型
彫空間の形状が異つているので、エジエクターピ
ンの適正な突出量は金型ごとに相違しており、突
出量が過大であると、金型内のエジエクタープレ
ートが下型に衝突してしまい、型板への金型取付
具に負担がかかり、金型取付位置がずれたり、金
型に歪が生じたりする。一方、突出量が過小であ
ると、成形品の取出しが困難になるということが
あつた。

このため、型彫空間へのエジエクターピンの突
出量を調節する必要があるが、従来においては、
成形機のエジエクタープレートの動程を、エジエ
クターシリンダーへの作動油供給を制御すること
により、調節して、これを行つていたのが一般的
であつた。

即ち、成形機のエジエクタープレートに連動す
る計量桿に設けたカムと固定部材に取付けたリミ
ツトスイツチとの当接によつて前記エジエクター
プレートの動程を検出し、電磁弁を作動させて、
エジエクターシリンダーへの作動油の供給を停止
させるものであり、計量桿上のカムの取付け位置
を調節することによつて、成形機のエジエクター
プレートの動程を調節し、而して、成形機のエジ
エクタープレートにエジエクターロツドを介して
連動する金型のエジエクタープレートの動程を調
節し、結果的に、エジエクターピンの突出量を調
節するものであつた。

しかしながら、上記従来技術においては、エジ
エクターシリンダーへの作動油の供給を停止して
からエジエクタープレートが停止するまでに慣性
による時間的な遅れがあり、計量桿上に設定され
たカムの位置に正確に対応した位置にエジエクタ
ープレートを停止させることが困難であつて、エ
ジエクターピンの突出量が不正確になるという欠
点があつた。

又、構造がリミツトスイツチや電磁弁等の可動
要素を含んでいて複雑であり、コスト高になると
いう不利点もあつた。

この考案の目的は上記従来技術に基づくエジエ
クターロツド駆動装置の構造上の制約による突出
量の正確化等の問題点に鑑み、型板にストツパー
を螺合し、該ストツパーを貫通するエジエクター
ロツドを、型板の下部に取付けたエジエクターシ
リンダーのピストンロツド先端のエジエクタープ
レート（成形機のエジエクタープレート、以下同
じ）に当接させる構成とすることにより、前記欠
点を除去し、不利点を解消して、極めて正確にエ
ジエクターロツドの突出量を調節することができ
る優れたエジエクターロツド駆動装置を提供せん
とするものである。

上記目的に沿うこの考案の構成は、エジエクタ
ーロツドの突き出し工程に際し、エジエクターシ
リンダーの動程を前記エジエクターロツドに外嵌
させたストツパーによつて規制してエジエクター
ロツドの突出量を決定するものであり、該ストツ
パーを型板に上下動可能に螺合させて、その位置
を調節可能とし、エジエクターシリンダーの動
程、即ち、エジエクターロツドの突出量を調節す
ることができるようにしたことを要旨とするもの
である。

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明
すれば以下の通りである。

図において、１は金型が取付けられる型板であ
り、その下部には適宜の間隔を介してエジエクタ
ーシリンダー２が取付けられている。該エジエク
ターシリンダー２のピストンロツド３の突出先端
には、エジエクタープレート４が設けられてい
る。５はエジエクターロツドであり、型板１の貫
通孔６を上下動自在に貫通しており、その下端は
前記エジエクタープレート４に当接している。

７は円筒状ストツパーであり、前記エジエクタ
ーロツド５に摺動自在に外嵌されており、外周に
は、ネジ８が刻設されていて、更に、下方外周に
はスプロケツト９が形成されている。そして、該
円筒状ストツパー７は、ネジ８でもつて、型板１
に貫通孔６と同心的に穿設されたネジ孔１０に対
して上下動自在に螺合している。尚、１１はスト
ツパー止めである。

一方、前記型板１の下面であつて、上記型板１
の周縁部には、案内ネジ桿１２が立設されてお
り、駆動スプロケツト１３が上下動自在に螺合し
ている。尚、該案内ネジ桿１２のネジと前記スト
ツパー７のネジ８とは同一ピツチである。そし
て、駆動スプロケツト１３とストツパー７のスプ
ロケツト９との間にはチエーン１４が張設されて
いる。

上記構成において、エジエクターロツド５を突
き出す際には、エジエクターシリンダー２に作動
油を供給し、エジエクタープレート４を上昇させ
るものであるが、一定動程だけ上昇すると、第２
図に示すように、エジエクタープレート４はスト
ツパー７の下端に当接し、上動が規制される。即
ち、第１図における最下端にあるエジエクタープ
レート４の上面からストツパー７の下端までの距
離Ｓがエジエクタープレート４の動程、即ち、エ
ジエクターロツド５の突出量となる。

次に、エジエクターロツド５の突出量を、例え
ば、増大させるように調節する際には、第３図に
示すように、案内ネジ桿１２のスプロケツト１３
を回動させると、該スプロケツト１３は案内ネジ
桿１２上をネジ作用によつて上方に移動する。一
方、ストツパー７はチエーン１４及びスプロケツ
ト９を介して回動され、外周のネジ８のネジ作用
によつて型板１のネジ孔１０内をスプロケツト１
３に連動して上方に移動する。このとき、案内ネ
ジ桿１２のネジとストツパー７のネジ８とは同一
ピッツチであるので、駆動スプロケツト１３とス
トツパー７の上方移動は同期して行われ、而し
て、チエーン１４は常に水平に保たれることとな
り、スプロケツト９，１３から離脱することはな
い。尚、ストツパー７の上限位置はストツパー止
め１１によつて規制されるので、チエーン１４が
型板１に当ることはない。

このようにして、ストツパー７を上下動してそ
の位置を変えることによつて、エジエクタープレ
ート４の動程、即ち、エジエクターロツド５の突
出量を調節することができる。

上記のように、この考案によれば、型板に上下
動自在のストツパーを螺合し、該ストツパー及び
型板を上下摺動自在に貫通するエジエクターロツ
ドを下方のエジエクターシリンダーから突出する
エジエクタープレートに当接する構成としたこと
により、該エジエクタープレートの動程をストツ
パーによつて極めて正確に規制できるので、エジ
エクターロツドの突出量を時間遅れなしに正確に
調節できるという優れた効果がある。

又、上記ストツパーに形成したスプロケツト
と、型板の周縁部に立設した案内ネジ桿上のスプ
ロケツトとの間にチエーンを張設したので、型板
周縁部のスプロケツトを回動させることによつ
て、ストツパーの位置を容易に調節することがで
き、これによつて、型板直下部における狭小空間
での調節作業を廃し、エジエクタープレートの動
程を遠隔操作でもつて調節できるという効果もあ
る。

更に、その構造は、リミツトスイツチ、電磁弁
等を用いる必要がなく、単に、機械的な構造物を
付加するだけで足りるので、故障が少なく、コス
トも逓減するという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すものであり、第１
図はエジエクターロツド突出前を示す断面図、第
２図はエジエクターロツド突出終了時を示す断面
図、第３図はエジエクターロツド突出量を調節し
たときの断面図である。 １……型板、２……エジエクターシリンダー、
３……ピストンロツド、４……エジエクタープレ
ート、５……エジエクターロツド、７……ストツ
パー、８……ネジ、９……スプロケツト、１２…
…案内ネジ桿、１３……駆動スプロケツト、１４
……チエーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 型板１の下部に取付けられたエジエクターシリ
   ンダー２、該エジエクターシリンダー２のピスト
   ンロツド３先端に取付けられたエジエクタープレ
   ート４、外周に刻設されたネジ８によつて前記型
   板１に上下動自在に螺合された円筒状ストツパー
   ７、該ストツパー７の外周に形成されたスプロケ
   ツト９、前記型板１の下面であつて、該型板１の
   周縁部に立設された案内ネジ桿１２、該案内ネジ
   桿１２に螺合された駆動スプロケツト１３、該駆
   動スプロケツト１３と前記ストツパー７のスプロ
   ケツト９との間に張設されたチエーン１４、前記
   ストツパー７及び型板１を摺動自在に貫通し、下
   端が上記エジエクタープレート４に当接するエジ
   エクターロツド５とから成ることを特徴とする射
   出成形機におけるエジエクターロツド駆動装置。