JPS6133945B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はわく及び表面材等でユニツトに組み
立てられたカーテンウオールのユニツトを、現場
で縦横方向に連続して取付けて行くことにより形
成されるカーテンウオールの雨仕舞機構に関する
ものである。

従来この種の形式の雨仕舞は、ユニツト間のジ
ヨイント目地にシールを充填し、このシールの接
着力によつて水密性を維持していたが、この方法
ではシールの材質や現場シール施工の良否により
性能のばらつきがあり、またシール施工全長にわ
たつて完全な施工を行うことは不可能に近く、完
全なシール機能を得ることは難しいという問題が
ある。更にシールの劣化によるはく離、破断又は
カーテンウオールの熱伸縮によりシールに応力が
かかり、そのためシールがはく離、破断する等の
問題もあつた。このように従来のこの種雨仕舞で
はシールの性能的なばらつき又は長期的な性能維
持において大きな不安があるため、現状ではこの
点の改良が望まれている。

またこれを改良するものとして等圧原理を利用
した、いわゆるオープンジヨイント目地方式のカ
ーテンウオールが提案された。これは第４図及び
第５図に示されるごとく、上下ユニツトａ，ｂ間
によこ空間ｃを形成し、左右ユニツト間にはたて
空間ｄを形成し、よこ空間ｃに外気を導入し、こ
れによりよこ空間ｃと内外をシール材ｅ，ｆで塞
いだたて空間ｄとを外気圧と等圧とすることによ
り、水密性の向上を計ろうとするものである。

この場合、よこ空間ｃは上側のユニツトａ，の
室外側表面から垂下壁ｇを形成すると共に、下側
ユニツトｂの室内側表面から立上り壁ｈを形成
し、上下ユニツトａ，ｂ及び垂下壁ｇ、立上り壁
ｈ間によこ空間ｃを形成し、立上り壁ｈと上側ユ
ニツトａ間にはシールｉをほどこし、垂下壁ｇと
下側ユニツトｂ間に外気導入口となる隙間ｊを形
成したものであつた。この場合、シール材ｉの部
分に雨滴が付着すると、よこ空間ｃの気圧が室内
側ｋの気圧より大となつた際、漏水が生じるの
で、シール材ｉの位置を隙間ｊの位置より高く位
置せしめなければならなかつた。このため、ユニ
ツトの上下端には丈の高い垂下壁ｇ及び立上り壁
ｈを形成する必要があり、ユニツの構造が極めて
複雑となり、また施工性もよくなかつた。更に運
動エネルギをもつて隙間ｊから飛び込んだ雨水の
飛沫が完全にシール部ｉに達しないという保証も
得難かつた。

この発明は上記事情に鑑みなされたもので、上
下、左右に連続して配設される上下及び左右ユニ
ツト間に互いに連続する横空間、縦空間をそれぞ
れ形成すると共に、横空間は室内がわをシール材
で密封し、室外がわを外気に開口し、縦空間は内
外をシール材で密封し、前記横空間内には縦空間
を横切る水切り材を設けて縦空間を上下に分断す
ると共に、この水切り材により上記横空間の室内
がわに設けられるシール材の室外がわを被覆した
カーテンウオールの水密構造を提供するものであ
る。これにより等圧原理により外部から室内に侵
入する雨水等を阻止及び排出させるようにしたも
のである。

以下にこの発明の一実施例を添付図面について
詳細に説明する。

第２図は開口部ユニツトＡとスパンドレル部ユ
ニツトＢとを連結する部分の雨仕舞構造を示すも
ので、開口部ユニツトＡは、表面材であるガラス
１と、このガラス１の四周を囲繞する上わく２、
下わく３及び縦わく４，４とから成るユニツト群
を横方向に複数個連続させ、上わく２及び下わく
３はそれぞれアンカー５，５及びボルト６，６を
介して躯体７に固定されている。

このように構成される開口部ユニツトＡ同士は
横方向において第３図のようにジヨイント部目板
８を介して連結される。この際ジヨイント部目板
８は断面がほぼＨ状又はＩ状に形成され、その４
つの各脚部８ａ，８ａ……の先端にタイト材取り
付け８a′を設け、そのタイト材取り付け溝８′に
装着されるシール材を構成するタイト材９を介し
て各ユニツトＡの主縦わく４の間に形成される縦
空間Ｃと外気が密封されるようになつている。ま
た縦わく４，４の室内がわは溝９a′に取り付けら
れたシール材９″により縦空間Ｃと室内がわ間を
密封している。

一方開口部ユニツトＡの上下方向においては、
上下に隣接するユニツト間に上記縦空間Ｃと連続
する横空間Ｄが形成されており、この横空間Ｄは
室内がわに配設されたシール材１６，１７により
室外がわと密封され、室外がわは後述するように
外部と連通している。この横空間Ｄ内において隣
接するスパンドレル部ユニツトＢの下わく３′あ
るいは上わく２′との間に水切り材１０が配設さ
れている。この水切り材１０は第３図に破線で示
す如く、縦空間Ｃを横切るように連続して配設さ
れる。この水切り材１０は、室内がわに垂直に立
設される第１の壁部１０ａと、この第１の壁部１
０ａのほぼ中央から室外がわに向つて下り勾配と
なるように突設される傾斜部１０ｂと、この傾斜
部１０ｂから上方に向つて突設される第２の壁部
１０ｃと、この第２の壁部１０ｃより室外がわに
おいて傾斜部１０ｂから下方に向つて突設される
第３の壁部１０ｄと、傾斜部１０ｂの先端から下
方に向つて突設される第４の壁部１０ｅとで構成
されており、第１の壁部１０ａの上端に形成され
たタイト材取り付け溝１０a′に装着されるタイト
材１１により、下わく３あるいはスパンドレル部
ユニツトＢの下わく３′の下端に係合され、第１
の壁部１０ａの下端に形成された係止部１０a″と
第３の壁部１０ｄの先端すなわち下端に形成され
た係止部１０d′によつて上わく２あるいはスパン
ドレル部ユニツトＢの上わく２′に係合するよう
になつている。

上記のごとく各ユニツトＡあるいはＢの全周に
は縦空間Ｃ及び横空間Ｄが形成されることにな
る。そしてこれら空間Ｃ，Ｄは水切り材１０の室
外がわを覆う下わく３あるいは３′の垂下壁３
ａ，３a′に設けられた空気導入孔１２，１２′及
び上わく２と下わく３′、下わく３と上わく２′と
の間のスリツト状のすき間により外部と連通され
て、各空間Ｃ，Ｄ内は外気圧と等圧になるように
形成される。

なお水切り材１０の傾斜部１０ｂと第２の壁部
１０ｃの下部にはそれぞれ排水孔１３，１４が設
けられており、これら排水孔１３，１４を介して
横空間Ｄ内に侵入した雨水を外部へ排出させるよ
うにしてある。なお、排水孔１４から落下した雨
水は上わく２又は２′の上面に落ちてその長手方
向に流れ、縦空間Ｃ内を落下して下部の横空間Ｄ
に至り、そこから外部に排出される。また第１の
壁部１０ａの下部に空気孔１５が設けられてお
り、この空気孔１５により、各ユニツトＡ，Ｂの
室内がわに装着された互いに係合するシール材１
６，１７と第１の壁部１０ａとの間に形成される
空間Ｅを同様に外部と連通させ、空間Ｅ内への雨
水の侵入を防止させ、あるいは万一雨水が侵入し
ても前述と同様な等圧原理により外部に排出でき
るようにしてある。

上記のように構成されるこの発明の雨仕舞機構
の実施例によれば、各カーテンウオールユニツト
Ａ，Ｂ間に、横に連続し、かつ縦空間を横切り縦
空間を上下に分断する水切り材１０を介在させる
とともに、左右のカーテンウオールユニツトＡ，
Ａには縦に連続するジヨイント部目板８を介在さ
せて、各ユニツトＡ，Ｂの全周に互いに連通する
縦空間Ｃ及び横空間Ｄを形成させ、かつこれら空
間Ｃ，Ｄを外気と連通させて成るもので、これら
各空間Ｃ，Ｄ内は外気圧と等圧に形成されるた
め、等圧原理により室外から室内に侵入する雨水
等を阻止することができるとともに、万一前記空
間，Ｄ内に侵入した雨水があつたとしても、その
雨水をすみやかに外部へ排出できるようにしたも
のである。しかもその施工は、現場において組み
立てられる各カーテンウオールユニツトＡ，Ｂの
間に組み付けるだけであるので、極めて簡単であ
り、従来のシール材を使用する施工に比べてその
施工時間を著しく短縮させることができる。

以上に説明したように、この発明の雨仕舞機構
によれば、横に連続する空間を室外がわと連通さ
せて外気圧と等圧にしたから、圧力差により水の
侵入はすべて阻止することができ、万一運動エネ
ルギ等で侵入した雨水は水切り材により阻止され
て直ちに排水させることができ、したがつて上記
したところにより、室内がわのシール材に雨水が
当ることなく安全な水密性能を維持することが可
能であつて、従来のシール材を用いた雨仕舞機構
のようなシールの性能的なばらつきはなく、しか
も長期間の使用あるいは施工不良等により、室内
がわシール材にすき間が生じた場合でも、水切り
材が雨水を阻止するから、室内がわへの漏水を防
止することができ、長期にわたつて安定した雨仕
舞機構を保持させることが可能となる。

また第４図、第５図にて示した従来例と比べて
みても、従来例にあつては横に連続する空間の室
外がわに形成される外気導入口となる隙間と、室
内がわに形成されるシールとの間の高さの差を大
きく形成しなければならなかつたものが、この発
明にあつてはこれをほぼ同一の高さで済ますこと
が可能となり、ユニツト上下端部に丈の高い垂下
壁、立上り壁を形成する必要もなくなる。これに
より、ユニツトの構造が比較的単純となり、施工
性も向上する。

更にこの発明によれば特にすき間が生じ易い各
カーテンユニツトの縦・横空間が交叉する部分に
おける室内シール材部分を水切り材で塞いでいる
ため、この部分からの漏水はなくなる。更に縦空
間に何らかの原因で漏水が生じてもこの水切り材
で縦空間はユニツト毎に分断されているので一定
高さごとに外部に排出できるという独持の効果が
えられるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の概略的正面図、
第２図は第１図の―線に沿う断面図、第３図
は第１図の―線に沿う断面図で、第４図及び
第５図は従来例を示す説明図である。 図において、Ａ…開口部ユニツト、Ｂ…スパン
ドレル部ユニツト、Ｃ…縦空間、Ｄ…横空間、１
…ガラス、２，２′…上わく、３，３′…下わく、
４…縦わく、５…アンカー、６…ボルト、７…躯
体、８…ジヨイント部目板、８ａ…脚部、８a′…
タイト材取り付け構、９…タイト材、１０…水切
り材、１０ａ…第１の壁部、１０a′…タイト材取
り付け溝、１０a″…係止部、１０ｂ…傾斜部、１
０ｃ…第２の壁部、１０ｄ…第３の壁部、１０
d′…係止部、１０ｅ…第４の壁部、１１…タイト
材、１２，１２′…空気導入孔、１３，１４…排
水孔、１５…空気孔、１６，１７…シール材、で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のカーテンウオールユニツトを隣接して
   取り付けたカーテンウオールにおいて、前記カー
   テンウオールユニツトの上下間に横に連続する横
   空間を形成すると共にカーテンウオールユニツト
   の左右間には前記横空間と連通し縦に連続する縦
   空間を形成し、前記横空間は室内がわをシール材
   で密封するとともに、室外がわを外気に開口し、
   前記縦空間は室内がわ及び室外がわをシール材に
   て密封し、前記横空間内には縦空間を横切る水切
   り材を設けて縦空間を上下に分断すると共に、こ
   の水切り材により上記横空間の室内がわに設けら
   れるシール材の室外がわを被覆して成るカーテン
   ウオールにおける雨仕舞機構。