JPS6132885Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、重量物を簡単に運搬し得るようし
た運搬装置に関するものである。

従来、重量物を運搬するにはレツカー車やクレ
ーン車が用いられている。しかし、短かい距離を
運搬するためにこのようなレツカー車やクレーン
車を用いるには甚だ不経済であり、また、工場内
などで重量物を運搬する場合、レツカー車やクレ
ーン車が入れない場合も多く、また工場内にクレ
ーン車の設備のない場合も多い。

このような場合、従来では重量物の下部にコロ
を敷いて、このコロのころがりにより重量物を運
搬する方法がとられているが、このような方法で
はコロをつぎつぎと移動させなければならないの
で手数がかかり、また危険を伴なう作業となる。

また、特開昭52−22507号公報記載の装置のよ
うに、重量物の下部に複数の球面座を介して複数
の移動用台車を取付けるものや、実開昭56−
21285号公報記載の装置のように、重量物の下部
に、多数のローラを無限軌道式に連結したものを
有する多数の移動器具を取付けるものがある。こ
れらは前記の、コロをつぎつぎと移動させる方式
よりも進歩しているが、しかし、重量物の下部に
多数の移動用台車や移動器具を取付けるためには
重量物を相当高く吊上げなければならないので、
クレーンなどが必要となる。

この考案は上記のようなコロを用いず、しかも
重量物の下部には移動用台車や移動器具を取付け
る必要をなくして重量物を簡単に運搬し得るよう
にすることを目的にするものである。

すなわち、この考案は重量物の両側前後に配置
した台車上に回動自在に取付けたネジ棒により昇
降する昇降台をそれぞれ取付け、重量物の底部前
後にそう入した一対の支持部材の両端の上向き部
を前記昇降台にネジ止めなどの手段により着脱自
在に連結してネジ棒の回動により昇降台を上昇さ
せて重量物を床面から持ち上げることにより、安
全かつ容易に重量物を運搬する重量物運搬装置を
提供するものである。

以下にこの考案を添付図面に基づいて詳細に説
明する。

図において、１は台車で、その下部前後に円弧
状断面の横溝をそれぞれ形成し、この溝内にロー
ラ２を回動自在にはめるとともに溝とローラ２の
上部から両側へかけて多数の小ローラからなるベ
アリング３を介在させてローラ２が軽く回転する
ようにする。

また、ローラ２の下側は台車１の下面より若干
突出するようにし、ローラ２の下方脱落を防止す
る受板４を台車１の下部に固定し、同台車１の両
側にはローラ２の側方移動を阻止する受板５を固
定する。

６は台車１の中央上部に固定した支持環で、こ
の支持環６内に垂直のネジ棒７の下端を回動自在
にはめ、多数のボールからなるベアリング８で支
持させる。

上記のネジ棒７には下端から垂直のネジ孔９を
設け、台車１にはこのネジ孔９にねじ込まれたネ
ジ棒１０が回動自在に嵌合する縦孔１１を設け、
この部分の台車１の底部は凹入させてある。

１２は昇降台で、その中央のネジ孔１３に前記
ネジ棒７がねじ込まれている。１４は台車１上に
固定した垂直の回止め杆で、この杆１４には前記
昇降台１２に形成した縦孔１５が摺動自在にはま
ることにより、昇降台１２の回止めとなつてい
る。

また、前記ネジ棒７の上端とネジ棒１０の下端
には回動用棒のそう入孔１６，１７がそれぞれ形
成してある。

１８は帯鋼などの帯状材料で形成した支持部材
で、その両端は上方へ屈曲して上向き部１９と
し、その上端を外方へ向けて外向片２０とし、こ
の外向片２０に設けたそう入孔に回動自在にそう
入した止ネジ２１を昇降台１２上のネジ孔にねじ
込んで支持部材１８の端部を昇降台１２上に固定
し得るようにし、かつ、各昇降台１２を下降させ
たとき、床面上に接している支持部材１８の両端
の上向き部１９が昇降台１２に固定し得る高さに
してある。

この考案の運搬装置は上記の通りであり、つぎ
にその使用方法を説明する。

まず、工場床面などに置いてある重量物２２の
前後に支持部材１８を配置し、先端を肉薄として
上方に曲げてあるてこ（図示省略）の先端を重量
物２２の底面前端と床面間にそう入してこぢ上
げ、僅かな隙間を作り、各昇降台１２から分離し
て床面上に置いてある支持部材１８をこの隙間に
押し込む。

こうして重量物２２の底部前後に支持部材１８
をそう入し、その両端の上向き部１９が重量物２
２の両側に位置している状態において、昇降台１
２を最下部まで下げてある各台車１を各支持部材
１８の外向片２０の下部に入れてこの外向片２０
を昇降台１２上に載せる。ついで外向片２０のそ
う入孔にそう入したネジ２１を昇降台１２上のネ
ジ孔にねじ込んで各支持部材１８の両端を各昇降
台１２上に固定する。

その後、ネジ棒７の上端のそう入孔１６に棒を
そう入してネジ棒７を回し、各昇降台１２を徐々
に上昇させていくと、各支持部材１８の上昇に伴
い重量物２２が床面から浮き上る。

こうして重量物２２が床面から浮き上つた状態
で、この重量物２２を所定の場所まで移動させた
のち、ネジ棒７を逆転させて昇降台１２を下げ、
重量物２２を床面に下げたのち、止ネジ２１を外
し、てこを利用し、重量物２２の端部を僅かに持
ち上げて各支持部材１８を取り除く。

また、重量物２２の運搬の途中で方向をかえる
必要がある場合、ネジ棒１０の下端のそう入孔１
７に棒をそう入してネジ棒１０を回転し、ネジ棒
１０を下げてその下端が床面に接触したのちもさ
らにネジ棒１０を同方向に回していくと、ネジ棒
１０の下端が床面上に圧着するとともにその反力
でネジ棒７が押上され台車１が自由となるので、
各台車１を所望の方向へ向け、ネジ棒１０を元に
戻してその下端を床面から浮かせて所望の方向へ
運搬する。

この考案は帯状材料からなる支持部材１８の両
端に上向き部１９を設けて、この上向き部１９を
昇降台１２に固定するようにし、かつ、台車１上
に取付けた昇降台１２を最下部に下げた状態では
床面上においた支持部材１８の両端の上向き部１
９が昇降台１２に固定できるようにしたので、重
量物２２の端部を僅かに持ち上げて支持部材１８
を重量物２２の底面と床面間の僅かな間隙にそう
入したのちは、重量物２２を持ち上げることな
く、上向き部１９を昇降台１２へ固定でき、その
のち、ネジ棒７を回して昇降台１２を上昇させる
と支持部材１８で底部前後が支えられた重量物２
２を完全に床面上に浮き上らせることができるの
で小さい力で重量物２２が安全、かつ容易に運搬
できる。また、運搬後は台車１上の昇降台１２を
下降させて、各支持部材１８を床面上に接触さ
せ、ついで、各支持部材１８の上向き部１９を各
昇降台１２から外して、てこなどを用いて重量物
の端部を僅かに持ち上げて支持部材１８を外せば
よいので運搬後の支持部材１８や台車１の除去が
安全かつ容易に行なえるという特有の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の運搬装置の一部切欠正面
図、第２図は同上要部の縦断側面図、第３図は使
用状態の平面図である。 １……台車、２……ローラ、７……ネジ棒、１
２……昇降台、１３……ネジ孔、１８……支持部
材、２１……止ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 重量物の底面前後と床面間にそう入して重量物
   を支える一対の支持部材と、重量物の両側に配置
   する複数の台車とからなり、台車上には垂直のネ
   ジ棒をそれぞれ回動自在に取付け、この各ネジ棒
   を各台車毎に設けた昇降台の中央のネジ孔にねじ
   込むとともに、前記各支持部材は床面に接触させ
   た状態で、その両端の上向き部を下降位置の各昇
   降台に着脱自在に連結し得るようにし、またこの
   支持部材は床面から僅かに持ち上げた重量物の底
   面と床面の間の僅かな間隙に入り得る帯状材料か
   らなる重量物運搬装置。