JPS6131955B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘導加熱装置の制御回路の直流電源に
関わり、その目的とするところは電源変圧器を用
いず簡素な構成で電力損失の少ない直流電源を得
る回路を提供することにある。

一般に誘導加熱装置、特に調理器として構成さ
れたものは電力変換回路、制御回路、電力部品の
冷却フアンを内部に有している。このうち、制御
回路の直流電源は電源変圧器、もしくは商用電源
を全波整流した直流出力から抵抗により降圧して
電圧を得る手段がとられていた。しかし、この従
来の手段では、電源変圧器を用いたものは損失は
小さいが、直流電源を得るための専用の部品であ
り、占有面積、重量、加えて経済的な点において
も得策でなかつた。一方、商用電源の全波整流出
力を抵抗により降圧する手段は構成は簡素である
が、降圧抵抗の損失が大きくなり装置の発熱、効
率の面からも不利であつた。

本発明は上記の点に鑑みてなされたたもので、
交流電源の全波整流出力端子からみた交流電源の
各端子の電圧が位相の異なる半波脈流波形である
点に着目し、この２つの半波脈流波形電圧が1/2
の電圧で相加わるようフアンモータの中間タツプ
より得るようにしたもので、簡素な構成で、かつ
平滑回路の降圧抵抗の損失の小さな直流電源回路
を提供できるものである。

以下本発明を添付図面に従い詳述する。第１図
は本発明の一実施例を示す電気結線図、第２図は
本発明第１図の動作を説明するための波形図であ
る。第１図において、１は商用電源、２はフアン
モータ、３は全波整流器で夫々商用電源１へ接続
されている。４はインバータ回路、５は加熱コイ
ル、６は鍋、７は平滑回路でフアンモータ２の巻
線の中間タツプと全波整流器３の出力端子の一端
間に接続されている。８は制御回路、９は平滑回
路７の降圧抵抗、１０は平滑コンデンサである。

尚、図中のＡ〜Ｅは第２図に示す電圧波形の測
定点を示し、第２図のＡ〜Ｄ波形はＥ点を共通電
位点として表わしている。

以上の構成において動作を説明する。第１図に
おいて商用電源１が投入されると、冷却用のフア
ンモータ２が回転し始めると同時に、全波整流器
３を介しインバータ回路４へ直流電源が供給され
る。ここで、全波整流器３の出力端子の負電圧端
子Ｅ点からみた、商用電源１の双方の端子Ａ及び
Ｂは第２図Ａ，Ｂに示すピーク値Ｅなる電圧波形
が発生する。そしてこのＡ，Ｂ両電圧波形はフア
ンモータ２の巻線の中間タツプによりそれぞれ1/
２に降圧され、第２図Ｃに示すような全波の直流
電圧波形が発生する。そしてこの全波電圧波形Ｃ
は平滑回路７の降圧抵抗９を介して平滑コンデン
サ１０で平滑され第２図Ｄに示す直流出力が発生
する。この直流出力により制御回路８が作動し、
インバータ回路４に駆動信号を与え、加熱コイル
５に高周波電流を流し鍋６が加熱されるものであ
る。以上が本発明の動作である。ここで本発明の
降圧抵抗９の損失について詳述する。

今、制御回路８に所定電圧と所定の電流が流れ
る負荷を想定すると、電源変圧器を用いず降圧抵
抗で電源を供給しようとする場合、全波整流器３
の出力から降圧抵抗を介して行う場合に比して、
フアンモータ２の巻線中間タツプ電圧は1/2にな
つており、同じ負荷を駆動する場合、降圧抵抗で
消費される電力は1/2に軽減されるものであり、
加えて全波脈流出力が得られるため小さな平滑コ
ンデンサでリツプルの小さな直流電圧が得られ
る。

以上述べたように、本発明による誘導加熱装置
によれば冷却用フアンモータの巻線の中間タツプ
より商用電源整流出力の1/2の電圧の全波脈流出
力を得るため降圧抵抗が小さく、かつ簡素な構成
で直流電源出力が得られるもので、装置の小型軽
量、及び高効率化、加えて経済的利点も有するも
のでその効果は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す誘導加熱調理
器の電気回路図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは本発明
第１図の動作を示す電圧波形図である。 ２……フアンモータ、３……全波整流器、７…
…平滑回路、９……降圧抵抗、１０……平滑コン
デンサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 交流電源に接続された冷却用フアンモータ
   と、全波整流器、及び前記フアンモータの巻線の
   中間タツプに接続された抵抗とコンデンサで構成
   された平滑回路より成り、このコンデンサより得
   られる直流電源を制御回路の電源とする誘導加熱
   調理器。