JPS6131231Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は流路内に介在する球弁で逆止動作さ
せるチエツク弁で弁体に作用する流体圧力差が小
さい場合でも弁閉止動作を行うことのできるチエ
ツク弁に関する。

上記チエツク弁に於て、例えば流体が弁閉方向
に水平に流れる場合、弁体前後の差圧が弁体と流
路底面との摩擦力より小さい場合は、流体は弁を
擦過して流れ弁座を閉止しない。

これを閉止させるために、従来は磁性体の弁体
を磁石で強制的に弁座方向に移動させたり、又は
スプリングを用いて弁体を移動させ弁座を閉止し
ているが、誤作動や不作動があり、確実に動作さ
せるという点では満足する結果が得られなかつた
ものである。

本考案は上記チエツク弁で、流体のエネルギー
を利用して、逆流時に於て弁前後の圧力差が小さ
い場合でも弁座を閉止させることを目的としたも
のである。

本考案の構成は逆流時の弁座上流側の流路に於
て、流体に流路中心の周りに回転運動を与えるら
せん溝を周面に刻設し、該流路の出口の流体自由
表面中心に向つて流体に渦流を発生させ、流体が
渦の中心に向つて移動することにより流路内の球
弁を出口方向に移動させて弁座を閉止するように
したものである。

弁体が弁座を閉止した後は弁座の一次側と二次
側との流体の圧力差で閉止の状態を維持する。

以下図示の実施例について説明する。

第１図は管路のチエツク弁部分の断面図を示し
たもので、第１の管体１と第２の管体２とは坐金
４を介してかしめ３等の手段で接続され、第１の
管体１には、他に接続する管路Ｂと、管体内にチ
エツク弁座Ｃとチエツク弁座Ｃに連る流路５が設
けられ、流路５の内周壁に中心の周りに流体に回
動運動を与えるらせん溝面５′が刻設されてい
る。弁座Ｃと座金４との間の流路５内には弁座Ｃ
を閉止する球弁６を介在する。坐金４には導通孔
７，７が設けられ、第２の管体の流路８と第１の
管体１の流路とを導通する。第２管体は管路Ａで
他と接続している。

上記構成により、通常の流体の流れ（正流）は
管路Ｂからチエツク弁座Ｃを経て管路Ａの方向に
流れるものとし、この場合は、球弁６は流体の圧
力差で図の左方に移動し、坐金４で阻止され、流
体は導通孔７，７を通つて管路Ａに流れる。

逆流の場合流路８の流体の流れは坐金４の導通
孔７，７を通つて流路５内に進入し周壁のらせん
溝面に沿つて中心の周りに回転運動しながら弁座
Ｃに向つて、渦流を生じ中心部を負圧とし流体は
周面から中心の弁座方向に移動しながら進むので
介在する球弁６を弁座方向に導き、弁座Ｃに球弁
６を着坐させるものである。球弁６が弁座Ｃに着
座後は弁坐前後の流体圧力差で閉止の状態を持続
する。

本考案は上記の如く逆流時弁座に接する上流側
流路内に進入した流体に回転運動を与えるらせん
溝面を流路周面に刻設したことを特徴としたもの
であるが、流路にねじ溝面を形成した弁は膨張弁
に於ては実公昭56−第43583号で示されている。
しかし公報に示された考案はねじ面の流路を通過
する流体の通過音を減少させることを目的とした
もので、流体に回転運動を与えることによる効果
については何ら言及されておらず、本願とは異つ
た発想である。

上記実施例に於ては流路５は外径2.2耗×ピツ
チ0.45耗のねじ面５′を内面に刻設し、直径1.5耗
の金属球弁６を用いた流量０〜２／分の範囲に
於てテストした結果では、ねじ面を形成しない通
常の流路に比し速かに弁閉となることを確認した
ものである。

本考案は上記の如く、弁座に連る管路周面にら
せん溝を刻設し、流体に回転運動を与え、流体の
エネルギーによつて介在する球弁を閉止させるも
のであるので、従来の磁力又はばね力等の外力を
与える機構を一切必要とせず、チエツク弁の機構
を簡素化できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例要部の断面図を示したも
のである。 １……第１の管体、２……第２の管体、３……
かしめ、４……座金、６……球弁、５，８……流
路、７……導通孔、Ｃ……弁座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 逆流時の弁座に連る上流側管路内に球弁を介在
   させて流体の逆止動作を行うチエツク弁に於て、
   前記管路の流体に中心の周りに回転運動を与える
   らせん溝を管路の周壁に刻設したチエツク弁。