JPS627909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は電磁弁に係り、弁体による進路の閉塞
時および開放時の衝撃を緩和する構造に関する。

（従来の技術） 従来の電磁弁は例えば実開昭51−94028号公報
に記載されている構造が知られている。この電磁
弁はプランジヤの一端に弁座を臨ませて弁座の通
路に対向し、先端に向つて径小とした突起を有す
る弁体を設けた構造が採られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の電磁弁では弁体を急激に閉塞側方向
に作動させるとプランジヤの弁体側と反対側の他
端側にプランジヤの外周面に沿つて流体が流入
し、プランジヤが急激に閉塞側に移動し、流体に
振動が発生し、各部に衝撃を与えるという問題が
あつた。そこで従来は、例えば、油圧シリンダと
ポンプとの電磁弁を介在させて油圧シリンダへの
油の供給を制御する装置では、ダイアフラムを内
蔵したシヨツクアブソーバを電磁弁と油圧シリン
ダとの間に介在させ、油圧シリンダに油の通路の
開閉時に生じる衝撃を緩和させる必要があり、こ
のシヨツクアブソーバの接続により配管接続箇所
が多く、油漏れの原因となり易い問題を有してい
た。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、弁
体による通路の開閉時の衝撃を緩和し、流体経路
にシヨツクアブソーバなどの接続の必要をなくし
て液漏れ原因となることがない電磁弁を提供する
ものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の電磁弁は、一端にコイルと鉄心とから
なる電磁石を臨ませ他端に弁座を形成した本体内
に前記電磁石の鉄心に吸着さればねにて弁座方向
に附勢したプランジヤを進退自在に設け、前記電
磁石のコイルに前記プランジヤの外周面との間に
前記プランジヤを進退自在に嵌挿するガイドチユ
ーブをこのプランジヤの外周との間に少許の流体
通路間隙を形成して設け、前記プランジヤの一端
に前記弁座に接続され前記弁座の通路に対向し先
端に向つて径小とした挿入突起を有する弁体を設
けたことを特徴とするものである。

（作用） 本考案は、コイルに通電すると鉄心が励磁さ
れ、プランジヤが鉄心に引寄せられ、プランジヤ
に伴つて弁体が後退して弁座を開口する。同時に
鉄心とプランジヤ間に介在する流体はプランジヤ
とガイドチユーブとの狭い間隙より排除される。
次にコイルの通電を断つと鉄心が磁力を失いプラ
ンジヤは進出し、弁体が弁座に当着される。この
とき、弁体の挿入突起により弁座の通路は徐々に
閉塞されるとともに、プランジヤとガイドチユー
ブとの間隙が狭いため、鉄心が磁力を失つてもプ
ランジヤと鉄心との間に急激に流体が流入せず、
急激な流体の停止による衝撃を緩和できる。

（実施例） 次に本考案の一実施例の構造を第１図について
説明する。

１は電磁石であり、鉄心２とコイル３とより構
成され、鉄心２がハウジング４にワツシヤ付きボ
ルト５で固定されている。

６は中空円筒形のベイスナツトで、前記コイル
３の下端に位置し、下部周面に螺合部７を形成し
ている。このベイスナツト６と電磁石１のコイル
３とにて円筒空間部８を形成し、この円筒空間部
８の一端に鉄心２が臨ませられている。

１０はバルブ体で、前記ベイスナツト６の螺合
部７に螺合され、前記円筒空間部８の他端を覆
い、内方に弁座１１が突出形成され、一側面に弁
座１１の通路１２に連通し内周面に図示しない継
手を螺合接続するための螺合部１３を有する一方
の通孔１４が形成されている。また、バルブ体１
０の他側面には弁座１１を囲周する流通部１５に
ストレーナ１６を介して連通し内周面に図示しな
い継手を螺合接続するための螺合部１７を有する
他方の通孔１８が形成されている。前記電磁石
１、ベイスナツト６およびバルブ体１０にて本体
２０を形成している。

前記円筒空間部８内にはガイドチユーブ２１を
介してプランジヤ２２が嵌挿され、このプランジ
ヤ２２の外周面とガイドチユーブ２１との内周面
との間には少許の流体通路間隙に保持され、この
プランジヤ２２の前記鉄心２に対向する一端には
ばね収納部２３が設けられ、弁座１１に対向する
他端には弁体収納部２４が形成されている。この
弁体収納部２４の開口縁はプランジヤ２２の端面
に突出した環状突起を開口側にかしめて支持縁２
５が形成されている。

ばね収納部２３にはコイルばね２６が収納さ
れ、プランジヤ２２を弁座１１側へ附勢してい
る。

弁体収納部２４内には弗素樹脂（デユポン社製
商品名テフロン）などからなる弁体２７が支持縁
２５に支持され収納固着されている。この弁体２
７には、弁座１１の通路１２に対向して先端に向
つて径小とした逆円錐形の挿入突起２８が形成さ
れ、鉄心２の非励磁時には弁座１１の通路１２内
へ挿入されるようになつている。

また、プランジヤ２２と、コイル３およびベイ
スナツト６の内周面との間にはガイドチユーブ２
１が嵌挿されているためプランジヤ２２の外周の
流体の通路としての間隔が狭くなつている。

２９はフラツクスプレート、３０はＯリング、
３６は銘板である。

次にこの実施例の作用を説明する。

コイル３に通電すると鉄心２が励磁され、プラ
ンジヤ２２がコイルばね２６に抗して鉄心２に引
寄せられ、プランジヤ２２に伴つて弁体２７が後
退して弁座１１の通路１２を開口する。同時に鉄
心２とプランジヤ２２間に介在する流体はプラン
ジヤ２２とガイドチユーブ２１との狭い流体通路
間隙より流通路１５に排除される。

次にコイル３の通電を断つと鉄心２が磁力を失
い、プランジヤ２２はコイルばね２６に附勢され
て進出し、弁体２７が弁座１１に当着される。こ
のとき、弁体２７の挿入突起２８により弁座１１
の通路１２は徐々に閉塞されるため、急激な流体
の停止による衝撃を緩和できる。また、プランジ
ヤ２２とガイドチユーブ２１との間の流体通路間
隙が狭いため、鉄心２が磁力を失つてもプランジ
ヤ２２と鉄心２との間に急激に流体が流入せず、
コイルばね２６による附勢の速度が緩和され、衝
撃をより緩和する。

次に他の実施例を第２図について説明する。

なお、第１図と同一部分は同一符号を用いて説
明を省略する。

３１はニードルバルブで、バルブ体１０の一端
から弁座１１の通路１２へ螺入し、このバルブ体
１０の一端から突出している調節用のつまみ部３
２を回動してニードルバルブ３１を挿脱方向に移
動することにより通路１２から、この通路１２に
連通する通孔１４へ流れる流体の流量を調節でき
る。なお、３４はＯリング、３５はナツトであ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、本体内にガイドチユーブを介
してプランジヤをこのプランジヤとの間に少許の
流体通路間隙を形成して嵌挿するとともに、弁体
に先端に向つて径小とした挿入突起を設けたの
で、これらの相乗効果により通路の閉塞時または
開放時に通路が徐々に開閉されることになり、開
閉時の流体の衝撃を緩和することができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電磁弁の一実施例を示す断面
図、第２図は他の実施例を示す断面図である。 １……電磁石、２……鉄心、３……コイル、１
１……弁座、１２……通路、２０……本体、２１
……ガイドチユーブ、２２……プランジヤ、２７
……弁体、２８……挿入突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端にコイルと鉄心とからなる電磁石を臨ませ
   他端に弁座を形成した本体内に前記電磁石の鉄心
   に吸着さればねにて閉塞側の弁座方向に附勢した
   プランジヤを進退自在に設けた電磁弁において、 前記電磁石のコイルに前記プランジヤの外周面
   との間に少許の流体通路間隙を形成して前記プラ
   ンジヤを進退自在に嵌挿するガイドチユーブを設
   け、 前記プランジヤの一端に前記弁座に接離され前
   記弁座の通路に対向し先端に向つて径小とした挿
   入突起を有する弁体を設けたことを特徴とする電
   磁弁。