JPS6130843B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、チヤツク本体内で半径方向に調節可
能に案内されているつめを有する旋盤用チヤツク
であつて、これらのつめが調節用の駆動部材と係
合しており軸方向で前方のつめ部分と軸方向で後
方のつめ部分とから成つており、両方のつめ部分
はそれぞれ、半径方向で調節可能にチヤツク本体
内で案内されており、後方のつめ部分だけが駆動
部材と係合しており、外部から調節部材の案内面
を介して連結・遮断可能なクラツチ部材が設けら
れており、このクラツチ部材は連結状態では、後
方のつめ部分により前方のつめ部分が半径方向に
連行されるように両方のつめ部分を結合するに対
し、遮断状態では、後方のつめ部分とは無関係に
前方のつめ部分が半径方向で調節されるように前
方のつめ部分を解放するようになつている形式の
ものに関する。

従来の技術 アメリカ合衆国特許第3682491号明細書により
公知である前述の形式の旋盤用チヤツクにおいて
は、チヤツク本体に等角度間隔で３つのスロツト
が形成されており、これらのスロツト内に把持爪
が半径方向に滑動自在に挿入されている。調節部
材は、チヤツク本体内でチヤツク軸線に対して同
軸的に支承された環状案内ブロツク（又は操作リ
ング）であり、この調節部材は軸方向で２つの位
置に調節されるようになつている。調節部材は各
クラツチ部材（滑子・把持爪）のために１つのス
ロツトを有しており、該スロツトは前記のチヤツ
ク本体に形成されたスロツトと整合されている。
調節部材を一方の位置に移動調節させるさいに、
スロツト内でクラツチ部材の連結が外れ、調節部
材を他方の位置に移動調節することによつてクラ
ツチ部材が連結されるようになつている。つま
り、工作物の加工を終わり、把持爪を交換しよう
とするさいに、ねじボルトを介して調節部材を軸
方向で後退させると、この後退によつて滑子も後
退し、同時に把持爪は半径方向外方へわずかに摺
動し、このことによつてクラツチ部材の連結が外
れるのである。調節部材の移動時にクラツチ部材
も常に一緒にかつ同時に調節され、つまり全ての
把持爪が同時に連結を外す位置を占めることにな
る。このことにより把持爪が偶然下方に向かう位
置にあるばあいには、その把持爪はチヤツク本体
から落ちてしまう。

クラツチ部材の連結を外した状態では旋盤が再
運転しないようにする電気回路が、もし故障して
いて、把持爪の１つを交換した後に旋盤が誤つて
再運転してしまつたばあいには、まだ解放された
ままの把持爪は全てチヤツク本体から落ちてしま
う。また、全ての把持爪が連結解除の状態である
ため、どの把持爪の交換が終わつていて、どの把
持爪がまだ交換されていないかがわからなくな
り、従つて交換の誤りが発生する危れがある。

発明の課題 本発明の課題は、つめにおいて常に順々につめ
部分を互いに分離させることができ、要するにそ
の都度常に一方のつめにおいては半径方向の調節
もしくは前方のつめ部分の交換が可能であり、こ
れに対してその都度他方のつめにおいては両方の
つめ部分がなお互いに係合しているように前述の
形式のチヤツクを形成することである。

課題を解決するための手段 前述の課題を解決するために講じた手段は、ク
ラツチ部材が後方のつめ部分内で案内されている
調節部材と協働しており、該調節部材が、クラツ
チ部材の案内突起と協働する強制案内面を有して
いることにある。

発明の効果 本発明によつて得られる利点は、外方から操作
されるそれぞれ固有の調節部材が個々のつめに配
属されていることによつて、一方のつめにおいて
は個々に、かつ順次に両方のつめ部分を互いに連
結もしくは連結解除することができ、他方のつめ
においては前方のつめ部分が確実に後方のつめ部
分に係合したままであることである。さらに別の
利点は、それぞれの調節部材においてクラツチ部
材を強制案内することにある。つまりクラツチ部
材の位置が調節部材によつて強制的にかつ明白に
規定されることであり、要するに外方から常に認
識される調節部材の位置から、クラツチ部材の所
属の位置を強制的に確実に推測することができ
る。このような強制案内によつて、クラツチ部材
はそれぞれの調節部材によつて、連結状態に相応
する位置に、並びに遮断状態に相応する位置に係
止されることができる。クラツチ部材を、遮断状
態に相応する位置に係止することによつて、つめ
部分の連結を外じた状態での旋盤の運転を阻止す
ることができる。

実施態様 本発明の有利な実施態様によれば、調節部材
が、ばねの力に抗してチヤツク軸線に向かつて半
径方向に押し込み可能なピンであり、このピン
が、スライダとして構成されているクラツチ部材
に、該クラツチ部材に設けられていてスライダの
移動運動を可能にする切欠き部を貫通しており、
この切欠き部の範囲に案内面を有している。

さらに有利には、クラツチ部材が調節部材によ
つて、ばねの圧力につよて負荷された位置に係止
される。

実施例 チヤツクの本体１内でつめ２が半径方向に調節
可能に案内されている。図面においてはそれぞれ
たんに１個のつめしか示されていないが、チヤツ
クは２個以上の、普通は３個のつめを有してい
る。半径方向の調節のためにつめは駆動部材４と
係合しており、図示の実施例では駆動部材４は、
軸方向に調節可能な駆動スリーブ５として構成さ
れている。駆動スリーブ５はくさびフツク６，７
を介してつめ２と係合しており、このさいくさび
フツク６は駆動スリーブ５に、くさびフツク７は
つめ２に係合する。駆動スリーブ５が左に向かつ
て移動せしめられると、つめ２が半径方向で内方
に動かされ、駆動スリーブ５が右に向かつて軸方
向に調節されると、つめ２は半径方向で外方に動
く。駆動スリーブ５を操作する締め付けシリンダ
（図示せず）の締め付けピストンは中空の旋盤主
軸を貫通するロツド又は管を介して駆動スリーブ
５に結合されている。締め付けシリンダを本体１
内に配置しておくことも可能である。また旋盤主
軸に本体１を結合するためのフランジも図示され
ていないが、このフランジを取り付けるために本
体１の後面には転削部８が形成されている。

駆動部材を、くさびフツク６，７を介してつめ
に係合させる代わりに別の周知の形式を使用する
ことができる。駆動部材の構成とは無関係につめ
は、チヤツク軸線９に対して直角な分割平面によ
り軸方向で前方のつめ部分２ａと軸方向で後方の
つめ部分２ｂとに分割されている。両方のつめ部
分２ａ，２ｂはそれぞれ半径方向に調節可能であ
つて、前方のつめ部分２ａは案内そぞ１０により
本体の案内条片１１に沿つて案内されており、後
方のつめ部分２ｂは本体１の案内みぞ１２に沿つ
て案内されている。更に、後方のつめ部分２ｂの
後面は本体１の案内面１３により軸方向で支えら
れている。図面においては後方のつめ部分２ｂは
半径方向でもつとも内方の位置にある。後方のつ
め部分２ｂが半径方向で外方に動く場合に大きく
なるすきま１４の汚損を防止するために後方のつ
め部分２ｂの前面に設けたエプロン１５ですきま
１４を被つておくことができる。

両方のつめ部分２ａ，２ｂのうち後方のつめ部
分２ｂだけが駆動部材４と常に係合しており、要
するに実施例では駆動スリーブ５がくさびフツク
６に係合している。連結・遮断可能なクラツチ部
材１６は、図面において示した連結状態では両方
のつめ部分２ａ，２ｂを半径方向で互いに剛性的
に結合して、これにより前方のつめ部分２ａが後
方のつめ部分２ｂによつて半径方向で連行される
のに対し、クラツチ部材１６が遮断状態（図示せ
ず）にある場合には、前方のつめ部分２ａが解放
されて、後方のつめ部分２ｂとは無関係に半径方
向に調節することができ、したがつて前方のつめ
部分２ａをチヤツク本体１の案内内で半径方向に
移動し、あるいは案内から完全に取り外して、別
の形状の前方のつめ部分と交換することができ
る。これに対し後方のつめ部分２ｂは交換不能で
あつて、駆動部材４と係合したままである。

クラツチ部材１６は、後方のつめ部分２ｂ内で
半径方向に調節不可能であるが、軸方向では前後
に調節可能に案内されている。クラツチ部材１６
が前方に移動せしめられると、そのクラツチヘツ
ド１７が、前方のつめ部分２ａの対応連結部１８
に半径方向で係合する。図示の簡単な実施例では
クラツチ部材１６は後方のつめ部分２ｂ内で軸方
向に案内される円柱状のスライダとして構成され
ている。対応連結部１８は、前方のつめ部分２ａ
の後面１９の横歯として構成されていて、クラツ
チヘツド１７も相応する横歯を有している。これ
に対し後方のつめ部分２ｂの前面は歯を有してお
らず、したがつてクラツチ部材１６が遮断状態に
ある場合に前方のつめ部分２ａを支障なく半径方
向に動かすことができる。

外部から操作可能な調節部材３０により強制案
内されてクラツチ部材１６が連結・遮断される。
調節部材３０自体は、後方のつめ部分２ｂ内で案
内されていて、かつクラツチ部材１６の案内突起
３５，３６と協働する案内面３１，３２を有して
いる。詳細に述べると調節部材３０は、ばね３３
の力に抗して半径方向で内方にチヤツク軸線９に
向つて押し込み可能なピンであつて、スライダと
して構成されているクラツチ部材１６の軸方向調
節を可能ならしめるためにクラツチ部材に形成さ
れている切り欠き部３４を貫通しており、かつこ
の切り欠き部の範囲に案内面３１，３２を有して
おり、これらの案内面には、クラツチ部材１６の
案内突起３５，３６が両側から接触している。図
示の実施例では案内突起は案内ピンとして構成さ
れている。クラツチ部材１６が図示の連結状態に
ある場合、調節部材３０の半径方向面３７及び案
内突起３６を介してクラツチ部材１６が係止され
ており、したがつてクラツチ部材は左に向かつて
動くことができない。これに対し調節部材３０が
半径方向で内方に押し込まれると、クラツチ部材
１６の左側の案内突起３５が傾斜した案内面３１
に突き当たる結果、クラツチ部材１６が左に向か
つて動かされて、前方のつめ部分２ａとの係合を
完全に外される。この場合クラツチ部材１６の前
方の案内突起３６は調節部材３０のおう所３８内
に入る。調節部材３０が解放されるとばね３３の
作用で半径方向で外方に向かつて調節部材が動か
される。この場合前方の傾斜した案内面３２と前
方の案内突起３６とを介して図面で見て右に向か
つてクラツチ部材１６が動かされ、前方のつめ部
分２ａの横歯に係合する。要するに放された調節
部材３０はそのばね３３の力でクラツチ部材１６
を、両方のつめ部分が係合する連結状態に係止す
る。

前方のつめ部分２ａの横歯はその半径方向の範
囲全体に形成されている。それ故にこの横歯に、
クラツチ部材１６の外に、後方のつめ部分２ｂ内
に軸方向で案内されている係止ピン４０が係合す
る。この場合係止ピン４０は、前方のつめ部分２
ａにクラツチヘツド１７が直接に係合し得るよう
な半径方向の位置に前方のつめ部分を固定する。
もちろんクラツチ部材１６が遮断されている状態
での前方のつめ部分２ａの半径方向の調節を係止
ピン４０のばね４１が阻止することはない。つま
り係止ピン４０は、クラツチ部材１６と対応連結
部１８との係合が可能な前方のつめ部分２ａの半
径方向位置をじん速に感知するのに役立つもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明のチヤツクの軸方向断面図であ
る。 １……本体、２……つめ、２ａ，２ｂ……つめ
部分、３……案内、４……駆動部材、５……駆動
スリーブ、６，７……くさびフツク、８……転削
部、９……チヤツク軸線、１０……案内そぞ、１
１……案内条片、１２……案内みぞ、１３……案
内面、１４……すきま、１５……エプロン、１６
……クラツチ部材、１７……クラツチヘツド、１
８……対応連結部、１９……後面、３０……調節
部材、３１，３２……案内面、３３……ばね、３
４……切り欠き部、３５，３６……案内突起、３
７……半径方向面、３８……おう所、４０……係
止ピン、４１……ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チヤツク本体内で半径方向に調節可能に案内
   されているつめを有する旋盤用チヤツクであつ
   て、これらのつめが調節用の駆動部材と係合して
   おりかつ軸方向で前方のつめ部分と軸方向で後方
   のつめ部分とから成つており、両方のつめ部分は
   をれぞれ、半径方向で調節可能にチヤツク本体内
   で案内されており、後方のつめ部分だけが駆動部
   材と係合しており、外部から調節部材の案内面を
   介して連結・遮断可能なクラツチ部材が設けられ
   ており、このクラツチ部材は連結状態では、後方
   のつめ部分により前方のつめ部分が半径方向に連
   行されるように両方のつめ部分を結合するのに対
   し、遮断状態では、後方のつめ部分とは無関係に
   前方のつめ部分が半径方向で調節されるように前
   方のつめ部分を解放するようになつている形式の
   ものにおいて、クラツチ部材１６が後方のつめ部
   分２ｂ内で案内されている調節部材３０と協働し
   ており、該調節部材が、クラツチ部材１６の案内
   突起３５；３６と協働する強制案内面３１，３２
   を有していることを特徴とする旋盤用チヤツク。 ２ 調節部材３０が、ばね３３の力に抗してチヤ
   ツク軸線９に向つて半径方向に押し込み可能なピ
   ンであり、このピンが、スライダとして構成され
   ているクラツチ部材１６に、該クラツチ部材に設
   けられていてスライダの移動運動を可能にする切
   欠き部３４を貫通しており、この切欠き部３４の
   範囲に案内面３１；３２を有している特許請求の
   範囲第１項記載の旋盤用チヤツク。 ３ クラツチ部材１６が調節部材３０によつて、
   ばね３３の圧力によつて負荷された位置に係止さ
   れる特許請求の範囲第１項又は第２項記載の旋盤
   用チヤツク。