JPS6130131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は冷凍機の除霜装置に関し、特に複数の蒸
発器を備え、任意の蒸発器のホツトガス除霜運転
を継続しながら他の蒸発器の冷却運転を行なう冷
凍機の低圧圧力の低下を防止することを目的とす
る。

従来の除霜装置は任意の蒸発器をホツトガス除
霜し他の蒸発器の冷却運転を同時に行なうと、除
霜開始直後最初に除霜される蒸発器ではホツトガ
スが熱交換して液化貯溜され他の冷却運転を行な
つている蒸発器から圧縮機へ帰還する冷媒量が減
少して低圧圧力が低下して除霜能力が十分に得ら
れない霜取不足のまま次の蒸発器の除霜に切換わ
つてしまう問題があつた。尚、第２番目以後の蒸
発器の除霜については除霜終了後の蒸発器から多
量の冷媒が圧縮機に帰還するため低圧圧力が低下
することがない。

本案は上記の点に鑑みてなされたものであり、
以下図に示す実施例に基づいて説明する。

１は圧縮機、２は凝縮器、３は減圧用電磁弁、
４は前記減圧用電磁弁３に並列に設けられた減圧
弁、５は液ヘツダー、６，７，８はストツプバル
ブ、９，１０，１１は液管電磁弁、１２，１３，
１４は前記液管電磁弁９，１０，１１に並列に設
けられた逆止弁、１５，１６，１７は膨張弁、１
８，１９，２０は前記膨張弁１５，１６，１７に
並列に設けられた逆止弁、２１，２２，２３は蒸
発器、２４，２５，２６は吸入管電磁弁、２７，
２８は前記吸入管電磁弁２５，２６に並列に設け
られたバイパス電磁弁、２９はガスヘツダー、３
０は圧縮機１と凝縮器２との間に設けた側路管、
３１，３２，３３は前記側路管３０から夫々の蒸
発器２１，２２，２３と吸入管電磁弁２４，２
５，２６との間に接続されるホツトガス電磁弁３
４，３５，３６を有する側路分岐管であり、これ
らは順次接続されて冷凍サイクルを構成する。

而して、３７は第１系統を構成する蒸発器２１
に設けられたストツプバルブ６と液管電磁弁９と
の間に電磁弁３８と、該電磁弁に並列に設けられ
た逆止弁３９とを設け、前記電磁弁３８と液管電
磁弁９との間と圧縮機１の吸入配管４０とを接続
する電磁弁４１と吸入圧力調整弁４２とを有する
低圧防止配管である。

このように構成される冷凍機の除霜装置におい
て、圧縮機１で吐出された冷媒は凝縮器２で凝縮
液化され、この液冷媒は減圧用電磁弁３を介して
液ヘツダー５に流入する。前記減圧用電磁弁３は
冷却運転時開放して圧力変化をおこさず除霜運転
時閉塞された圧縮機１から吐出された冷媒を減圧
弁４でホツトガス圧力よりも減圧させる。液ヘツ
ダー５で分流された液冷媒は液管電磁弁９，１
０，１１を介して膨張弁１５，１６，１７で減圧
されて蒸発器２１，２２，２３で蒸発気化して冷
却を行なう。前記蒸発器２１，２２，２３で蒸発
気化したガス冷媒は吸入管電磁弁２４，２５，２
６を通りガスヘツダー２９で集流して圧縮機１に
帰還し、以後同様な動作を繰返す。その際低圧防
止配管３７の電磁弁４１とホツトガス電磁弁３
４，３５，３６をバイパス電磁弁２７，２８とは
閉塞している。

斯る通常の運転からホツトガス除霜運転に切換
えると、圧縮機１から吐出されたホツトガスは側
路管３０に流入してホツトガス電磁弁３４を介し
て蒸発器２１を除霜する。該蒸発器を除霜した冷
媒は逆止弁１８，１２を通つて電磁弁４１を開放
した低圧防止配管３７を流れ該低圧防止配管の吸
入圧力調整弁４２で減圧されて圧縮機１の吸入配
管４０に流入して低圧圧力を上昇させ、他の冷却
運転を行なつている蒸発器２２，２３から圧縮機
１に帰還する冷媒不足による低圧圧力の低下を補
つて除霜不良を防止している。

尚、第２系統以後の除霜は以下のように行なわ
れる。まず、２番目の蒸発器２２の除霜は、ホツ
トガス電磁弁３５が開、液管電磁弁１０が閉とな
つて圧縮機１から吐出されたホツトガスが側路管
３０、ホツトガス電磁弁３５を介して蒸発器２２
へ供給されることにより行なわれる。このとき、
すでに除霜の終了している蒸発器２１とまだ除霜
の終了していない蒸発器２３は冷却運転してお
り、蒸発器２２を除霜した冷媒は液ヘツダー５で
冷却運転中の他の系統に合流されている。また、
蒸発器２２の除霜終了後にはバイパス電磁弁２７
の開により除霜中に蒸発器２２に残溜した液冷媒
の回収運転いわゆる水切り運転が行なわれ、この
液冷媒を冷却運転中の他の系統に合流させてい
る。次に、３番目の蒸発器２３の除霜は、ホツト
ガス電磁弁３６が開、液管電磁弁１１が閉となつ
て圧縮機１から吐出されたホツトガスが側路管３
０、ホツトガス電磁弁３６を介して蒸発器２３へ
供給されることにより行なわれている。このと
き、すでに除霜の終了した他の蒸発器２１，２２
は冷却運転しており、蒸発器２３を除霜した後の
冷媒は液ヘツダー５で冷却運転中の他の系統に合
流されている。また、蒸発器２３の除霜終了後に
は上述した２番目の蒸発器２２の除霜と同様に、
バイパス電磁弁２８の開により蒸発器２３の水切
り運転が行なわれる。

このようにして行なわれる２番目以後の蒸発器
２２，２３の除霜運転では、すでに除霜の終了し
ている蒸発器２１があること、除霜の終了した蒸
発器２１の温度は高くなつており蒸発器２１の出
口側の温度を感知して作動する膨張弁１５の開度
も大きくなつていること、及び除霜の終了した蒸
発器２１が安定した冷却運転に入るまでには時間
がかかることから、除霜の終了した蒸発器２１か
ら多量の冷媒が圧縮機１に戻り、２番目以後の蒸
発器２２，２３の除霜時における冷凍機の冷媒循
環量は最初の蒸発器２１の除霜時に比べてかなり
増加する。このため、２番目以後の蒸発器２２，
２３の除霜では最初の蒸発器２１の除霜のときほ
ど低圧圧力が低下することはない。これにより、
２番目以後に除霜される系統では特に低圧防止配
管３７を必要とすることはないので、低圧防止配
管３７は第１系統のみに設ければよい。尚、３番
目に除霜が行なわれる蒸発器２３では、すでに除
霜の終了した蒸発器が２台あることから、斯る蒸
発器２３の除霜時における冷媒循環量は更に増
え、低圧圧力はより高まる。また、以上のことは
実験によつても確認されている。第１系統に設け
た電磁弁３８は凝縮器２側から低圧防止配管３７
にシヨートサイクルするのを防止すると共に該電
磁弁に並列に設けた逆止弁３９により除霜を行な
つた後の余剰冷媒を冷却運転中の蒸発器２２，２
３に戻して冷凍能力を向上させる。更に第１系統
は除霜冷媒を低圧防止配管３７から圧縮機１の吸
入配管４０に戻しているため除霜終了後の水切り
用のバイパス電磁弁を省略できる。

以上の如く、本案は並列に接続された複数の蒸
発器を備え、任意の蒸発器のホツトガス除霜運転
を継続しながら他の蒸発器の冷却運転を行なう冷
凍機において、前記複数の蒸発器のうち最初に除
霜を開始する蒸発器の除霜用ホツトガスの出口側
に一端を接続する電磁弁と吸入圧力調整弁とを有
する低圧防止配管の他端を圧縮機の吸入配管に接
続したものであるから、除霜開始直後の低圧圧力
の低下を最初に除霜開始する蒸発器の除霜を行つ
た後の冷媒を低圧防止配管から吸入圧力調整弁で
減圧して圧縮機の吸入配管に戻し低圧圧力の低下
を防止して除霜能力を向上させる等実用上有益な
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示す冷凍サイクル図で
ある。 １……圧縮機、２１，２２，２３……蒸発器、
３７……低圧防止配管、４０……吸入配管、４１
……電磁弁、４２……吸入圧力調整弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並列に接続された複数の蒸発器を備え、任意の
   蒸発器のホツトガス除霜運転を継続しながら他の
   蒸発器の冷却運転を行なう冷凍機において、前記
   複数の蒸発器のうち最初に除霜を開始する蒸発器
   の除霜用ホツトガスの出口側に一端を接続する電
   磁弁と吸入圧力調整弁とを有する低圧防止配管の
   他端を圧縮機の吸入配管に接続したことを特徴と
   する冷凍機の除霜装置。