JPS6130034B2 - - Google Patents
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- JPS6130034B2 JPS6130034B2 JP51057213A JP5721376A JPS6130034B2 JP S6130034 B2 JPS6130034 B2 JP S6130034B2 JP 51057213 A JP51057213 A JP 51057213A JP 5721376 A JP5721376 A JP 5721376A JP S6130034 B2 JPS6130034 B2 JP S6130034B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25B—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
- C25B1/00—Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
- C25B1/01—Products
- C25B1/34—Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis
- C25B1/46—Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis in diaphragm cells
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- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
Description
本発明はアルカリ金属塩のイオン交換膜法電解
に関し、その主たる目的は高い電流効率を維持し
て特に25%以上の高濃度のアルカリ金属酸化物を
取得するにある。 近年、我が国におけるアルカリ金属塩の電解方
法としては水銀法が広く行われていたが水銀公害
の問題から隔膜法に転換されている。しかし、従
来の濾過性膜を用いる隔膜法で例えば食塩を電解
した場合には、得られるセルリカーは約10%のカ
性ソーダと約16%の食塩を含んでいる。従つて、
これを蒸発濃縮、精製しても48%カ性ソーダ中に
はなお1%の食塩を含み、また酸化性物質も含ま
れてくる。 従つて、第三の技術として緻密な膜構造を有す
るイオン交換膜を用いるアルカリ金属塩の電解法
が研究され、耐酸化性の陽イオン交換膜を配する
二室式電解法または耐酸化性のない炭化水素系陽
イオン交換膜と該膜の酸化性物質による劣化を防
止するために保護隔膜を配した三室式電解法が開
発されている。しかしながら、上記の陽イオン交
換膜を用いるアルカリ金属塩の電解方法において
も直接取得されるアルカリ金属水酸化物の濃度
は、その電流効率を考慮して約20%以下にとどめ
られるため、該アルカリ金属水酸化物はさらに蒸
発濃縮が必要で蒸発コストの製品への影響及びボ
イラー使用による大気汚染の害を免れない。 しかるにアルカリ金属水酸化物は用途面から少
くとも25%以上のものが好ましく、従つて、アル
カリ金属塩の電解に際して25%特に30%以上のア
ルカリ金属水酸化物が直接取得できることが望ま
しい。しかしながら上記したように一般に強酸性
陽イオン交換基のみを膜内に均一に有する陽イオ
ン交換膜を用いてアルカリ金属塩を電解しても、
濃厚なアルカリ金属水酸化物を取得する場合には
電流効率が低い。この電流効率を高くしようとす
ると膜の電気抵抗の高騰を招き、アルカリ金属水
酸化物は取得する電力原単位は高くなる。そのた
めに種々の改良膜として、例えばスルホン酸型の
陽イオン交換膜の表面層部にアンモニヤによつて
スルホン酸アミドを形成させた層を存在させた
膜、陽イオン交換膜の表層部に酸アミド結合その
他のイオン結合、共有結合、配位結合によつて陰
イオン交換性の薄層を形成させた陽イオン交換
膜、陽イオン交換膜の表層部に両性層、電荷を有
さない中性層を存在させた陽イオン交換膜、陽イ
オン交換膜の一方の側にモノアミンからなる酸ア
ミド結合を形成させた陽イオン交換膜(特開昭50
−66488)、同じくスルホニルフルオライド基を有
する膜状物とジアミン、ポリアミンを反応させて
加熱処理したのちに加水分解処理した陽イオン交
換膜(特開昭50−92339)などが提案されてい
る。これら処理された改良陽イオン交換膜は処理
前の陽イオン交換膜に比較すると格段に優れてい
るが、アルカリ金属塩の電解において25%以上特
に30%以上のアルカリ金属水酸化物を取得する場
合になお電流効率の低減は避け難い。 すなわち、陽イオン交換膜はその当然の機能と
してイオン交換膜内の固定イオン濃度に比較し
て、膜が接している外液のカ性アルカリ濃度が高
くなつてくると対イオンのみでなく、陽イオン交
換膜のイオン交換基と同符号のイオンである水酸
イオンが膜内に入り電流効率の低下を来たす。従
つて、高濃度のアルカリ金属酸化物を取得する
と、それに応じて電流効率は低下する。また前記
したようにイオン交換膜の他の特性として膜の電
気抵抗はイオン交換膜の外液濃度によつて著しく
変化する。すなわち、イオン交換膜の接している
溶液の濃度が高くなると、浸透圧の差のために膜
は収縮して含水量が低下しイオンの透過が容易で
なくなり、アルカリ金属塩の電解で濃厚なアルカ
リ金属水酸化物を取得する場合には著しく膜の電
気抵抗は増大することになる。従つて、アルカリ
金属水酸化物を取得する電力原単位は電流効率に
反比例し、槽電圧に比例して増加するから、膜の
電流効率の低下と膜の電気抵抗の増大はアルカリ
金属水酸化物を取得する電力原単位の高騰を招く
ことになる。 他方、一般に例えばアルカリ金属イオンが陽イ
オン交換膜を透過するときのアルカリ金属イオン
1ケに水和している水分子の水和数は外液の濃
度、膜の構成成分等によつて異なる。例えば極め
て緻密な構造の膜をイオンが通るときは水和数は
小さく、架橋度の低い含水量の多い膜をイオンが
透過するときにはイオンの水和数は大きい。また
外液濃度が高いと一般にイオン交換膜は収縮して
含水量が低減し、当然イオンが膜を透過するとき
の水和数は減少する。例えばスチレン―ジビニル
ベンゼン系のスルホン酸型陽イオン交換膜では
0.5N―NaC中での電気浸透水量から求めた水和
数は5ケであるものが、飽和食塩水中では3ケあ
るいか2ケという値になる。また、アルカリ金属
塩電解用に開発されたカルボン酸型の高電流効率
陽イオン交換膜を用いて飽和食塩水を電気分解す
るときナトリウムイオンの水和数は2ケ以下であ
る。従つて陰極室に水の供給をしないで水和水の
みによつて陰極液から濃厚カ性ソーダを取得する
と電流効率を考慮しないと陰極室から取得される
カ性ソーダの濃度は約70%にも達することにな
る。実際には陰極室に純水を添加して通常約20%
のカ性ソーダを取得される。このようにイオン交
換膜の種類、外液濃度によつて膜を透過するイオ
ンの水和数は変わるので、この条件を種々に変え
ることによつて陰極室で生成するカ性ソーダの濃
度は自由に変えることができる。この現象に着眼
してA.L.Sfaceyらは120〜250g/の食塩水を
電気分解して陰極室に純水を供給することなく31
〜43%のカ性ソーダを取得する方法を提案してい
る(米国特許第3773634号)。 すなわち、この方法は陽極液として低濃度な塩
化ナトリウムを用いることによつてナトリウムイ
オンが陽イオン交換膜を透過するときの水和数を
増し、該陽イオン交換膜の陰極側界面濃度を低く
保ち電流効率の向上を期待したものと推測され
る。しかし、上記特許の方法では31〜43%の濃厚
カ性ソーダを取得しても電流効率は約80%にすぎ
ない。また陽極液の食塩水濃度を120〜250g/
に低く保つても、陰極室のカ性ソーダの濃度が31
〜43%といつた高濃度になると、前記したイオン
交換膜における収縮現象の結果として膜の電気抵
抗は急激に増大し、それを防ぐために陽極液の食
塩濃度を下げると溶液の電気伝導性が悪くなり、
やはり電槽電圧の上昇を招く。さらにまた、アル
カリ金属塩のうちふつ化物を除くアルカリ金属ハ
ロゲン化物を電解し、アルカリ金属水酸化物とと
もにハロゲンガスを併産する場合に、陽極液のア
ルカリ金属ハロゲン化物濃度を低くして電解する
上記方法では取得されるハロゲンガスの純度が問
題になる。すなわち、陽極液としてのアルカリ金
属ハロゲン化物の濃度を下げると酸素ガスの発生
量が激増する。今日、アルカリ金属ハロゲン化物
の電解で最も広く実施されている食塩電解で製造
される水酸化ナトリウム及び塩素ガスで、該塩素
ガス中に酸素ガスが含まれると該塩素ガスの精製
に多大の費用を要することになる。従つて、ハロ
ゲンガス中の酸素ガスの量を減らすために、酸素
の発生の少ない陽極の開発が行われており、ま
た、陽極液のPHを低くして電解する方法等が実施
される。しかし、陽極の材質によつて解決するこ
とも一つの有効な方法であるが特殊な陽極を必要
とし、今日まで満足すべきものは得られていな
い。また陽極液に多量の酸を添加してPHを低く保
つて電解することも、ハロゲンガスの純度を高め
るためには有効な手段であるが、酸の電解生成物
の原価に対する影響が無視し得ないこと、装置の
防食上から配管その他の材質に対する耐酸性の条
件が厳しい等の問題がある。そして陽極液中の水
素イオンは他の陽イオンに比較して陽イオン交換
膜を著しく透過し易いとう事実から、アルカリ金
属水酸化物生成の電流効率の低減を招くことは間
違いない。従つて、陽イオン交換膜を用いるアル
カリ金属塩の電解において供給する陽極液のアル
カリ金属塩濃度は飽和に近いことが望ましく、ま
たポンプ動力などからも操業上もつとも経済的な
分解率を保つて陽極室内のアルカリ金属塩濃度は
出来るだけ高いことが望ましい。 本発明者らは上記したように陽イオン交換膜を
用いるアルカリ金属塩の電解における種々の工業
的な条件及び必要性に鑑み鋭意研究の結果、陽極
側の膜面に特定した薄層を形成させた複合陽イオ
ン交換膜を用いることによつて良好にアルカリ金
属塩を電解できることを見出し、本発明を完成し
たものである。従つて、本発明の主たる目的は25
%以上とくに30%以上の高濃度のアルカリ金属水
酸化物を高い電流密度を維持して取得するにあ
る。 本発明の他の目的はアルカリ金属水酸化物と純
度の高いハロゲンガスを取得することにある。 本発明は陰・陽電極間に陽イオン交換膜を配し
てアルカリ金属塩水溶液を電解するイオン交換膜
法アルカリ金属塩の電解方法において、陽イオン
交換膜として、陽イオン交換膜の少くとも一方の
面に含水量が10%以上または固定イオン濃度が7
m以下である薄層を存在させた複合陽イオン交換
膜を用い、該薄層が陽極側となるように設け、陰
極室内のアルカリ金属水化物濃度を25重量%以上
とし、且つ電解時に該複合陽イオン交換膜を透過
するアルカリ金属イオン1ケ当りの水和数が3〜
7ケとなして電解することを特徴とするアルカリ
金属塩の電解方法である。 本発明において複合陽イオン交換膜が有する薄
層は、含水量が10%以上または固定イオン濃度が
7m以下である。ここで、含水量とは、該薄層を
構成する物質の乾燥状態における単位重量当り、
複合陽イオン交換膜の使用状態下において、含む
水の重量であり、また固定イオン濃度とは、該薄
層を構成する物質がイオン交換能を有する場合に
おいて、乾燥状態下における単位重量当りに存在
するイオン交換基の当量の1/1000、すなわちミリ
当量(これをイオン交換容量という)を含水量で
除した値である。 従つて、該薄層を構成する物質がイオン交換能
を有する場合には、「含水量」〔W(g/g・乾燥
物質)〕と固定イオン濃度〔Aw(m・eq/g
H2O);この単位をmと表わす〕との関係は該薄
層を構成する物質の「イオン交換容量」〔AR
(m・eq/g乾燥物質)〕によりAW=AR/Wで
表わすことができるが該薄層はいずれか一方の条
件を満足していればよい。しかし、該薄層がイオ
ン交換能を有しない場合には、含水量が、乾燥時
薄層構成物質の10%(以下、単に含水量10%とも
いう)以上となる物質で構成されなければならな
い。 本発明においては、陽極側膜面に、含水量10%
以上または固定イオン濃度7mの薄層が存在して
いる複合陽イオン交換膜を用いることによつて、
該薄層内に濃度分極を故意に発生させるものであ
る。 一般に電気透析系における膜―液界面の濃度分
極現象は最も好ましくないことの一つとされてお
り、海水濃縮、塩水脱塩等においては、極力これ
を除くように電気透析槽、電気透析方法が改良さ
れてきた。勿論、イオン交換膜を用いるアルカリ
金属塩水溶液の電気分解においても同様に膜―液
界面に生成する濃度分極は好ましくない現象の一
つであると考えられているが、陽イオン交換膜を
用いるアルカリ金属塩の二室法電解にあつては、
陽極から発生するガスによつて陽イオン交換膜の
陽極側膜面は撹拌されている。また炭化水素系の
陽イオン交換膜を陽極室で発生する酸化性物質に
よる酸化劣化を防止するために保護膜を用いた三
室電解法にあつては、保護膜と陽イオン交換膜の
間の中間室のアルカリ金属塩溶液は所定の流速で
流されているため、いずれの場合も陽イオン交換
膜の陽極側における膜―液界面の境膜の成長は阻
止されているために、一般には問題とされること
はなかつた。 しかるに、本発明にあつては、前記薄層を存在
させることによつて、積極的に境膜の形成を促
し、気泡による撹拌、溶液による撹乱等があつて
も膜―液界面の境膜を保護して該薄層内のアルカ
リ金属塩水溶液の濃度を低く一定に保つものであ
る。かくして、陽イオン交換膜部分の化学構造や
アルカリ金属塩の種類によつても多少異なるが、
本発明における複合陽イオン交換膜の薄層内での
濃度を低下させ容易に0.3〜0.4規定の範囲に保つ
ことができるのである。このとき、複合陽イオン
交換膜内を通過するアルカリ金属イオンは、3〜
7ケの水和数となることが実験的に確認された。
通常、工業的に何水和のアルカリ金属イオンが陽
イオン交換膜を通過したかは、得られたアルカリ
の濃度等から実験的に容易に知ることができる。
更に、水和数を変化させる手段としては、例え
ば、第1図に示す如く、塩水濃度を変化させるこ
とにより達成される他、カ性アルカリ濃度の変
化、電解時の温度を適宜選定すること、電流密度
を変化させる等があげられ、当業者間でよく知ら
れている。勿論、膜による影響も大であるが、予
備的な実験によつて、容易に所望の水和数を設定
することができる。 本発明いおいて使用する複合陽イオン交換膜を
構成する陽イオン交換膜(薄層を除いた部分)
は、一般に知られている陰・陽電極間にイオン交
換膜を配してアルカリ金属塩を電解する所謂イオ
ン交換膜法アルカリ金属塩電解に用いられる陽イ
オン交換膜が何等制限なく使用される。その中で
例えば、デユポン社からナフイオン(商品名)と
して市販されている膜の如く、パーフルオロカー
ボンを基礎母体とする陽イオン交換樹脂膜などの
含ふつ素系陽イオン交換膜は耐酸化性、耐薬品性
を備えている点で好ましいが、所謂三室電解槽な
どを用いる場合は、炭化水素を基礎母体とする陽
イオン交換樹脂膜であつても使用し得る。 本発明の複合陽イオン交換膜を構成する薄層は
一般に1mm以下の厚さでよく、一般には極めて親
水性を有することが好ましい。親水性の基として
は、―SH,―SO3―,アルコール性OH,フエノ
ール性OH,―COOH,―NH2,―CH2OH,―
NHR,―P(OH)2,
に関し、その主たる目的は高い電流効率を維持し
て特に25%以上の高濃度のアルカリ金属酸化物を
取得するにある。 近年、我が国におけるアルカリ金属塩の電解方
法としては水銀法が広く行われていたが水銀公害
の問題から隔膜法に転換されている。しかし、従
来の濾過性膜を用いる隔膜法で例えば食塩を電解
した場合には、得られるセルリカーは約10%のカ
性ソーダと約16%の食塩を含んでいる。従つて、
これを蒸発濃縮、精製しても48%カ性ソーダ中に
はなお1%の食塩を含み、また酸化性物質も含ま
れてくる。 従つて、第三の技術として緻密な膜構造を有す
るイオン交換膜を用いるアルカリ金属塩の電解法
が研究され、耐酸化性の陽イオン交換膜を配する
二室式電解法または耐酸化性のない炭化水素系陽
イオン交換膜と該膜の酸化性物質による劣化を防
止するために保護隔膜を配した三室式電解法が開
発されている。しかしながら、上記の陽イオン交
換膜を用いるアルカリ金属塩の電解方法において
も直接取得されるアルカリ金属水酸化物の濃度
は、その電流効率を考慮して約20%以下にとどめ
られるため、該アルカリ金属水酸化物はさらに蒸
発濃縮が必要で蒸発コストの製品への影響及びボ
イラー使用による大気汚染の害を免れない。 しかるにアルカリ金属水酸化物は用途面から少
くとも25%以上のものが好ましく、従つて、アル
カリ金属塩の電解に際して25%特に30%以上のア
ルカリ金属水酸化物が直接取得できることが望ま
しい。しかしながら上記したように一般に強酸性
陽イオン交換基のみを膜内に均一に有する陽イオ
ン交換膜を用いてアルカリ金属塩を電解しても、
濃厚なアルカリ金属水酸化物を取得する場合には
電流効率が低い。この電流効率を高くしようとす
ると膜の電気抵抗の高騰を招き、アルカリ金属水
酸化物は取得する電力原単位は高くなる。そのた
めに種々の改良膜として、例えばスルホン酸型の
陽イオン交換膜の表面層部にアンモニヤによつて
スルホン酸アミドを形成させた層を存在させた
膜、陽イオン交換膜の表層部に酸アミド結合その
他のイオン結合、共有結合、配位結合によつて陰
イオン交換性の薄層を形成させた陽イオン交換
膜、陽イオン交換膜の表層部に両性層、電荷を有
さない中性層を存在させた陽イオン交換膜、陽イ
オン交換膜の一方の側にモノアミンからなる酸ア
ミド結合を形成させた陽イオン交換膜(特開昭50
−66488)、同じくスルホニルフルオライド基を有
する膜状物とジアミン、ポリアミンを反応させて
加熱処理したのちに加水分解処理した陽イオン交
換膜(特開昭50−92339)などが提案されてい
る。これら処理された改良陽イオン交換膜は処理
前の陽イオン交換膜に比較すると格段に優れてい
るが、アルカリ金属塩の電解において25%以上特
に30%以上のアルカリ金属水酸化物を取得する場
合になお電流効率の低減は避け難い。 すなわち、陽イオン交換膜はその当然の機能と
してイオン交換膜内の固定イオン濃度に比較し
て、膜が接している外液のカ性アルカリ濃度が高
くなつてくると対イオンのみでなく、陽イオン交
換膜のイオン交換基と同符号のイオンである水酸
イオンが膜内に入り電流効率の低下を来たす。従
つて、高濃度のアルカリ金属酸化物を取得する
と、それに応じて電流効率は低下する。また前記
したようにイオン交換膜の他の特性として膜の電
気抵抗はイオン交換膜の外液濃度によつて著しく
変化する。すなわち、イオン交換膜の接している
溶液の濃度が高くなると、浸透圧の差のために膜
は収縮して含水量が低下しイオンの透過が容易で
なくなり、アルカリ金属塩の電解で濃厚なアルカ
リ金属水酸化物を取得する場合には著しく膜の電
気抵抗は増大することになる。従つて、アルカリ
金属水酸化物を取得する電力原単位は電流効率に
反比例し、槽電圧に比例して増加するから、膜の
電流効率の低下と膜の電気抵抗の増大はアルカリ
金属水酸化物を取得する電力原単位の高騰を招く
ことになる。 他方、一般に例えばアルカリ金属イオンが陽イ
オン交換膜を透過するときのアルカリ金属イオン
1ケに水和している水分子の水和数は外液の濃
度、膜の構成成分等によつて異なる。例えば極め
て緻密な構造の膜をイオンが通るときは水和数は
小さく、架橋度の低い含水量の多い膜をイオンが
透過するときにはイオンの水和数は大きい。また
外液濃度が高いと一般にイオン交換膜は収縮して
含水量が低減し、当然イオンが膜を透過するとき
の水和数は減少する。例えばスチレン―ジビニル
ベンゼン系のスルホン酸型陽イオン交換膜では
0.5N―NaC中での電気浸透水量から求めた水和
数は5ケであるものが、飽和食塩水中では3ケあ
るいか2ケという値になる。また、アルカリ金属
塩電解用に開発されたカルボン酸型の高電流効率
陽イオン交換膜を用いて飽和食塩水を電気分解す
るときナトリウムイオンの水和数は2ケ以下であ
る。従つて陰極室に水の供給をしないで水和水の
みによつて陰極液から濃厚カ性ソーダを取得する
と電流効率を考慮しないと陰極室から取得される
カ性ソーダの濃度は約70%にも達することにな
る。実際には陰極室に純水を添加して通常約20%
のカ性ソーダを取得される。このようにイオン交
換膜の種類、外液濃度によつて膜を透過するイオ
ンの水和数は変わるので、この条件を種々に変え
ることによつて陰極室で生成するカ性ソーダの濃
度は自由に変えることができる。この現象に着眼
してA.L.Sfaceyらは120〜250g/の食塩水を
電気分解して陰極室に純水を供給することなく31
〜43%のカ性ソーダを取得する方法を提案してい
る(米国特許第3773634号)。 すなわち、この方法は陽極液として低濃度な塩
化ナトリウムを用いることによつてナトリウムイ
オンが陽イオン交換膜を透過するときの水和数を
増し、該陽イオン交換膜の陰極側界面濃度を低く
保ち電流効率の向上を期待したものと推測され
る。しかし、上記特許の方法では31〜43%の濃厚
カ性ソーダを取得しても電流効率は約80%にすぎ
ない。また陽極液の食塩水濃度を120〜250g/
に低く保つても、陰極室のカ性ソーダの濃度が31
〜43%といつた高濃度になると、前記したイオン
交換膜における収縮現象の結果として膜の電気抵
抗は急激に増大し、それを防ぐために陽極液の食
塩濃度を下げると溶液の電気伝導性が悪くなり、
やはり電槽電圧の上昇を招く。さらにまた、アル
カリ金属塩のうちふつ化物を除くアルカリ金属ハ
ロゲン化物を電解し、アルカリ金属水酸化物とと
もにハロゲンガスを併産する場合に、陽極液のア
ルカリ金属ハロゲン化物濃度を低くして電解する
上記方法では取得されるハロゲンガスの純度が問
題になる。すなわち、陽極液としてのアルカリ金
属ハロゲン化物の濃度を下げると酸素ガスの発生
量が激増する。今日、アルカリ金属ハロゲン化物
の電解で最も広く実施されている食塩電解で製造
される水酸化ナトリウム及び塩素ガスで、該塩素
ガス中に酸素ガスが含まれると該塩素ガスの精製
に多大の費用を要することになる。従つて、ハロ
ゲンガス中の酸素ガスの量を減らすために、酸素
の発生の少ない陽極の開発が行われており、ま
た、陽極液のPHを低くして電解する方法等が実施
される。しかし、陽極の材質によつて解決するこ
とも一つの有効な方法であるが特殊な陽極を必要
とし、今日まで満足すべきものは得られていな
い。また陽極液に多量の酸を添加してPHを低く保
つて電解することも、ハロゲンガスの純度を高め
るためには有効な手段であるが、酸の電解生成物
の原価に対する影響が無視し得ないこと、装置の
防食上から配管その他の材質に対する耐酸性の条
件が厳しい等の問題がある。そして陽極液中の水
素イオンは他の陽イオンに比較して陽イオン交換
膜を著しく透過し易いとう事実から、アルカリ金
属水酸化物生成の電流効率の低減を招くことは間
違いない。従つて、陽イオン交換膜を用いるアル
カリ金属塩の電解において供給する陽極液のアル
カリ金属塩濃度は飽和に近いことが望ましく、ま
たポンプ動力などからも操業上もつとも経済的な
分解率を保つて陽極室内のアルカリ金属塩濃度は
出来るだけ高いことが望ましい。 本発明者らは上記したように陽イオン交換膜を
用いるアルカリ金属塩の電解における種々の工業
的な条件及び必要性に鑑み鋭意研究の結果、陽極
側の膜面に特定した薄層を形成させた複合陽イオ
ン交換膜を用いることによつて良好にアルカリ金
属塩を電解できることを見出し、本発明を完成し
たものである。従つて、本発明の主たる目的は25
%以上とくに30%以上の高濃度のアルカリ金属水
酸化物を高い電流密度を維持して取得するにあ
る。 本発明の他の目的はアルカリ金属水酸化物と純
度の高いハロゲンガスを取得することにある。 本発明は陰・陽電極間に陽イオン交換膜を配し
てアルカリ金属塩水溶液を電解するイオン交換膜
法アルカリ金属塩の電解方法において、陽イオン
交換膜として、陽イオン交換膜の少くとも一方の
面に含水量が10%以上または固定イオン濃度が7
m以下である薄層を存在させた複合陽イオン交換
膜を用い、該薄層が陽極側となるように設け、陰
極室内のアルカリ金属水化物濃度を25重量%以上
とし、且つ電解時に該複合陽イオン交換膜を透過
するアルカリ金属イオン1ケ当りの水和数が3〜
7ケとなして電解することを特徴とするアルカリ
金属塩の電解方法である。 本発明において複合陽イオン交換膜が有する薄
層は、含水量が10%以上または固定イオン濃度が
7m以下である。ここで、含水量とは、該薄層を
構成する物質の乾燥状態における単位重量当り、
複合陽イオン交換膜の使用状態下において、含む
水の重量であり、また固定イオン濃度とは、該薄
層を構成する物質がイオン交換能を有する場合に
おいて、乾燥状態下における単位重量当りに存在
するイオン交換基の当量の1/1000、すなわちミリ
当量(これをイオン交換容量という)を含水量で
除した値である。 従つて、該薄層を構成する物質がイオン交換能
を有する場合には、「含水量」〔W(g/g・乾燥
物質)〕と固定イオン濃度〔Aw(m・eq/g
H2O);この単位をmと表わす〕との関係は該薄
層を構成する物質の「イオン交換容量」〔AR
(m・eq/g乾燥物質)〕によりAW=AR/Wで
表わすことができるが該薄層はいずれか一方の条
件を満足していればよい。しかし、該薄層がイオ
ン交換能を有しない場合には、含水量が、乾燥時
薄層構成物質の10%(以下、単に含水量10%とも
いう)以上となる物質で構成されなければならな
い。 本発明においては、陽極側膜面に、含水量10%
以上または固定イオン濃度7mの薄層が存在して
いる複合陽イオン交換膜を用いることによつて、
該薄層内に濃度分極を故意に発生させるものであ
る。 一般に電気透析系における膜―液界面の濃度分
極現象は最も好ましくないことの一つとされてお
り、海水濃縮、塩水脱塩等においては、極力これ
を除くように電気透析槽、電気透析方法が改良さ
れてきた。勿論、イオン交換膜を用いるアルカリ
金属塩水溶液の電気分解においても同様に膜―液
界面に生成する濃度分極は好ましくない現象の一
つであると考えられているが、陽イオン交換膜を
用いるアルカリ金属塩の二室法電解にあつては、
陽極から発生するガスによつて陽イオン交換膜の
陽極側膜面は撹拌されている。また炭化水素系の
陽イオン交換膜を陽極室で発生する酸化性物質に
よる酸化劣化を防止するために保護膜を用いた三
室電解法にあつては、保護膜と陽イオン交換膜の
間の中間室のアルカリ金属塩溶液は所定の流速で
流されているため、いずれの場合も陽イオン交換
膜の陽極側における膜―液界面の境膜の成長は阻
止されているために、一般には問題とされること
はなかつた。 しかるに、本発明にあつては、前記薄層を存在
させることによつて、積極的に境膜の形成を促
し、気泡による撹拌、溶液による撹乱等があつて
も膜―液界面の境膜を保護して該薄層内のアルカ
リ金属塩水溶液の濃度を低く一定に保つものであ
る。かくして、陽イオン交換膜部分の化学構造や
アルカリ金属塩の種類によつても多少異なるが、
本発明における複合陽イオン交換膜の薄層内での
濃度を低下させ容易に0.3〜0.4規定の範囲に保つ
ことができるのである。このとき、複合陽イオン
交換膜内を通過するアルカリ金属イオンは、3〜
7ケの水和数となることが実験的に確認された。
通常、工業的に何水和のアルカリ金属イオンが陽
イオン交換膜を通過したかは、得られたアルカリ
の濃度等から実験的に容易に知ることができる。
更に、水和数を変化させる手段としては、例え
ば、第1図に示す如く、塩水濃度を変化させるこ
とにより達成される他、カ性アルカリ濃度の変
化、電解時の温度を適宜選定すること、電流密度
を変化させる等があげられ、当業者間でよく知ら
れている。勿論、膜による影響も大であるが、予
備的な実験によつて、容易に所望の水和数を設定
することができる。 本発明いおいて使用する複合陽イオン交換膜を
構成する陽イオン交換膜(薄層を除いた部分)
は、一般に知られている陰・陽電極間にイオン交
換膜を配してアルカリ金属塩を電解する所謂イオ
ン交換膜法アルカリ金属塩電解に用いられる陽イ
オン交換膜が何等制限なく使用される。その中で
例えば、デユポン社からナフイオン(商品名)と
して市販されている膜の如く、パーフルオロカー
ボンを基礎母体とする陽イオン交換樹脂膜などの
含ふつ素系陽イオン交換膜は耐酸化性、耐薬品性
を備えている点で好ましいが、所謂三室電解槽な
どを用いる場合は、炭化水素を基礎母体とする陽
イオン交換樹脂膜であつても使用し得る。 本発明の複合陽イオン交換膜を構成する薄層は
一般に1mm以下の厚さでよく、一般には極めて親
水性を有することが好ましい。親水性の基として
は、―SH,―SO3―,アルコール性OH,フエノ
ール性OH,―COOH,―NH2,―CH2OH,―
NHR,―P(OH)2,
【式】
【式】―O―のほか
【式】
―O―P(OH)2,
【式】等
のイオンの移動を自由に許す親水性の基が少なく
とも一種以上存在していることが好ましい。特に
イオン交換性の基がない場合には薄層の含水量が
10%以上あることが好ましい。また薄層にイオン
交換性の親水基が存在する場合には、このイオン
交換性の親水基と含水量の相関において境膜形成
能と複合陽イオン交換膜電気抵抗の上昇の程度が
決まる。すなわち、あまりイオン交換性の親水基
が多く含水量が少ないと、固定イオン濃度が高く
電気抵抗の高騰が生じる。さらに、イオン交換性
の親水基として陰イオン交換性の基が存在する場
合あるいは陽イオン交換基が共存する場合には含
水量が少なく、架橋緻密であると、膜―液界面濃
度は極端に低下し膜を透過するアルカリ金属イオ
ンの水和数を所望の数に制御することが困難にな
ると同時に、陽イオン交換膜と薄層との界面にお
ける濃度低下のために電解時の電槽電圧の高騰を
招く。従つて、イオン交換性の基が親水基として
存在する場合には薄層の固定イオン濃度が7m以
下好ましくは4.0m以下であることが望ましい。
薄層を構成する物質は、高分子化合物、無機化合
物等の種々の物質を用いることができる。勿論、
薄層の形成による複合陽イオン交換膜の電気抵抗
の増大を極力抑えるために該薄層を多孔性とする
ことも有効であり、できるだけ均一でかつ微細な
孔とすることが望ましい。薄層を多孔性とする方
法は従来公知の如何なる手段を用いてもよく、例
えば無機充填剤を添加した高分子化合物のフイル
ムから該充填剤を除去する方法、同様に有機溶媒
を添加したのち除去する方法、抽出可能な高分子
化合物を添加した後除去する方法、高分子の良溶
媒、貧溶媒を用いて高分子の相分離を利用する方
法等がある。なお、本発明において陽イオン交換
膜に薄層を形成させた複合陽イオン交換膜にあつ
ては、5.0N―NaOHを膜の両側に満たした電気抵
抗測定装置において1A/dm2の電流密度、25℃
の温度で測定した前記複合陽イオン交換膜の電気
抵抗が該薄層を形成していない陽イオン交換膜の
電気抵抗に比較して5倍とくに3倍を越えないこ
とが好ましい。 さらに、前記した含水量、交換容量及び固定イ
オン濃度の測定方法は公知の方法であるが、以下
に一例を記載する。すなわち、含水量は複合陽イ
オン交換膜の表層部に形成する薄層のモデルとし
て別途に該薄層のみを構成とする膜を作製し、こ
れを1.0N―NaOH中に充分に平衡になるまで浸漬
したのち取り出し両面を濾紙でふきとり秤量ビン
に入れて秤量し重さ(W1)を、次いで80℃の空気
乾燥器中で2時間乾燥したのち再び測定した重さ
(W2)を求め、次の式によつて算出したものであ
る。 W1−W2/W2=含水量(W) また、交換容量は原則として1.0N―NaOH中で
イオン交換能を示す交換基の総量(陽イオン交換
基と陰イオン交換の総和)によつて示される。従
つて、弱酸性、強酸性、弱塩基性、強塩基性イオ
ン交換基を従来公知の交換容量の測定法(滴定
法)で求めた。なお、交換容量は乾燥膜(80℃の
風乾2時間)1gあたりのイオン交換容量で示す
ものである。 本発明の複合陽イオン交換膜の少くとも一方の
面に存在する薄層の形成は、陽イオン交換膜表面
に共有結合、イオン結合または配位結合による化
合物、特に高分子化合物の結合、また謂ゆる高分
子鎖のからみ合いによる薄層構成物質の付着、物
理吸着等の吸着による付着、さらには単に薄膜構
成物質よりなるフイルムを陽イオン交換膜の少く
とも一方の面に重ね合せて融着等により接着して
もよい。勿論、薄層は陽イオン交換膜の表面に新
たに形成してもよいが、また陽極イオン交換膜の
表層部を変位させることによつて表面から内部に
向つてこのような薄層を形成してもよい。本明細
書においては特にことわらない限り、かかる形態
をも表面という表現に包含されるものとする。 次に、本発明の薄層を形成させる陽イオン交換
膜は特に制限されず、従来公知のものが使用出来
る。例えば該陽イオン交換膜の陽イオン交換基と
しては従来公知の如何なるものでもよく、例えば
スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、亜リン
酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、亜リ
ン酸エステル基、チオール基、フエノール性水酸
基、解離しうる水素原子を有する酸アミド基など
である。 本発明の薄層を陽イオン交換膜の少くとも一方
の面に形成させる方法は、特に限定されない。こ
れらの数例を示すと、 (1) パーフルオロカーボン骨格よりなるスルホン
酸型の陽イオン交換膜(例えば、デユポン社
製;ナフイオンであつて、これを基体膜とい
う)の陽極側に位置させる膜面上に同じくパー
フルオロカーボン骨格よりなるスルホン酸型の
イオン交換樹脂で、本発明における薄層として
適当な特に高含水量すなわち固定イオン濃度の
著じるしく低い薄膜、あるいは樹脂粉を融着
し、薄層を形成させる方法。 (2) 陽イオン交換膜または後処理により陽イオン
交換膜に変換し得る(以下、基体膜という)の
陽極側に位置させる膜面上にパーフルオロカー
ボン骨格よりなり、イオン交換基を有するポリ
マーまたはオリゴマー等の溶液を塗布し、その
後、媒体を揮撥除去し、必要に応じて加熱する
などにより付着せしめる方法。 (3) 基体膜に種々の単量体(及び架橋剤)を塗布
し、重合開始剤または紫外線などにより基体膜
上で重合せしめる方法。 (4) その他基体膜表面を化学処理あるいは物理処
理することにより本発明の薄層を形成せしめる
方法。 など、従来イオン交換膜の表面改質に使用されて
いた手段が応用し得る。 例えば薄層を構成する手段として、陽イオン交
換膜表面でモノマーを重合させる方法にあつて
は、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトル
エン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テル、ビニルピリジンなどと必要によりジビニル
ベンゼン等の架橋剤とを被抽出剤と共に重合させ
る。同様にポリフツ化ビニリデン、ポリエチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリスチレンなどの
高分子化合物と被抽出剤とを融着またはこれらの
溶液を塗布する。フエノール、アニリン、スルフ
アニル酸等とアルデヒド類とを被抽出剤と共に縮
合させる。あるいはイオン交換能を有する高分子
化合物を陽イオン交換膜上に形成させた後過酸化
水素で分解し、多孔化するなどである。 次に、新たに形成される薄膜の物性を調整する
ことは、通常当業者の試行錯誤によつて容易にな
し得るものであるが、一般に次の方則に従つて変
化させることができる。 含水量を増加させる場合は、(i)陽イオン交換膜
表面に新たに形成させる薄層に低分子化合物をあ
らかじめ添加しておき、形成後該層を溶媒等で抽
出しポーラス化する方法、(ii)陽イオン交換膜と薄
膜とを複合化した後80℃以上の温度の熱水中で処
理することにより含水量を増加させる方法、(iii)薄
層中のイオン交換基密度を高くすることにより、
容易に水和水を増加させることにより含水量を増
加させる方法などである。 また、固定イオン濃度を下げる方法は、(iv)中性
の多孔性薄層を形成させる、(v)低イオン交換容量
のイオン交換樹脂に抽出可能な添加剤を加えて陽
イオン交換膜表面に薄膜を形成させた後、該添加
物を除去する、(vi)比較的高い交換容量を有する樹
脂の薄膜を陽イオン交換膜表面に形成させた後、
熱水で処理する、(vii)陽イオン交換膜表面にイオン
交換基を有する樹脂の薄層を形成させた後、アル
コール等の極性有機溶媒で処理し膨潤させる、(viii)
基体膜が架橋されている場合は、その表面により
低架橋度のイオン交換樹脂薄層を形成させる、な
どである。 更に別の方法として、陽イオン交換膜膜の表層
部の陽極側に位置させる膜面に、使用条件下で解
離して正の電荷となり得る物質を付着せしめ、両
性化する方法なども採用し得る。このようにし
て、イオン交換基の存在の有無、多少にかかわら
ず、含水量が高いゆるやかな分子間結合を有する
層、換言すれば、固定イオン濃度の低い薄層を形
成させるか、または多孔性の低電気抵抗である物
質の層を形成(付着)あるいは重ね合せて用いる
のが有効である。 本発明の薄層を形成させた複合陽イオン交換膜
を用いてアルカリ金属塩を電解する場合は、前記
薄層を形成させた膜面が陽極側に位置するように
該複合陽イオン交換膜を設け、陽極液としては、
アルカリ金属塩の飽和溶液を用いても複合陽イオ
ン交換膜を透過するアルカリ金属イオンの水和数
は3〜7ケに制御することができる。しかしなが
ら、該複合陽イオン交換膜の陽極側表層部に存在
させる薄層の性質と厚さによつては、複合陽イオ
ン交換膜の陽極側のアルカリ金属塩の濃度を溶液
の電気抵抗が増大しない程度の例えば2N程度の
アルカリ金属塩水溶液を用いることもでき、ある
いはアルカリ金属ハロゲン化物を用いる場合は、
電解して陽極で発生するハロゲンガス中の酸素の
量が極力抑えられる程度に低下せしめてもよい。
また、前記陽イオン交換膜として耐酸化性を有し
ない炭化水素系のものを用いる場合には陽極と複
合陽イオン交換膜の間に耐酸化性を有する低電気
抵抗の別の陽イオン交換膜、多孔質の非荷電の融
膜、多孔質の陽イオン交換膜等の謂ゆる保護膜を
配することもできる。 本発明においては、陰極側に純水またはアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を供給、あるいは供給す
ることなく25%以上とくに30%以上のアルカリ金
属水酸化物をより高い電流効率で取得できる。ま
た本発明において、陽極側の室を透水性の別の陽
イオン交換膜あるいは透水性の隔膜によつて2室
以上に分画して、陰極に向つて中間室の圧力を低
くして、陰極室から極めて濃厚な30%以上のアル
カリ金属水酸化物を取得する方法を併用してもよ
い。さらに、本発明に用いる複合陽イオン交換膜
の陰極側に位置させる膜面により濃厚なアルカリ
金属水酸化物をより高い電流効率で取得するため
に、極めて該膜を透過し易い水酸イオンの膜透過
を阻止する層を形成してもよい。上記の複合陽イ
オン交換膜の陰極側に位置させる膜面に形成する
層としては陰イオン交換性の薄層、電流効率を高
めるための中性の薄層、両性の薄層、高固定イオ
ン濃度を有する薄層、架橋構造の発達した緻密な
樹脂を有する薄層などである。また複合陽イオン
交換膜の内部に膜の電気抵抗が実質上上昇しない
程度に架橋構造の発達した層、固定イオン濃度の
高い等の上述した層を有している複合陽イオン交
換膜を用いてもよい。 本発明のアルカリ金属塩の電解にあたつて陽極
は従来公知の炭素電極、貴金属電極、貴金属また
は貴金属の酸化物を被覆した電極等のいかなる形
状のものを用いてもよく、また陰極としてはニツ
ケル、鉄その他の従来公知の如何なる形状の陰極
を用いてもよい。なお電解の電流密度は5〜
80A/dm2で電解温度は常温以上電解液の沸とう
温度以下で実施される。さらにまたアルカリ金属
塩としては陽イオンとしてリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、カシウム、ルビジウム等であり、
陰イオンとしてはF,CI,Br-,I-のハロゲン
類、SO3 --,SO4 --,NO3 -,NO2-,PrOm-
(n,m,は正の整数)等である。 以下の実施例において、アルカリ金属イオンが
膜を透過するときの水和数が3〜7ケである特定
した陽イオン交換膜を用いる本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに何ら拘束されるもので
はない。なお、電解は通電膜面積1dm2のもので
陽極にはチタンのメツシユの上に酸化ルテニウム
と酸化チタンをコーテイングしたものを用い、陰
極としては軟鉄の金網を用いた。 実施例 1 パーフルオロ(3,6―ジオキサ―4―メチル
―7―オクテンスルホニルフルオライド)と4ふ
つ化エチレンとの共重合体からなる高分子膜状物
をKOHで加水分解してスルホン酸カリウムとし
たのち、更に硝酸に浸漬して酸型とし、次いで
NaOHに浸漬してナトリウム型陽イオン交換膜と
した。この陽イオン交換膜の交換容量は0.833当
量/グラム乾燥膜であつた。他方、スチレン10
部、純度約55%のジビニルベンゼン10部、4―ビ
ニルピリジン10部及びジオクチルフタレート25部
にベンゾイルパーオキサイド0.5部を均一に溶解
したものに、ふつ化カーボン(―CF―)oを2部分散
させた。これを充分に撹拌しながら、上記した陽
イオン交換膜の片面にブラツシで均一に塗布した
のち、両面をポリビニルアルコール製のシートで
おおい、更に両面を平滑な鉄板でおおい5Kg/cm2
の圧力で押しつけたのち、110℃に加熱してビニ
ルモノマー混合物を重合させると同時に、ふつ化
カーボンの微粉末を膜表面に圧入した。 次いで上記で得た膜をメタノールで洗滌したの
ちにふつ化カーボンを付着させている膜面を陽極
に向けて飽和食塩水を分解率15%で電解した。そ
の結果、陰極室に純水を添加しないで12Nの
NaOHを取得して、電流効率76%であつた。また
電槽電圧は4.3Vであつた。 他方、表層部にふつ化カーボンの層を有してい
ない陽イオン交換膜を用いて飽和食塩水を陽極液
として電解した結果、陰極室のNaOHは24Nとな
つた。そのため陰極室に純水を供給して、陰極室
のNaOH濃度を12Nに保つたところ、電流効率は
56%にすぎず、電槽電圧は4.5Vとなつた。な
お、電解はいずれの場合も30A/dm2で実施し
た。電解温度は75℃〜85℃であつた。 なお、表層部に形成したふつ化カーボンを混入
した薄層を形成させたものについて重量増加から
大略の厚みを計算した結果、0.03mmであつた。ま
た別に表層部に塗布したモノマー、ふつ化カーボ
ン混合物を鉄板の間にはさみ、同一条件で加熱重
合して1mmの厚みのシートを作り、常法により陰
イオン交換容量と含水量を求めた。このモデルの
シートの固定イオン濃度は5.3mであつた。 実施例 2 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3,
6―ジオキサ―4―メチル―7―オクテンスルホ
ニルフルオライド)の共重合体からなる高分子膜
状物で加水分解して陽イオン交換膜としたときの
交換容量が0.91ミリ当量/グラム乾燥膜のもの
(厚み0.10mm)と、同じく交換容量が0.67ミリ当
量/グラム乾燥膜の0.05mmのものを用いて作られ
た高分子膜状物を用いた。上記の加水分解したと
きの交換容量が0.67ミリ当量/グラム乾燥膜に相
当するスルホニルフルオライド型の高分子膜状物
をエチレンジアミンの中に常温で24時間浸漬し
て、スルホニルフルオライド基を酸アミド結合で
エチレンジアミンと結合させた。この酸アミド結
合を有する膜と上記した交換容量0.91ミリ当量/
グラム乾燥膜相当のスルホニルフルオライド型の
膜とを、間にテトラフルオロエチレン製の布をは
さんで加熱融着させた。次いでこの膜を6.0N―
KOH中に浸漬して加水分解して陽イオン交換膜
とした。さらに、この陽イオン交換膜の酸アミド
結合を有しない膜面上に、ポリふつ化ビニリデン
2%、ジオクチルフタレート2%のN,N―ジメ
チルホルムアミドの溶液を均一に塗布したのち乾
燥し更に230℃で10分間加熱加圧して融着せしめ
たのち、これをメタノールで洗いジオクチルフタ
レートを抽出除去した。上記の処理をして得られ
た陽イオン交換換膜を用いて酸アミド結合層を陰
極に向けて飽和食塩水の電解で分解率15%で実施
した。陰極室には純水を添加しないで陰極室から
は13.3NのNaOHを取得し、電流効率は92%であ
つた。 他方、前記した陰極側の膜表層部には酸アミド
結合を有するが、陽極側の膜表層部にはポリふつ
化ビニリデンの薄層を有しない膜を用いて飽和食
塩水を陽極液として、陰極室に純水を添加しない
で同様の条件で電解した結果、陰極室のNaOHは
24Nとなり電流効率は52%であつた。従つて、こ
のポリふつ化ビニリデンの薄層を有しない膜を用
いて、陰極室に水を加えて13.3N―NaOHを取得
した結果、電流効率は78%であつた。なお電解は
いずれの場合も30A/dm2で実施したが、電槽電
圧は前者が4.4Vで24N―NaOHを取得したときが
5.1Vであり、最後の場合が4.6Vであつた。 なお、上記で使用したポリふつ化ビニルデン、
ジオクチルフタレートのジメチルホルムアミド溶
液をガラス板上に流して乾燥・加熱して得たシー
トをメタノール洗滌したものは含水量12%であつ
た。 本発明において、電解時の水和数の変化が電解
時の電流、電圧に及ぼす影響を示すため、本例に
おける本発明の陽イオン交換膜を用いて、陽極実
液の食塩濃度を変化させた場合の例を第1図に示
す。本例では電流密度30A/dm2、85℃にて実施
したものである。 実施例 3 α,ββ′―トリフルオロスチレンを重合しこ
れをクロスルホン酸でスルホン化処理したのち、
加熱してスルホン架橋を形成し、さらにNaOH中
に浸漬して加水分解してスルホン酸ソーダを陽イ
オン交換基とする樹脂の微粉末を得た。この微粉
末をポリふつ化ビニリデンの微粉末と2:1の割
合に混合し、さらにダイフロイル#3(商品名:
ダイキン工業製、3弗化エチレンの低重合物)を
添加したのち加熱成型して陽イオン交換膜を得
た。この陽イオン交換膜を用いて陽極室に飽和食
塩水を供給し分解率15%で電解した。陰極室に純
水を添加しないで陰極室から18N―NaOHを取得
して、電流効率は38%であつた。なお電槽電圧は
4.6Vであつた。 他方、上記の陽イオン交換膜を酸型にして一方
の膜面にスチレン50部、純度55%のジビニルベン
ゼン50部、メタアクリル酸50部、4―ビニルピリ
ジン10部にターシヤリイブチルラウリルパーオキ
サイド3部を均一に溶解したものを塗布し裏面に
まわり込まないようにして表層部にしみ込ませた
のち、表層部をセロフアンでおおい、オートクレ
ーブ中で110℃で加熱重合した。上記の処理して
得られた陽イオン交換膜を用いてビニルモノマー
を塗布重合した膜面を陰極側に向けて陰極室に純
水を添加しないで同様の条件下に電解した結果、
陰極室のNaOHは23Nに達し電流効率は43%であ
つた。なお電槽電圧は5.1Vであつた。陰極室に
純水を添加して11N―NaOHに調整して結果、電
流効率は76%であつた。なお電槽電圧は4.6Vで
あつた。 次に、本発明の陽イオン交換膜として分子量約
30000のポリビニルアルコールの5%水溶液にポ
リオキシエチレンラウレート(非イオン性界面活
性剤、花王アトラス社製;エマノーン1112)を5
%加えた溶液をビニルモノマー混合物を含浸重合
した前記陽イオン交換膜の裏面に均一に塗布し、
加熱乾燥してポリビニルアルコールの皮膜を膜面
上に形成させた。この皮膜の厚みは重量増加から
計算した結果、約0.5mmであつた。さらに、この
皮膜を有する陽イオン交換膜を硫酸、芒硝及びホ
ルマリンからなるホルマール化浴に浸漬して常法
によりホルマール化したのち、これを充分に温水
で洗滌して非イオン性界面活性剤を除いた。この
膜を再び乾燥したのちに窒素ガスで希釈したふつ
素ガス中に導入しふつ素化処理した。得られた膜
を用いてポリビニルアルコールの架橋、ふつ素化
された皮膜を有する面を陽極側に向けてビニルモ
ノマーを含浸重合した側を陰極に向けて陽極室に
飽和食塩水を用いて上記と同様の電解を実施し
た。陰極室に純水を供給しないで電解して陰極室
から12N―NaOHが流出し、電流効率85%であつ
た。また電槽電圧は4.5Vであつた。なお、電解
の電流密度は25A/dm2であつた。上記で用いた
ポリビニルアルコールとポリオキシエチレンラウ
レートの水溶液をポリテトラフルオロエチレン製
の板の上に流して後、風乾して得たシートをホル
マール化、ふつ素化処理して後、常法により含水
量を測定した結果45%であつた。なお、イオン交
換基は検出できなかつた。 実施例 4 次の構造式を有する線状高分子を0.15mmの膜状
に成型したものを用いた。 この膜状物をエチレンジアミンの中に常温で2
時間浸漬したのちに水洗し、更にN,N―ジメチ
ルエチレンジアミンに膜の片面のみ常温で24時間
接触触させてのち再び水洗して、180℃で30分間
空気乾燥中で乾燥させた。次いで6.0N―KOH中
に60℃で24時間浸漬して残余の酸ハロゲン基を加
水分解してスルホン酸及びカルボン酸カリウムの
陽イオン交換基に変換した。この陽イオン交換膜
をN,N―ジメチルエチレンジアミンで処理した
膜面を陰極に向けて用い陽極液として飽和食塩水
を分解率25%で電解した結果、陰極室に純水を添
加しないで25N―NaOHが電流効率62%で取得で
きた。また陽極で発生した塩素ガス中の酸素の量
は1%以下であつた。なお、陽極液の濃度を平均
濃度1.5N―NaCにして同様に電解した結果、陰
極室から12N―NaOHが電流効率92%で取得でき
た。また陽極で発生した塩素ガス中の酸素の量は
4.5%であつた。なお、この場合に陽極液中に塩
酸を添加してPH1.3に電解をした結果塩素ガス中
の酸素の量は1%であつたが電流効率は12N―
NaOH取得で89%であつた。上記の電槽電圧はそ
れぞれ4.6V、4.4Vであつた。 他方、本発明の陽イオン交換膜として、上記陽
イオン交換膜のN,N―ジメチルエチレンジアミ
ンの処理していない膜面に、ヘキサフルオロプロ
ピレンとテトラフルオロエチレンの共重合体から
なるエマルジヨンを塗布し、次いで180℃に30分
間加熱して表層部にパーフルオロ系の中性の薄層
を形成した。重量増加から形成された膜の厚みは
0.02mmであつた。この薄層を形成した陽イオン交
換膜を用いて薄層層面を陽極側に向けて飽和食塩
水を陽極液として用いて前記と同様に電解した結
果、陰極室から13N―NaOHを取得して電流効率
92%で電槽電圧4.3Vであり、塩素ガス中の酸素
の量は1%以下であつた。なお、電解の電流密度
は40A/dm2で電解温度は85℃であつた。 上記の陽イオン交換膜に薄層を形成のために用
いたヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロ
エチレンの共重合体からなるエマルジヨンをポリ
テトラフルオロエチレン製の板に流して後、180
℃で30分間加熱して膜状物を得て含水量で測定し
た結果12%であつた。他方、上記のエマルジヨン
を塗布した膜を210℃で1時間加熱した膜を用い
て同様の条件で電解を実施した結果、陰極室から
は11N―NaOHが電流効率94%で取得できたが、
電槽電圧は5.1Vとなつた。従つて、再び上記の
エマルジヨンをポリテトラフルオロエチレンの板
に流して210℃で1時間加熱したものについて含
水量を測定した結果、7%の含水量であつた。 実施例 5 モノマーに対して1重量%のベンゾイルパーオ
キサイドを含むスチレン20部、ジビニルベンゼン
6部、ポリエチレンの微粉末(商品名、ミクロセ
ン)10部及びステアリルメタクリレート10部から
なるペーストをポリエチレンのネツト(NBC工
業社製、100目)に塗布した後、両面をセロフア
ンで覆いオートクレーブ中で110℃で8時間重合
を行つた。ついで室温の90〜95%硫酸中に1週間
浸漬してスルホン化を行つた。得られた陽イオン
交換膜は湿潤厚み0.22mm、交換容量1.70meq/g
乾燥膜で75℃、5N―塩化ナトリウム水溶液中で
の電気抵抗は3.5Ω―cm2であつた。この陽イオン
交換膜を0.5N―FeC3水溶液に1時間浸漬して
鉄型にした後、、2室セルの中央に組み込み膜の
片面が純水に接し、他の膜面が3重量%の過酸化
水素水に接するようにして10分間処理を行つた。
処理後の陽イオン交換膜を走査型電子顕微鏡で観
察した結果、過酸化水素水に接した膜面では近傍
において鉄の触媒作用によりイオン交換樹脂部分
のみが過酸化水素水により分解されポリエチレン
のみが残り多孔性であつた。この陽イオン交換膜
を通電面積2dm2(巾10cm、高さ20cm)で、陽極
はルテニウムオキサイド被覆チタンラス材、陰極
は軟鋼メツシユで陰陽極間距離3mmである三室式
電解槽に陰極と接しかつ過酸化水素処理を施した
膜面が陽極側に向くように、また陽イオン交換膜
が陽極で発生する塩素その他の酸化性物質と接し
ないように保護隔膜としてポリ4ふつ化エチレン
を主体とする多孔性膜を用い、該保護膜が陽極と
接するように電解槽に配した。なお、この保護隔
膜は電気抵抗0.7Ω―cm2(75℃、5N―NaC水溶
液中)、透水性0.03ml/cm2・Hr・cmH2O(25℃、
純水)であつた。 次いで、上記電解槽の陽極室に5N―NaC水
溶液を分解率が5%になるように供給し、中間室
に5N―NaC水溶液を下部より線速度6cm/sec
となるように供給し、陰極室には純水を供給せず
に電解温度75℃、電流密度20A/dm2で電解を行
つた。この際に中間室の液レベルは両極室液より
50cm高くして、中間室から陽極室へ保護隔膜を通
して塩水を透過させ陽極室から中間室への酸化性
物質の浸入を防いだ。その結果、陰陽極間電圧は
4.2Vで陰極室より12.5N―NaOH水溶液が得ら
れ、電流効流は82%であつた。 他方、過酸化水素処理を施した膜面を陰極側に
向けて上記と同様に電解を行つた結果、陰陽極間
電圧は4.15Vで陰極室より約23.5NのNaOH水溶液
が得られ電流効率は41%であつた。また過酸化水
素処理を行わない陽イオン卒換膜を用いて上記と
同様に電解を行つた結果、陰極室より約23Nの
NaOH水溶液が得られたが電流効率は37%であつ
た。従つて、陰極室に純水を供給し得られる
NaOH水溶液の濃度が12.5Nになるように調節し
た結果、電流効率は56%となつた。また、このと
きの陰陽極間電圧は4.1Vであつた。なお、上記
の陽イオン交換膜をFe型にして、上記と同様の
過酸化水素水中に長時間浸漬してイオン交換容量
が完全になくなるまで分解した膜について、含水
量を測定した結果、86%であつた。 実施例 6 実施例5において過酸化水素処理を施し膜の片
面のみを多孔性したスルホン基を有する陽イオン
交換膜に更に次の処理をした。すなわち、多孔性
の膜面が上になるように上部のみ開放の容器の底
に固定し、容器内にポリエチレンイミン(日本触
媒(株)製、P―1000)400ppmとポリスチレンスル
ホン酸150ppmの混合水溶液で満たした。なおポ
リスチレンスルホン酸はポリスチレンのペレツト
を重量で10倍比の濃硫酸を用いて、90℃でスルホ
ン化したもので1g当量は305gであつた。上記
の混合水溶液はポリソルトの形成とともに次第に
白濁し、5日後に膜を容器より引き上げると表面
は粘着性のある茶色の緻密な薄い被膜に覆われて
いた。走査電子顕微鏡で観察したところ表面の多
孔部分は充填されていた。この被膜1部を削りと
り元素分析を行つたところN原子数/S原子数の
値は約4であつた。 上記の処理をして得られた陽イオン交換膜の処
理膜面を陽極の方に向けて実施例5の場合と同じ
電槽を用いて、陰極室に純水を供給せずに同様の
条件で電解を行つた。その結果陰極室より11.5N
―NaOH水溶液が得られ、電流効率は87%で陰陽
極間電圧は4.30Vであつた。他方、過酸化水素処
理を施さない陽イオン交換膜を使用し上記と同じ
条件で陰極室には純水を供給してNaOHが11.5N
になるように調節しつつ電解を行つた結果電流効
率は95%であつた。なお、実施例5で示した陽イ
オン交換膜を過酸化水素で完全に酸化分解した膜
について、本実施例と同様の方法によつてポリエ
チレンイミン、ポリスチレンスルホン酸を混合し
てポリソレルトを沈着せしめた膜を得た。この膜
の含水量は56%であり、総交換容量は2.1ミリ当
量/g乾燥膜であつた。 実施例 7 モノマーに対して1重量%のベンゾイルパーオ
キサイドを含むメタクリル酸30部、ジビニルベン
ゼン10部、ポリエチレン微粉末(商品名、ミクロ
セン)10部、スチレン20部、SBR 3部からなる
ペーストをポリエチレン製のネツト(NBC工業
社製、100目)に塗布した後、110℃で10時間重合
を行つてカルボン酸系の陽イオン交換膜を得た。
この陽イオン交換膜は厚み0.21mmで6N―NaOH
(75℃)中における電気抵抗は3Ω―cm2であつ
た。次いで、上記陽イオン交換膜の片側表面にモ
ノマーに対して1重量%のベンゾイルパーオキサ
イドを含むスチレン90部、ジビニルベンゼン10
部、ポリエチレン微粉末(ミクロセン)50部より
なるペーストを薄く塗布した後、セロフアンで覆
い100℃で6時間重合を行い、さらに60℃の濃硫
酸中に2時間浸漬して上部被膜をスルホン化し
た。更にこの陽イオン交換膜を塩化第2鉄水溶液
に浸漬した後、5重量%の過酸化水素水中で30分
間処理して上記モノマーを塗布重合した片面のみ
にポリエチレンの多孔性被膜を有するカルボン酸
系陽イオン交換膜を得た。 この陽イオン交換膜を多孔性の膜面を陽極側に
向けて保護隔膜とともに実施例5と同様に三室式
電槽において食塩の電解を行つた。すなわち、陽
極室には5.2N―NaC水溶液を分解率が10%とな
るように供給し、中間室には5.0N―NaC水溶液
を下部より6cm/secとなるように供給し、陰極
室には純水を供給せずに、また中間室の液レベル
を両極室液面より30cm高く電解を行つた。電解温
度は75℃、電流密度は20A/dm2であつた。その
結果、陰陽極間電圧は4.45Vで陰極室より11.9N
―NaOH水溶液が得られ、電流効率は86%であつ
た。 他方、上記の多孔化処理を施していない陽イオ
ン交換膜を用いて同様に食塩の電解を行つた場合
には、陰極室より22.6N―NaOH水溶液が得ら
れ、電流効率は41%であつた。陰極室に純水を供
給してNaOH濃度を11.9Nに調整しつつ電解を行
つた結果、陰陽極間電圧は4.29Vであつたが伝流
効率は63%であつた。 実施例 8 実施例2で用いた交換容量の違う2枚のパーフ
ルオロ系陽イオン交換膜の片面をエチレンジアミ
ンの代りにN,N―ジメチルエチレンジアミンで
処理した膜を用いた。N,N―ジメチルエチレン
ジアミンによる処理はスルホニルフルオライド型
の上記パーフルオロ系高分子膜状物の片面(交換
容量の低い側)をN,N―ジメチルエチレンジア
ミンの浴に8時間常温で接触させて、次いで160
℃で1時間加熱後、6.0N―KOHに浸漬して加水
分解処理したものである。さらに、この膜の酸ア
ミド結合を形成していない膜面に、メタアクリル
酸20部、純度約55%のジビニルベンゼン10部、ス
チレン10部にポリスチレン6部を均一に溶解し、
これに0.5部のベンゾイルパーオキサイドを溶解
し、さらにケロシンを第1表に示す所定量加えた
高分子溶液を均一に塗布したのち、両面をセロフ
アンでおおつて加熱重量した。その後、ベンゼン
で洗滌してポリスチレン、ケロシンを抽出除去し
て表層部に陽イオン交換性の薄層を形成させた。 この膜を用いて実施例2と同様に薄層を陽極側
に向けて飽和食塩水を分解率30%で電解した。な
お陰極室には純水を添加しなかつた。また、ケロ
シンの添加量と薄層の固定イオン濃度の関係を求
めるためにポリテトラフルオロエチレンの2枚の
板に間に陽イオン交換表層部に塗布したと同じ組
成のポリマー溶液を塗布加熱重合して膜状物と
し、これを6.0N―NaOHで処理したのちに含水量
と交換容量を求めて固定イオン濃度を算出した。
それらの結果を第1表に示す。
とも一種以上存在していることが好ましい。特に
イオン交換性の基がない場合には薄層の含水量が
10%以上あることが好ましい。また薄層にイオン
交換性の親水基が存在する場合には、このイオン
交換性の親水基と含水量の相関において境膜形成
能と複合陽イオン交換膜電気抵抗の上昇の程度が
決まる。すなわち、あまりイオン交換性の親水基
が多く含水量が少ないと、固定イオン濃度が高く
電気抵抗の高騰が生じる。さらに、イオン交換性
の親水基として陰イオン交換性の基が存在する場
合あるいは陽イオン交換基が共存する場合には含
水量が少なく、架橋緻密であると、膜―液界面濃
度は極端に低下し膜を透過するアルカリ金属イオ
ンの水和数を所望の数に制御することが困難にな
ると同時に、陽イオン交換膜と薄層との界面にお
ける濃度低下のために電解時の電槽電圧の高騰を
招く。従つて、イオン交換性の基が親水基として
存在する場合には薄層の固定イオン濃度が7m以
下好ましくは4.0m以下であることが望ましい。
薄層を構成する物質は、高分子化合物、無機化合
物等の種々の物質を用いることができる。勿論、
薄層の形成による複合陽イオン交換膜の電気抵抗
の増大を極力抑えるために該薄層を多孔性とする
ことも有効であり、できるだけ均一でかつ微細な
孔とすることが望ましい。薄層を多孔性とする方
法は従来公知の如何なる手段を用いてもよく、例
えば無機充填剤を添加した高分子化合物のフイル
ムから該充填剤を除去する方法、同様に有機溶媒
を添加したのち除去する方法、抽出可能な高分子
化合物を添加した後除去する方法、高分子の良溶
媒、貧溶媒を用いて高分子の相分離を利用する方
法等がある。なお、本発明において陽イオン交換
膜に薄層を形成させた複合陽イオン交換膜にあつ
ては、5.0N―NaOHを膜の両側に満たした電気抵
抗測定装置において1A/dm2の電流密度、25℃
の温度で測定した前記複合陽イオン交換膜の電気
抵抗が該薄層を形成していない陽イオン交換膜の
電気抵抗に比較して5倍とくに3倍を越えないこ
とが好ましい。 さらに、前記した含水量、交換容量及び固定イ
オン濃度の測定方法は公知の方法であるが、以下
に一例を記載する。すなわち、含水量は複合陽イ
オン交換膜の表層部に形成する薄層のモデルとし
て別途に該薄層のみを構成とする膜を作製し、こ
れを1.0N―NaOH中に充分に平衡になるまで浸漬
したのち取り出し両面を濾紙でふきとり秤量ビン
に入れて秤量し重さ(W1)を、次いで80℃の空気
乾燥器中で2時間乾燥したのち再び測定した重さ
(W2)を求め、次の式によつて算出したものであ
る。 W1−W2/W2=含水量(W) また、交換容量は原則として1.0N―NaOH中で
イオン交換能を示す交換基の総量(陽イオン交換
基と陰イオン交換の総和)によつて示される。従
つて、弱酸性、強酸性、弱塩基性、強塩基性イオ
ン交換基を従来公知の交換容量の測定法(滴定
法)で求めた。なお、交換容量は乾燥膜(80℃の
風乾2時間)1gあたりのイオン交換容量で示す
ものである。 本発明の複合陽イオン交換膜の少くとも一方の
面に存在する薄層の形成は、陽イオン交換膜表面
に共有結合、イオン結合または配位結合による化
合物、特に高分子化合物の結合、また謂ゆる高分
子鎖のからみ合いによる薄層構成物質の付着、物
理吸着等の吸着による付着、さらには単に薄膜構
成物質よりなるフイルムを陽イオン交換膜の少く
とも一方の面に重ね合せて融着等により接着して
もよい。勿論、薄層は陽イオン交換膜の表面に新
たに形成してもよいが、また陽極イオン交換膜の
表層部を変位させることによつて表面から内部に
向つてこのような薄層を形成してもよい。本明細
書においては特にことわらない限り、かかる形態
をも表面という表現に包含されるものとする。 次に、本発明の薄層を形成させる陽イオン交換
膜は特に制限されず、従来公知のものが使用出来
る。例えば該陽イオン交換膜の陽イオン交換基と
しては従来公知の如何なるものでもよく、例えば
スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、亜リン
酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、亜リ
ン酸エステル基、チオール基、フエノール性水酸
基、解離しうる水素原子を有する酸アミド基など
である。 本発明の薄層を陽イオン交換膜の少くとも一方
の面に形成させる方法は、特に限定されない。こ
れらの数例を示すと、 (1) パーフルオロカーボン骨格よりなるスルホン
酸型の陽イオン交換膜(例えば、デユポン社
製;ナフイオンであつて、これを基体膜とい
う)の陽極側に位置させる膜面上に同じくパー
フルオロカーボン骨格よりなるスルホン酸型の
イオン交換樹脂で、本発明における薄層として
適当な特に高含水量すなわち固定イオン濃度の
著じるしく低い薄膜、あるいは樹脂粉を融着
し、薄層を形成させる方法。 (2) 陽イオン交換膜または後処理により陽イオン
交換膜に変換し得る(以下、基体膜という)の
陽極側に位置させる膜面上にパーフルオロカー
ボン骨格よりなり、イオン交換基を有するポリ
マーまたはオリゴマー等の溶液を塗布し、その
後、媒体を揮撥除去し、必要に応じて加熱する
などにより付着せしめる方法。 (3) 基体膜に種々の単量体(及び架橋剤)を塗布
し、重合開始剤または紫外線などにより基体膜
上で重合せしめる方法。 (4) その他基体膜表面を化学処理あるいは物理処
理することにより本発明の薄層を形成せしめる
方法。 など、従来イオン交換膜の表面改質に使用されて
いた手段が応用し得る。 例えば薄層を構成する手段として、陽イオン交
換膜表面でモノマーを重合させる方法にあつて
は、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトル
エン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テル、ビニルピリジンなどと必要によりジビニル
ベンゼン等の架橋剤とを被抽出剤と共に重合させ
る。同様にポリフツ化ビニリデン、ポリエチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリスチレンなどの
高分子化合物と被抽出剤とを融着またはこれらの
溶液を塗布する。フエノール、アニリン、スルフ
アニル酸等とアルデヒド類とを被抽出剤と共に縮
合させる。あるいはイオン交換能を有する高分子
化合物を陽イオン交換膜上に形成させた後過酸化
水素で分解し、多孔化するなどである。 次に、新たに形成される薄膜の物性を調整する
ことは、通常当業者の試行錯誤によつて容易にな
し得るものであるが、一般に次の方則に従つて変
化させることができる。 含水量を増加させる場合は、(i)陽イオン交換膜
表面に新たに形成させる薄層に低分子化合物をあ
らかじめ添加しておき、形成後該層を溶媒等で抽
出しポーラス化する方法、(ii)陽イオン交換膜と薄
膜とを複合化した後80℃以上の温度の熱水中で処
理することにより含水量を増加させる方法、(iii)薄
層中のイオン交換基密度を高くすることにより、
容易に水和水を増加させることにより含水量を増
加させる方法などである。 また、固定イオン濃度を下げる方法は、(iv)中性
の多孔性薄層を形成させる、(v)低イオン交換容量
のイオン交換樹脂に抽出可能な添加剤を加えて陽
イオン交換膜表面に薄膜を形成させた後、該添加
物を除去する、(vi)比較的高い交換容量を有する樹
脂の薄膜を陽イオン交換膜表面に形成させた後、
熱水で処理する、(vii)陽イオン交換膜表面にイオン
交換基を有する樹脂の薄層を形成させた後、アル
コール等の極性有機溶媒で処理し膨潤させる、(viii)
基体膜が架橋されている場合は、その表面により
低架橋度のイオン交換樹脂薄層を形成させる、な
どである。 更に別の方法として、陽イオン交換膜膜の表層
部の陽極側に位置させる膜面に、使用条件下で解
離して正の電荷となり得る物質を付着せしめ、両
性化する方法なども採用し得る。このようにし
て、イオン交換基の存在の有無、多少にかかわら
ず、含水量が高いゆるやかな分子間結合を有する
層、換言すれば、固定イオン濃度の低い薄層を形
成させるか、または多孔性の低電気抵抗である物
質の層を形成(付着)あるいは重ね合せて用いる
のが有効である。 本発明の薄層を形成させた複合陽イオン交換膜
を用いてアルカリ金属塩を電解する場合は、前記
薄層を形成させた膜面が陽極側に位置するように
該複合陽イオン交換膜を設け、陽極液としては、
アルカリ金属塩の飽和溶液を用いても複合陽イオ
ン交換膜を透過するアルカリ金属イオンの水和数
は3〜7ケに制御することができる。しかしなが
ら、該複合陽イオン交換膜の陽極側表層部に存在
させる薄層の性質と厚さによつては、複合陽イオ
ン交換膜の陽極側のアルカリ金属塩の濃度を溶液
の電気抵抗が増大しない程度の例えば2N程度の
アルカリ金属塩水溶液を用いることもでき、ある
いはアルカリ金属ハロゲン化物を用いる場合は、
電解して陽極で発生するハロゲンガス中の酸素の
量が極力抑えられる程度に低下せしめてもよい。
また、前記陽イオン交換膜として耐酸化性を有し
ない炭化水素系のものを用いる場合には陽極と複
合陽イオン交換膜の間に耐酸化性を有する低電気
抵抗の別の陽イオン交換膜、多孔質の非荷電の融
膜、多孔質の陽イオン交換膜等の謂ゆる保護膜を
配することもできる。 本発明においては、陰極側に純水またはアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を供給、あるいは供給す
ることなく25%以上とくに30%以上のアルカリ金
属水酸化物をより高い電流効率で取得できる。ま
た本発明において、陽極側の室を透水性の別の陽
イオン交換膜あるいは透水性の隔膜によつて2室
以上に分画して、陰極に向つて中間室の圧力を低
くして、陰極室から極めて濃厚な30%以上のアル
カリ金属水酸化物を取得する方法を併用してもよ
い。さらに、本発明に用いる複合陽イオン交換膜
の陰極側に位置させる膜面により濃厚なアルカリ
金属水酸化物をより高い電流効率で取得するため
に、極めて該膜を透過し易い水酸イオンの膜透過
を阻止する層を形成してもよい。上記の複合陽イ
オン交換膜の陰極側に位置させる膜面に形成する
層としては陰イオン交換性の薄層、電流効率を高
めるための中性の薄層、両性の薄層、高固定イオ
ン濃度を有する薄層、架橋構造の発達した緻密な
樹脂を有する薄層などである。また複合陽イオン
交換膜の内部に膜の電気抵抗が実質上上昇しない
程度に架橋構造の発達した層、固定イオン濃度の
高い等の上述した層を有している複合陽イオン交
換膜を用いてもよい。 本発明のアルカリ金属塩の電解にあたつて陽極
は従来公知の炭素電極、貴金属電極、貴金属また
は貴金属の酸化物を被覆した電極等のいかなる形
状のものを用いてもよく、また陰極としてはニツ
ケル、鉄その他の従来公知の如何なる形状の陰極
を用いてもよい。なお電解の電流密度は5〜
80A/dm2で電解温度は常温以上電解液の沸とう
温度以下で実施される。さらにまたアルカリ金属
塩としては陽イオンとしてリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、カシウム、ルビジウム等であり、
陰イオンとしてはF,CI,Br-,I-のハロゲン
類、SO3 --,SO4 --,NO3 -,NO2-,PrOm-
(n,m,は正の整数)等である。 以下の実施例において、アルカリ金属イオンが
膜を透過するときの水和数が3〜7ケである特定
した陽イオン交換膜を用いる本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに何ら拘束されるもので
はない。なお、電解は通電膜面積1dm2のもので
陽極にはチタンのメツシユの上に酸化ルテニウム
と酸化チタンをコーテイングしたものを用い、陰
極としては軟鉄の金網を用いた。 実施例 1 パーフルオロ(3,6―ジオキサ―4―メチル
―7―オクテンスルホニルフルオライド)と4ふ
つ化エチレンとの共重合体からなる高分子膜状物
をKOHで加水分解してスルホン酸カリウムとし
たのち、更に硝酸に浸漬して酸型とし、次いで
NaOHに浸漬してナトリウム型陽イオン交換膜と
した。この陽イオン交換膜の交換容量は0.833当
量/グラム乾燥膜であつた。他方、スチレン10
部、純度約55%のジビニルベンゼン10部、4―ビ
ニルピリジン10部及びジオクチルフタレート25部
にベンゾイルパーオキサイド0.5部を均一に溶解
したものに、ふつ化カーボン(―CF―)oを2部分散
させた。これを充分に撹拌しながら、上記した陽
イオン交換膜の片面にブラツシで均一に塗布した
のち、両面をポリビニルアルコール製のシートで
おおい、更に両面を平滑な鉄板でおおい5Kg/cm2
の圧力で押しつけたのち、110℃に加熱してビニ
ルモノマー混合物を重合させると同時に、ふつ化
カーボンの微粉末を膜表面に圧入した。 次いで上記で得た膜をメタノールで洗滌したの
ちにふつ化カーボンを付着させている膜面を陽極
に向けて飽和食塩水を分解率15%で電解した。そ
の結果、陰極室に純水を添加しないで12Nの
NaOHを取得して、電流効率76%であつた。また
電槽電圧は4.3Vであつた。 他方、表層部にふつ化カーボンの層を有してい
ない陽イオン交換膜を用いて飽和食塩水を陽極液
として電解した結果、陰極室のNaOHは24Nとな
つた。そのため陰極室に純水を供給して、陰極室
のNaOH濃度を12Nに保つたところ、電流効率は
56%にすぎず、電槽電圧は4.5Vとなつた。な
お、電解はいずれの場合も30A/dm2で実施し
た。電解温度は75℃〜85℃であつた。 なお、表層部に形成したふつ化カーボンを混入
した薄層を形成させたものについて重量増加から
大略の厚みを計算した結果、0.03mmであつた。ま
た別に表層部に塗布したモノマー、ふつ化カーボ
ン混合物を鉄板の間にはさみ、同一条件で加熱重
合して1mmの厚みのシートを作り、常法により陰
イオン交換容量と含水量を求めた。このモデルの
シートの固定イオン濃度は5.3mであつた。 実施例 2 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3,
6―ジオキサ―4―メチル―7―オクテンスルホ
ニルフルオライド)の共重合体からなる高分子膜
状物で加水分解して陽イオン交換膜としたときの
交換容量が0.91ミリ当量/グラム乾燥膜のもの
(厚み0.10mm)と、同じく交換容量が0.67ミリ当
量/グラム乾燥膜の0.05mmのものを用いて作られ
た高分子膜状物を用いた。上記の加水分解したと
きの交換容量が0.67ミリ当量/グラム乾燥膜に相
当するスルホニルフルオライド型の高分子膜状物
をエチレンジアミンの中に常温で24時間浸漬し
て、スルホニルフルオライド基を酸アミド結合で
エチレンジアミンと結合させた。この酸アミド結
合を有する膜と上記した交換容量0.91ミリ当量/
グラム乾燥膜相当のスルホニルフルオライド型の
膜とを、間にテトラフルオロエチレン製の布をは
さんで加熱融着させた。次いでこの膜を6.0N―
KOH中に浸漬して加水分解して陽イオン交換膜
とした。さらに、この陽イオン交換膜の酸アミド
結合を有しない膜面上に、ポリふつ化ビニリデン
2%、ジオクチルフタレート2%のN,N―ジメ
チルホルムアミドの溶液を均一に塗布したのち乾
燥し更に230℃で10分間加熱加圧して融着せしめ
たのち、これをメタノールで洗いジオクチルフタ
レートを抽出除去した。上記の処理をして得られ
た陽イオン交換換膜を用いて酸アミド結合層を陰
極に向けて飽和食塩水の電解で分解率15%で実施
した。陰極室には純水を添加しないで陰極室から
は13.3NのNaOHを取得し、電流効率は92%であ
つた。 他方、前記した陰極側の膜表層部には酸アミド
結合を有するが、陽極側の膜表層部にはポリふつ
化ビニリデンの薄層を有しない膜を用いて飽和食
塩水を陽極液として、陰極室に純水を添加しない
で同様の条件で電解した結果、陰極室のNaOHは
24Nとなり電流効率は52%であつた。従つて、こ
のポリふつ化ビニリデンの薄層を有しない膜を用
いて、陰極室に水を加えて13.3N―NaOHを取得
した結果、電流効率は78%であつた。なお電解は
いずれの場合も30A/dm2で実施したが、電槽電
圧は前者が4.4Vで24N―NaOHを取得したときが
5.1Vであり、最後の場合が4.6Vであつた。 なお、上記で使用したポリふつ化ビニルデン、
ジオクチルフタレートのジメチルホルムアミド溶
液をガラス板上に流して乾燥・加熱して得たシー
トをメタノール洗滌したものは含水量12%であつ
た。 本発明において、電解時の水和数の変化が電解
時の電流、電圧に及ぼす影響を示すため、本例に
おける本発明の陽イオン交換膜を用いて、陽極実
液の食塩濃度を変化させた場合の例を第1図に示
す。本例では電流密度30A/dm2、85℃にて実施
したものである。 実施例 3 α,ββ′―トリフルオロスチレンを重合しこ
れをクロスルホン酸でスルホン化処理したのち、
加熱してスルホン架橋を形成し、さらにNaOH中
に浸漬して加水分解してスルホン酸ソーダを陽イ
オン交換基とする樹脂の微粉末を得た。この微粉
末をポリふつ化ビニリデンの微粉末と2:1の割
合に混合し、さらにダイフロイル#3(商品名:
ダイキン工業製、3弗化エチレンの低重合物)を
添加したのち加熱成型して陽イオン交換膜を得
た。この陽イオン交換膜を用いて陽極室に飽和食
塩水を供給し分解率15%で電解した。陰極室に純
水を添加しないで陰極室から18N―NaOHを取得
して、電流効率は38%であつた。なお電槽電圧は
4.6Vであつた。 他方、上記の陽イオン交換膜を酸型にして一方
の膜面にスチレン50部、純度55%のジビニルベン
ゼン50部、メタアクリル酸50部、4―ビニルピリ
ジン10部にターシヤリイブチルラウリルパーオキ
サイド3部を均一に溶解したものを塗布し裏面に
まわり込まないようにして表層部にしみ込ませた
のち、表層部をセロフアンでおおい、オートクレ
ーブ中で110℃で加熱重合した。上記の処理して
得られた陽イオン交換膜を用いてビニルモノマー
を塗布重合した膜面を陰極側に向けて陰極室に純
水を添加しないで同様の条件下に電解した結果、
陰極室のNaOHは23Nに達し電流効率は43%であ
つた。なお電槽電圧は5.1Vであつた。陰極室に
純水を添加して11N―NaOHに調整して結果、電
流効率は76%であつた。なお電槽電圧は4.6Vで
あつた。 次に、本発明の陽イオン交換膜として分子量約
30000のポリビニルアルコールの5%水溶液にポ
リオキシエチレンラウレート(非イオン性界面活
性剤、花王アトラス社製;エマノーン1112)を5
%加えた溶液をビニルモノマー混合物を含浸重合
した前記陽イオン交換膜の裏面に均一に塗布し、
加熱乾燥してポリビニルアルコールの皮膜を膜面
上に形成させた。この皮膜の厚みは重量増加から
計算した結果、約0.5mmであつた。さらに、この
皮膜を有する陽イオン交換膜を硫酸、芒硝及びホ
ルマリンからなるホルマール化浴に浸漬して常法
によりホルマール化したのち、これを充分に温水
で洗滌して非イオン性界面活性剤を除いた。この
膜を再び乾燥したのちに窒素ガスで希釈したふつ
素ガス中に導入しふつ素化処理した。得られた膜
を用いてポリビニルアルコールの架橋、ふつ素化
された皮膜を有する面を陽極側に向けてビニルモ
ノマーを含浸重合した側を陰極に向けて陽極室に
飽和食塩水を用いて上記と同様の電解を実施し
た。陰極室に純水を供給しないで電解して陰極室
から12N―NaOHが流出し、電流効率85%であつ
た。また電槽電圧は4.5Vであつた。なお、電解
の電流密度は25A/dm2であつた。上記で用いた
ポリビニルアルコールとポリオキシエチレンラウ
レートの水溶液をポリテトラフルオロエチレン製
の板の上に流して後、風乾して得たシートをホル
マール化、ふつ素化処理して後、常法により含水
量を測定した結果45%であつた。なお、イオン交
換基は検出できなかつた。 実施例 4 次の構造式を有する線状高分子を0.15mmの膜状
に成型したものを用いた。 この膜状物をエチレンジアミンの中に常温で2
時間浸漬したのちに水洗し、更にN,N―ジメチ
ルエチレンジアミンに膜の片面のみ常温で24時間
接触触させてのち再び水洗して、180℃で30分間
空気乾燥中で乾燥させた。次いで6.0N―KOH中
に60℃で24時間浸漬して残余の酸ハロゲン基を加
水分解してスルホン酸及びカルボン酸カリウムの
陽イオン交換基に変換した。この陽イオン交換膜
をN,N―ジメチルエチレンジアミンで処理した
膜面を陰極に向けて用い陽極液として飽和食塩水
を分解率25%で電解した結果、陰極室に純水を添
加しないで25N―NaOHが電流効率62%で取得で
きた。また陽極で発生した塩素ガス中の酸素の量
は1%以下であつた。なお、陽極液の濃度を平均
濃度1.5N―NaCにして同様に電解した結果、陰
極室から12N―NaOHが電流効率92%で取得でき
た。また陽極で発生した塩素ガス中の酸素の量は
4.5%であつた。なお、この場合に陽極液中に塩
酸を添加してPH1.3に電解をした結果塩素ガス中
の酸素の量は1%であつたが電流効率は12N―
NaOH取得で89%であつた。上記の電槽電圧はそ
れぞれ4.6V、4.4Vであつた。 他方、本発明の陽イオン交換膜として、上記陽
イオン交換膜のN,N―ジメチルエチレンジアミ
ンの処理していない膜面に、ヘキサフルオロプロ
ピレンとテトラフルオロエチレンの共重合体から
なるエマルジヨンを塗布し、次いで180℃に30分
間加熱して表層部にパーフルオロ系の中性の薄層
を形成した。重量増加から形成された膜の厚みは
0.02mmであつた。この薄層を形成した陽イオン交
換膜を用いて薄層層面を陽極側に向けて飽和食塩
水を陽極液として用いて前記と同様に電解した結
果、陰極室から13N―NaOHを取得して電流効率
92%で電槽電圧4.3Vであり、塩素ガス中の酸素
の量は1%以下であつた。なお、電解の電流密度
は40A/dm2で電解温度は85℃であつた。 上記の陽イオン交換膜に薄層を形成のために用
いたヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロ
エチレンの共重合体からなるエマルジヨンをポリ
テトラフルオロエチレン製の板に流して後、180
℃で30分間加熱して膜状物を得て含水量で測定し
た結果12%であつた。他方、上記のエマルジヨン
を塗布した膜を210℃で1時間加熱した膜を用い
て同様の条件で電解を実施した結果、陰極室から
は11N―NaOHが電流効率94%で取得できたが、
電槽電圧は5.1Vとなつた。従つて、再び上記の
エマルジヨンをポリテトラフルオロエチレンの板
に流して210℃で1時間加熱したものについて含
水量を測定した結果、7%の含水量であつた。 実施例 5 モノマーに対して1重量%のベンゾイルパーオ
キサイドを含むスチレン20部、ジビニルベンゼン
6部、ポリエチレンの微粉末(商品名、ミクロセ
ン)10部及びステアリルメタクリレート10部から
なるペーストをポリエチレンのネツト(NBC工
業社製、100目)に塗布した後、両面をセロフア
ンで覆いオートクレーブ中で110℃で8時間重合
を行つた。ついで室温の90〜95%硫酸中に1週間
浸漬してスルホン化を行つた。得られた陽イオン
交換膜は湿潤厚み0.22mm、交換容量1.70meq/g
乾燥膜で75℃、5N―塩化ナトリウム水溶液中で
の電気抵抗は3.5Ω―cm2であつた。この陽イオン
交換膜を0.5N―FeC3水溶液に1時間浸漬して
鉄型にした後、、2室セルの中央に組み込み膜の
片面が純水に接し、他の膜面が3重量%の過酸化
水素水に接するようにして10分間処理を行つた。
処理後の陽イオン交換膜を走査型電子顕微鏡で観
察した結果、過酸化水素水に接した膜面では近傍
において鉄の触媒作用によりイオン交換樹脂部分
のみが過酸化水素水により分解されポリエチレン
のみが残り多孔性であつた。この陽イオン交換膜
を通電面積2dm2(巾10cm、高さ20cm)で、陽極
はルテニウムオキサイド被覆チタンラス材、陰極
は軟鋼メツシユで陰陽極間距離3mmである三室式
電解槽に陰極と接しかつ過酸化水素処理を施した
膜面が陽極側に向くように、また陽イオン交換膜
が陽極で発生する塩素その他の酸化性物質と接し
ないように保護隔膜としてポリ4ふつ化エチレン
を主体とする多孔性膜を用い、該保護膜が陽極と
接するように電解槽に配した。なお、この保護隔
膜は電気抵抗0.7Ω―cm2(75℃、5N―NaC水溶
液中)、透水性0.03ml/cm2・Hr・cmH2O(25℃、
純水)であつた。 次いで、上記電解槽の陽極室に5N―NaC水
溶液を分解率が5%になるように供給し、中間室
に5N―NaC水溶液を下部より線速度6cm/sec
となるように供給し、陰極室には純水を供給せず
に電解温度75℃、電流密度20A/dm2で電解を行
つた。この際に中間室の液レベルは両極室液より
50cm高くして、中間室から陽極室へ保護隔膜を通
して塩水を透過させ陽極室から中間室への酸化性
物質の浸入を防いだ。その結果、陰陽極間電圧は
4.2Vで陰極室より12.5N―NaOH水溶液が得ら
れ、電流効流は82%であつた。 他方、過酸化水素処理を施した膜面を陰極側に
向けて上記と同様に電解を行つた結果、陰陽極間
電圧は4.15Vで陰極室より約23.5NのNaOH水溶液
が得られ電流効率は41%であつた。また過酸化水
素処理を行わない陽イオン卒換膜を用いて上記と
同様に電解を行つた結果、陰極室より約23Nの
NaOH水溶液が得られたが電流効率は37%であつ
た。従つて、陰極室に純水を供給し得られる
NaOH水溶液の濃度が12.5Nになるように調節し
た結果、電流効率は56%となつた。また、このと
きの陰陽極間電圧は4.1Vであつた。なお、上記
の陽イオン交換膜をFe型にして、上記と同様の
過酸化水素水中に長時間浸漬してイオン交換容量
が完全になくなるまで分解した膜について、含水
量を測定した結果、86%であつた。 実施例 6 実施例5において過酸化水素処理を施し膜の片
面のみを多孔性したスルホン基を有する陽イオン
交換膜に更に次の処理をした。すなわち、多孔性
の膜面が上になるように上部のみ開放の容器の底
に固定し、容器内にポリエチレンイミン(日本触
媒(株)製、P―1000)400ppmとポリスチレンスル
ホン酸150ppmの混合水溶液で満たした。なおポ
リスチレンスルホン酸はポリスチレンのペレツト
を重量で10倍比の濃硫酸を用いて、90℃でスルホ
ン化したもので1g当量は305gであつた。上記
の混合水溶液はポリソルトの形成とともに次第に
白濁し、5日後に膜を容器より引き上げると表面
は粘着性のある茶色の緻密な薄い被膜に覆われて
いた。走査電子顕微鏡で観察したところ表面の多
孔部分は充填されていた。この被膜1部を削りと
り元素分析を行つたところN原子数/S原子数の
値は約4であつた。 上記の処理をして得られた陽イオン交換膜の処
理膜面を陽極の方に向けて実施例5の場合と同じ
電槽を用いて、陰極室に純水を供給せずに同様の
条件で電解を行つた。その結果陰極室より11.5N
―NaOH水溶液が得られ、電流効率は87%で陰陽
極間電圧は4.30Vであつた。他方、過酸化水素処
理を施さない陽イオン交換膜を使用し上記と同じ
条件で陰極室には純水を供給してNaOHが11.5N
になるように調節しつつ電解を行つた結果電流効
率は95%であつた。なお、実施例5で示した陽イ
オン交換膜を過酸化水素で完全に酸化分解した膜
について、本実施例と同様の方法によつてポリエ
チレンイミン、ポリスチレンスルホン酸を混合し
てポリソレルトを沈着せしめた膜を得た。この膜
の含水量は56%であり、総交換容量は2.1ミリ当
量/g乾燥膜であつた。 実施例 7 モノマーに対して1重量%のベンゾイルパーオ
キサイドを含むメタクリル酸30部、ジビニルベン
ゼン10部、ポリエチレン微粉末(商品名、ミクロ
セン)10部、スチレン20部、SBR 3部からなる
ペーストをポリエチレン製のネツト(NBC工業
社製、100目)に塗布した後、110℃で10時間重合
を行つてカルボン酸系の陽イオン交換膜を得た。
この陽イオン交換膜は厚み0.21mmで6N―NaOH
(75℃)中における電気抵抗は3Ω―cm2であつ
た。次いで、上記陽イオン交換膜の片側表面にモ
ノマーに対して1重量%のベンゾイルパーオキサ
イドを含むスチレン90部、ジビニルベンゼン10
部、ポリエチレン微粉末(ミクロセン)50部より
なるペーストを薄く塗布した後、セロフアンで覆
い100℃で6時間重合を行い、さらに60℃の濃硫
酸中に2時間浸漬して上部被膜をスルホン化し
た。更にこの陽イオン交換膜を塩化第2鉄水溶液
に浸漬した後、5重量%の過酸化水素水中で30分
間処理して上記モノマーを塗布重合した片面のみ
にポリエチレンの多孔性被膜を有するカルボン酸
系陽イオン交換膜を得た。 この陽イオン交換膜を多孔性の膜面を陽極側に
向けて保護隔膜とともに実施例5と同様に三室式
電槽において食塩の電解を行つた。すなわち、陽
極室には5.2N―NaC水溶液を分解率が10%とな
るように供給し、中間室には5.0N―NaC水溶液
を下部より6cm/secとなるように供給し、陰極
室には純水を供給せずに、また中間室の液レベル
を両極室液面より30cm高く電解を行つた。電解温
度は75℃、電流密度は20A/dm2であつた。その
結果、陰陽極間電圧は4.45Vで陰極室より11.9N
―NaOH水溶液が得られ、電流効率は86%であつ
た。 他方、上記の多孔化処理を施していない陽イオ
ン交換膜を用いて同様に食塩の電解を行つた場合
には、陰極室より22.6N―NaOH水溶液が得ら
れ、電流効率は41%であつた。陰極室に純水を供
給してNaOH濃度を11.9Nに調整しつつ電解を行
つた結果、陰陽極間電圧は4.29Vであつたが伝流
効率は63%であつた。 実施例 8 実施例2で用いた交換容量の違う2枚のパーフ
ルオロ系陽イオン交換膜の片面をエチレンジアミ
ンの代りにN,N―ジメチルエチレンジアミンで
処理した膜を用いた。N,N―ジメチルエチレン
ジアミンによる処理はスルホニルフルオライド型
の上記パーフルオロ系高分子膜状物の片面(交換
容量の低い側)をN,N―ジメチルエチレンジア
ミンの浴に8時間常温で接触させて、次いで160
℃で1時間加熱後、6.0N―KOHに浸漬して加水
分解処理したものである。さらに、この膜の酸ア
ミド結合を形成していない膜面に、メタアクリル
酸20部、純度約55%のジビニルベンゼン10部、ス
チレン10部にポリスチレン6部を均一に溶解し、
これに0.5部のベンゾイルパーオキサイドを溶解
し、さらにケロシンを第1表に示す所定量加えた
高分子溶液を均一に塗布したのち、両面をセロフ
アンでおおつて加熱重量した。その後、ベンゼン
で洗滌してポリスチレン、ケロシンを抽出除去し
て表層部に陽イオン交換性の薄層を形成させた。 この膜を用いて実施例2と同様に薄層を陽極側
に向けて飽和食塩水を分解率30%で電解した。な
お陰極室には純水を添加しなかつた。また、ケロ
シンの添加量と薄層の固定イオン濃度の関係を求
めるためにポリテトラフルオロエチレンの2枚の
板に間に陽イオン交換表層部に塗布したと同じ組
成のポリマー溶液を塗布加熱重合して膜状物と
し、これを6.0N―NaOHで処理したのちに含水量
と交換容量を求めて固定イオン濃度を算出した。
それらの結果を第1表に示す。
第1図は本発明において、水和数が電流効率及
び電解電圧におよぼす影響を示す一例である。
び電解電圧におよぼす影響を示す一例である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 陰・陽電極間に陽イオン交換膜を配してアル
カリ金属塩水溶液を電解するイオン交換膜法アル
カリ金属塩の電解方法において、陽イオン交換膜
として陽イオン交換膜の少くとも一方の面に含水
量が10%以上または固定イオン濃度が7m以下で
ある薄層を存在させた複合陽イオン交換膜を用
い、該薄層が陽極側となるように設け、陰極室内
のアルカリ金属水酸化物濃度を25%以上とし、且
つ電解時に該複合陽イオン交換膜を透過するアル
カリ金属イオン1ケ当りの水和数が3〜7ケとな
して電解することを特徴とするるアルカリ金属塩
の電解方法。 2 複合陽イオン交換膜を形成する陽イオン交換
膜が含ふつ素系陽イオン交換膜である特許請求の
範囲1記載のアルカリ金属塩の電解方法。 3 アルカリ金属塩水溶液がアルカリ金属塩の飽
和濃度である特許請求の範囲1記載のアルカリ金
属塩の電解方法。 4 薄層の固定イオン濃度が4m以下である特許
請求の範囲1記載のアルカリ金属塩の電解方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5721376A JPS52140498A (en) | 1976-05-20 | 1976-05-20 | Electrolysis of alkali metal salts |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5721376A JPS52140498A (en) | 1976-05-20 | 1976-05-20 | Electrolysis of alkali metal salts |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS52140498A JPS52140498A (en) | 1977-11-24 |
| JPS6130034B2 true JPS6130034B2 (ja) | 1986-07-10 |
Family
ID=13049232
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5721376A Granted JPS52140498A (en) | 1976-05-20 | 1976-05-20 | Electrolysis of alkali metal salts |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS52140498A (ja) |
-
1976
- 1976-05-20 JP JP5721376A patent/JPS52140498A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS52140498A (en) | 1977-11-24 |
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