JPS6330047B2 - - Google Patents

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JPS6330047B2
JPS6330047B2 JP54020723A JP2072379A JPS6330047B2 JP S6330047 B2 JPS6330047 B2 JP S6330047B2 JP 54020723 A JP54020723 A JP 54020723A JP 2072379 A JP2072379 A JP 2072379A JP S6330047 B2 JPS6330047 B2 JP S6330047B2
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Japan
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exchange membrane
membrane
oxidizing agent
electrodialysis
ion exchange
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Toshikatsu Sada
Fumio Kurokawa
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを
対とする電気透析槽を用いて塩水を電気透析する
改良された方法に関する。 上記の如きイオン交換膜を用いる塩水の電気透
析において、時間の経過に伴ない透析電圧が徐々
に高騰し、透析性能を低下させる現象が認められ
る。この現象は、特に陰イオン交換膜の電気抵抗
の高騰に起因する部分が大きく、一般に陰イオン
交換膜が有機汚染されて性能が低下し硫酸イオン
が難透過性となることが知られている。このよう
に性能が低下したイオン交換膜は、酸化剤を含む
溶液と接触させることにより性能が回復すること
が、特開昭53―65281号明細書などによつて明ら
かにされている。同様に有機陰イオンを含む無機
電解質溶液よりなる被処理液を電気透析する場合
に、陰イオン交換膜の有機汚染を防止するため希
釈室に酸化剤を添加する方法も特開昭54―21971
号として提案されている。通常の電気透析におけ
る陰イオン交換膜の性能の低下は、酸化剤を含む
溶液で有機汚染物を洗浄することによつて陰イオ
ン交換膜の機能を簡単に回復出来る。しかしなが
ら異符号イオン間の選択透過性の低下は、上記方
法では回復さすことが出来ないために、イオン交
換膜そのものの実質的な劣化が原因すると思われ
て来た。特に一価選択化処理及び(または)耐有
機汚染性付与処理を施されているイオン交換膜に
あつては、むしろ、酸化剤による上記の如き処理
を行うことにより、それらの特殊性能を減退させ
ることもわかつた。 本発明者等は上記異符号イオン間の選択透過性
の低下原因につき種々追求して来た結果、イオン
交換膜の実質的な劣化ではなく塩水中の巨大有機
イオン、高分子電解質等が濃縮室内に漏洩し、該
濃縮室内のイオン交換基を有する膜面に付着する
ためであることが判明した。このような現象は巨
大有機イオン、高分子電解質を含む溶液を電気透
析特に締付型電気透析槽を用いる場合に限らず、
海水濃縮製塩に於けるイオン交換膜の一価イオン
選択透過性処理を施す場合、イオン交換膜に耐有
機汚染性を付与する場合等にもみられる。またイ
オン交換膜自身は不溶であるが長期の連続使用に
よつて一部高分子鎖の切断が生ずるために、前記
と同様の現象がみられる。このように有機物の付
着は、酸化剤処理により、防止し得ることは一応
考えられるが、特に一価選択化処理膜及び(また
は)耐有機汚染性付与膜にあつては、酸化剤処理
は、むしろイオン交換膜本来の性能を減殺すると
いう問題に逢着するのである。 本発明者等は、一価選択化処理膜及び(また
は)耐有機汚染性付与膜について、前記した如く
異符号イオン間の選択性の低下原因がイオン交換
膜の実質的な劣化でないことを確認した上で、該
異付号イオン間の選択透過性低下の回復手段を研
究して来た。その結果、意外にも電気透析装置の
濃縮室に酸化剤を単に添加することにより該異符
号イオン間の選択性低下がほゞ完全に回復するこ
とを知り、本発明を完成し提案するに至つた。し
たがつて、本発明によれば陽イオン交換膜と陰イ
オン交換膜とを対にした電気透析槽であつて、該
イオン交換膜の少なくとも一方は一価イオン選択
化処理及び(または)耐有機汚染性処理が施され
ているイオン交換膜が用いられている電気透析槽
の濃縮室に酸化剤を存在させることを特徴とする
電気透析方法が提供される。 本発明において用いられる陽イオン交換膜と陰
イオン交換膜は、従来公知のイオン交換膜の製法
によつて作られた如何なる陽イオン交換膜、陰イ
オン交換膜であつてもよい。即ち、重合型、縮合
型、またイオン交換基の分布から見て均質型、不
均質型、さらにイオン交換基の種類から見て強酸
性基、弱酸性基、強塩基性基、弱塩基性基等を有
するイオン交換膜、等であつて、これらのイオン
交換膜に一価イオン選択化処理、或いは耐有機汚
染性の処理を施したイオン交換膜が適用される。
特に本発明においてイオン交換膜として望ましく
は重合型で、均質型のイオン交換膜であつて強酸
性基又は強塩基性基を有するイオン交換膜に対し
て効果的である。なお、イオン交換膜の機械的強
度を保持するために、布、網、編物、不織布等の
補強材が含まれているものが望ましい。本発明に
おいては陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを対
にして濃縮室、希釈室を形成した電気透析槽とし
て用いられる。陽イオン交換膜と陰イオン交換膜
との対を形成する仕方は、その周辺部を接着し袋
状にしてサイホンをつけた所謂ユニツトセルとし
たもの、スペーサー、ガスケツトを介して対にし
たものなど何ら制限なく用いられる。その他、こ
れらの陰イオン交換膜と陽イオン交換膜を対にし
て用いる電気透析槽も従来公知の水槽型、締付型
及びこれらの改良型が何ら制限なく用いられる。 本発明において電気透析に用いられる塩水は無
機、有機の電解質を含んだ溶液で、電気透析する
ことによつて経時的に電圧の上昇、電流の低減、
限界電流密度の低下等が生じ、電気透析を続ける
ことが不可能なほど、イオン交換膜に不可逆的な
変化を与えるイオン種が含まれていない限り特に
制限はない。また該塩水の濃度も特に限定され
ず、数ppmから飽和塩水まで実施出来る。尚、こ
のときの濃縮室の塩濃度は数1000ppmから飽和溶
液まで、目的及び操作条件に応じて選定される。 本発明の最大の特徴は前記電気透析槽の濃縮室
に酸化剤を存在させることである。濃縮室に単に
酸化剤を存在させることにより、イオン交換膜の
最重要な機能である異符号イオン間の選択透過性
が低下してもその回復をほゞ完全に達成出来るこ
とは予想も出来ない効果である。この効果は前記
した如く、異符号イオン間の選択透過性の低下が
イオン交換膜自身の実質的な劣化ではなく、濃縮
室に面するイオン交換膜に巨大有機イオン、高分
子電解質等が付着することを知見したことに基因
する。即ち、濃縮室に酸化剤を存在させることに
よつて、イオン交換膜の一価選択性及び(また
は)耐有機汚染性を何等損うことなく、該濃縮室
の膜面に付着した巨大有機イオン、高分子電解質
等の付着物を取除くことにより異符号イオン間の
低下した選択透過性をほゞ回復することが出来る
のである。 本発明に於ける電気透析槽の濃縮室に酸化剤を
存在させる方法は、特に限定されず必要に応じて
実施すればよい。一般には濃縮室に酸化剤を必要
量添加するか、酸化剤を必要量含む溶液を濃縮室
に循環する手段が最も好適に使用される。また酸
化剤の処理は電気透析中即ち通電中でもよく通電
を停止した状態で実施してもよい。 本発明に於いて用いる酸化剤は、特に限定され
ず前記濃縮室内の膜面に付着した巨大有機イオ
ン、高分子電解質等を除去出来るものであれば如
何なるものを用いてもよい。一般に工業的に使用
される酸化剤を例示すると、塩素、臭素等のハロ
ゲンを含有する溶液;次亜ハロゲン酸塩、亜ハロ
ゲン酸塩、過ハロゲン酸塩等の含ハロゲン酸塩を
含む溶液;過酸化水素溶液;パーオキソ酸類、パ
ーオキソ酸塩、有機過酸化物、有機過酸エステル
等の過酸含有化合物溶液等である。これらの酸化
剤は高濃度で使用するとイオン交換膜自身を劣化
させるので使用する酸化剤の種類、イオン交換膜
の種類、処理温度等に応じて予めイオン交換膜が
劣化をうけない濃度を決定して用いるのがよい。
一般には上記含ハロゲン溶液の場合は5〜
50000ppmの範囲で、過酸化水素又は過酸含有化
合物溶液の場合は0.01〜10(重量)%の範囲から
選ぶのがよい。 本発明に於いて特に工業的にはイオン交換膜の
劣化防止、入手の容易さ等の点から次亜ハロゲン
酸塩、過酸化水素又は過酸化水素を含む化合物が
最も好適である。また酸化剤としては上記した酸
化剤のうちの一種以上が何ら制限なく用いられ
し、上記した酸化剤に限定せず従来公知の酸化作
用のある有機・無機の試薬は目的に応じて適宜選
択して使用することが出来る。また酸化効果を高
めるため、或は遅延させるために適当な無機・有
機の触媒を共存させてよい。酸化剤で所定時間処
理したあとはヒドラジン・亜硫酸ソーダその他従
来公知の還元剤で再処理し、濃縮側膜面に付着、
吸着した過剰の酸化剤を除去することが望ましい
が、単に塩溶液、水等で洗滌するのみであつても
よい。 本発明はイオン交換膜の濃縮室側膜面に吸着、
イオン交換しているイオン交換膜のイオン交換基
とは反対電荷の有機の低分子、高分子化合物を分
解除去して陽イオン交換膜、陰イオン交換膜の新
鮮な膜面を濃縮液に接触せしめ、イオン交換膜の
高い性能を持続させようとするものであり、同時
に有機高分子化合物であるイオン交換膜が酸化剤
によつて酸化分解劣化するのを防ぐのが好まし
い。このようなことから電気透析槽の濃縮室膜面
と酸化剤溶液の接触時間、酸化剤濃度、温度等を
適宜制禦するのが好ましく、一般に処理温度は5
〜95℃、望ましくは15℃〜80℃の範囲が好適であ
る。 本発明における濃縮室側膜面の酸化剤処理は通
電中或は通電を停止して、電気透析槽にイオン交
換膜を組込んだまま実施できるところに一つの特
徴がある。即ち、締付型電気透析槽の場合には、
濃縮室に酸化剤を含んだ塩溶液、水溶液等を一定
時間注入し放置して後、抜き出し洗滌し、必要な
ら還元剤で処理する方法、電気透析中に一定量の
酸化剤を含んだ濃縮液を締付型電気透析槽内を一
定時間循環させる方法等が何等制限なく用いられ
る。勿論、これらの酸化剤処理のとき濃縮室内の
撹拌を充分にするために、液流速を早くしたり、
空気、窒素、酸素等のガスを吹き込んだりするこ
とも好適に採用出来る。また濃縮室に酸化剤を添
加するとき、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜
の濃縮室側膜面を汚染している有機物の酸化剤に
よる分解の速度が違う場合、或は陽イオン交換膜
及び陰イオン交換膜のいづれか一方の濃縮室側膜
面のみ汚染されている場合がある。このようなと
き、いづれか一方の濃縮室側膜面にのみ酸化剤を
接触させるとか接触の度合を変えるとかする必要
がある。具体的な例としては電気透析槽を横に倒
し膜面を水平にして、濃縮室に酸化剤を含んだ溶
液を一部注入し、濃縮室を構成している陽イオン
交換膜及び陰イオン交換膜のいづれか一方の濃縮
室側膜面に該液を接触させ、他方の膜の濃縮室側
膜面には接触させないようにする等の工夫が施さ
れる。また水槽型の電気透析槽においては水槽中
のユニツトセルに酸化剤を含んだ液を一定時間注
入し、次いで抜き出す操作によつて本発明の目的
は達せられる。このような電気透析槽に膜を組み
込んだまま酸化剤処理をするときは、希釈側に該
酸化剤を含んだ液が漏洩しないように留意するこ
とが好ましい。酸化剤の漏洩防止手段は例えば締
付型電槽で希釈室の水圧を濃縮室圧より高くして
実施するなどがその例である。 これらの本発明における電気透析装置の濃縮室
に酸化剤を存在させる頻度は、数年間に一度或は
数ケ月に一度という度合で実施されるのが通常で
ある。勿論、数週間に一度という場合もあるが、
あまりに頻度が多いと電気透析槽の稼働率が低下
するので必要に応じて選択するとよい。 本発明の電気透析方法を実施することによつ
て、電気透析槽における電流効率が極めて緩慢に
経時的低下していたものが殆んど100%性能を回
復することが出来、イオン交換膜の寿命を著しく
伸ばし且つその効率を常に高く保つことが出来
る。従つて工業的には本発明の方法は大きな意義
を有するものである。 本発明の電気透析方法を更に具体的に説明する
ため、以下に実施例をあげて説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例 1 ポリ塩化ビニル微粉末10部、スチレン9部、純
度約50%のジビニルベンゼン1部にジオクチルフ
タレート3部を加え、これにベンゾイルパーオキ
サイド0.1部を加え、充分に均一に混合し、ペー
スト状混合物とした。該混合物を75デニールのポ
リ塩化ビニル製の手織布に充分に脱気しながら、
均一に塗布し、両面をポリビニルアルコール製の
シートでおおつて110℃で4時間加熱重合した。
その後、該ポリビニルアルコール製のシートを脱
離し高分子膜状物とした。該膜状物を98%濃硫酸
中に60℃で12時間浸漬して陽イオン交換膜とし
た。 他方ポリ塩化ビニル微粉末10部、4―ビニルピ
リジン15部、純度約50%のジビニルベンゼン2
部、ジオクチルフタレート3部、ベンゾイルパー
オキサイド0.2部を均一に混合してペースト状混
合物とした。該ペースト状混合物を、前記陽イオ
ン交換膜の製造に用いたと同じポリ塩化ビニル製
の手織布に脱気しながら塗布し、両面をポリビニ
ルアルコール製のシートでおおい90℃で3時間加
熱重合した。その後該ポリビニルアルコール製シ
ートを脱離して高分子膜状物を得た。この高分子
膜状物を次いで沃化メチル2部、メタノール8部
の液に24時間浸漬して4級アンモニウム塩基を有
する陰イオン交換膜とした。更にこの陰イオン交
換膜をメタフエニレンジアミンの10%の水溶液中
に浸漬して充分に膜内に浸み込ませたのちに、36
%塩酸と35%ホルムアルデヒドの1:1の混合溶
液中に15℃で21時間浸漬して膜中に浸み込んだメ
タフエニレンジアミンを縮合させた。これによつ
て一価陰イオン選択透過性とした。 前記方法で製造した陽イオン交換膜と陰イオン
交換膜をそれぞれ10枚組合わして対として0.75mm
のポリエチレン製の斜交網のスペーサーをはさん
で有効通電面積2dm2の締付型の電気透析槽を組
み立てた。この電気透析槽を用いて海水の電気透
析を実施した。電流密度は3.5A/dm2で希釈液
流速6cm・sec-1温度30℃、濃縮液流速2cm・
sec-1であつた。海水濃縮の結果は濃縮液中の塩
素イオン濃度が3.75規定で、電流効率88%、全陽
イオンに対する一価陽イオンの比率(純塩率)は
68%であつた。次いで、この電気透析槽を解体
し、陽イオン交換膜を分子量約5000のポリエチレ
ンイミンの1000ppmの水溶液中に4時間浸漬した
のち、水洗し再び締付型電槽に組込んで電気透析
した。その結果、濃縮液中の塩素イオン濃度は
3.52規定で電流効率は82%で純塩率は97%であつ
た。 そこで、この電気透析槽を一旦通電停止し、濃
縮室に200ppmの次亜塩素酸ソーダを含む水道水
を2時間循環したのち、水洗し、再び電気透析し
たところ、濃縮液中の塩素イオン濃度は3.73規定
となり、電流効率88%、純塩率97%であつた。 実施例 2 0.2mmの厚みのポリ塩化ビニル製の軟質のフイ
ルムをスチレン90部、純度約55%のジビニルベン
ゼン10部、ジオクチルフタレート30部、ジオキサ
ン40部にベンゾイルパーオキサイド2部を溶解し
た混合溶液中に浸漬、膨潤さした後、フイルムを
引き上げ、次いで4.0N食塩水に浸漬して4時間
煮沸してフイルム内に浸み込んだ単量体を重合さ
せた。ここで得られた高分子膜状物の一部は98%
濃硫酸に60℃で12時間浸漬してスルホン化処理し
て陽イオン交換膜とした。この陽イオン交換膜の
電気抵抗は2.5Ω―cm2でイオン交換容量は2.1ミリ
当量/グラム乾燥膜(Na+型)であつた。 また前記膜状物の残部はクロルメチルエーテル
25部、四塩化スズ5部、四塩化炭素75部からなる
クロルメチル化浴に25℃で8時間浸漬しクロルメ
チル化した。 次いで30%のトリメチルアミン水溶液に浸漬反
応させて第四級アンモニウム塩基を有する陰イオ
ン交換膜とした。この陰イオン交換膜の電気抵抗
は3.1Ω―cm2で、イオン交換容量は1.8ミリ当量/
グラム乾燥膜(Cl-型)であつた。なお、陰イオ
ン交換膜は次に用いる場合に希釈室側膜面にステ
アリルメタアクリレート5部とビニルスルホン酸
3部を共重合して得た陰イオン性高分子電解質
(特願昭53―92485(特開昭55―20613号)記載)を
付着させて耐有機汚染性を賦与した。 前記の方法で得た陽イオン交換膜と陰イオン交
換膜を対にして10対からなる締付型電気透析槽
(有効通電面積2dm2)を組立てた。電気透析槽の
希釈室に12cm/secの流速で0.5%のリグニンスル
ホン酸ソーダを含む3%硫酸ソーダ水溶液を流
し、濃縮室から約120g/に調整した硫酸ソー
ダ溶液を得た。連続的に電気透析し、濃縮液を取
得していたところ、電流効率は当初78%で電槽電
圧4.8Vであつたものが、約2ケ月後には、硫酸
ソーダの濃度は120g/を維持出来たが電流効
率は68%となり電槽電圧は8.5Vに上昇した。そ
こで電気透析を中断して、電気透析槽を横に倒し
た。このとき濃縮室に液を一部注入したとき、濃
縮室の陰イオン交換膜表面にのみ液が接触し、陽
イオン交換膜表面には接触しない方向に横にし
た。次いで、濃縮室内に1ppmの塩化第二鉄と2
%の過酸化水素を含む水溶液を一部注入し、陽イ
オン交換膜の濃縮室膜面には出来るだけ接触しな
いようにして、陰イオン交換膜面に接触させた。
2時間放置後、水洗し、1%の亜硫酸ソーダを濃
縮室に流して、過剰の酸化剤を還元した。 再び電気透析槽を元にもどして、同じ溶液の電
気透析を実施した。濃縮液濃度は120g/で電
流効率は78%となり、電槽電圧は5.2Vとなつた。
そして再び続けて電気透析を実施し、2ケ月後に
同様の処理を施して、電流効率は元通りに回復し
た。 実施例 3 実施例1で用いた陽イオン交換膜と陰イオン交
換膜を周辺部で貼り合わせ、濃縮液取り出し口を
つけた所謂ユニツトセルの25対を一スタツクとし
て水槽型電気透析槽に入れ(有効通電面積約1.3
m2)32スタツクとして両側に電極室を配して海水
の連続的濃縮を実施した。海水濃度は塩素イオン
濃度0.492規定であつた。この電気透析槽は
200ppmのポリエチレンイミンを一年間に3回通
電を停止して海水側膜面に接触さして、陽イオン
交換膜に吸着させ、一価陽イオン選択透過性を賦
与し、純塩率を88〜93%に維持して1年間電気透
析した。濃縮液生成の電流効率は濃縮液濃度は
3.72規定で当初87%であつたが、次第に低下し、
一年後には83%となり濃縮液濃度も3.56規定とな
つた。このスタツクのうちの一つを取り出し、25
対について、濃縮液抜き出しのサイホン口から約
500ppmの次亜塩素酸ソーダを含んだ0.5規定の食
塩水を1づつ注入し1時間室温(30℃)で放置
後、液を抜き出し、海水を注入して洗滌後、再び
電気透析槽に組込んで海水濃縮を実施した。この
スタツクからの濃縮液は3.70規定の濃度で、電流
効率は86%となつた。次亜塩素酸ソーダで洗滌し
ていないスタツクは電流効率、濃縮液濃度ともに
83%、3.56規定であつた。 実施例 4 1 実施例1で得た高分子膜状物をクロルスルホ
ン酸、濃硫酸の1:1混合溶液に浸漬してスル
ホニルクロライド基とスルホン酸基を導入し
た。この膜状物をトリエタノールアミン25部、
水50部、分子量5000のポリエチレンイミン25部
からなる混合物中に浸漬しアミノ基とスルホニ
ルクロライド基で酸アミド結合を形成したの
ち、2.5規定カ性ソーダ中に浸漬して残余のス
ルホニルクロライド基を加水分解処理して陽イ
オン交換膜とした。 2 実施例1に記載の第4級アンモニウム塩基を
有する陰イオン交換膜を実施例2と同様にして
陰イオン性高分子電解質を膜の両面に付着させ
て一価陰イオン選択透過性の陰イオン交換膜と
した。 3 実施例1と同様に製造した陽イオン交換膜を
保存するため陽イオン交換膜と陰イオン交換膜
を交互に多数枚積層して水道水中に約2年間保
存した。 4 実施例1の陽イオン交換膜及び陰イオン交換
膜を別々に約2年間0.5規定の食塩水中に浸漬
保存した。 以上4種の製膜及び製膜後の処理をした陽イオ
ン交換膜及び陰イオン交換膜を実施例1で用いた
同じ締付型小型電気透析槽に組み込んで、実施例
1と同様に海水の電気透析濃縮をし、更に引き続
き濃縮室膜面を、電気透析を中断して酸化剤で酸
化処理して再び海水の電気透析濃縮をした。その
結果は第1表に示す通りであつた。尚第1表中の
酸化剤処理方法は次ぎの通りである。 実験番号1は濃縮室膜面の洗滌をしていない。
実験番号2は次亜塩素酸ソーダ300ppmとなるよ
うに添加した0.5規定食塩水溶液(PH.6.8)を3
時間濃縮室に循環したのち測定した。実験番号3
は過酸化水素0.5%と塩化第二鉄1ppmを含むよう
に調整した0.1規定食塩水を濃縮室に30分間循環
した。実験番号4は2規定硝酸を濃縮室に1時間
循環し、次いで50ppmの次亜塩素酸ソーダ水溶液
(PH.6.5)を30分間循環した。実験番号5は0.5
%の過酸化水素と塩化第二銅イオン1ppmを含む
溶液を濃縮液に30分間循環した。実験番号6は
0.5規定の塩化カルシウムにサラシ液を50ppmと
なるように添加した液を1時間循環した。実験番
号7は0.5ppmの塩化第二鉄と炭酸ソーダ過酸化
水素化物5%を含んだ液を1時間濃縮液に循環し
た。 また表中で純塩率でカツコ内に示してある数字
は電槽に膜をセツトした後に一旦海水濃縮し、次
いで一価陽イオン選択透過性を膜に賦与するた
め、分子量約5000のポリエチレンイミンの
500ppmの水溶液を膜の希釈側膜面に4時間接触
循環したあと測定したものである。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを対にし
    た電気透析槽であつて、該イオン交換膜の少なく
    とも一方は一価イオン選択化処理及び(または)
    耐有機汚染性処理が施されているイオン交換膜が
    用いられている電気透析槽の濃縮室に酸化剤を存
    在させることを特徴とする電気透析方法。 2 酸化剤が次亜ハロゲン酸塩である特許請求の
    範囲1記載の方法。 3 酸化剤が過酸化水素または過酸化水素を含む
    化合物である特許請求の範囲1記載の方法。 4 電気透析槽に通電中または通電を停止して濃
    縮室に過酸化物を存在させる特許請求の範囲1記
    載の方法。
JP2072379A 1979-02-26 1979-02-26 Method of electrodialysis Granted JPS55114307A (en)

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JPS59150507A (ja) * 1983-02-18 1984-08-28 Tokuyama Soda Co Ltd 電気透析方法
JP7205576B1 (ja) * 2021-07-19 2023-01-17 栗田工業株式会社 純水製造システムの運転方法

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JPS5365281A (en) * 1976-11-25 1978-06-10 Asahi Chem Ind Co Ltd Improved regenerating method for anion exchange membrane
JPS5421971A (en) * 1977-07-20 1979-02-19 Asahi Chem Ind Co Ltd Method of electrodialysis of inorganic electrolytic solution containing organic anions

Patent Citations (2)

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JPS55114307A (en) 1980-09-03

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