JP3801821B2 - 電気式脱塩装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体デバイス製造工程、ウエハー製造工程などにおけるウエット洗浄工程で使用された純水を回収・再利用するのに用いることのできる電気式脱塩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護のために水の有効利用が進められており、半導体デバイス製造工程、ウエハー製造工程、液晶洗浄工程などのウエットプロセスにおいて、洗浄等に用いられる純水を回収再利用するシステムが採用されてきている。このシステムを採用することにより、原水の使用量と排水量の両方の削減が可能になり、環境保全及び環境汚染の低減化が進められてきた。しかしながら、特に半導体デバイス製造工程のウエットプロセスにおいては、硫酸、アンモニア、塩酸、フッ酸、過酸化水素等の薬品が使用されており、その排水はpH2〜4の希薄酸性水であるが、この希薄酸性水を、地下水、工業用水、水道水などの供給原水に合流させて超純水製造系に再使用する場合、フッ酸とカルシウムとが反応して不溶性のフッ化カルシウム塩が生成され、これが純水製造装置に有害な影響を与える。この為に、排水中のフッ酸の濃度を1mg/l未満程度に低減させる必要が生じていた。
【0003】
希薄酸性水の回収・再利用においては、回収原水をアニオン交換樹脂で処理してフッ酸を除去した後に、供給原水と合流させて、逆浸透膜によって第1次の脱塩処理を行い、次にイオン交換樹脂によって超純水の原料である一次純水を製造してきた。このイオン交換樹脂は、イオンの飽和型吸着剤のために、一旦飽和すると薬品によって再生しなければならず、薬品の排水処理プロセスが必要となり、排水処理の負荷の一部となっていた。近年、イオン交換樹脂法に代わる方法として、イオン交換膜を利用した電極反応による電気式脱塩装置の利用が進み始めてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法は、いずれも、逆浸透膜の表面でフッ酸と硬度成分とが反応して不溶性の塩が生成されないように、第1段階のアニオン交換樹脂によってフッ酸を確実に除去する必要がある。また、これらの方法においては、少なくとも、アニオン交換樹脂装置、逆浸透膜装置、及びイオン交換樹脂装置又は電気式脱塩装置の3つの装置が必要となり、設備投資と運転コストの増大を招くと共に運転管理が複雑化していた。
【0005】
かかる問題を排除する方法として、回収原水である希薄酸性水を、実質的に電気式脱塩装置単独で直接処理することが望まれているが、回収原水中に含まれるフッ酸によって電気式脱塩装置の電極が激しく腐食するという問題が発生し、実用化には至っていない。
【0006】
一般に、電極板の材料としては、チタン等の下地金属基材に白金メッキが施されたものが広く用いられている。白金はフッ酸に対して耐食性を有するが、メッキは下地材料を完璧に被覆することが難しく、極微小なピンホールが発生する。このピンホールからフッ酸が入り込み、下地の金属材料を腐食させることが問題であった。
【0007】
また、被処理水の塩素イオン濃度が高い場合には、被処理水を陽極室に通水すると陽極での電極反応によって遊離塩素が発生する。この遊離塩素は、イオン交換膜及びイオン交換体に酸化作用を及ぼし、陽極室のイオン交換膜及び充填したイオン交換体の低寿命化、ひいては損傷を与えることがあり、問題となっていた。
【0008】
したがって、本発明の目的は、電気式脱塩装置の被処理水中にフッ酸が含まれる場合や、被処理水が高塩濃度の場合においても、上記のような問題を発生させることなく、有効に脱塩処理を行うことができる電気式脱塩装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、正負の両電極室間に、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を少なくとも一部交互に配列することによって脱塩室と濃縮室とが形成されており、少なくとも脱塩室にはイオン交換体が充填されている電気式脱塩装置であって、電極室への供給水として脱塩室からの処理水を使用することを特徴とする電気式脱塩装置に関する。
【0010】
このように、電極室への供給水として、脱塩室からの処理水(脱塩水)を使用することにより、電極室へは、フッ酸や塩イオンが低減された液が供給されるので、フッ酸による電極の腐食や、陽極室における遊離塩素の発生に起因するイオン交換膜の損傷等の問題が解決される。
【0011】
本発明に係る電気式脱塩装置においては、少なくとも脱塩室、及び好ましくは濃縮室に、イオン交換体が充填される。本発明においていう「イオン交換体」とは、陽イオン交換繊維及び陰イオン交換繊維、並びに、本発明者らが国際特許出願PCT/JP99/01391において提案したイオン伝導性を持たせたスペーサー(イオン伝導スペーサー)が包含される。これらのイオン交換体を、脱塩室及び好ましくは濃縮室に充填することにより、各室内でのイオンの移動がより速やかになり、運転電圧の低減化及び脱塩効率の向上を達成することができる。
【0012】
イオン交換繊維を脱塩室及び好ましくは濃縮室内に配置する場合は、陽イオン交換膜に隣接して陽イオン交換繊維を、陰イオン交換膜に隣接して陰イオン交換繊維をそれぞれ配置する。
【0013】
イオン伝導スペーサーを脱塩室及び好ましくは濃縮室内に配置する場合は、1枚でもよいし、複数枚装填してもよいが、イオン交換機能の異なる陽イオン伝導スペーサーと陰イオン伝導スペーサーとを任意に組み合わせて配置することができる。被処理水の水質に応じて組合せを選択することにより、種々の性能の脱塩装置を形成することができる。例えば、脱塩室内に、陰イオン交換繊維に隣接して陰イオン伝導スペーサー、陽イオン交換繊維に隣接して陽イオン伝導スペーサーを配置することができる。なお、陽イオン伝導スペーサーのみを1枚又は複数枚脱塩室内に組み込む場合が最も低電圧化が図れ、また、陰イオン伝導スペーサーのみを1枚又は複数枚脱塩室内に組み込むと、シリカ、炭酸、TOCを含む陰イオンの除去性能が向上することが分かっている。しかしながら、なぜこのような組合せを採用した場合に低電圧化や陰イオン除去性能の向上が得られるかは、理論的に解明されていない。なお、脱塩室内には陽イオン交換体と陰イオン交換体とが配置されるので、必ず異種のイオン交換体が接触する部所が生じ、この接触部所を中心に水の解離が起こり、生じた水の解離により、脱塩室の中のイオン交換体が再生されると考えられる。
【0014】
濃縮室の電気抵抗を低減させ、更にイオン交換膜面のイオン濃度の上昇を抑制するためには、濃縮室内にもイオン伝導スペーサーを装填することが望ましい。この場合、陽イオン伝導スペーサー、陰イオン伝導スペーサーのいずれも適用可能であるが、陽イオン交換膜面の陽イオン濃度の上昇の抑制を目的とする場合には陽イオン伝導スペーサーを配置することが好ましいし、陰イオン交換膜面の陰イオン濃度の上昇の抑制を目的とする場合には陰イオン伝導スペーサーを配置することが好ましい。
【0015】
本発明においてイオン交換体として用いることのできるイオン伝導スペーサーとしては、ポリオレフィン系高分子製樹脂、例えば、従来電気透析槽において使用されていたポリエチレン製の斜交網(ネット)を基材として、これに、放射線グラフト法を用いてイオン交換機能を付与したものが、イオン伝導性に優れ、被処理水の分散性に優れているので、好ましい。
【0016】
スペーサーの基材としては、ポリオレフィン系高分子、例えばポリエチレンやポリプロピレンが挙げられるが、本発明においては、放射線グラフト重合が容易なポリエチレンを用いるのが好ましい。
【0017】
スペーサー基材に導入するイオン交換基としては、特に限定されることなく種々の陽イオン交換基又は陰イオン交換基を用いることができる。例えば、陽イオン交換体としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基などの陽イオン交換基含有体、陰イオン交換体としては、第1級〜第3級アミノ基、第4アンモニウム基などの陰イオン交換基含有体を用いることができ、或いは、上記陽イオン交換基及び陰イオン交換基の両方を併有するイオン交換体を用いることもできる。
【0018】
本発明に係る電気式脱塩装置において用いるスペーサー基材にグラフト重合する重合性単量体(モノマー)としては、イオン交換基を有するか、又はイオン交換基に転換可能な基を有するものを用いることができる。例えば、イオン交換基を有するモノマーとして、アクリル酸(AAc)、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)、メタクリルスルホン酸ナトリウム、アクリルスルホン酸ナトリウム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)などを用いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直接イオン交換基を導入することができる。また、イオン交換基に転換可能な基を有するモノマーとしては、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、メタクリル酸グリシジル(GMA)などが挙げられる。例えば、メタクリル酸グリシジルを放射線グラフト重合によって基材に導入し、次に亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させることによってスルホン酸基を導入したり、又はジエタノールアミンなどを用いてアミノ化することなどによって、イオン伝導スペーサーを得ることができる。
【0019】
なお、陽イオン交換基を導入する場合には少なくともスルホン酸基、陰イオン交換基を導入する場合には少なくとも第4アンモニウム基を導入することが好ましい。これは、純水製造の用途の場合には、処理水のpHが中性領域であり、したがって存在するイオン交換基がこの領域でも解離しているスルホン酸基や第4アンモニウム基でなければ電圧が高くなってしまい、所定の性能を発揮することができなくなる可能性があるからである。もちろん、弱酸性の陽イオン交換基であるカルボキシル基、弱塩基性の陰イオン交換基である第3級アミノ基や、より低級のアミノ基がスペーサーに同時に存在していてもよいが、スルホン酸基及び第4アンモニウム基が、それぞれ中性塩分解容量として0.5〜2.0meq/gの量で存在することが好ましい。なお、イオン交換容量はグラフト率を変化させることによって増減させることができ、グラフト率が大きい程、イオン交換容量が大きくなる。
【0020】
本発明の電気式脱塩装置において、脱塩室及び好ましくは濃縮室中に充填するスペーサーの形状としては、斜交網が適している。スペーサーの具備すべき条件として、被処理水が乱流を起こしながら分散して流れ易いこと、スペーサーとイオン交換繊維とが十分に密着することができること、溶出物や粒子の発生が少ないこと、圧力損失が小さいこと、イオン交換繊維の変形や圧密化が起こらないよう繊維に密着すること、などが挙げられる。
【0021】
一般に、脱塩室で処理された液を電極室への供給水として使用すると、イオン濃度が極めて低い液が極水として用いられることになるので、印加電流に対して高い抵抗体が存在することになり、電極間の電圧が非常に高くなるという問題が生じる。この問題を解決するためには、上記に説明したようなイオン交換体、特に、イオン伝導スペーサーを電極室に配置することができる。このようにすると、イオン濃度が極めて低い水溶液中でも、イオン伝導スペーサーが存在している部分のイオン伝導性が向上して、あたかもイオン濃度が高くなった状態と同等の電気抵抗になり、電流が流れ易く低電圧運転が可能になる。本発明において、電極室にイオン伝導スペーサーを配置する場合には、一般に、陽極室に陽イオン伝導スペーサーを、陰極室に陰イオン伝導スペーサーを充填することが好ましい。
【0022】
なお、電極間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを少なくとも一部交互に配列することにより脱塩室と濃縮室とを形成した電気式脱塩装置においては、極室として、濃縮室の機能を有するものと脱塩室の機能を有するものの両方のタイプがある。しかしながら、本発明に係る脱塩装置においては、極室中の水溶液のフッ酸や塩の濃度を低く抑えることが主眼となっているので、極室は、脱塩室の機能を有していなければならない。極室が濃縮室の機能を有していると、極室に導入する水溶液として、フッ酸及び塩濃度の低い脱塩室の処理水を用いても、装置の運転中にこれらのイオンがイオン交換膜を通って極室内に侵入してくるので、フッ酸による電極の腐食や遊離塩素の発生によるイオン交換膜の劣化などの問題が避けられない。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る電気式脱塩装置を用いた純水製造工程の一態様を示すブロック線図である。
【0024】
ウエット洗浄工程からの排水(回収原水)は、原水タンク2に貯槽され、被処理水配管11を通して、送水ポンプ5によって、活性炭カートリッジ8及びフィルタ9を経由して、電気式脱塩装置4の脱塩室に供給される。必要に応じて、電気式脱塩装置4の前段に、脱気装置(図示せず)を配置することができる。
【0025】
電気式脱塩装置の濃縮室への供給水としては、原水タンク2から送水ポンプ6によって濃縮水循環タンク3に送られた回収原水を使用する。濃縮水タンク3に貯槽された回収原水は、送水ポンプ7によって、濃縮水配管17を通して、電気式脱塩装置4の濃縮室に供給される。濃縮室からの出口水(濃縮水)は、濃縮室排水配管18を通して、濃縮水循環タンク3に循環する。好ましくは、濃縮室排水配管18に導電率計10を設置して、濃縮水の導電率を測定することによって、濃縮水のイオン濃度をモニターする。濃縮水のイオン濃度が一定レベルを超えたら、バルブ22を開放して、濃縮水排水配管19を通して、排水溝20へ排水する。通常は、濃縮水の導電率が2〜4mS/mを超えたらバルブ22を開放して排水するようにすることが好ましい。このように濃縮水のイオン濃度をモニターしながら循環させることによって、廃棄される排水の量を低減することが可能になる。なお、この排水による循環の減量分は、送水ポンプ6によって原水1を濃縮水循環タンク3に補給することによって補填される。
【0026】
電気式脱塩装置4の両電極室には、脱塩室からの出口水(脱塩水)の一部が供給される。これは、脱塩室出口配管13から電極水供給配管14を分岐して電極室に接続することによって行われる。それぞれの電極室からの出口水は、陽極室出口配管15及び陰極室出口配管16を通して、原水タンク2に戻される。なお、必要に応じて、陽極室出口配管15及び陰極出口配管16には、空気抜き弁(図示せず)を配置することができる。
【0027】
【実施例】
イオン交換不織布及びイオン伝導スペーサーの製造
表1に、本実施例においてイオン交換不織布の製造に使用した基材不織布の仕様を示す。この不織布は、芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンから構成される複合繊維を熱融着によって不織布にしたものである。
【0028】
【表1】
Figure 0003801821
【0029】
表2に、本実施例においてイオン伝導スペーサーの製造に使用した基材斜交網の仕様を示す。
【0030】
【表2】
Figure 0003801821
【0031】
表1に示した不織布に、ガンマ線を、窒素雰囲気下で照射した後、メタクリル酸グリシジル(GMA)溶液に浸漬して反応させ、グラフト率163%を得た。次に、このグラフト処理済不織布を、亜硫酸ナトリウム/イソプロピルアルコール/水の混合液中に浸漬して反応させ、スルホン化を行った。得られたイオン交換不織布のイオン交換容量を測定したところ、中性塩分解容量が2.82meq/gの強酸性陽イオン交換不織布が得られたことが分かった。
【0032】
一方、上記のようにガンマ線を照射した不織布を、クロロメチルスチレン(CMS)溶液に浸漬して反応させたところ、148%のグラフト率が得られた。このグラフト処理済不織布を、トリメチルアミン10%水溶液中に浸漬して反応させ、4級アンモニウム化を行った。得られたイオン交換不織布は、中性塩分解容量が2.49meq/gの強塩基性陰イオン交換不織布であった。
【0033】
表2に示した斜交網基材に、N2雰囲気下でガンマ線を照射した後、メタクリル酸グリシジル(GMA)/ジメチルホルムアミド(DMF)の混合液中に浸漬して反応させ、グラフト率53%を得た。このグラフト処理済ネットを、亜硫酸ナトリウム/イソプロピルアルコール/水の混合液に浸漬して反応させてスルホン化を行ったところ、中性塩分解容量が0.62meq/gの強酸性陽イオン伝導スペーサーが得られた。
【0034】
表2に示す斜交網基材に上記と同様の照射を行い、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)/ジメチルアクリルアミド(DMAA)/水の混合液中に浸漬して反応させてグラフト率36%を得た。このスペーサーは、中性塩分解容量が0.44meq/gの強塩基性陰イオン伝導スペーサーであった。
実施例1
上記で得られたイオン交換不織布及びイオン伝導スペーサー並びに市販のイオン交換膜を用いて、電気式脱塩装置を形成した。陽イオン交換膜として株式会社トクヤマ製の陽イオン交換膜(商品名:C66−10F)を、陰イオン交換膜として株式会社トクヤマ製の陰イオン交換膜(商品名:AMH)をそれぞれ用い、脱塩室のセルを11個並列に有する電気式脱塩装置を形成した。脱塩室においては、陽イオン交換膜に隣接して上記で得られた陽イオン交換不織布を、陰イオン交換膜に隣接して上記で得られた陰イオン交換不織布を充填し、更に、上記で得られた陽イオン伝導スペーサーを陽イオン交換不織布側に、陰イオン伝導スペーサーを陰イオン交換不織布側に、それぞれ1枚ずつ装填した。濃縮室内には、イオン伝導性を付与していない未処理のポリエチレン製斜交網を1枚装填した。電極室においては、陽極室に上記で得られた陽イオン伝導スペーサーを、陰極室に上記で得られた陰イオン伝導スペーサーをそれぞれ1枚装填した。
【0035】
この装置を用いて、フッ酸濃度が0.7〜0.8mg/lの溶液を、流量1m3/hrで2時間通水したところ、処理水(脱塩室出口水)の比抵抗は15MΩ・cm以上が確保された。また、電圧は280V以下、消費電力は150〜250W・hr/m3であった。通水試験の後に電極の腐食並びにイオン交換膜及びイオン交換体の劣化の状態を調べたが、実用上全く問題がなかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る電気式脱塩装置によれば、電極室への供給水として、塩イオン濃度及びフッ酸濃度が大きく低減された脱塩室からの処理水を用いているので、フッ酸による電極の腐食及び陽極室における遊離塩素発生に起因するイオン交換膜及びイオン交換体の劣化/損傷という問題を引き起こすことなく、フッ酸や各種塩を含む半導体デバイス製造工程などのウエット洗浄工程からの回収原水をそのまま処理して、各種イオン及びフッ酸が除去された洗浄工程に再利用可能な純水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気式脱塩装置の構成を示すブロック線図である。

Claims (2)

  1. 正負の両電極室間に、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を少なくとも一部交互に配列することによって脱塩室と濃縮室とが形成されており、少なくとも脱塩室及び電極室にはイオン交換体が充填されていて、電極間に通電しながら被処理水を脱塩室、或いは脱塩室及び濃縮室に供給することによって被処理水の脱塩処理を行う電気式脱塩装置であって、電極室への供給水として脱塩室からの処理水を使用し、電極室からの出口水を被処理水と混合して脱塩室、或いは脱塩室及び濃縮室に供給することを特徴とする電気式脱塩装置。
  2. 陽極室に陽イオン交換体が、陰極室に陰イオン交換体が充填されている請求項1に記載の電気式脱塩装置。
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