JPS6129674Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として分岐シユートなどに使用さ
れるバタフライバルブやロータリーダンパなど粉
粒体用の締切弁に関するものである。

従来、この種バタフライバルブの弁体は、一般
的に板体で、単なる可動弁であつた。それが為に
粉粒体の流れ、即ち排出が円滑でなく、閉塞現象
の発生や、流量の不均一化を生じ作業性の劣化と
排出に長時間を要するなどの欠点があつた。本考
案は、これらの欠点をなくすために、弁体上の粉
粒体に圧力空気を噴出せしめ、粉粒体を流動化、
浮動化して、圧密化や閉塞現象を未然に防止する
ようにしたものである。

以下、本考案の実施態様を図面に基づいて説明
する。先ず本考案の第１実施例として、粉粒体用
の締切弁を第１図乃至第３図に略示するバタフラ
イバルブに組込んだ実施例について述べると、１
はケーシング本体で、この本体１に貫設した弁棒
２には、截頭球殻状の空気室３を一側（第２図、
第３図では上方側）に膨出させた弁体４が固止さ
れており、上記弁棒２の回転に付随して弁体４が
回動し、ゲートの開閉を司る構成とされている。
そして弁棒２には前記空気室３に圧力空気を供給
する給気通路が形成されている。この給気通路の
好ましい一例は、弁棒２の軸方向に穿設した通気
路５とこれに連通しかつ直交する通気路６、この
通気路６は弁棒２と弁体４の内壁面との間に設け
た空間７に連通している。さらに空間７と前記空
気室３とは弁体４に設けた噴気孔８を介して連通
している。これらの通気路５，６と空間７及び噴
気孔８とをもつてこの実施例の給気通路が構成さ
れている。また通気路５の開口部は本体１の窪部
１ａと給気口９を有する閉塞板１０をもつて形成
される供給空気室１１に連通しており、圧力空気
が前記閉塞板１０の給気口９を介して供給空気室
１１に供給され、さらに前記給気通路を介して空
気室３に供給されるのである。なお、空気室３の
開口部３ａには供給された圧力空気を噴出せしめ
る通気層１４が具備されており、この通気層の好
ましい一例としては、空気室３の開口部３ａをカ
バーする通気層１４の上面層を例えば帆布などの
通気材１２にし、その下面層を例えば多孔板など
の通気材１３にするとよい。図中１５は空気室３
の内底面に設けた整風板で、空気室３の底面に開
設する噴気孔８の上方に適宜間隙を置いて取付け
られて、噴気孔８より噴出される圧力空気を分散
させ空気室３全体に均一に供給するのである。こ
の実施例においては、空気室３が粉粒体側になる
ようにして、粉粒体回路に適用すれば、弁体４上
の粉粒体に空気室３より噴出される圧力空気等を
あてることによつて、前記粉粒体を流動化、浮動
化させることができ、その排出を誠に円滑にする
ことが可能となり、圧密化や閉塞現象の発生を未
然に防止することができる。

次に、本考案の第２実施例として粉粒体用の締
切弁を第４図乃至第６図に略示するロータリーダ
ンパに組込んだ実施例について述べると、２０は
受入通路と排出通路を有するケーシングの本体
で、この本体２０に軸架したロータ軸２１には一
対のダンパ式の弁体２２，２２ａを有するロータ
２３が固着され、ロータ軸２１の回転に付随して
回動し、受入通路と排出通路とを連絡あるいは遮
断する。即ち第６図の如く、弁体２２，２２ａが
左右位置にあるときは、遮断され、逆に上下位置
にあるときはロータ２３の連絡通路をもつて連絡
され、粉粒体が排出されるのである。前記弁体２
２，２２ａには、ロータ２３の両側板２３ｂ，２
３ｃ間に差し渡した通路構成部材２３ｄと、ロー
タ２３と同周面上に位置する例えば帆布などより
なる通気材２４外面層及び例えば多孔板などより
なる通気材２５内層面よりなる部材とで形成され
る空気室２６を具備している。そして後述する給
気通路を介してこの空気室２６に供給された圧力
空気は、前記通気材２４，２５で構成される噴出
機構より噴出し粉粒体内に圧入される。２７はロ
ータの側板２３ｂ，２３ｃとこれと並設された仕
切板２７ａとで形成される仕切室で、この仕切室
２７は仕切板２７ａに穿設した噴気孔２８をもつ
て前記空気室２６と連通している。２９はロータ
軸２１の端面より軸方向に向つて穿孔した通気路
で、この通気路２９はこれと直交する通気路３０
を介して仕切室２７と連通している。これらの通
気路２９，３０と仕切室２７及び噴気孔２８をも
つて圧力空気の給気通路を形成し前述の如く空気
室２６に圧力空気を供給するのである。図中２０
ａは本体２０の窪部、３１は給気口３２を有する
閉塞板である。

本考案の作動状態を概説すると、弁体４，２２
若しくは２２ａ（以下弁体４，２２とする。）が
粉粒体回路を閉塞しているとき（例えば第６
図）、それぞれ給気通路を介して圧力空気を空気
室３，２６に供給し、ついで通気材１２，１３，
２４，２５でなる噴出機構より弁体４，２２上に
積層する粉粒体内に噴出せしめる。そして粉粒体
内に圧力空気を圧入し、これら粒子相互間に空気
層を設けて浮動化させる。これと同時若しくは数
分後に弁体４，２２を開放すれば、弁体４，２２
上あるいはこの近傍の粉粒体が流動化し、それぞ
れの排出口より確実に排出されるのである。ま
た、第４図乃至第６図のロータリーダンパの実施
例においては、本体とロータとの間に空気を供給
すれば、この間に潤滑空気層を生成し、ロータの
回転が円滑となるとともに、その操作トルクを軽
減できるし、この間への粉粒体の侵入をも防止す
ることができる。

なお第２実施例の締切弁を第７図に示すように
側シユートＳ，Ｓの下方に組込むことにより上記
と同様の作用、効果を挙げることができる。

本考案は以上詳述したように、弁体内に空気室
を設け、この空気室に給気通路を介して供給され
た圧力空気を、前記空気室に設けた噴出機構より
噴出せしめ、空気室の通気層を通じて弁体上の粉
粒体やその近傍のそれにこの空気を圧入する構成
としたので、粉粒体の流れが誠に円滑となり、圧
密化や閉塞現象を防止できる。また、内容物を確
実に排出することができ、例えば粉粒体輸送車内
にそれらが残留することがない。さらに粉粒体輸
送回路に組込めば、その流量の均一化が達成され
るなど実用上の効果を有する。

なお本考案においては、空気に限らずN₂ガス
など、不活性ガスを使用することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案をバタフライバルブに組込んだ
第１実施例を示す平面図、第２図は同上Ａ−Ａ断
面図、第３図は同上Ｂ−Ｂ断面図、第４図は本考
案をロータリーダンパに組込んだ第２実施例を示
す平面図、第５図は同上Ａ−Ａ断面図、第６図は
同上Ｂ−Ｂ断面図であり、さらに第７図は第２実
施例の締切弁の組込み状態の別例を示す中央断面
正面図である。 １……本体、２……弁棒、３……空気室、４…
…弁体、５，６……通気路、７……空間、８……
噴気孔、９……給気口、１０……閉塞板、１１…
…供給空気室、１２，１３……通気材、２０……
本体、２１……ロータ軸、２２，２２ａ……弁
体、２３……ロータ、２３ｂ，２３ｃ……側板、
２４，２５……通気材、２６……空気室、２７ａ
……仕切板、２７……仕切室、２８……噴気孔、
２９，３０……通気路、３１……閉塞板、３２…
…給気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体には弁体と、この弁体の一面に開口部をも
   つ空気室と、この空気室に圧力空気等を供給する
   給気通路とを備えるとともに、この給気通路を通
   じて供給される圧力空気等を弁体外へ噴出せしめ
   る通気層を前記空気室の開口部に設けたことを特
   徴とする粉粒体用の締切弁。