JPS6129635B2

JPS6129635B2 -

Info

Publication number: JPS6129635B2
Application number: JP55171418A
Authority: JP
Inventors: Tokiro Matsumoto; Toshiaki Arakawa; Tsunehiko Toyoda
Original assignee: Dai Nippon Toryo KK
Current assignee: Dai Nippon Toryo KK
Priority date: 1980-12-04
Filing date: 1980-12-04
Publication date: 1986-07-08
Also published as: JPS5796066A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、視認性に優れるとともに、貯蔵安定
性や噴射安定性の優れたジエツト印刷用白色イン
ク組成物に関する。近年、ジエツト印刷用プリンターは、被印刷面
の形状に影響されずに高速でしかも静音性の優れ
たノンインパクト方式であるため、数多くの方式
が開発されている。例えば、インク液滴発生方法
から分類すると、電気的パルス信号によつて否を
生ずるピエゾ素子により、インク室に急激な体積
変化を与えて必要なインク液滴のみをノズルから
発生させるインク・オン・デマンド方式；インク
に微圧をかけ、ノズル先端より静電誘引にてイン
ク液適を発生させる静電誘引方式；ノズル先端よ
り静電誘引によりインク液滴を発生させる際、イ
ンクに高周波数の超音波を加える方式；インクを
圧送しノズル近傍でインクに高周波数の超音波振
動を加えることによりインク液滴を発生させる方
式等の数多くのインク液滴発生方式が開発されて
いる。次に、上記のようにして通常数ミクロンから数
ミリの口径のノズルから発生した前記インク液滴
の付着方法から分類すると、 () 該液滴をそのまま空間を飛行せしめ、被印
刷面に付着させる方法、 () 電何を帯びたインク液滴が電界中を飛行
し、その電界により必要な偏向を受けて所定の
被印刷位置に付着する電界制御方式や、発生し
たインク液滴に対しパルス電圧により所定の偏
向量に応じた電荷を付与し、電界中を飛行する
帯電インク液滴を電荷量に応じて偏向せしめ被
印刷面の所定位置に付着させる荷電変調方式等
のインク液滴を電気的に制御し付着させる方法に大別される。これらのジツト印刷用プリンターに使用される
インクとしては従来水性あるいは油性等種々のも
のが開発されている。一般に該インクは極めて低
粘度であることが要求されるため、その着色剤と
しては沈殿防止の観点からインク溶媒に可溶な染
料が主として使用されている。その他に、かかる
着色剤として比較的比重の軽いカーボンブラツク
顔料が単独または染料と組合せて使用されてい
る。ところで、最近は明度の低い素材に対する視認
性の優れた白色インクへの要望が高まつて来てい
る。一般には白色の着色剤として酸化チタン、亜
鉛華、鉛白等の無機顔料が知られており、プロセ
スインク等に使用されている。しかして、これら
の白色無機顔料は比重が極めて大きいため、低粘
度の液中では沈降し易く、容器底部で固形物を生
じるので、ジエツト印刷用インクには使用困難で
あつた。そこでジエツト印刷による白色仕上げとして、
酸化チタンと発泡剤を含有するインクを熱間にジ
エツト印刷することにより、熱で発泡剤を分解発
泡せしめ印刷部を白化するカルバーフイルムタイ
プの仕上げ方法（特開昭54―28137号）が提案さ
れているが、該方法に使用されるインクは沈殿物
を生じ易いため実用的ではないという欠点があつ
た。本発明は、前記の如く従来技術の欠点を解消す
ることを目的とするもので、噴射特性を損うこと
がなく、貯蔵安定性が優れるとともに、明度の低
い素材に対して視認性の高に印字が可能なジエツ
ト印刷用白色インク組成物を提供する。即ち、本発明は、 (イ) 水溶性樹脂（固形分）…２〜10重量％、 (ロ) 水可溶性溶剤…10〜80重量％、 (ハ) 前記水可溶性溶剤および水不溶性で、かつ皮
膜非形成性で、粒子径が0.3〜1.0μおよび屈折
率が1.4〜1.6の比較的粒子径の揃つた樹脂粒子
（固形分） …５〜20重量％、および (ニ) 水より成り、前記樹脂粒子／水溶性樹脂＝２
〜６（固形分重量比）であるジエツト印刷用白
色インク組成物に係る。本発明に使用される水溶性樹脂はインクバイン
ダーとして作用し、インク中の水および水可溶性
溶剤に可溶で、しかも印字後乾燥固化するもので
あれば如何なるものであつてもよい。代表的な水
溶性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、スチレ
ン―無水マレイン酸樹脂、マレイン化油、マレイ
ン化ポリブタジエン、マレイン化アルキド樹脂、
マレイン化石油樹脂、マレイン化ロジンエステ
ル、ポリビニルピロリドン等の樹脂を水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、
アミン類等の塩基性化合物により造塩し、水可溶
化したものが挙げられる。該水溶性樹脂は、白色
インク組成物中２〜10重量％の範囲で使用され
る。この範囲はインクのバインダーとしての役割
り、および粘度の観点から定められたものであ
る。また、本発明のインク組成物には水可溶性溶剤
が使用される。該溶剤としては、水溶性樹脂の溶
解性や、樹脂粒子の分散安定性を損わず、しかも
ジエツト印刷用インクとしての特性を損わないも
のであればいずれも使用可能である。しかして、インクの乾燥性を促進するという効
果を付与し、印字時にハジキを生じ易い水性イン
クのハジキを防止し、きれないドツト印刷を行う
ための炭素数１〜３の低級脂肪族アルコールと、
適度の揮発性を有しプリンター運転中の溶剤揮散
による乾燥からノズルを保護すると同時に、使用
する水溶性樹脂の溶解性を向上させるためのグリ
コールエーテル系溶剤とを併用して使用すること
が好ましい。前記炭素数１〜３の低級脂肪族アルコールとし
てはメタノール、エタノール、ｎ―プロパノー
ル、iso―プロパノールが挙げられる。また、前
記グリコールエーテル系溶剤としては、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等
が挙げられる。これらの溶剤は１種もしくは２種
以上の混合物として使用される。本発明のインク
中における前記水可溶性溶剤の使用量は10〜80重
量％である。この範囲はインクの粘性、乾燥性、
付着性、および各成分の溶解性の観点から定めら
れたものである。前記溶剤として炭素数１〜３の低級脂肪族アル
コールとグリコールエーテル系溶剤との混合物を
用いる場合は、炭素数１〜３の低級脂肪族アルコ
ール１重量部に対してグリコールエーテル系溶剤
0.2〜20重量部の割合で混合して用いることが好
ましい。さらに、本発明の白色インク組成物には樹脂粒
子が必須成分として使用される。該樹脂粒子とは、前記水可溶性溶剤および水に
不溶でかつ皮膜非形成性であり、粒子径が0.3〜
1.0μで屈折率が1.4〜1.6の範囲にあつて比較的粒
子径の揃つた樹脂粒子であり、一般的にプラスチ
ツクピグメントと呼ばれるものである。前記樹脂粒子としては、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ベンゾグ
アナミン樹脂、エポキシ樹脂、あるいはα，β―
モノエチレン性不飽和単量体をエマルジヨン重合
して得られたもの等が挙げられる。本発明における樹脂粒子は、その屈折率と粒子
径により光を拡散し、白色に見えるものでなけれ
ばならず、従つて前記樹脂粒子の粒子径は0.3〜
1.0μでかつ屈折率は1.4〜1.6の範囲内になければ
ならない。しかして、各樹脂粒子の最高光拡散値（最も白
く見える範囲）と粒子径は密接に関連する。例え
ば、ポリスチレン粒子の最高光拡散値を示す粒子
径範囲は0.4〜0.6μであり、同様ポリメチルメタ
クリレート粒子は0.6〜0.9μ、ポリ塩化ビニル粒
子は0.5〜0.7μである。本発明のインク組成物中における前記樹脂粒子
の含有量は５〜20重量％の範囲である。更に、本発明のインク組成物においては、印字
の白色度合の観点から、前記樹脂粒子と、バイン
ダーとして使用される水溶性樹脂の比率が重要で
あり、樹脂粒子／水溶性樹脂の固形分重量比は２
〜６の範囲にあることが必須である。前記固形分重量比が２より小さくなる（水溶性
樹脂分が多くなる）と、白色度が低下し、従つて
視認性が悪くなり、逆に重量比が６より大きくな
ると、バインダーとしての樹脂分が少なくなるた
め印刷面が脆くなると同時にインクの付着力が弱
くなり実用的でなくなる。本発明のジエツト印刷用白色インク組成物は上
記各成分の他に溶媒としての水を含有する。本発明においては前記の各必須成分以外に必要
により、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸ナ
トリウム等の導電性付与剤、アンモニア水、アミ
ン等のPH調整剤、その他界面活性剤等の各種添加
剤の添加、および染料、微粒子顔料等の併用も可
能である。本発明のジエツト印刷用白色インク組成物は前
記各成分を撹拌、混合し、使用されるジエツトプ
リンターのノズル径に対して1/10以下のポアーサ
イズを有するフイルターにてロ過、精製すること
により得られる。かくして得られたインク組成物は、噴射特性が
優れるとともに貯蔵安定性も良好でしかも印字の
白色視認性が非常に優れたものとなる。以下に本発明の詳細を実施例により説明する。
尚、「部」または「％」は「重量部」または「重
量％」を示す。実施例１〜３および比較例１〜３第１表に示した配合物を均一に撹拌、混合した
後、ポアーサイズ５μのフイルターにてロ過、精
製した。ついで荷電変調型インクジエツトプリン
ターを用いて、各インクの噴射状態、インク液滴
粒子生成状態、インク液滴粒子の帯電状態、偏向
状態等の印字テストを実施し、噴射特性を調べた
結果を第２表に示した。（印字の目視判定）また、前記各インクを室温で３ケ月静置保存
し、インクの貯蔵安定性を調べるとともに、保存
後のインクの噴射特性も調べた。さらに明度の高
い素材としてアルミニウム板を用い、白色視認性
（目視）および該素材に対する付着性を調べた。
これらの結果をあわせて第２表に示した。

【表】

【表】実施例４〜６第３表に示した配合物を均一に撹拌後、前記実
施例と同様に処理し、特性を調べその結果を第４
表に示した。

【表】

【表】前記第２表及び第４表の比較試験結果より明ら
かに、本発明のジエツト印刷用白色インク組成物
は、製造直後の噴射特性、室温３ケ月の保存性、
保存後のインクの噴射特性、白色視認性およびア
ルミニウム板への付着性のいずれも極めて良好で
あつた。これに対し、白色顔料として酸化チタンを用い
た比較例３のインクは室温で３ケ月保存するとイ
ンク上層部が透明となり、顔料は容器底部で再分
散不能の固い沈殿物となつた。該インクは噴射時
にノズル手前に設置してあるフイルターの目詰り
が生じた。さらに本発明の範囲外の樹脂粒子を用いた比較
例１および２においては、樹脂粒子／水溶性樹脂
（固形分重量比）＝1.0の場合、白色度が低くて視
認性の悪いものであり、逆に樹脂粒子／水溶性樹
脂（固形分重量比）＝7.0の場合、白色視認性は良
好であつたが、乾燥後印刷面を指でこするとイン
クが脱落して実用に耐えないものであつた。

Claims

【特許請求の範囲】１ (イ) 水溶性樹脂（固形分）…２〜10重量％、 (ロ) 水可溶性溶剤…10〜80重量％、 (ハ) 前記水可溶性溶剤および水不溶性でかつ皮膜非形成性で、粒子径が0.3〜1.0 μおよび屈折率が1.4〜 1.6の比較的粒子径の揃つた樹脂粒子（固形分）…５〜20重量％、および (ニ) 水より成り、前記樹脂粒子／水溶性樹脂＝２〜６
（固形分重量比）であるジエツト印刷用白色イン
ク組成物。２前記水可溶性溶剤は、炭素数１〜３の低級脂
肪族アルコールとグリコールエーテル系溶剤の混
合物である特許請求の範囲第１項記載のジエツト
印刷用白色インク組成物。