JPS6129506B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子写真複写機におけるシート分離装
置に関するものである。

電子写真複写機において、ドラム周面に形成さ
れたトナー像をドラム周面に圧接するシートに転
写させたのち、シートをドラム周面から分離させ
る必要があり、第１図は従来の分離方法の一例を
示していて、第１図ａに示すようにドラム１の周
面に圧接されたシート２の先端部が分離爪３の近
傍に来ると、作動軸が下降し、分離爪３が軸５の
周りに矢印方向に回転して、その先端部がドラム
周面に圧接してシート２の分離を行つている。第
１図ｂにおける分離爪３は、ピン６と分離爪３の
突起３ａに各端部を係止されたばね７の弾力によ
つて時計方向への回動習性が与えられていて平生
は鎖線で示す位置に保持されている。シート２の
先端部が分離爪３に接近してくると、ドラム１と
共に常時回転している作動ピン７によつて突起３
ａが蹴飛ばされて、分離爪３は実線で示す位置に
移動してシート２をドラム１から分離している。
上記の従来の分離装置においては、複数の分離爪
３は軸５にそれぞれ固着されていて互に一本とな
つてドラム面に対して作動しているので、組立時
において、各爪の先端部の整列度を精度よく調整
しなければならず、また先端部が不揃いである
と、分離作用に支障を来たすことがある。さら
に、各分離爪３は、軸５の回動によりドラム周面
に対しリジツドに作動するために、分離爪３の作
動ストロークが大きすぎたり、あるいは爪端部に
負荷が加わつたりすると分離爪３がドラム周面の
感光体を損傷させる惧れがある。第２図はフイル
ム状の感光体８をドラム１の周面に巻きつけた複
写機の一部を示していて、感光体８の先端部は、
基部を軸９によつてドラムに枢着された押さえ部
材１１によつて押圧されて、また先端部はクラン
プ部材１２によつてドラム１の凹部に押圧されて
いる。このように複写機においては、第２図に示
すように転写紙を感光体クランプ部まで先行させ
ておいて、画像形成に寄与する部分の感光体８
が、分離爪３によつて損傷されるのを防止する必
要がある。このとき、分離爪３の先端部が鋭利に
なつていると、クランプ部の傾斜面に分離爪３の
先端部が入つた場合において、分離爪３は矢印１
３で示すように軸５の方向に向けて、分離爪３が
破損する惧れがある。

本発明の目的は、シートの分離性能を向上させ
ると共に分離爪および感光体の破損を防止した分
離装置の提供にあり、さらにシート分離装置にお
けるドラム上の残存トナーが飛散するのを防止し
た分離装置を提供することにある。

以下、図示の実施例によつて本発明を説明す
る。

第３図は本装置を用いた複写機の一例を示して
いて、矢印方向に回転するドラム１の感光体８
（第４図参照）は、帯電装置１４、露光装置１
５、現像装置１６によつてそれぞれ帯電、露光、
現像が行われて感光体８にはトナー像が形成さ
れ、給紙台１７から送出されるシート２（第４図
参照）には転写装置１９によつて上記のトナー像
が転写される。転写を終えたシート２は、分離装
置２１によつてドラム１から分離されたのち搬送
ベルト２２によつて定着装置２３へ搬送されさら
に機外に排出される。また、転写を終えた感光体
８は、除電装置２４によつて除電されて残存トナ
ーが除去される。

第４図および第５図は、シート分離装置の実施
例を示していて、複数の分離爪４１（第５図では
便宜上、複数のうちの１つを示す）は、フオーク
状に形成され、軸５に回転自在に装着されてい
る。そしてこの分離爪４１の先端フオーク内に
は、分離後のシート２をガイドする拍車２７が軸
２８によつて枢着されている。

上述した軸５は、その一端部を図示しない側板
に固着された軸受２５に支持され、他端は側板に
固着された切欠部を有する軸受２６に着脱自在に
支持されている。

そして軸５の一端部には、作動レバー３４の基
部が固着されていて、一端を同レバー３４に、他
端を不動部材にそれぞれ係止された緊縮性のばね
３５の弾力によつて矢印３６方向への回動習性が
与えられており、作動レバー３４の自由端に固着
されたピン３７は、上記の回動習性によつて、ド
ラム１に固着されたカム３８の周面に圧接してい
る。

また、軸５には、制御部材４２が固着されてお
り、この制御部材４２は、第６図に示すように、
分離爪４１のドラム側と反対側に対向する面に切
欠４２ａを形成され、この切欠４２ａ内に分離爪
４１の上部が配置されて同分離爪４１の横方向へ
の位置決め作用を与えている。

従来の分離爪の位置決めは、Ｅリングによつて
なされていたが、Ｅリングを用いると分離爪４１
が取付難いとともに、部品コストが上昇する欠点
があり、制御部材４２を兼用して分離爪４１を制
御することによつて上記の欠点が解消されてい
る。

そしてこの制御部材４２の切欠４２ａと分離爪
４１との間にはばね３１が掛けられ、分離爪４１
はこのばね３１の弾力によつて側縁４１ａ（第４
図参照）がドラム周面に近ずく向きの回動習性を
与えられている。

この習性により、回動しようとする分離爪４１
は、軸５に固着されている制御部材４２の下端部
４２ｂに側縁４１ａを圧接させることによつて衝
止され、制御部材４２の回動に追随して回動でき
るようになつており、平生は、側縁４１ａがドラ
ム周面から離隔した位置におかれている。

そしてこの制御部材４２のドラム周面側、つま
り、分離爪４１の側縁４１ａに対向する面は、分
離爪４１によるシート分離位置２１（第３図参
照）から除電部２４までの間のドラム周面を覆う
ように配置されている。

この制御部材４２によつて覆われるドラム周面
の位置は、シート２に対するトナー像の転写およ
びシート２の分離作用を終えてドラム面上に残つ
た残留トナー、詳しくは、不安定な状態にあつて
搬送ベルト２２（第３図参照）近傍でフアン４３
によつて生じるシート分離部近傍での空気の流れ
に乗じて空気中に飛散し易い状態の残留トナーが
存在する位置であり、この位置でトナーが飛散す
ると例えば搬送ベルト２２に溜つて、搬送性能の
低下およびシート２の裏汚れを生じたりあるいは
残留トナーが機外に排出される等の悪影響があ
る。

しかして制御部材４２は、ドラム周面を覆うこ
とによつて、残留トナーの飛散を抑え、例えば、
搬送ベルト２２側への付着を抑えるようになつて
いる。

前述した分離爪４１は、ドラム１の矢印方向へ
の回転によつて、シート２の先端が分離爪４１の
近傍に来ると、ドラム１と回動するカム３８の突
起３８ａがピン３７を押上げて作動レバー３４を
矢印３６と反対の向きへ回動させ、軸５を第４図
において反時計方向に回動させる。この結果、制
御部材４２は、これに分離爪４１が追随して反時
計方向に回動し、その先端部がドラム周面に圧接
してシート２をドラム周面から分離する。分離爪
４１のドラム周面に圧接する動作は、上記ピン３
７がカム３８の突起３８ａに乗つている短い間だ
け、すなわち、シート２の先端部のみを剥離させ
る間だけであつて、その後はドラム周面から退避
しており、このような動作は、ドラム１が一回転
してシート２が一枚ずつ給紙される毎に行われ
る。

このようにして、各分離爪４１がばね３１によ
つてそれぞれ独立してドラム周面に対して押圧さ
れているので、ドラム周面に対する分離爪の追随
がそれぞれ独立して可能になり、分離爪先端の不
揃いによるシートの分離不良を排除することがで
きると共に、分離爪４１の作動ストロークのばら
つきも吸収できて安定したシート分離作用を行う
ことができる。本実施例においては、分離爪４１
の先端部に、ドラム周面に沿うような幅が形成さ
れているので、分離爪４１に負荷がかかつた場合
に、負荷は軸５と中心とした回転方向に加わつて
分離爪４１は回動してドラム周面から逃げること
が可能となつて分離爪４１の破損を防ぐことがで
きる。

本発明によれば、複数の分離爪をそれぞれ独立
して回動し得るようにしてばねによつてドラム周
面に圧接させるので、分離爪先端部の不揃いによ
るシート分離不良を解消することができ、また分
離爪の先端部にドラム周面面に沿う幅を設けて、
分離爪に負荷が加わつた場合に分離爪の破損を防
ぐことができる。さらに本発明によれば、分離爪
を制御する制御部材によつて同爪の位置規制なら
びに残留トナーの飛散防止作用を兼用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の分離装置の一例を
それぞれ示す平面図、第３図は本発明の分離装置
が用いられる複写機の平面図、第４図は本発明の
実施例を示すシート分離装置の正面図、第５図は
同上斜視図、第６図は本発明の実施例の要部斜視
図である。 １……感光体ドラム、２……転写シート、５…
…回動軸、３１……ばね、３４，３８……制御部
材作動手段、４１……分離爪、４２……制御部
材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写
   シートに転写する形式の電子写真複写機におい
   て、 上記感光体ドラムと並行した軸にそれぞれ独立
   して回転自在に支持された複数個の分離爪と、 上記分離爪が感光体ドラムに接触する向きの回
   動習性を上記各分離爪に与えるばねと、 上記感光体ドラムと並行した回動軸に基部が固
   定されていて、上記分離爪のその先端を除く部分
   と感光体ドラムとの間で上記感光体の周面を覆う
   ように横たわる板状の部材であつて、非分離時
   に、上記分離爪の一部が上記ばねの弾力によつて
   当接することにより、該分離爪が上記感光体ドラ
   ムに接触するのを阻止する制御部材と、 転写シートが上記感光体ドラムの回転に伴つて
   上記分離爪が近づいたとき、上記回動軸を上記制
   御部材が上記分離爪から桃げる向きに回動させ、
   該分離爪を上記ばねの弾力によつて感光体ドラム
   に接触させる制御部材作動手段とからなるシート
   分離装置。