JPS6129419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は固定刃の刃先部に対する可動刃の刃
先部の密着性の向上を図つた往復動電気かみそり
に関するもので、特に往復動力が平板状可動刃に
及ぼす波状変形による刃先部の部分的刃浮き現象
を減少するための構造を提供することを目的とす
る。

近年、この種電気かみそりでは携帯性、操作性
を考慮して小型、薄型化する傾向にある。特に婦
人用のうぶ毛剃りのようなものでは、収納し易
く、握り易いように全体形状を棒状とする必要
上、従来のもののような、可動刃の往復動力伝達
部が可動刃の中央位置でしかそ下側に位置するも
のでは、固定刃、可動刃、伝達部が積み重ね状と
なつて嵩高となる構造では大型となつて不適な使
い辛いものとならざる得なかつた。

そこで上記伝達部を、可動刃の往復動方向に対
して並列配置し薄型化するものが考えられるが、
この場合には、固定刃に対する可動刃圧接力方向
と往復動力伝達方向とが直交することになり、可
動刃が伝達部配設位置と反対方向に押されるよう
に駆動される場合には、可動刃に、波状変形によ
る刃先部の部分的な刃浮き現象が発生して密着性
が低下し、切断効率が阻害される不都合が生じる
ことになる。

この考案は、このような事情を考慮して成され
たもので、ほぼ平板状可動刃の往復動方向側縁に
くし状刃先部を形成し、この可動刃の往復動方向
に一端側に連結部を介して往復動力伝達部を並列
的に形成し、かつ上記可動刃の刃先部を固定刃の
刃先部に圧接するとともに、上記連結部に圧接方
向への可撓性を付与せしめることによつて、可動
刃の往路と復路の、特に往路の急激な駆動力によ
る可動刃の変形を防止したものである。

以下この考案の実施例を図面により説明する。

第１図は眉毛剃り専用の往復動動電気かみそり
を示し、同図において、１は合成樹脂製の本体ケ
ースで、筒形の握り部２とこの握り部２の先端に
装着された偏平状の刃体収納部３とからなり、上
記握り部２内には、電源電池４、この電池４で駆
動されるモータ５およびモータ５の回転力を直線
往復運動に変換する機構６（第２図）などが収納
され、また上記刃体収納部３には、後述する眉毛
のきわ剃り用の刃ブロツクが装備されている。７
はモータ５の電源スイツチ（図示せず）の操作つ
まみである。

上記往復運動変換機構６は、第２図に示すよう
に上記ータ５の回転軸８に連結された原動歯車
９、歯車ホルダ１０に回転自在に保持されて上記
原動歯車９に噛合された従動歯車１１、従動歯車
１１に一体に形成された偏心カム部１２およびレ
バー１３などからなり、レバー１３の一端に形成
されたカム受部１４に上記カム部１２が嵌合され
ている。

１５，１６はきわ剃り用刃ブロツク１７を構成
するほぼ平板状の可動および固定刃で、それぞれ
第３図および第４図に示すようにその側縁に刃先
線が弧状の刃先部１８，１９を有し、これら、刃
先部１８，１９は上記刃体収納ケス３の両側に露
出して設定されている。可動刃１５は、0.1mm程
度の比較的薄い、板ばね機能を有する網板から型
取りされたもので、上記往復動方向（矢印ａ方
向）と直交する方向（矢印ｂ方向）の中央志承部
１５ａでへの字状に折曲形成されている。上記刃
先部１８の近傍位置には、上記往復動方向に沿つ
て方形状の多数の透孔２０が遂列状に配列されて
おり、これら多数の透孔２０で弾性節目帯２１を
構成している。上記透孔２０各間におけるリブ部
２２（第５図）の巾Ｗは、上記往復動方向の中央
に位置するものW₁よりも両端に位置するものＷ_o
がより巾広に形成してあり、これにより、上記弾
性節目帯２１の弾性力が中央簿部２１ａから両端
部２１ｂに至るほど漸次増大するように設定され
ている。上記可動刃１３は固定刃１６に対して上
記折曲線１５ａに沿つて配設された当て板２３に
より押圧されて僅かに弾性変形した状態で密着さ
れており、この密着状態では、上記弾性節目帯２
１から刃先まで弾性的に腰折れされて固定刃１６
の刃先部１９に当接している。

２４は上記可動刃１５の往復動方向ａの一端側
に連結部２６を介して形成された往復動力伝達部
で、この伝達部２４に上記レバー１３の他端の係
合突部２５が係止されており、偏心カム部１２の
回転力が上記レバー１３を介して往復直線運動と
して上記可動刃１５に伝達されるようになつてい
る。

このようにほぼ平板状可動刃１５と往復動方向
ａに並列的に往復動力伝達部２４を構成した場合
には、次のような問題がある。

往復動する可動刃は、往路と復路の各路端で一
度静止した後反転駆動される。このため各路端で
は静止摩擦力が作用し、その後反転駆動力が作用
して動摩擦力が作用する。

この静止摩擦力から動摩擦力に移行する際に
は、上記反転のための駆動力は、レバー１３が定
速で作動することと相まつてほぼ平板状の可動刃
１５を波状に撓ませるように作用し、これによつ
て部分的な、特に連結部２６に近い位置に刃浮き
現象が生じ易く、切断効率が低下する。

そこでこの考案ではこの連結部２６に可動刃１
５の圧接方向への可撓性を持たせることにより、
反転のための駆動力が可動刃１５に急激に加わる
のを防止するようにしたものである。

このために上記実施例では、連結部２６に透孔
２７を形成したものである。

したがつて、このものによれば伝達部２４に加
わる往復動力は、連結部２６により緩やかに伝達
されるようになり、これにより刃浮き現象は防止
される。

また上記実施例では、レバー１３の係合突部２
５が伝達部２４の孔に可動刃１５側から固定刃１
６側へ向けて挿入係止されているため、この挿入
力が可動刃１５を必要以上に撓ませようとする
が、上記連結部２６の可撓性により変形吸収さ
れ、可動刃１５に直接影響するのを抑制すること
もできる。

さらに第２図から明らかなように可動刃１５の
面方向に対してレバー１３の延設方向が交差する
ように配置されてたいるため、往復動力は可動刃
１５を固定刃１６側へ押さえ付けたり、引き上げ
たりするよな変形力としても作用しよとするが、
連結部２６の可撓性により緩和されるものであ
る。

なお可動刃１５自体に透孔２０を設けて可撓性
を持たせることにより、前記連結部２６の効果は
より発揮されるものであり、上記実施例では、弾
性節目帯２１の弾力分布を上記方形状の透孔２０
各間におけるリブ部２２の巾を変える手段に委ね
たものであるが、第６図のように上記リブ部２２
の長さＴを変える手段、あるいは第７図のように
上記リブ部２２の隣接するもの同士のピツチ間隔
Ｐを変える手段に依存してもよい。

以上のように、この考案によれば、ほぼ平板状
可動刃１５の往復動方向ａ側縁にくし状刃先部１
８を形成し、この可動刃１５の往復動方向ａの一
端側に連結部２６を介して往復動力伝達部２４を
並列的に形成し、かつ上記可動刃１５の刃先部１
８を固定刃１６の刃先部１９に圧接するととも
に、上記連結部２６に圧接方向への可撓性を付与
せしめたので、可動刃１５の部分的な刃浮き現象
が防止でき、上可動刃１５の部分的な刃浮き現象
が防止でき、上記可動刃の刃先部を全長にわたつ
て均等的な圧着力で固定刃の刃先部に確実に密着
させることができ、剪断効果の向上を図り得る往
復動電気かみそりを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る往復動電気かみそりを
適用した眉毛剃り専用の往復動電気かみそりの一
例を示す外観図、第２図は同電気かみそりの部分
断面図、第３図および第４図はそれぞれ眉毛剃り
用の刃ブロツクを示す分解斜視図および横断面
図、第５図は同刃ブロツクにおける可動刃の要部
の概略平面図、第６図および第７図は同要部の他
の異なる変形構造を示す概略平面図である。 １５……可動刃、１６……固定刃、１８，１９
……刃先部、２４……伝達部、２６……連結部、
ａ……往復動方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ平板状可動刃１５の往復動方向ａ側縁にく
   し状刃先部１８を成形し、この可動刃１５の往復
   動方向ａの一端側に連結部２６を介して往復動力
   伝達部２４を並列的に形成し、かつ上記可動刃１
   ５の刃先部１８を固定刃１６の刃先部１９に圧接
   するとともに、上記連結部２６に圧接方向への可
   撓性を付与せしめてなる往復動電気かみそり。