JPS6128903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、マニユアルトランスミツシヨンの
ダイキヤスト製トランスミツシヨンケースに関す
るものである。

マニユアルトランスミツシヨンはその形式によ
り、リバースアイドラギヤシヤフトのフロント端
部を支持するためのボスをトランスミツシヨンケ
ースの内部に形成する必要がある。そして一般に
はリバースアイドラギヤシヤフトの配置に関連し
て上記のボスはカウンタドライブギヤの外径より
も内方へ突出した位置関係となる。

このような形状のトランスミツシヨンケースを
ダイキヤスト成型する場合、上記のボスが型の抜
きとり方向に対して直交方向へ突出しているた
め、このボスはケース成型後に組みつけるという
手段が採られている。この結果、ボスを後で取付
ける個所の加工ならびに取付け専用部品が必要と
なり、またボスに形成されるリバースアイドラギ
ヤシヤフトの孔はトランスミツシヨンケースとは
別個に加工されるため、ボスを組みつけた状態で
の精度が確保しにくくなる。

このような従来の事情にかんがみて、この考案
はリバースアイドラギヤシヤフトを支持するため
のボスをトランスミツシヨンケースと一体にダイ
キヤスト成型することができ、もつてリバースア
イドラギヤシヤフトを受ける孔の精度を高めると
ともに、コストを大幅に低減し得る構成の提供を
その目的とするものである。

以下、この考案の構成を図面で示す実施例に従
つて説明する。

マニユアルトランスミツシヨンの内部を表した
第１図において、トランスミツシヨンケース１は
ダイキヤスト製で、図面右側（リヤ側）は開放さ
れ、その反対側（フロント側）はフロント壁２で
閉塞された構造となつている。リヤ側の開放部に
は、ケース１とは別体のインタミーデイトプレー
ト３が固定されている。このケース１の内部には
カウンタギヤ４が組み込まれており、このカウン
タギヤ４の両端のシヤフト部は上記のフロント壁
２およびインタミーデイトプレート３に対し、そ
れぞれベアリング５，５を通じて回転自在に支持
されている。

さらに、上記ケース１の内部にはリバースアイ
ドラギヤシヤフト６が前記カウンタギヤ４の軸線
と平行に組み込まれている。このシヤフト６のフ
ロント端部はケース１内に形成されたボス７の中
心孔７ａに支持され、リヤ端部はインタミーデイ
トプレート３の孔８に支持されている。そして、
このシヤフト６は、インタミーデイトプレート３
にボルト１０で固定されたシヤフトストパー９に
より、軸方向ならびに回転方向の固定がなされて
いる。

また、シヤフト６の軸上にはリバースアイドラ
ギヤ１１が、第１図の実線で示すニユートラル位
置から仮想線で示すリバースシフト位置へスライ
ド可能に支持されている。そして、このリバース
シフト位置においてリバースアイドラギヤ１１は
カウンタリバースギヤ４ｂとかみ合い、もつてリ
バースのシフトが得られる。

さて、上記リバースアイドラギヤシヤフト６の
配設位置はその強度やトランスミツシヨンの大き
さによつて決定される。この結果、シヤフト６の
フロント端部を支持している上記のボス７は、通
常はカウンタドライブギヤ４ａの外径よりもさら
に内方へ突出した構造となる。すなわち、ボス７
のフロント側にはカウンタドライブギヤ４ａが位
置する空間１２が構成されることとなる。従つ
て、このトランスミツシヨンケース１をダイキヤ
スト成型とする場合、ケースの中型には上記の空
間１２に対応する突起が出じ、そのままでは成型
が不可能となる。

そこで、この実施例によるトランスミツシヨン
ケース１のダイキヤスト成型を主として第２図に
よつて説明する。まず、ケース１の内周面を成型
する中型Ａは前記ボス７の個所から前記の空間１
２を避けてそのままフラツトに形成されている。
従つてこの中型Ａは、ケース１のリヤ開放部側、
つまり第２図の矢印ａ方向へスライドさせて型抜
きすることが可能である。一方、ケース１のフロ
ント外側を成型するための外型Ｂは、その一部
B′を前記の空間１２の部位まで延長させ、その型
抜きは第２図の矢印ｂ方向へのスライドによつて
行う。

上記の型Ａ，Ｂを用いることにより、ボス７の
フロント側にカウンタドライブギヤ４ａが位置す
る空間１２をもつているトランスミツシヨンケー
ス１であつても、これをダイキヤスト成型するこ
とが可能となる。なお、ケース１のフロント壁２
には、上記外型Ｂの延長部B′を抜取るための開口
１３が生じる。しかし、この開口１３はトランス
ミツシヨンの組みつけ完了時においてフロント壁
２の外側に固定されるフロントベアリングリテー
ナ１４でおおわれている。従つて、開口１３の断
面形状、すなわち外型Ｂにおける延長部B′の断面
形状を任意の形状に設定でき、また開口１３をお
おうための専用部品も不要となる。

以上のようにこの考案は、トランスミツシヨン
ケースの内部でリバースアイドラギヤシヤフトの
一端を支持するためのボスが、カウンタドライブ
ギヤの外径よりも内方へ突出した形式であつて
も、このトランスミツシヨンケースをダイキヤス
ト成型によつて一体につくることができ、もつて
上記のボスをケース成型後に取りつける作業やそ
の前処理加工等が不要となつてコストの大幅な低
減を図ることができる。また、ケースとボスとの
一体化により、リバースアイドラギヤシヤフトを
支持するボスの中心孔の加工精度が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はトラ
ンスミツシヨンの内部を表した断面図、第２図は
トランスミツシヨンケースとこれを成型するダイ
キヤスト型との関係を表した断面図である。 ４……カウンタギヤ、４ａ……カウンタドライ
ブギヤ、６……リバースアイドラギヤシヤフト、
７……ボス、１２……空間、１３……開口、１４
……フロントベアリングリテーナ、Ａ，Ｂ……
型、B′……延長部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リバースアイドラギヤシヤフトを支持するため
   のボスがカウンタドライブギヤの外径よりも内方
   へ突出した形式で、かつ型をフロント側とリヤ側
   その各方向へ抜きとることで成型されるダイキヤ
   スト製のトランスミツシヨンケースであつて、前
   記のボスよりもフロント側でカウンタドライブギ
   ヤが位置する空間を、フロント側の型の一部を延
   長することで成型するとともに、この延長した型
   を抜きとるためのフロント壁の開口を、フロント
   ベアリングリテーナでおおつたことを特徴とする
   トランスミツシヨンケース。