JPS6128749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は開、閉蓋が容易で直接取出しに適し、
使用中堆積状態を良好に保持できる角砂糖用紙箱
に関する。

六面体状に堆積した状態で４フラツプシール方
式のケースに収納した角砂糖を購入した場合に、
購入者は通常角砂糖を他の容器に移しかえて使用
するが、購入時のケースのまゝ直接使用する場合
も少なくはなく、その場合に開封したケースの閉
蓋が確実でなく、また残存分の堆積が崩落して角
砂糖が変形したり、奥隅残存体の取出しが容易で
なく取出し残を生ずるおそれがある。

本考案は直接取出しに適し、開封後の閉蓋が確
実に行なわれ、残存分の堆積の崩落を防止して堆
積状態を良好に保持することができ、取付し残を
生じない角砂糖用紙箱の提供を目的とする。

本考案の紙箱は、前端縁にフラツプ及び差込片
を有する角筒状スリーブと、差込フラツプ付前蓋
部、摺動フラツプ後蓋部及び側壁部がそれぞれ折
目線を介して底部周縁に連接されていて、差込フ
ラツプと前蓋部との間の折目線に前記スリーブの
差込片に対応する切込みが刻設され、底部と側壁
部との間の折目線に分離用切込みにより形成され
た裂離部が設けられ、側壁部の裂離部分を相互に
係合できる機構を側壁部に有するボトムとからな
る角砂糖の収納に好適な紙箱である。

以下図面により本考案の紙箱を実施例について
より詳細に説明する。

第１図に本考案の紙箱のスリーブが展開図で示
され、スリーブＡは固着フラツプ１、底面部２、
側面部３、上面部４及び側面図５が順次それぞれ
折目線を介して連接している。側面図３，５の前
端縁にはフラツプ６ａ，６ｂがそれぞれ折目線を
介して連接している。フラツプ６ａ，６ｂの上面
部側の側縁には、後記ボトムの前蓋部に連接する
差込フラツプ１２の挿入を容易にしかつこれを係
止する段部７ａ７ｂを設けることができる。上面
部４の前端縁部には折目線１０を介して小フラツ
プが連接され、小フラツプ側縁の延長線上、上面
部４に切込み９が刻設されその切込み先端間に折
目線１１を設けて差込片８が形成さされている。
固着フラツプ１には側面部５と接着させるための
接着剤が塗布される。

ボトムは第２図に展開図で示され、ボトムＢは
差込フラツプ１２を折目線を介して連接した前蓋
部１３、摺動フラツプ１６を折目線を介して連接
した後蓋部１５及び両側の側壁部１７ａ，１７ｂ
がそれぞれ折目線を介して底部１４の四囲に連接
されている。側壁部１７ａ，１７ｂと底部１４と
の間の折目線には分離用切込みにより形成された
裂離部１９ａ，１９ｂが設けられ、側壁部１７
ａ，１７ｂには裂離部１９ａ，１９ｂの裂離によ
り生ずる側壁分離部分を互いに係止できる機構が
設けられる。第２図ａは側壁部１７ａ，１７ｂに
切込み２０ａ，２０ｂが刻設されている。当該切
込みは、各側壁部の上端縁又は下端縁寄りに一箇
所、若しくは複数箇所設け、各側壁部に刻設する
当該切込みは、互いに非対称位置となすのが好ま
しく、また切込みの際、上端縁を僅かに切残して
おけばボトムのスリーブへの挿入がスムーズに行
われる。この切残しを形成するならば、当該切込
みを側壁部の前側端縁寄りに横断刻設してもよ
く、少なくとも当該切込同志が嵌合又は係止でき
るものであればよい。また前記側壁部１７ａ，１
７ｂは後述する後蓋部１２との固着部位を除いて
段部を形成するように当該壁幅を狭くしておくの
もよい。後蓋部１５には折目線を介して両側にフ
ラツプ１８ａ，１８ｂがそれぞれ連接され、側壁
部１７ａ，１７ｂに適宜の方式で固着されて側壁
部１７ａ，１７ｂ及び後蓋部１５を起立保持する
ことができる。第２図に示す側壁部１７ａ，１７
ｂの切込み２１ａ，２１ｂ及びフラツプ１８ａ，
１８ｂの切込み２２ａ，２２ｂは上記の固着方式
の一係着例であり、公知の他の係着又は接着方式
を利用することはもちろん差支えない。

差込フラツプ１２と前蓋部１３との間の折目線
には一端折曲切込み２３及び台形切込み２４が連
接され、切込み２３は、スリーブＡの上面部４の
下側に挿入される差込フラツプ１２の、フラツプ
６ａ，６ｂの側縁段部７ａ，７ｂに対する係合部
を形成し、切込み２４は差込片８の差込孔を形成
する。また差込片８及び差込フラツプ１２の引出
しを容易にするため切込み２４に連結する円弧状
切込み２５が刻設されている。

本考案の紙箱の他の実施例のボトムが第２図ｂ
に示される。展開図で示すように、ボトムB′の基
本的構造は同じであり同一符号は、前述したボト
ムＢと同じ構成を表わすものである。ただ、裂離
後の側壁部１７ａ，１７ｂの裂離部分を相互に係
合できる機構が異なる。すなわち、側壁部１７
ａ，１７ｂには側壁部前端縁に平行する複数の折
目線２７ａ，２７ｂがそれぞれ設けられている。
側壁部１７ａにはその前端縁中央部に折目線２７
ａに連設して差込片２６が刻設され当該連接部以
外の折目線２７ａ上にミシン目等を必要に応じ施
し、側壁部１７ｂの折目線２７ｂの中央部に切込
み２０ｃが刻設されている。切込み２０ｃは差込
片２６を差込むためのものである。

この実施例のボトムの場合は第３図ｂに示す要
領で組立てることができ、その要領は後述する第
３図ａとほゞ同様である。また当該差込片２６を
他の側壁部１７ａ内にも、折目線２７ａに連接し
て切込形成し、かつ当該連接部以外の折目線２７
ａにミシン目等を施しておけば、段階的に側壁部
１７ａを切除ていくこともできる。

本考案の紙箱は第３図ａ，ｂに示す要領で組立
てることができ、固着フラツプ１と側面部５との
接着によりスリーブＡが角筒状に形成され、ボト
ムＢは側壁部１７ａ，１７ｂとフラツプ１８ａ，
１８ｂとの接着又は係着により側壁部１７ａ，１
７ｂ及び後蓋部１５が起立保持され、角砂糖堆積
体Ｃが底部１４上に収容される。摺動フラツプ１
６は適宜の時に折り倒され、収容物とともにスリ
ーブＡ内に挿入されたボトムＢの挿入、引出し時
に上面部４の下側で摺動し滑らかな動きを与える
ことができる。スリーブＡにボトムＢを収容物Ｃ
とともに挿入したフラツプ６ａ，６ｂを折り倒
し、その上に前蓋部１３を重ねて差込フラツプ１
２をスリーブＡの上面部４の下側に挿入し、切込
み２４によつて形成された孔部に差込片８を挿入
する。なお、第３図ｂのごとく、ボトムB′の場合
も同様に組立てられる。

上記紙箱の開封取出しは第４図に要領が示さ
れ、円弧状切込み２５に指をかけて差込片８を矢
印方向（第４図ａ）に抜出した後、差込フラツプ
１２を抜出し、ボトムＢを矢印方向（第４図ｂ）
に引出す。角砂糖が包装体であれば開封し（図示
省略）、露出した堆積体の前段部（第４図ｃ）か
ら順次角砂糖を取出すことができる。この場合、
側壁部１７ａ，１７ｂを段部を形成するよう、幅
狭にしておけば、ボトムのスリーブへの着脱並び
に角砂糖の取出しを簡便ならしめることができ
る。

角砂糖の消費により残存量を減少するに伴い、
適宜側壁部を押圧すると裂離部１９ａ，１９ｂの
一部が裂離し、側壁部１７ａ，１７ｂの分離部分
を残存堆積体の前面に折り曲げ適宜切込み２０
ａ，２０ｂにより相互に係着させることができる
（第５図ａ）。また、第５図ｂ図示のように、ボト
ムB′の場合、差込片２６を対応する切込み２０ｃ
に差込んで残存体の前面近傍に障壁を形成するこ
ともできる。この場合、側壁部１７ａの前側端を
折目線２７ａから切除すると差込片２６が残りの
側壁部１７ａの側端に連接したまま残存し、これ
が差込みに供されることとなる。他の側壁部内に
当該差込片２６を切込形成した場合も同様であ
る。なお側壁部は必ず切除する必要はなく、差込
片２６の切込形成の際の切残しを押圧し解除する
だけで差込みに供してもよい。この操作は残存量
の変化に対応して行なうことができ、残存堆積体
の前面近傍に障壁を存在させてボトムＢをスリー
ブＡに押込み再び前記組立要領に従い前蓋部１３
を被蓋し差込片８を挿入して閉蓋を保持させるこ
とができる。

本考案の紙箱は上記構成によつて開閉蓋が容易
で、直接取出しに適し、残存量の変化に対応して
残存堆積体の前面近傍に常に障壁を形成すること
により堆積の崩落、単位体の崩壊などを防ぐこと
ができ、またボトムの引出しにより残存のおそれ
なく角砂糖を取出すことができ、またスリーブと
ボトムとの係止も堆積体の重量に充分耐えうる機
構を具備しており、スリーブからボトムが不用意
に脱落するのも防止し得るのである。

本考案の紙箱は主に角砂糖に関して記載されて
いるけれども、他の類似多面体形状の単位物品の
堆積収納に使用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の紙箱の実施例を示し、第１図は
スリーブの展開図、第２図ａ，ｂはボトムの展開
図、第３図ａ，ｂは組立要領説明図、第４図、第
５図ａ，ｂは使用要領説明図である。 Ａ……スリーブ、Ｂ，B′……ボトム、Ｃ……角
砂糖堆積体、６ａ，６ｂ……フラツプ、８……差
込片、１２……差込フラツプ、１３……前蓋部、
１４……底部、１５……後蓋部、１６……摺動フ
ラツプ、１７ａ，１７ｂ……後壁部、１９ａ，１
９ｂ……裂離部、２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２
３，２４，２５……切込み、２６……差込片、２
７ａ，２７ｂ……折目線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前端縁にフラツプ及び差込片を有する角筒状ス
   リーブと、差込フラツプ付前蓋部、摺動フラツプ
   後蓋部及び側壁部がそれぞれ折目線を介して底部
   周縁に連接されていて、差込フラツプと前蓋部と
   の間の折目線に前記スリーブの差込片に対応する
   切込みが刻設され、底部と側壁部との間の折目線
   に分離用切込みにより形成された裂離部が設けら
   れ、側壁部の裂離部分を相互に係合できる機構を
   側壁部に有するボトムとからなる紙箱。