JPS6128384B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は密閉性の金属容器の内面を塗装する装
置における塗料供給装置に関する。

更に詳しくは、密閉性金属容器内に塗料を充填
し、容器内の電極と金属容器との間に通電して容
器内面を塗装するようにした電着塗装装置におい
て、水溶性塗料を一定量容器内へ供給するシリン
ダ装置の塗料室と前記容器とを接続する連通手段
の任意箇所と、塗料室に塗料を補給する塗料槽と
を切換弁を介して接続することにより、前記塗料
室と前記塗料槽とを循環的に連通し、これにより
撹拌機能を有する塗料槽内で常に撹拌されて、濃
度が均一となつた新規な塗料を容器内へ一定量供
給することを可能とし、塗装作業の迅速化、塗装
品質の向上を図るようにした塗料供給装置に関す
る。

本出願人は先に燃料タンクの如き密閉性の金属
容器の内部に水溶性塗料を充填し、この水溶性塗
料内に電極を配設しておいて、該電極と金属容器
との間に通電して容器内面を塗装するようにした
電着塗装方法を提案した。

上記塗装方法では、塗装装置のワーク保持台上
に載置された金属容器に対して塗料を注入、排出
するためのポンプ作用をなす塗料室を有するシリ
ンダ装置、並びにシリンダ装置の塗料室へ塗料を
補給する塗料槽を別個に用意する。容器内への塗
料注入時には、シリンダ装置が作動して塗料室内
に貯溜された塗料を押し出すことにより注入を行
なう。塗料が容器内に注入されるに際して最も望
ましい状態は常に一定量の塗料が注入されること
である。規定された一定量の塗料が注入されない
場合には、例えば塗料が過多である場合には塗料
が容器よりオーバーフローし、容器外面や装置周
囲を汚したりし、又塗料が過少である場合には被
塗膜面積にバラツキが生じたり、塗装されない部
分が生じる虞れも発生する。

上記の如き塗料を容器内に供給するシリンダ装
置は一般に油圧ポンプの如きポンプ手段を用い、
電気的な切換手段で注入、排出指令を行なうがそ
の応答性が鈍いので一定量の塗料供給を確実に管
理することは実際には難しい。

又容器内に水溶性塗料が一定量供給されたとし
ても、塗料作業の都度容器の内面に塗料が付着し
減少するので、塗装作業をくり返している間に塗
料濃度が不均一になり、これがため塗膜品質にも
バラツキが生じるという問題が発生する。

本発明者等は上記した問題点に鑑みこれを有効
に解決すべく本発明を成したものである。

本発明の目的は、内部に電極を備えた密閉性の
金属容器内に水溶性塗料を充填し、該電極と該金
属容器との間に通電することによつて前記金属容
器の内面を塗装する装置において、塗料の出入口
となる前記金属容器の開口部と塗料室を備えるポ
ンプ作用を有するシリンダ装置の塗料供給孔とを
第一連通手段で接続し、該塗料室と塗料槽とをポ
ンプ手段を介して連通し、前記第一連通手段の途
中箇所を開閉自在な切換弁を備えた第二連通手段
で前記塗料槽に接続するようにした塗料供給装置
を提供することにある。

従つて本発明の目的は、容器内へ塗料を供給す
るシリンダ装置の塗料室と塗料槽と前記第一の連
通手段とを循環的に塗料が流動すべく接続するこ
とにより、撹拌機能を有する塗料槽内で常に撹拌
されて、濃度が均一となつた新規な塗料を一定量
供給することを可能にし、これによりワーク、塗
装装置の清浄性を確保し、且つ塗装作業の迅速
化、塗装品質の向上を図ることができるというこ
とにある。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に従つ
て詳述する。

図面は本発明に係る塗装装置の塗料供給装置の
構成図を示す。１は密閉性の金属容器であるワー
クである。ワーク１は塗装装置の支持盤である基
台２上のワーク保持台３に載置され、上方より基
台２上に固設されたピストン手段を内蔵するクラ
ンプ装置４のクランプアーム４ａで押え付けられ
ワーク保持台３の上に固定される。ワーク１はそ
の大径開口部１ａが下面に、小径開口部１ｂが上
面に位置するように載置され、想像線で図示され
る如く塗装時ワーク１内には塗料A₁が充填され
る。前記開口部１ａは塗料の出入口として、開口
部１ｂは空気の出入口として作用する。

前記大径開口部１ａは、保持台３の上面に形成
された凹所３ａに臨み、パツキン材５を介して保
持台３の内部に縦通形成された貫通孔３ｂに連通
している。保持台３の貫通孔３ｂは下方に延設さ
れて基台２の下部に臨み、保持台３の下端に相当
する筒部材３ｃの貫通孔３ｄと縦通しホース６の
一端６ａと連通状態にあり、このホース６と貫通
孔３ｄを形成する筒部材３ｃ、保持台３とによつ
て第一連通手段を構成している。

保持台３の基台上に存する部分には、ワーク１
内部へ開口部１ａを通つて起立挿入せしめる電極
７が取り付けられ、その端部を保持台３の外側に
露出せしめている。この電極７の該露出端部７ａ
は電極の一端子と接続され、一方金属製ワーク１
の全体は通電部材８を介して電源の他端子に接続
される。これにより塗料充填状態において、電極
７とワーク１との間に通電が行なわれ、イオン状
態にある塗料分子をワーク内面に付着させ塗膜を
形成させるように作用する。

前記ホース６の他端６ｂはシリンダ装置９の先
端部の塗料供給孔９ａに接続される。シリンダ装
置９はポンプ作用を有し、このポンプ作用により
一定量の塗料をワーク内へ供給する装置である。
その構造は、シリンダ状ハウジング９ｂに内装さ
れ、ハウジング側に固設されたシリンダユニツト
９ｃと、下向きのロツド９ｄ上端に連結され、ハ
ウジング９ｂ内に設けられ、この内部を摺動自在
に上下動するピストン９ｅとから成り、ピストン
９ｅの下方には塗料室S₁が形成され、室S₁の下端
には前記塗料供給孔９ａが形成される。又塗料室
S₁の上部側方には、別の開口部９ｆが形成され、
この開口部９ｆ並びに配管１０、逆止弁１１、ポ
ンプ１２を介して塗料A₂を貯蔵する塗料槽１３
に接続される。

上記塗料槽１３はモータ１４を備え、このモー
タ１４で駆動される撹拌器１５が槽内の塗料A₂
の中に配設され、撹拌器１５で塗料A₂の濃度を
均一なものにせしめている。

保持台３の貫通孔３ｂと縦通する貫通孔３ｄを
有する基台下部の筒部材３ｃの側壁部には孔１６
を形成し、下端部３ｃの外側の側部には、該孔１
６を開閉自在とする弁部材１７ａをそのロツド先
端に備えたピストンを内蔵する弁装置１７を配設
する。弁部材１７ａが備えられる空所は孔１７ｂ
で外部と通じ、この孔１７ｂ並びに配管１８を介
して前記塗料槽１３に連通する。下端部３ｃの側
部に配設された弁装置１７と配管１８とにより第
二連通手段を構成する。

次に上記構成を有する塗装装置並びに塗料供給
装置の作用、効果を説明する。

基台２上に運ばれてきたワーク１は開口部１ａ
を保持台３の上面凹所３ａで受けられ、上方より
クランプ装置４のアーム４ａで押え付けられて保
持台に固定される。ワーク１の固定が完了する
と、ピストンが作動して弁部材１７ａが閉成状態
になり、これと同時にシリンダユニツト９ｃが作
動して想像線に示される如くピストン９ｅを下動
し、塗料室S₁の塗料を供給孔９ａ、ホース６、貫
通孔３ｂ，３ｄ、開口部１ａを介してワーク１の
内部へ供給する。ワーク１内の空気は小径開口部
１ｂより外部へ逃げ、一定時間後塗料はワーク内
に充填される。

塗料がワーク１内に充填された後、図示しない
電源によつて電極７と金属容器であるワーク１と
の間に電圧を印加し、充填された塗料を介在させ
て通電を行なう。イオン状態にある塗料分子は通
電によつてワークの内面に向つて移動し、ワーク
内面で中和されて内面に付着し、塗膜を形成す
る。

所定時間を要して塗装が終了した後には、通電
を中止し、次いでシリンダユニツト９ｃを作動せ
しめてピストン９ｅを上動させ、ワーク内に充填
された塗料を負圧で吸引し、開口部１ａ、貫通孔
３ｂ，３ｄ、ホース６、供給孔９ａを介して塗料
室S₁へ逆に戻す。その後にポンプ１２を作動せし
めて塗料槽１３内で撹拌されて濃度が均一となつ
た塗料を塗料室S₁へ補給すべく送り込むととも
に、弁装置１７を作動させて弁部材１７ａを孔１
６より離し解放状態とする。これにより、塗料S₁
には不足した塗料を補うべく新しい塗料が塗料槽
１３より供給されるとともに、更に塗料は、ホー
ス６、貫通孔３ｄ、孔１６，１７ｂ、配管１８を
通つて再び塗料槽１３に戻ることになる。このよ
うにワークの塗装作業が行なわれない非塗装時に
おいては、塗料は、ポンプ１２の作用で循環し、
塗料S₁には撹拌機能を有する塗料槽内で常に撹拌
されて、濃度が均一となつた新規な塗料が一定量
供給された状態が維持されていることとなる。そ
の後は新たなワークの搬送を待つて上記作用を再
びくり返す。

装置配置上、非塗装時における貫通孔３ｂ内の
塗料面と塗料室S₁内の塗料面との高さは略々等し
くなるように各装置が配設され、構成されること
が望ましい。

以上の説明で明らかなように本発明によれば塗
装に使用される塗料を常に撹拌機能を有する塗料
槽に戻る如く定量を供給するシリンダ装置の塗料
室、配管等を循環させているため、常に塗料室に
所定量の塗料を供給するとともに、均一の濃度を
有する塗料を供給することができ、これにより金
属容器であるワーク内へ供給される塗料を一定量
且つ均一濃度とし、ワーク、塗装装置の清浄性を
確保し、且つ塗装作業の迅速化、塗装品質の向上
を達成できる等の諸効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示す塗装装置の塗料
供給装置の構成図である。 尚図面中、１は金属容器のワーク、６はホー
ス、７は電極、９はシリンダ装置、１０，１８は
配管、１３は塗料槽、１７は弁装置、A₁，A₂は
塗料、S₁は塗料室である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部に電極を備えた密閉性の金属容器内に水
   溶性塗料を充填し、該電極と該金属容器との間に
   通電することによつて前記金属容器の内面を塗装
   するようにした装置において、塗料の出入口とな
   る前記金属容器の開口部と塗料室を備えたシリン
   ダ装置の塗料供給口とを第一連通手段で接続し、
   前記シリンダ装置は塗料を一定量金属容器内へ供
   給しかつ該容器から吸引するポンプ作用を有し、
   前記シリンダ装置の塗料室と撹拌機能を有し塗料
   を常に均一濃度に保持させる塗料槽とをポンプ手
   段を介して連通し、前記第一連通手段の途中箇所
   を開閉自在な切換弁を備えた第二連通手段で前記
   塗料槽に接続するようにしたことを特徴とする金
   属容器の内面を塗装する装置における塗料供給装
   置。