JPS6127804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラツククレーン、モビールクレー
ン等の移動式クレーンのアウトリガ装置に関する
ものである。

トラツククレーン等の移動式クレーンは、作業
時にはアウトリガビームを張り出し、ジヤツキシ
リンダを伸長してアウトリガフロートを接地させ
ることにより、クレーン本体を支持して作業も行
う。そして、走行時にはアウトリガビームを走行
台車のアウトリガボツクス内に収納するが、前記
アウトリガフロートはクレーンの接地圧を低くす
るために大きな寸法構成となつているので、アウ
トリガフロートを取付けたままではアウトリガビ
ームを車体巾内に収納することができないのが普
通である。従つて、アウトリガフロートを付けた
まま走行しようとすると、アウトリガフロートの
外側が車体巾から突出するので、狭い道路や構内
の走行ができないばかりでなく、小移動する場合
でも危険が伴う。そのため、走行時にはその都度
アウトリガフロートを取外さなければならなかつ
た。又、このアウトリガフロートの取付け取外し
には、次のような難点がある。

(1) 取付け取外し作業に手間がかかると共に、重
量物であるので、取付け取外し及び格納に常に
危険が伴う。特に大型のトラツククレーンにな
ると、それに伴つてアウトリガフロートも大き
く、重くなるので、さらに手間と危険が増大す
る。

(2) 台車内に、取外したアウトリガフロートを格
納するスペースが必要であつた。

本考案は、上記の問題点を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、アウトリ
ガビームの格能に伴つて、アウトリガフロートを
簡単に車体巾内に格納できる装置を提供すること
にある。

本考案は、走行台車の四隅に設けたアウトリガ
ボツクスと、アウトリガボツクス内に油圧シリン
ダ等の伸縮手段を介して収納可能に支持されたア
ウトリガビームと、アウトリガビームの先端に装
着されたジヤツキシリンダと、ジヤツキシリンダ
の下端に取付けられ、ジヤツキシリンダの伸縮動
作によつてクレーン本体を支持するアウトリガフ
ロートとを備えた移動式クレーンのアウトリガ装
置において、アウトリガボツクスの下面端部に車
体幅方向にそつて取付けたガイドボツクスと、ガ
イドボツクス内を転動するローラを介して収納可
能に支持されたガイドビームと、アウトリガフロ
ートの上面に取付けたブラケツトとよりなり、か
つ、該ブラケツトには、ガイドビームの先端部に
係止されるフロート受け棒と、ジヤツキシリンダ
のピストンロツドに着脱可能に係合する係合孔と
を備え、ジヤツキシリンダの伸縮運動によつて前
記アウトリガフロートをフロート受け棒を介して
ガイドビームに支持し、その状態でガイドビーム
をガイドボツクス中に押し込んでアウトリガフロ
ートを車体幅内に格納することができるように構
成したことを特徴とするものである。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図
に従つて、さらに具体的に説明する。第１図は、
トラツククレーンの作業姿勢を示す正面図であ
る。

車輪を有する走行台車Ａには、旋回体Ｂが旋回
自在に装着されている。Ｌは走行台車の巾寸法を
示している。走行台車Ａの四隅にはアウトリガボ
ツクス１が設けられ、アウトリガボツクス１内に
はアウトリガビーム２が図示しない油圧シリンダ
によつて収納可能に支持されている。アウトリガ
ビーム２の先端にはジヤツキシリンダ３が装着さ
れ、そのジヤツキシリンダ３の下端にはアウトリ
ガフロート４が着脱可能に取り付けられている。

第２図は第１図のイ部拡大図で、アウトリガフ
ロートの格納装置を示す側面図、第３図は第２図
の−矢視断面図である。第２図は、走行姿勢
に入るために、ジヤツキシリンダ３を緒小してア
ウトリガフロート４を浮上させ、アウトリガビー
ム２をストロークエンドまで移動させた状態を示
す図である。アウトリガボツクス１の下面端部に
は、車体幅方向にそうそれぞれ一対のガイドボツ
クス５が取付けられている。６は一対のガイドビ
ームで、ガイドビーム６の長手方向の前後位置に
は、それぞれ偏心軸７ａを有する軸７が枢着され
ている。偏心軸７ａには、第４図に示すように軸
受８を介してローラ９が回転自在に取付けられ、
そのローラ９は、前記ガイドボツクス５内を転動
するように構成されている。しかして、ガイドビ
ーム６はローラ９を介して前記ガイドボツクス５
内に収納可能に支持されている。前記軸７の他端
側には、第５図に示すように偏心軸７ａの軸芯位
置を変えられる複数のボルト孔１０ａを有するプ
レート１０が固着されており、ボルト孔１０ａを
介して軸止めボルト１１をガイドビーム６に固着
することによつて、前記ローラ９の高さ位置をか
えられるようになされている。

アウトリガフロート４は、第３図に示すよう
に、フロート本体４ａと、ジヤツキ受け部４ｂと
から構成されている。アウトリガフロート４の上
面には、ジヤツキシリンダ３のピストンロツド３
ａに着脱可能に係合する係合孔１１ａを有するブ
ラケツト１１が取付けられている。ブラケツト１
１の上端部には、アウトリガフロート４の脱落を
防止するピン１２が着脱可能に取付けられてい
る。ブラケツト１１の両側面には、一対のフロー
ト受け棒１３が溶接等により固着されている。前
記ガイドビーム６の先端部には、フロート受け棒
１３が係合される凹部６ａが形成されていると共
に、ストツパ部材１４が溶接等により固着されて
いる。前記フロート本体４ａには、押し出し用取
手１５が設けられている。

次に、本考案の作用を説明する。まず、クレー
ン作業が終了すると、ジヤツキシリンダ３を徐々
に縮小してクレーン本体を走行台車Ａの車輪によ
つて支持させる。ジヤツキシリンダ３をストロー
クエンドまで縮小する。この状態では、アウトリ
ガフロート４はブラケツト１１を介してジヤツキ
シリンダ３のピストンロツド３ａに吊り下がつた
状態になつている。次に、アウトリガビーム２を
図示しない油圧シリンダによつてストロークエン
ドまで縮小する。この状態で、ガイドボツクス５
内からガイドビーム６を引き出し、その先端部の
凹部６ａが、ブラケツト１１に取付けられている
フロート受け棒１３の真下に来るように位置合わ
せをする。次にジヤツキシリンダ３を徐々に伸長
すると、フロート受け棒１３はガイドビーム６の
凹部６ａに係合するので、第２図及び第３図に示
すように、アウトリガフロート４はフロート受け
棒１３を介してガイドビーム６に支持されると共
に、ジヤツキシリンダ３のピストンロツド３ａと
の係合が解かれる。このように、アウトリガフロ
ート４の重量をガイドビーム６に受け持たせた
ら、ジヤツキシリンダ３の伸長動作を停止させ
る。次に、ピン１２を抜き取り、アウトリガフロ
ート４に設けた取手１５を持つて、矢印の方向に
押し込む。この時、ガイドビーム６は前後位置に
設けたローラ９によつてガイドボツクス５内に支
持されているので、わずかな押込み力によつてア
ウトリガフロート４を車体巾内に格納することが
できる。なお、ローラ９の軸７ａは偏心軸に構成
されているので第２図に示すように転動面の上下
位置を調節することによつて、ガイドビーム６の
ガタ付をなくすることができる。

アウトリガフロート４をジヤツキシリンダ３に
支持させるには、上記と逆の順序に行えばよい。
つまり、第２図及び第３図の状態にガイドビーム
６を引き出した後、ジヤツキシリンダ３を徐々に
縮小すれば、フロート受け棒１３と凹部６ａとの
係合を解くことができると共に、アウトリガフロ
ート４の重量をジヤツキシリンダ３に受け持たせ
ることができる。

以上述べたように、本考案によれば、ジヤツキ
シリンダの伸縮動作によつてアウトリガフロート
をガイドビームに係脱することができ、かつ、ア
ウトリガフロートをガイドビームによつて支持し
た状態でアウトリガフロートをガイドボツクス側
に向つて押し込むことにより、重量物であるアウ
トリガフロートを簡単に車体巾内に格納すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を備えたトラツククレー
ンの作業姿勢を示す正面図、第２図は第１図のイ
部拡大図で、アウトリガフロートの格納装置を示
す側面図、第３図は第２図の−矢視の断面
図、第４図は第２図の−矢視の断面図、第５
図は第４図−矢視図である。 １……アウトリガボツクス、２……アウトリガ
ビーム、３……ジヤツキシリンダ、３ａ……ピス
トンロツド、４……アウトリガフロート、５……
ガイドボツクス、６……ガイドビーム、６ａ……
凹部、７ａ……偏心軸、９……ローラ、１１……
ブラケツト、１１ａ……ジヤツキシリンダのピス
トンロツドとの係合孔、１３……フロート受け
棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行台車の四隅に設けたアウトリガボツクス
   と、アウトリガボツクス内に油圧シリンダ等の伸
   縮手段を介して収納可能に支持されたアウトリガ
   ビームと、アウトリガビームの先端に装着された
   ジヤツキシリンダと、ジヤツキシリンダの下端に
   取付けられ、ジヤツキシリンダの伸長動作によつ
   てクレーン本体を支持するアウトリガフロートと
   を備えた移動式クレーンのアウトリガ装置におい
   て、アウトリガボツクスの下面端部に車体幅方向
   にそつて取付けたガイドボツクスと、ガイドボツ
   クス内を転動するローラを介して収納可能に支持
   されたガイドビームと、アウトリガフロートの上
   面に取付けたブラケツトとよりなり、かつ該ブラ
   ケツトには、ガイドビームの先端部に係止される
   フロート受け棒と、ジヤツキシリンダのピストン
   ロツドに着脱可能に係合する係合孔とを備えジヤ
   ツキシリンダの伸縮運動によつて前記アウトリガ
   フロートをフロート受け棒を介してガイドビーム
   に支持し、その状態でガイドビームを前記ローラ
   を介しガイドボツクス中に押し込んでアウトリガ
   フロートを車体幅内に格納することができるよう
   に構成したことを特徴とするアウトリガフロート
   の格納装置。