JPS6335018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は荷物の荷卸装置をそなえたトレーラ
に関する。

（従来の技術） 従来大型プレスなどの大重量物の運搬にはトレ
ーラがよく用いられている。しかしトレーラは単
なる積載物運搬用の車両にすぎず、運搬後の目的
地における荷卸は全く別の荷役装置を用いておこ
なつていた。第６図はその一例を示し、トレーラ
４０で運搬されたプレス４１は、大型トラツクク
レーン４２により荷卸され、コロ曳き４３により
建屋４４内の据付位置まで持込み、大型トラツク
クレーン４５を１〜数台用いるか門型クレーンに
よつて立て起こして据付をおこなつていた。

（考案の解決しようとする問題点） ところが上記方法によると、建屋内ではスペー
ス上荷卸が困難なので戸外荷卸となり、トラツク
クレーン等の場所もとるので道路等の通行止めを
要し、さらに荷卸後長距離のコロ曳き運搬４３を
おこなうので、作業時間や段取時間がかかる。さ
らに一般に建屋４４の高さがプレス４１の全高に
比べてあまり大きくないので、門型クレーンやト
ラツククレーンの揚程確保が困難であり、またこ
れらのクレーンによる建屋内での狭いスペースに
おける大重量物の立て起こしは時間がかかるうえ
危険を伴い、段取りから作業完了まで長時間にわ
たつて建屋内のスペースを占拠するので工場内の
生産ライン等に多大の影響を及ぼす等、数多くの
問題点があつた。

この考案は上記従来の問題を解決しようとする
もので、プレス等の大重量物の立て起こしを迅速
容易におこなうことができ、作業能率および安全
性が向上するとともに、建屋内外での荷卸のため
の占拠スペースおよび占拠時間が少なくて済む荷
卸装置つきトレーラを提供しようとするものであ
る。

（問題点を解決するための手段） この考案の荷卸装置つきトレーラは、トレーラ
の荷台の後部に、該荷台の長手方向に直交する軸
線のまわりに回動自在に起伏枠の基部を枢着し、
上記起伏枠に該起伏枠の長手方向に移動自在に可
動荷台を支持し、上記可動荷台に積載物支持用の
支腕を取付けるとともに、上記起伏枠の回動用の
起伏枠駆動機と、上記可動荷台の移動用の可動荷
台駆動機とをそなえて成る荷卸装置つきトレーラ
である。

（作用） この考案の荷卸装置つきトレーラにおいては、
起伏枠は起伏枠駆動機によつて水平状態から鉛直
状態まで回動させられ、この起伏枠とともに可動
荷台および該可動荷台上の積載物が立て起こしさ
れる。可動荷台駆動機により鉛直状の起伏枠に沿
つて可動荷台を降下させ、積載物をコロ曳板上等
に移載することができる。このとき支腕は積載物
の重量を支持する。

（実施例） 以下第１図乃至第５図によりこの考案の一実施
例を説明する。

図中、１は低床式セミトレーラから成るトレー
ラで、２はこのトレーラを牽引するセミトレーラ
トラクタである。３はトレーラ１の荷台で、後車
輪４をそなえた後台車５が連結ピン６の挿脱によ
り荷台３の後端部に切離自在に連結されている。
７は可動荷台で、上板８の下面に並設固着した縦
枠９と、上板の上面に並設固着した取付枠１０
と、縦枠９の端部を固着連結する横枠１１とをそ
なえ、横枠１１の両端部は荷台３の固設した断面
Ｌ字状の２本のガイ１２により縦枠長手方向に摺
動自在に支承されている。取付枠１０にはピン穴
１３が穿設され、荷物支持用の支腕１４がピン１
５の挿脱により取付枠１０に取付位置変更自在に
固定されている。荷台３の後端部には２本の起伏
枠１６が、荷台３の長手方向に直交する軸１７に
より回動自在に連結され、この起伏枠１６に設け
た底部が広巾の溝１８内に、可動荷台７の縦枠９
が起伏枠１６の長手方向に摺動自在に嵌装されて
いる。１９は可動荷台移動用の可動荷台駆動機で
ある油圧シリンダで、そのシリンダ部は横枠１１
に、ピストンロツドは起伏枠１６にそれぞれ連結
されている。また２０は起伏枠回動用の起伏枠駆
動機である油圧シリンダで、そのシリンダ部は荷
台３に、ピストンロツドは起伏枠１６にそれぞれ
連結されている。２１は荷台３の後部に設けたア
ウトリガジヤツキで、２２はこのアウトリガジヤ
ツキ２１および前記油圧シリンダ１９，２０の油
圧駆動用のパワーユニツトである。荷台３の後部
の軸１７には、ソリツドタイヤ式の補助車輪２３
が回転自在に取付けてある。

上記構成の荷卸装置つきトレーラ２４を使用す
るには、第１図に示すように後台車５は荷台３に
一体に連結し、起伏枠１６および可動荷台７を水
平にした状態で、支腕１４は取付枠１０の適当位
置に固定して、台木２５などを介してプレス２６
を可動荷台７上に積み込む。このとき支腕１４は
プレス２６の型取付空間２７内に挿入し、プレス
２６との間のすきまに枕木２８などを挿入し、適
宜ロープがけなどおこなう。輸送目的地では、ア
ウトリガジヤツキ２１により荷台３の後部を支え
たのち、連結ピン６を抜取つて後台車５を荷台３
から切離す。次にアウトリガジヤツキ２１を引込
めて、補助車輪２３を接地させ、この補助車輪２
３により荷重を支承しながら第５図に示すように
トレーラ１を運転して、プレス２６を建屋２９内
の据付位置近くまで運ぶ。そして油圧シリンダ２
０により起伏枠１６を鉛直状に立て起こし、油圧
シリンダ１９により可動荷台７を降下させて、プ
レス２６をコロ曳板３０上に移載する。このとき
プレス２６の重量は支腕１４によつて支持され、
落下が防止される。次いでコロ曳きにより据付位
置まで横持ちし、ジヤツキダウンによつてプレス
２６を据付ける。荷卸後は起伏枠１６および可動
荷台７を水平に戻して建屋２９外へ退出させる。

このようにプレス２６の立て起こしはトレーラ
１自身でおこなうことができるので、建屋２９内
の大型トラツククレーンの持込み等は不要であ
り、プレス上方及び据付場所周辺に大きなスペー
スを必要とせず、安全かつ迅速容易に立て起こし
をおこなうことができる。

また特にこの実施例では、後車輪４を荷台３か
ら切離自在とするとともに、単軸の補助車輪２３
を荷台３の後部に設けたので、この補助車輪２３
により小さい旋回半径で建屋２９内の据付位置近
くまでプレス２６をトレーラ１ごと搬入すること
ができ、長距離のコロ曳きによる横持ちが不要と
なるので、作業能率は一層向上するという利点を
有する。

以上はプレス２６の荷卸しについて説明した
が、プレス２６の積込時に上記と逆の手順で、縦
状態のプレスをトレーラ１上に寝かせて積込むこ
ともできる。

この考案は上記実施例に限定されるものではな
く、たとえば高床式のトレーラの場合等は、後車
輪４は荷台３から切離自在とせずに、後車輪の上
部付近に起伏枠１６枢着用の軸を設けてもよく、
この場合は補助車輪２３および場合によつてはア
ウトリガジヤツキ２１も不要となり、構造は簡素
化される。また上記実施例では支腕１４を荷台３
に取付位置変更自在に固定したので、各種形状寸
法の積載物に対応することができるが、可動荷台
７の一定位置に固着してしまうことも可能であ
る。また補助車輪２３の支軸と起伏枠１６の枢着
軸は別個の軸を用いてもよい。

（考案の効果） 以上説明したようにこの考案によれば、起伏枠
の回動および可動荷台の起伏枠に対する昇降移動
により、プレス等の大重量物を迅速容易に立て起
こしすることができ、建屋内への大型トラツクク
レーンの持込みが不要となり、作業能率および安
全性が向上し、建屋内外での荷卸しのための占拠
スペースおよび占拠時間が少なくて済む。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すトレーラの
側面図、第２図は同じく一部切欠平面図、第３図
は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は同じくＢ−
Ｂ線断面図、第５図は使用状態説明図、第６図は
従来の荷卸方法の説明図である。 １……トレーラ、３……荷台、４……後車輪、
５……後台車、６……連結ピン、７……可動荷
台、９……縦枠、１０……取付枠、１４……支
腕、１５……ピン、１６……起伏枠、１７……
軸、１８……溝、１９……油圧シリンダ（可動荷
台駆動機）、２０……油圧シリンダ（起伏枠駆動
機）、２１……アウトリガジヤツキ、２３……補
助車輪、２４……荷卸装置つきトレーラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ トレーラの荷台の後部に、該荷台の長手方向
   に直交する軸線のまわりに回動自在に起伏枠の
   基部を枢着し、上記起伏枠に該起伏枠の長手方
   向に移動自在に可動荷台を支持し、上記可動荷
   台に積載物支持用の支腕を取付けるとともに、
   上記起伏枠の回動用の起伏枠駆動機と、上記可
   動荷台の移動用の可動荷台駆動機とをそなえて
   成る荷卸装置つきトレーラ。 ２ トレーラが低床式のトレーラであつて、該ト
   レーラの後車輪が荷台に切離自在に連結されて
   おり、上記荷台の後部に単軸の補助車輪とアウ
   トリガジヤツキが設けられている実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の荷卸装置つきトレー
   ラ。 ３ 支腕が取付位置変更自在に可動荷台に固定さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項または
   第２項記載の荷卸装置つきトレーラ。