JPS6127414Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築、構築物の外装材として有用な建
築用板に関する。

近年、外壁部材としては従来のモルタル壁に比
し、乾式工法である、例えば金属サイデイング材
等が多用されつつある。しかしながら、この建築
用板には最大の弱点である連結部、所謂目地部が
多数形成されている。しかも、この目地部は気
密性、防水性、防火性、および係合力に欠
ける不利があつた。すなわち、目地部は施工性と
の関係でやや余裕をもつた寸法に設定しなければ
ならず、ある程度の間隙の形成は不可避であつ
た。しかしながら、この間隙は前記〜の性能
を低下させる主因となつていた。また、目地部は
雨、風、および温度の変化等の過酷な環境下にあ
り、この種パネルの端面、特に係合溝の下縁を延
長し、その先端を上方に屈曲した舌片の切断面は
鋼板自体が上記環境下に直接に曝される状態にあ
り、錆、腐食の発生を防止することが困難であつ
た。

本考案はこのような欠点を除去するため、この
種、建築用板の最弱点部に防水性、気密性、防火
性、および係合力の強化を図り、かつ施工が容易
で目地幅も均一に装着できると共に、安価に製造
できる建築用板を提案するものである。

以下に図面を用いて本考案に係る建築用板の一
実施例について詳細に説明する。１は金属製主体
（以下、単に主体という）で断面が凹状で、長方
形状の長尺に形成したものである。２は差込縁で
主体１の一側端縁を外側方に突出させたものであ
り、３は係合溝で主体１の他側端縁を内側方に屈
曲させ、再び外側方向に屈曲して形成し、その先
端をさらに外側方向に延長突出して延長部４を設
ける。５，６は舌片で差込縁２および延長部４の
先端を外方へ、例えば第２図ａ〜ｆに示すように
スプリングバツク機能を発揮しうるコ字状断面に
屈曲させたものである。なお、舌片５，６は建築
用板を相互に連結した際にその○イ防水性（雨返
し）、○ロ連結強化および施工時にその鋭い木口に
よる危険を防止するために設けたものである。
７，７′はホツトメルト型接着剤（以下、単に接
着剤という）で舌片５，６の木口５ａ，６ａを被
覆するように線条に差込縁２および延長部４上に
植設されている。特に接着剤７は弾性、防水性お
よび粘着性を具備し、前記舌片５の木口５ａを被
覆し、木口５ａに対する防錆機能を強化し、かつ
建築用板連結部の防水性と係合力の強化を図るも
のである。また、接着済７は主成分がゴム系の感
圧ホツトメルト接着剤であり、軟化点が約100〜
120℃、粘土が5000CPS／180℃、30万CPS／150
℃位の物質であり、植設時（吐出時）の温度が
140〜190℃のものである。さらに、接着剤７′は
舌片６の木口６ａを被覆するものであり、また接
着剤７と同様の機能を有すると共に、その上に高
熱下で無機質発泡層を形成する防火発泡剤、例え
ば硼酸ソーダ、リン酸−アンモニウム、ペンタエ
トリツト、ジシアンジアミドの１種以上を添加し
たものである。その植設状態は第３図に示すよう
に舌片５，６の内側面と接着剤７，７′の内側面
に空隙イを有し、かつ舌片５，６より上方へ突出
する高さである。特に、空隙イはスプリングバツ
ク機能を発揮させるのに不可欠なものである。

次に施工例につき説明する。

すなわち、第４図に示すように胴縁Ａ上に建築
用板αの延長部における舌片６から係合溝３側に
約５〜10mm寄つた位置を釘Ｂで固設する。この係
合溝３に対し、建築用板βの差込縁２を嵌挿し、
その延長部４を上記と同様に釘Ｂを介して固設す
る。従つて、外壁を形成する際にはこのような作
業を順次くり返して行なえばよい。

以上説明したのは本考案に係る建築用板の一実
施例にすぎず、建築用板の形状として、例えば第
５図ａ〜ｄに示すように芯材（合成樹脂発泡体、
石膏ボード）８を充填したり、裏面材９を貼着し
たりすることもできる。また、建築用板は第６図
ａ〜ｃに示すように延長部４において釘Ｂを打設
する部分に接着剤７を植設するように設けること
もできる。さらに建築用板は第５図ｃおよび第６
図ｂ，ｃに示すように延長部４と舌片６間に突条
１０^３を形成することもできる。

上述したように、本考案に係る建築用板は水、
温度変化、風等の過酷な環境下に曝される連結部
の端部に粘着性、弾性および防水性、防火性を具
備する接着剤を縁条に、しかも舌片の木口を被覆
するように植設したため、最弱点部である目地部
を防錆構造とするばかりでなく、目地部からの漏
水、通気が遮断され、下地材を腐食するようなこ
とがなくなる特徴がある。また、接着剤が粘着性
と弾性を具備しているため、建築用板相互間の連
結部に生ずる不均一な間隙を密封すると共に、結
合力を大幅に強化し、強風による連結部からの離
脱を除去した特徴がある。さらに、舌片はスプリ
ングバツクが機能する構造に形成し、かつ接着剤
もこの機能を損ねないように植設したため、従前
より係合力が大幅に強化された特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る建築用板の一実施例を示
す斜視図、第２図ａ〜ｆは舌片の一例を示す説明
図、第３図はホツトメルト型接着剤の植設断面を
示す説明図、第４図は上記建築用板の施工例を示
す説明図、第５図ａ〜ｄおよび第６図ａ〜ｃはそ
の他の実施例を示す説明図である。 １……金属製主体、５，６……舌片、７……ホ
ツトメルト型接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面凹状とした金属製主体と、該主体の一側端
   縁から外側方に向つて突出した差込縁と、他側端
   縁から内側方に屈曲し、再び外側方に屈曲して形
   成した係合溝と、該係合溝の端縁を外側方向へ突
   出させた延長部と、該延長部の先端を外方へ屈曲
   した舌片とを備えた建築用板において、前記差込
   縁の先端と上記舌片とを外方にスプリングバツク
   機能を有するコ字状断面に屈曲し、かつ延長部先
   端の舌片の長手方向の木口を弾性と防水性、およ
   び粘着性を有し、かつ高熱化で無機質発泡層を形
   成する防火発泡剤入りホツトメルト型接着剤で被
   覆すると共に、舌片より上方に突出するように植
   設し、また差込縁の先端に形成した舌片の長手方
   向の木口を弾性と防水性および粘着性を有する軟
   質のホツトメルト型接着剤で被覆し、かつ両舌片
   の内側と上記各接着剤内側間に空隙を形成したこ
   とを特徴とする建築用板。