JPS6126944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、時計の時刻修正歯車において、目安
歯車との噛み合せ面の一部又は片面を勾配形状に
形成し、所定の回転量となつた場合、該修正歯車
が目安歯車から離脱する修正歯車を備えた時計の
時刻修正歯車の構造に関する。

従来、この種、例えば時計の修正歯車の歯形形
状の一部を変形させて、回転力の伝達以外の機
能、具体的に言えば、クラツチ機能を兼備したも
のは存在しなかつた。

従つて、他の機能もさせるには別部材を必要と
し、例えば、時計の目安機構については第１図に
示すような構成をしていた。

１はエト板、２は下地板、３は上地板、４は目
安歯車、５は日の裏歯車、６は操作軸、７は操作
軸６に固着したノブ、８は操作軸６を上地板３側
に押圧するバネでありネジ９で該上地板３に固着
している。

操作軸６のエト板１側の一端近傍には目安歯車
４と噛み合う目安修正歯車１０を移動自在に挿通
している。操作軸６の途中には日の裏歯車５と噛
み合い可能な時刻修正歯車１１を固着している。

また、目安修正歯車１０と時刻修正歯車１１に
は相対向する面にクラツチ部１０ａ，１１ａを一
体形成している。

従つて、クラツチ部１０ａ及び１１ａを噛み合
わせた状態で、ノブ７を左右に回動させると目安
歯車４も回動する。しかし、時刻指針とアラーム
設定指針（図示せず）の一致している場合、該目
安歯車４の回動は一方向のみに限定されている。
その時には、クラツチ部１０ａ及び１１ａの噛み
合いも、一方向のみの回動時に限定されるもので
ある。

しかしこれは、目安修正歯車１０を時刻修正歯
車１１の２つの歯車を必要とし、また、各クラツ
チ部１０ａ，１１ａの噛み合せ部分の製作精度並
びに組立精度を要する。

本考案は、時計の修正歯車に回転力の伝達以外
の別機能、例えば、クラツチ機能を兼備させ、伝
達機構の簡素化を図るものである。

本考案に係る時計の時刻修正歯車の構造の好適
な実施例を添付図面に基づき詳述する。

先づ、第２図において時計の修正歯車の歯形形
状を説明すると、１２は修正歯車、１３は全周に
刻設された歯形である。各歯形１３のいずれか片
方の噛み合せ面には、所望の歯幅Ｌにおいて所望
の勾配高さＨの勾配１４を形成している。

而して、この修正歯車１２の歯形１３の勾配１
４面に相手の修正歯車（図示せず）の歯形を噛み
合わせて回転させると、これらの修正歯車には相
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互に反対方向への軸方向力が生ずることになる。
この修正歯車１２を応用した時計の目安機構の実
施例を第３図に基づき説明する。１ないし５は第
１図における従来例のものと同様であり、説明と
省略する。

１３は操作軸であり、一端にノブ１４を固着
し、他端の近傍に目安歯車４と噛み合う修正歯車
１５を固着若しくは一体成形されている。

この修正歯車１５は、上述した修正歯車１２の
形状をしており、歯車１５ａのエト板１側に勾配
１５ｂを形成している。

操作軸１３の段部１３ａには座金１６を挿入
し、その座金１６と上地板３間には該操作軸１３
に圧縮バネ１７を巻装している。

この場合、修正歯車１５の歯形１５ａは、目安
歯車４に対し勾配１５ｂを有する歯幅分だけ噛み
合うと共に、日の裏歯車５に対し全歯幅噛み合う
ものである。また、勾配１５ｂの向きは、ノブ１
４を右方向Ａへ回転した時に、その勾配１５ｂ面
が目安歯車４の歯形と噛み合うように位置してい
る。

従つて、目安歯車４に修正歯車１５を噛み合わ
せてノブ１４を右方向Ａに回転すれば、時刻指針
とアラーム設定指針（図示せず）が一致する迄、
圧縮バネ１７の圧縮力が該修正歯車１５に発生す
る軸方向力を上回つており該目安歯車４を回転で
きる。

しかし、時刻指針とアラーム設定指針が一致し
た時、目安歯車４が上記方向に回転し得なくなる
ので、修正歯車１５に発生する軸方向力の方が圧
縮バネ１７の圧縮力を上回り、双方の歯車４，１
５の噛み合わせが外れて操作軸１３及び該修正歯
車１５は空回りする。

ノブ１４を左方向Ｂに回転した場合、時刻指針
とアラーム設定指針が一致しても目安歯車４は自
在に回転可能であり、また、修正歯車１５には軸
方向力が発生せず、従来の平歯車としての回転を
行なうことができる。

即ち、修正歯車１５における歯形１５ａの勾配
１５ｂは、クラツチ機能を兼備することになる。
更に、ノブ１４を手前に引いて、修正歯車１５を
日の裏歯車５と噛み合わせれば、従来の時計の平
歯車としての回転を行なうことができ、自由に時
刻修正が可能となる。

上記のような構成、作用を有するので、下記の
ような効果を有する。

即ち、修正歯車の回転力の伝達以外の別機能を
兼備させたので、伝達機構を簡素化できる。例え
ば、時計の目安機構に使用すれば、一つの修正歯
車でクラツチ機能も兼備することになり、部品数
を削減できると共に、従来のクラツチの噛み合わ
せ部分と比較して製作精度並びに組立精度を緩和
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の時計の目安機構を示す断面図、
第２図は本考案に係る時計の時刻修正歯車の構造
の一実施例を示す部分斜視図、第３図は本考案に
係る時計の時刻修正歯車を使用した時計の目安機
構の一実施例を示す断面図である。 １２，１５……修正歯車、１３……歯形、１４
……勾配。 〓〓〓〓〓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作軸に固定されると共に、時計の目安機構に
   おける目安歯車との噛み合せ面の片面を勾配形状
   に形成し、所定の回転量以上に際し、該目安歯車
   から離脱する修正歯車を有したことを特徴とする
   時計の時刻修正歯車の構造。