JPS6126455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、不特定多数の人が利用する便所に適し
た大便器に関する。

上記便所においては、大便器が破損されて汚物
および汚水が大量に流出することがあり、下側に
居室があるときには居室に大きな被害を及ぼす。
従つて、上記被害の発生のおそれのあるときに
は、便所床の下方に防水処理を施されたコンクリ
ート床が設けられたのであるが、このようなコン
クリート床により受止められた汚物および汚水の
始末を行う作業は極めて煩わしいものとならざる
を得ない。また、このようなコンクリート床の設
置には可成りの経費を必要とする。

本案は、上記不都合の回避を目的とするもの
で、本案によるものは、大便器を下方より包み込
む形状をもつ有底の金属製ケースに大便器を着脱
自在に取付け、大便器の排水管と共に排水本管に
連通させられる補助排水管を上記有底の金属製ケ
ースの最深部に設けたことを特徴とする。

上記の金属製ケースは、破損のおそれのない要
素で、大便器が破損されたときに大便器より流出
する汚物および汚水を受けてそれを排水本管に流
す作用を行う。すなわち、上記の金属製ケースは
排水本管に連なる接続管に汚物および汚水を送り
込む漏斗としての作用を行う。

以下本案の一実施例を図面につき説明する。

先ず第１図は大便器１とケース２とを示したも
のであり、大便器１には上部外周にフランジ部３
が設けられ、そのフランジ部３の前端部中央に給
水管４が設けられている。また流水床５が後方に
向けて下り勾配で傾斜され、その後端部に排水ト
ラツプ６が設けられている。そしてその排水トラ
ツプ６の後部上端に接続された排水管７が下向き
垂直状に設けられている。またフランジ部３の後
端部中央に開閉蓋８が取付けられた掃除口９が設
けられ、この掃除口９は接続管１０を介して排水
トラツプ６の後部上端に接続されている。

一方ケース２は例えばステンレス鋼の如き金属
にて形成されたものであり、大便器１を下方から
包し込むように形成されており、かつ上部は開放
されている。そしてこのケース２には上部外周に
フランジ部１２が設けられ、そのフランジ部１２
の内周が前記大便器１のフランジ部３が載置され
る載置台１３に形成されている。なおその載置台
１３の外周には大便器１のフランジ部３の外周を
包み込む周壁部１４が設けられている。またケー
ス２の底部１５は大便器１の底面に合せて後方に
向けて下り勾配で傾斜され、中央部より後方側に
偏倚された位置が最深部１５ａに形成されてい
る。そしてその底部１５の後端部中央の下面には
内部が排水管挿入孔１６に形成された排水用接続
管１７が下向き垂直状に設けられている。なおこ
の挿入孔１６内にはゴムやプラスチツク等のパツ
キング１８が設けられている。また底部１５の最
深部１５ａには補助排水管１９が設けられてい
る。また周壁部１４の前端中央には大便器１の給
水管４が挿入される凸状部２０が設けられ、その
凸状部の前端部に給水用接続管２１が設けられて
いる。またその凸状部２０の上部は開閉蓋２２が
取付けられる。またケース２の横側部２３で下端
側に偏倚された位置には開閉蓋２４が取付けられ
た検査口２５が設けられている。

次に第２図によつて便所床２７への施工方法を
説明すると、先ずケース２をそのフランジ部１２
の外周部分において便所床２７へ埋込み固定す
る。次に便所床２７の下部に配管されて、下水道
本管へ誘導されている排水本管２８にケース２の
排水用接続管１７と補助排水管１９とを夫々接続
管２９，３０によつて接続する。また洗浄水の放
流管３１にケース２の給水用接続管２１を接続す
る。また便所床２７の防水層３２やタイル床３３
仕上げ等は全てケース２に対して施工する。

次にケース２内に上方から大便器１をすつぽり
挿入する。この際大便器１の排水管７の下端はケ
ース２の排水管挿入孔１６内に挿入されて、その
周囲をパツキング１８によつて緊縮され、排水用
接続管１７に密封接続される。また上記の如く挿
入された大便器１はそのフランジ部３によつてケ
ース２の載置台１３上に安定良く載置され、かつ
そのフランジ部３の周囲はケース２の周壁部１４
によつて包み込まれる。また大便器１の給水管４
とケース２の給水用接続管２１とをゴムホース等
の接続管３４によつて接続する。そしてケース２
の凸状部２０の上部開口に開閉蓋８を取付けて、
この部分を密封すると共に、大便器１のフランジ
部３とケース２の周壁部１４との間の隙間３５に
接着剤等を注入すれば施工が完了する。

以上の如き構造によれば大便器１を従来と全く
同様に使用することが出来る。

しかも万一大便器１に破損事故が発生した場合
でも、その大便器１の底部に大量に流出した汚
物、汚水等はケース２内で全面的に受け止めら
れ、外部、特に便所床２７下には全く流出するこ
とがない。またケース２内に流出した汚物、汚水
等は補助排水管１９から排水本管２８内に安全に
排水される。

なお大便器１の交換に際しては、開閉蓋２２を
取外し、接続管３４を抜き取つた後、破損した大
便器１を上方に引き上げるだけで、これを容易に
除去することが出来る。そしてこの後前述したよ
うな手順で新しい大便器１を極めて簡単に取付け
ることが出来、その大便器１の交換作業は極めて
容易である。

なおケース２の横側部２３には開閉蓋２４付の
検査口２５が設けられているので、大便器１を取
付けた状態で、この検査口２５から必要に応じて
ケース２内を簡単に覗き見ることが出来て便利で
ある。

また大便器１の開閉蓋８を取外して、掃除口９
から排水トラツプ６、排水管７、排水用接続管１
７内等に直接掃除用ブラシ等を挿入して、これら
の内部を容易に掃除出来て便利である。

本案は上述の如く大便器をケース内に上方から
着脱自在に挿入して、その大便器をケースにて下
方から包み込むように構成したものであるから、
大便器に破損事故等が発生しても、その大便器か
ら大量に流出する汚物、汚水等をケースにて全面
的に受け止めることが出来る。従つて汚物、汚水
等が便所床下に流出するような損害を未然に防止
出来て、安全性が極めて高い。しかも安価で容易
に施工可能で、かつ堅牢であり、更に大便器の修
復も極めて簡単である。そして従来の如く便所床
を防水処理を施した二重構造にする方法に比べれ
ば、施工費を大幅に節約出来て、極めて経済的で
あり、かつ建物容積の増大を招く等の不都合も解
消出来て、その実用性は非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案によるケース付大便器を便器とケ
ースとを分離して示す斜視図、第２図は本案によ
るケース付大便器を取付け状態において示す断面
図である。 １……大便器、２……ケース、３……フランジ
部、４……給水管、７……排水管、１２……フラ
ンジ部、１３……載置台、１４……周壁部、１５
……ケースの底部、１５ａ……ケースの最深部、
１６……排水管挿入孔、１９……補助排水管、２
８……排水本管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大便器を下方より包み込む形状をもつ有底の金
   属製ケースに大便器を着脱自在に取付け、大便器
   の排水管と共に排水本管に連通させられる補助排
   水管を上記有底の金属製ケースの最深部に設けた
   ことを特徴とする、ケース付大便器。