JP4476450B2 - 水槽付きキャビネットの新規設置方法及び該方法に使用される密閉具を有する排水器具 - Google Patents

水槽付きキャビネットの新規設置方法及び該方法に使用される密閉具を有する排水器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新築家屋や改装家屋に新規に設置された水槽付きキャビネット(流し台・洗面台等)の使用開始方法及びその方法に使用される密閉具を有する排水器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の方法として以下のものは知られている。
新規設置の水槽付きキャビネットの水槽の排水器具の上部開口に段ボール紙を被せて、その状態を使用者が水槽付きキャビネットの使用を開始するまで保持し、使用者が水槽付きキャビネットの使用を開始する直前に段ボール紙を外して水を流すようにしたものは知られている。
排水器具の上部開口に段ボール紙を被せた状態を使用者が水槽付きキャビネットの使用を開始するまで保持するのは、使用者が常時水を使用する状態となるまでは、排水器具内に設けられたトラップ機構や排水器具と別個のトラップ装置に水が溜った状態とならず、トラップ機構等によって排水管の下流部から水槽側に上がって来る臭気・有毒ガスを防ぐことが出来ないので、段ボール紙によって防ぐためである。
【0003】
【従来技術の欠点】
前記従来の方法には以下の如き欠点があった。
排水器具の上部開口に段ボール紙を被せただけであったので、段ボール紙と排水器具の上部開口との間の間隙から臭気・有毒ガスが水槽内に入り込み、所期の目的をほとんど達成することが出来ないという欠点があった。更に加えて、下水道設備が整っていない地域において合併浄化槽を設置している場合は、合併浄化槽内の塩素系消毒剤から発生する塩素ガスによって、ステンレス製等の水槽が腐食するという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。
求項1の発明は、水槽付きキャビネットの水槽の排水器具の上端に密接するフランジ部と、該フランジ部の内周縁に連設され、排水器具の上部内周面に密接する筒部と、該筒部の下端に連設された底壁とを有する密閉具で排水器具の上部開口を密閉し、該密閉具の上から排水器具の上部開口に覆い蓋を嵌め、該覆い蓋と排水器具の内周面とで前記筒部を挟持する状態を水槽付きキャビネットの使用を開始するまで保持し、水槽付きキャビネットの使用を開始する直前に、前記覆い蓋を排水器具の上部開口から離脱させて、密閉具を外すことを特徴とする水槽付きキャビネットの新規設置方法である。
求項2の発明は、密閉具を有する排水器具であって、トラップ機構を有する本体と、この本体の上部開口に着脱自在に嵌められた密閉具と、この密閉具の上から本体の上部開口に着脱自在に嵌められた覆い蓋とを有し、前記密閉具が、本体上端に密接するフランジ部と、このフランジ部の内周縁に連設された、本体の上部内周面に密接する筒部と、この筒部の下端に連設された底壁とを有しており、覆い蓋と本体の内周面とで筒部を挟持するようになされている密閉具を有するものである。
求項の発明は、前記フランジ部の上面に、水槽付きキャビネットの使用を開始するまで密閉具を外さないようにする旨の注意書きが記載されている請求項記載のものである。
【0005】
【発明の効果】
本発明は前記した如き構成によって以下の如き効果を奏する。
求項1の発明によれば、トラップ機構等に水が溜ってトラップ機構等が本来の機能を発揮し得る状態となるまでの間、排水器具の上部開口を密閉する密閉具によって排水管の下流側からの有毒ガス・臭気等が水槽に逆流するのを完全に防止することが出来ることに加えて、密閉具のフランジ部を排水器具の上端に載せることにより密閉具のセットが出来るので、密閉具のセットが行ないやすく、さらに、排水器具の上部開口に嵌めた覆い蓋と排水器具の内周面とで密閉具の筒部を挟持するので、使用を開始するまで排水器具の上部開口の密閉を確実に行なうことが出来る。
求項の発明によれば、密閉具のフランジ部をトラップ機構を有する本体の上端に載せることにより密閉具のセットが出来るので、密閉具のセットが行ないやすく、覆い蓋と排水器具の本体の内周面とで密閉具の筒部を挟持するようになされているので、密閉を確実に行なうことが出来る。
求項の発明によれば、水槽付きキャビネットの使用を開始するまで密閉具を外さないようにする旨の注意書きがフランジ部の上面に記載されているので、不用意に水槽付きキャビネット使用開始前に密閉具が外される恐れがない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
まず、ダイニング1に設置された水槽付きキャビネット3(この実施の形態では流し台)につき説明する。
水槽付きキャビネット3は、天板4、水槽5及び水槽5の排水口6に取り付けられた排水器具8等を有している。
前記排水器具8には排水管9が接続されており、この排水管9が合併浄化槽(図示略)に接続されている。
【0008】
前記排水器具8は、上部開口11を有すると共に下部にトラップ機構12を有する本体13と、この本体13の上部段部に着脱自在に取り付けられたごみかご14と、本体13の上部開口11に着脱自在に嵌められた密閉具15と、この密閉具15の上から本体13の上部開口11に着脱自在に嵌められた、排水開口17を有する覆い蓋16とを有している。
【0009】
前記密閉具15は、本体13の上端に密接するフランジ部20と、このフランジ部20の内周縁に連設された、本体13の上部内周面に密接する筒部21と、この筒部21の下端に連設された底壁22とを有している。そして、覆い蓋16と本体13の内周面とで密閉具15の筒部21を挟持するようになされている。
密閉具15は、厚さ0.2mm程度の合成樹脂製である。
前記フランジ部20の上面には、水槽付きキャビネット3の使用を開始するまで密閉具15を外さないようにする旨の注意書き、例えば、「排水口より塩素ガス等が上がり錆が発生する恐れがありますので、入居まではこの密閉具を外さないで下さい。」というような注意書きが記載されている。
【0010】
【発明の実施の形態方法】
次に発明の実施の形態方法を説明する。
新規設置の水槽付きキャビネット3の水槽5の排水器具8の上部開口11を密閉具15で密閉した状態を使用者が水槽付きキャビネット3の使用を開始するまで保持し、使用者が水槽付きキャビネット3の使用を開始する直前に密閉具15を外して直ちに水を流す。このような作業を経て、新規設置の水槽付きキャビネット3の使用を開始する。
【0011】
【変形例等】
以下に変形例等について説明を加える。
(1)密閉具15は、排水器具8の上部開口11を密閉出来るのもであれば、形状・素材等は任意である。
(2)密閉具15の筒部21の下端をごみかご14の底部より下方まで伸ばし、その筒部21の下端に底壁22を連設し、排水器具8の本体13に密閉具15をセットした後、あみかご14及び覆い蓋16をセットするようにしてもよい。
(3)排水器具8はトラップ機構12を有しないものでもよい。その場合、別個にトラップ装置を設けることは云うまでもない。
(4)覆い蓋16の形状は任意である。
(5)覆い蓋16の形状によっては、覆い蓋16と排水器具8の本体13の内周面とで密閉具15の筒部21を挟持させないこともある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態方法を説明するための水槽付きキャビネットの正面図である。
【図2】図1のA部分拡大断面図である。
【図3】密閉具の拡大断面図である。
【符号の説明】
3 水槽付きキャビネット
5 水槽
8 排水器具
11 上部開口
12 トラップ機構
13 本体
14 ごみかご
15 密閉具
16 覆い蓋
17 排水開口
20 フランジ部
21 筒部
22 底壁

Claims (3)

  1. 槽付きキャビネットの水槽の排水器具の上端に密接するフランジ部と、該フランジ部の内周縁に連設され、排水器具の上部内周面に密接する筒部と、該筒部の下端に連設された底壁とを有する密閉具で排水器具の上部開口を密閉し、該密閉具の上から排水器具の上部開口に覆い蓋を嵌め、該覆い蓋と排水器具の内周面とで前記筒部を挟持する状態を水槽付きキャビネットの使用を開始するまで保持し
    槽付きキャビネットの使用を開始する直前に、前記覆い蓋を排水器具の上部開口から離脱させて、密閉具を外すことを特徴とする水槽付きキャビネットの新規設置方法。
  2. トラップ機構を有する本体と、この本体の上部開口に着脱自在に嵌められた密閉具と、この密閉具の上から本体の上部開口に着脱自在に嵌められた覆い蓋とを有し、前記密閉具が、本体上端に密接するフランジ部と、このフランジ部の内周縁に連設された、本体の上部内周面に密接する筒部と、この筒部の下端に連設された底壁とを有しており、覆い蓋と本体の内周面とで筒部を挟持するようになされている密閉具を有する排水器具。
  3. 前記フランジ部の上面に、水槽付きキャビネットの使用を開始するまで密閉具を外さないようにする旨の注意書きが記載されている請求項記載の密閉具を有する排水器具。
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