JPS6126419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は路面加熱装置、特に、熱風を使用する
路面加熱装置に関するものである。

アスフアルトコンクリート路面の補修工事にお
いては、車輌に路面加熱装置を装備し、この加熱
装置により路面を加熱して軟化させ、その後に路
面を補修する。

従来、前記路面加熱装置としては、たとえば、
直火式バーナ、赤外線バーナ、輻射加熱を採用す
るものが広く実用化されている。

しかしながら、前記のものは、いずれも複数本
のバーナを単独で使用するため、バーナの調整が
煩雑であり、かつ、現場状況に応じて加熱能力を
均一に調整することが難かしい。

また、直火式バーナを採用するものでは、バー
ナの位置する路面と位置していない路面とで加熱
温度が不均一になるとともに、バーナの位置する
路面が過熱し黒煙が発生する危険性がある。赤外
線バーナあるいは輻射加熱を採用するものでは、
直接加熱でないため熱効率が悪いという欠点を有
していた。

そこで、熱風発生装置により発生させた熱風を
ダクトに導入し、ダクトに設けたノズル、スリツ
ト等の吹出し孔から噴出させることにより、バー
ナの調整が容易で、かつ、均一加熱ができるとと
もに熱効率を向上させた熱風式路面加熱装置が提
案されている。

ところで、前記いずれの形式のものも、加熱が
できる加熱巾は一定であり、路面補修巾の変更に
対応できず、補修工事を効率的に行なえないとい
いう欠点を有していた。

本考案は、前記従来の欠点を除去するために
種々検討の結果、熱風式のものにあつては、ダク
トをスライド式とすることができるという点に着
目し、主ダクトに、加熱巾方向に突出可能な分岐
ダクトを設けた構成とし、加熱巾を所定範囲で可
変することにより路面補修巾の変更に対応できる
路面加熱装置を提供することを目的とする。

つぎに、本考案を一実施例である図面にしたが
つて説明する。

図面は、車輌に装備される熱風式路面加熱装置
を示し、大略、熱風発生装置１、下面に多数の吹
付け孔であるノズル（あるいはスリツト）７を有
する主ダクト６、この主ダクト６から加熱巾方向
に突出して設けた分岐ダクト８と、前記各ダクト
６，８を覆つて設けたフード１５と、フード１５
内と前記熱風発生装置１とを連通し、内部に循環
フアン１８を内蔵した接続ダクト１７とからな
る。

そして、前記熱風発生装置１は内部に直火式バ
ーナ２を有するとともに、供給ダクト３内に設け
た熱電対５と温度制御器TICとからなる温度制御
装置４を有し、バーナ２で加熱された熱風温度を
熱電対５で検出し、温度制御器TICでこの熱風温
度を設定温度になるように燃料、エア供給量を調
整する。

前記主ダクト６は前記供給ダクト３に接続さ
れ、かつ下面に多数のノズル７を有するもので、
その側壁には加熱巾方向に突出し、下面に多数の
ノズルを有する分岐ダクト８を備えている。この
分岐ダクト８は第２図に示すように、主ダクト６
と一体に形成された固定分岐ダクト８ａと、金属
ベローズ９等で主ダクト６に伸縮可能に取付けら
れた可動分岐ダクト８ｂとからなるとともに、可
動分岐ダクト８ｂの他端は可動フレーム１１に取
付けられている。

前記主ダクト６を保持する本体フレーム１０に
は上下に２個づつのベアリング１２が設けられ、
前記可動フレーム１１に設けたガイドバー１３が
挿通され、可動フレーム１１は図示しない周知の
人力や遠隔操作可能なパワシリンダ等の駆動機構
で第３図に示すように移動可能となつている。な
お、１４は蛇腹である。

前記フード１５は各フレーム１０，１１を覆つ
ており、その上部は内部に循環フアン１８を内蔵
する接続ダクト１７を介して前記熱風発生装置１
に挿通し、前記ノズル７から路面２０に吹付けら
れた熱風の大部分を熱風発生装置１に戻すように
なつている。また、前記フード１５の下面周縁に
は、たとえば、アスベストからなるカーテン１６
を備え、ノズル７から吹付けられた熱風の外部へ
の放散を極力防止するようになつている。なお、
１９は排ガス放出口である。

したがつて、前記構成からなる路面加熱装置に
おいては、循環フアン１８により供給された空気
は熱風発生装置１の温度制御装置４によりバーナ
２で所定温度の熱風となり、供給ダクト３、主ダ
クト６、分岐ダクト８の各ノズル７から路面１９
に噴出し、路面２０を加熱軟化させる。そして、
ノズル７から噴出し路面２０を加熱し温度が降下
した熱風は、循環フアン１８の吸引力によりカー
テン１６から侵入する外気とともにフード１５に
吸引され、接続ダクト１７を介して熱風発生装置
１へ戻入する。つまり、ノズル７から吹出した熱
風の大部分は循環使用されることになる。

一方、路面補修巾が変更された場合には、前記
のように駆動装置により可動フレーム１１を第２
図から第３図に、あるいは逆に移動させることに
より補修巾の変更に極めて容易に対処することが
できる。

前記実施例においては、分岐ダクト８を固定分
岐ダクト８ａと可動分岐ダクト８ｂとで構成した
が、第４図、第５図に示すように、各分岐ダクト
８の先端部を可動フレーム１１に固定し、主ダク
ト６に対し摺動自在とすることにより、すべて可
動分岐ダクトとしてもよい。２１はシールであ
る。

なお、実施例においては、フードを設けて路面
を加熱した後の熱風を回収して循環使用するよう
にしたが、本考案はこれに限らないことは勿論で
ある。また、第４図、第５図のものにおいて、主
ダクト６には吹付け孔を設けることなく、単に分
岐ダクト８に熱風を分配するだけとしてもよい。
この場合、分岐ダクト８が伸長した場合、その端
部は主ダクト６の中央に位置させる必要がある。

以上の説明で明らかなように、本考案にかかる
路面加熱装置によれば、路面を熱風を吹付けるこ
とにより行なうとともに、吹付け孔を有するダク
トの巾を可変としたため、熱風式加熱装置の利点
の他に路面補修巾の変更に容易に対処できるとい
う実用的価値の大なる路面加熱装置とすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の路面加熱装置の一実施例を示
す概略説明図、第２図および第３図はダクトの伸
縮状態図で、第４図および第５図はダクトの他の
実施例を示す伸縮状態図である。 １……熱風発生装置、６……主ダクト、７……
吹付け孔、８……分岐ダクト、８ａ……固定分岐
ダクト、８ｂ……可動分岐ダクト、２０……路
面、２１……シール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 熱風発生装置で発生させた熱風を吹付けて路
   面を加熱する路面加熱装置において、固定主ダ
   クトと、下面に吹付け孔を有し、加熱巾方向に
   移動可能な分岐ダクトを設けたことを特徴とす
   る路面加熱装置。 (2) 前記移動可能な分岐ダクトを、遠隔駆動装置
   により移動させることを特徴とする前記実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の路面加熱装
   置。