JPS61263603A - 透過選別方法 - Google Patents

透過選別方法

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JPS61263603A
JPS61263603A JP10396885A JP10396885A JPS61263603A JP S61263603 A JPS61263603 A JP S61263603A JP 10396885 A JP10396885 A JP 10396885A JP 10396885 A JP10396885 A JP 10396885A JP S61263603 A JPS61263603 A JP S61263603A
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博 伊藤
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新田 敦彦
Tomio Tanaka
田中 富夫
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は温度により変化する透過選別能を有する水性ゲ
ルを用いて透過選別する方法忙関する。
更に詳しくは、特定の(メタノアクリルアミド誘導体の
重合体を水に不溶化してなる温度により変化する透過選
別能を有する水性ゲルの利用に関する。
従来技術とその問題点: 従来、透過選別能を有するものとして、古(はウシのぼ
うこう膜、魚の5きぶ(ろ、硫酸紙、コロジオン膜、セ
ロファン紙などの天然または半合成の半透膜が知られて
おり、また最近になって逆浸透膜、限外r過膜等のより
高次な選別能を有する透過膜の開発が行われており、酢
酸セルロース系以外にも種々の合成高分子の膜が検討さ
れている。しかし、天然物を素材とするものは親水性で
はあるが、強度が十分ではなく、一方合成高分子を素材
とするものは強度的にはある程度満足できるが、素材そ
のものが疎水性であるので、水溶液を対象とした場合透
過速度を大きくできない等の問題がある。その解決方法
として親水性を有する素材を用いた透過選別能を有する
基材の開発が鋭意行われている。
例えば、日本化学会誌、平田ら著、894〜899頁、
1974年にはポリビニルアルコールを基体とした透過
選別能を有するゲル形成剤の開示が、また英国特許1.
403.883号にはN−アクリロイルモルホリンの重
合体を基体としたゲル形成剤が開示されているが十分満
足できるものになっていない。その最大の問題は一種類
のゲルだけでは透過選別できる分子量の範囲が狭いので
、通常それらのゲルを使用して透過選別する場合には、
数種類のゲルを併用することが必須であり、そのように
してはじめて種々の分子量の物質の分離が可能となり、
その結果として測定に多大の時間と多くの労力を費すこ
とになる。
問題点を解決するための手段: 本発明者らは親水性を有する素材として、N −置換(
メタ〕アクリルアミド誘導体の重合体を選び鋭意検討し
たところ、特定の(メタ)アクリルアミド誘導体の水に
不溶化した重合体は、水との接触により保水ゲル換言す
れば水性ゲルを形成し、重合体は水性ゲル中で極めて特
異的な構造を形成することを見出した。
すなわち、上記した保水ゲルを凍結乾燥し、走査型電子
顕微鏡で観察した結果を参考例に示したが、小さなセル
の集合した蜂の巣状のハニカム構造が形成されているこ
とが示され、その各々のセルは水で満たされ、保水ゲル
が形成されていることが認められた。
更に、その保水ゲルの容積は温度により変化し加温によ
りゲルは収縮して水を放出し、冷却によりゲルは吸水し
て膨潤することが認められ、従って温度によりゲル容積
を変化させることができるので、任意の温度に設定する
ことにより所望の透過選別能に制御することができるこ
とを見い出して本発明に到達した。
即ち本発明は、一般式(1)または一般式([[)で表
わされるーせ六 几。
(上式でR,は水素原子またはメチル基、−は水素原子
、メチル基またはエチル基、馬はメチル基、エチル基ま
たはプロピル基を表わす。〕一般ナト 0H2= O−aoNoA(11) (上式で鳥は水素原子またはメチル基、Aは+OH2す
でnは4〜6を表わす。) N−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリ
ルアミドの単独または共重合体、もしくは他の共重合し
うる単量体との共重合体を水に不溶化してなる重合体の
水性ゲル温度を変化させて透過選別することを特徴とす
る透過選別方法である。
上記した透過選別方法に用いられるN−アルキルまたは
N−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドの単独また
は共重合体、もしくは他の共重合しうる単量体との共重
合体を水に不溶化してなる重合体の水性ゲルは、上記し
た構造をとる結果として(1)保水ゲルの強度が強く、
且つ含水率を高くしてもその強度低下は少く、(刀ゲル
中での溶質の拡散速度が大きい等の特徴を有する。
本発明において用いられるN−アルキルまたはN−アル
キレン置換(メタ〕アクリルアミドとは、上記一般式(
1)及び一般式(If)で表わされるものであり、具体
的には、たとえばN −n−プロピルアクリルアミド、
N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピル
アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N、 N−ジエチルアクリル
アミド、N−エチルメタクリルアミド、N、 N−ジメ
チルアクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミ
ド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイル
ピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタク
リロイルピペリジン等をあげることができる。
また、上記した単量体と共重合可能な単量体としては、
親水性単量体、イオン性単量体、親油性単量体等があげ
られ、それらの一種以上の単量体が適用できる。
具体的には親水性単量体として、たとえばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン
、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、各種のメトキシポリエ
チレングリコールメタクリレート、各種のメトキシポリ
エチレンクリコールアクリレ−)、N−ビニA/ −2
−ピロリドン等をあげることができるし、また酢酸ビニ
ル、グリシジルメタクリレート等を共重合たより導入し
て、それを加水分解して親水性を賦与することもできる
イオン性単量体としては、たとえばアクリル酸、メタク
リル酸、ビニルスルホン酸、了りルスルホン酸、メタリ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミ
ド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルア
ミド−2−メチル−プロパンスルホン酸等の酸及びそれ
らの塩、N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
、N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N、
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメ
チルアミノプロピルメタクリルアミド、N、 N−ジメ
チルアミンプロピルアクリルアミド等のアミン及びそれ
らの塩等をあげることができる。また、各種アクリレー
ト、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリロニトリル等を共重合により導入して、それ
を加水分解してイオン性を賦与することもできる。
親油性単量体としては、たとえばN −11−ブチルア
クリルアミド、N−rl−ブチルメタクリルアミド、N
 −tert−ブチルアクリルアミド、N −tert
−ブチルメタクリルアミド、N−n−ヘキシルアクリル
アミド、N−rl−へキシルメタクリルアミド、N −
n−オクチルアクリルアミド、N−n−オクチルメタク
リルアミド、N −tert −オクチルアクリルアミ
ド、N−n−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシ
ルメタクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリル
アミド誘導体、N、N−ジグリシジルアクリルアミド、
N、N−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4−グ
リシドキシブチルノアクリルアミド、N−(4−グリシ
ドキシブチル〕メタクリルアミド、N−(5−グリシド
キシペンチルノアクリルアミド、N−(6−ゲリシドキ
シヘキシル)アクリルアミド等のN−(ω−グリシドキ
シアルキル)(メタコアクリルアミド誘導体、エチルア
クリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2
−エチルへキシルメタクリレート、グリシジルメタクリ
レート等の(メタ〕アクリレート誘導体、アクリロニト
リル、メタクリレートリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、
エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチ
レン、α−メチルスチレン、フタジエン、インゾレン等
をあげることができる。
次に上記した単量体の重合体を水に不溶化する方法とし
ては、重合時忙不溶化する方法と重合後の処理で不溶化
する方法があるが、具体的な不溶化方法として、分子中
に少くとも二個以上の二重結合を有する架橋性モノマー
\上記した(メタ)アクリルアミド誘導体と共重合する
方法、N−アルコキシメチル(メチルアクリルアミド誘
導体を共重合する方法、上記した親油性モノマーの比率
を高めて(メタ)アクリルアミド誘導体と共重合する方
法、塊状で重合する方法、重合体を加熱処理する方法、
酢酸セルロース、ナイロン等の水に不溶のフィルム状物
質と重合体を一体化する方法、重合体中に水酸基あるい
はアミノ基等が存在する場合には、それらとエピクロル
ヒドリン等の多官能性化合物を反応させて架橋し、不溶
化する方法等を採用できる。
より具体的には第1の方法では架橋性上ツマ−として、
たとえばN、 N/−メチレンビスアクリルアミド、N
、N−ジアリルアクリルアミド、トリアクリルホルマー
ル、N、N−ジアクリロイルイミド、N、 N−ジメタ
クリロイルイミド、エチレングリコールアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、各種ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、各種ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、各種
ポリプロピレングリコールジアクリレート、各種ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、1.5=ブチレ
ングリコールジアクリレート、1.5−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、1.4−ブチレングリコールジ
メタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロ−lロパントリ
メタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロ
ールメタントリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジア
リルフタレート等を使用できる。
第2の方法でのN−アルコキシメチル(メタ)アクリル
アミド誘導体としてはN−ヒドロキシメチル(メタ)ア
クリルアミドも含み、たとえばN−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタコアクリル
アミド、N−エトキシメチル(メタコアクリルアミド、
N−n−ブトキシメチル(メタコアクリルアミド、N 
−tert −ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド
等を使用できる。
第3の方法での親油性モノマーのアンフィフィリツクな
性質を有する(メタコアクリルアミド誘1& 導体に対する比率(メタノアクリルアミド誘導体へ と親油性モノマーとの組合せにより変化し一概に断定で
きないが、一般的には1チ以上、好ましくは5%以上で
ある。その時共重合法としては、ランダム共重合、ブロ
ック共重合、グラフト共重合のいづれもが採用できる。
第4の方法による塊状で重合する方法としては溶媒で稀
釈せずにそのまま重合して重合体ブロックを得る方法、
或いは溶媒に懸濁させなからモノマー筒中で重合を行い
、粒子状重合体を得る方法等を採用できる。
第5の方法である重合体を加熱処理する方法において加
熱条件は重合体忙より異なり一様ではないが、一般的に
は60〜250℃、好ましくは80〜200℃の温度で
、塊状重合、懸濁重合、溶液重合等で得た重合体を加熱
処理する。その際溶液重合においては、乾燥或いは溶媒
の留去と加熱処理を兼ねて行ってもよい。
第6の方法であるフィルム状物質と一体化する方法とし
ては、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポバール、ポリアクリロニ
トリル、ポリスチレン等でできた水に不溶のフィルム状
物質に上記した(メタノアクリルアミド誘導体を含浸重
合或いはグラフト重合する方法、及び重合体を含浸させ
る方法等を採用できる。
第7の方法であるエピクロルヒドリン等の多官能性化合
物を反応させて架橋し、不溶化する方法では重合体中に
水酸基あるいはアミン基を予め導入しておく必要がある
。アミン基は共重合たより容易に導入できるが、水酸基
の場合にはヒドロキシエチルメタクリレート、イソプロ
ペニルフェノール等との共重合または酢酸ビニル、グリ
シジルメタクリレート等を共重合で導入して、その後塩
基性物質でケン化して水酸基を導入する方法もある。つ
いで、前記した重合体とエピクロルヒドリン等の多官能
性化合物とを塩基性物質の存在下に反応させて架橋し不
溶化する。その際、水溶液そのままで不溶化すると寒天
状となり、それを破砕することにより実用に供される。
また水溶液を油中に分散させて不溶化すると粒状ゲルと
なる。
上記した7つの方法を各々単独で採用してもよいし、併
せて採用してもよい。概ね併用したほうがより効果的な
結果を得ることができる。
上記した方法に従って、本発明の透過選別能を有する水
性ゲルを製造するために使用する重合体の製造に当って
採用できるより具体的な方法としては、たとえば(1)
モノマーを溶剤で稀釈せずにそのまま重合して重合体ブ
ロックを製造する方法、(2)溶剤中で重合して重合後
乾燥或いは、貧溶剤中に重合体を析出させて重合体を得
る方法、(3)懸濁重合により粒子状重合体として得る
方法、(4)乳化重合により重合体ラテックスとして得
る方法等を採用できる。その際、重合を開始する方法と
しては、加熱のみによっても行いうるが、通常重合開始
剤を使用したほうが良好な結果が得られる。重合開始剤
としてはラジカル重合を開始する能力を有するものであ
れば制限はなく、たとえば無機過酸化物、有機過酸化物
、それらの過酸化物と還元剤との組合せおよびアゾ化合
物などがある。具体的には過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリ、過酸化水素、  tert−ブチルパーオキシド
、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキ
シド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、過安息香酸ブチル等があり、それらと組合せ
る還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コ
バルトなどの低次のイオン価の塩、アニリン等の有機ア
ミン更にはアルドース、ケ) −ス等の還元糖等を挙げ
ることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロ
パン塩酸塩%212’−アゾビス−2,4−ジメチルバ
レロニトリル、4.4′−アゾビス−4−シアツバレイ
ン酸などを使用することができる。また、上記した重合
開始剤の2種以上を併用することも可能である。この場
合の重合開始剤の添加量は通常採用される量的範囲で充
分であり、たとえば単量体当り0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜2重量%の範囲である。
重合体の粉末状品は水溶液中でゲル重合を行いその後乾
燥粉砕して得られる。一方、粒状品は一般的には懸濁重
合法により製造されるが、本発明で使用されるN−アル
キルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド
は一般に水溶性が高いので、懸濁重合法としては単量体
またはその水溶液等を油中に分散した逆相懸濁重合、水
溶液中に多量の電解質等を溶解して単量体の溶解度を抑
制して行う塩析懸濁重合、更には重合体の画点以上の高
温で重合を行い、重合体を析出させる析出懸濁重合等の
方法が採用される。
このようにして得られる重合体のうち、ブロック状のも
の、または溶剤を留去して得られる重合体は粉砕により
粉状に、または融解して粒状、フレーク状、繊維状また
はフィルム状に成型し、粒子状重合体はそのままの形で
、またラテックス状重合体は布および紙のような繊維状
あるいは多孔質物質に含浸コーティングしたり、または
フィルム化したのち水と接触させて透過選別能を有する
水性ゲルとして提供することができる。
上記した各種形態の重合体を水と接触させて水性ゲルと
する場合の条件は、重合体の形態によっても異なるが、
通常、常温乃至は若干の加温状態で大量の水と数時間、
好ましくは一昼夜接触させることによって水性ゲルとす
ることが出来る。而して所望の透過選別能に調整するに
は、温度と透過物質の透過選別能との相関を実験的に求
めた上で、所定の温度で充分に熟成して保水ゲルの容積
を定常値とする方法が用いられ、斯くして透過選別能を
有する水性ゲルとして使用することが出来る。
本発明において透過選別とは、水性ゲル中に水溶液を透
過させた際、その水溶液に溶解している溶質が選別され
ることを言うものであり、選別の具体的意味としては、
たとえば半透膜のようにある特定の物質は透過させずに
水性ゲル外に排除する場合とか、一方ゲル濾過クロマト
グラフィーのように水性ゲル中を透過しながら溶質の性
質に応じて溶質量の分離を生じ、結果として溶質の溶出
時間に差が生じる場合等がある。即ちゲル中に溶質の滲
透しない場合とか滲透してもその過程で選別の起こる場
合のいづれもが本発明の対象となる。
本発明の方法により透過選別を行なう際、選別を引き起
こす要因としては、溶質の分子量および溶質の分子構造
が考えられる。溶質の分子量による選別において、同族
体の場合には分子量の大きさに応じて選別されるが、構
造を異にする場合においては、同一分子量でも溶液中に
おける溶質分子の溶存状態が異なるため、−義的忙規定
はできない。一方、溶質の分子構造は、本発明に適用で
きる前記一般式(1)及び(It)で表わされるN−置
換(メタ)アクリルアミドの重合体は水溶液中でカルボ
キシ基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、メルカプト
基のような活性水素を有する基の置換した化合物及び疎
水性残基の置換した化合物等と複合体を形成するので、
そのような構造を有する溶質との間に働(分子間力を利
用して選別を行うことも可能である。
また、水との接触により形成される保水ゲルの構造であ
るが、一般に樹脂の保水量の値により保水ゲル中のハニ
カム構造を構成するセルの大きさ及び樹脂の疎水性につ
いて推測がつく。水の保水量は重合体の組成及び水溶液
の組成等により変化する。重合体組成について言えば、
前記した共重合しうる単量体のうち親油性単量体との共
重合体では、その比率が増してゆくと保水量は低下し、
−力水性ゲルの機械的強度は大きくなる。また、親水性
もしくはイオン性単量体との共重合体では、その比率が
増してゆくと保水量そのものは増加するが、同時に機械
的強度も低下する。上記したように重合体組成により保
水量は変化するが、概ね常温(25℃〕においては自重
の1.5倍からion倍程度の水を保水できる。
次に、本発明の最も顕著な特徴である温度九より変化す
る透過選別能は、本発明の水性ゲルが水溶液中において
温度によりその容積を変化させる現象にもとづいている
。すなわち低温はどゲルの保水量は増加し、その保水ゲ
ルの容積は増大する。
一方、加温してゆくとゲルの保水量は減少してゆき、そ
の保水ゲルの容積は縮小してゆく。具体的にその保水ゲ
ルの容積量及び温度によるその容積変化等については、
重合体の組成すなわちどのような単量体を使用したかに
よって変ってくる。たとえば、N−アクリロイルピロリ
ジン、N −7クリロイルピペリジン、N −n−プロ
ピルアクリルアミド、N−イソ−プロピルアクリルアミ
ド等の場合は、それらの重合体が水溶液中において加熱
により曇りt生じるので、温度による保水ゲルの容積変
化忙屈曲点が存在する。一方N、N−ジメチルアクリル
アミド、N−エチルアクリルアミド等の場合には、それ
らの重合体は水溶液中において加熱しても曇りは生じな
いが、加温により保水ゲルの容積は連続的に減少する。
また、疎水性モノマーを共重合すると保水ゲルの容積は
減少し、屈曲点のある場合には低温側に移動する。一方
、親水性またはイオン性モノマーとの共重合においては
、保水ゲルの容積は増大し、屈曲点は高温側に移動する
。具体的な保水ゲルの容積は重合体組成に太き(依存し
、−概には述べられないが、概ね常温(25℃〕におい
ては、単位重量あたり2.5〜100倍の容積になる。
また、温度による容積変化も一概には述べられないが、
たとえば10”Cから50℃までの温度変化により容積
は約20倍の変化が可能となる。
上記した性質を有する本発明の水性ゲルを使用して溶質
を透過選別する場合に適用できる溶質としては、水溶性
のものでも水不溶の微粒子の分散したものでもよく、多
種のものが適用できる。その時、微粒子は当然のことと
してゲル外に排除される。また、分子の大きさにより透
過選別が行われる場合、その水性ゲルの分画分子量の具
体的な値については重合体の組成、温度及び水溶液の組
成更には濃縮物質の種類により太き(変化するので一様
には述べられない。しかし乍ら、本発明の水性ゲルは、
ゲル容積の変えられる範囲が大きいので、分画分子量は
非常に幅広くなり数百から数十万にも及ぶことが出来る
。その際加温によりゲルを収縮させると、結果として分
画分子量は小さくなる。また、同じゲルを使用しても溶
質の種類によりその分画分子量は異なり、ポリエチレン
グリコールのように水溶液中での分子鎖の広がりの大き
いものではその分画分子量は小さくなり、一方、デキス
トランまたはタンパク質のように水溶液中でコンパクト
な構造をとるものではその分画分子量は大きくなる。ま
た、分画分子量は当然一義的に決められるのではなく、
分布を持ったものになる。一方、溶質の分子構造によっ
ても透過選別を行うことができる。その構造としては、
カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、メル
カプト基のような活性水素を有する置換基、及び脂肪族
炭化水素基、脂環式基、芳香族炭化水素基、複素環式基
等の疎水性基があげられ、水溶液中で本発明の樹脂とそ
れらの置換基との間で分子間力が働き、それにより選別
が行なわれる。その分子間力は加温により強くなるので
温度により透過選別が可能になり、加温により透過速度
は小さくなる。上記した化合物として、水溶性のもので
もまた水中に微細に懸濁したものでも特に制限はなく、
たとえばエマルション、菌体、たんばく質、酵素、アミ
ノ酸、核酸、多糖類、食品、抗生物質、各種生理活性物
質、フェノール類、アルコール類、脂肪族カルボン酸類
、芳香族カルボン酸類、複素環カルボン酸類、脂肪族ス
ルホン酸類、芳香族スルホン酸類、モノ及びシリン酸エ
ステル、ADP。
ATP等のポリリン酸エステル、界面活性剤、芳香族化
合物、色素、香料などがあげられる。
次に本発明の基本的な実施態様であるが、大きくわけて
次の3つがある。すなわち(1)バッチ式処理、(2)
カラムクロマト式処理、(3)濾過式処理である。(1
)のバッチ式処理とは、粉状、フレーク状、ビーズ状、
繊維状、フィルム状の重合体をあらかじめ置換したい溶
液で膨潤させておき、それを水溶液に接触させ、その後
水性ゲルを水溶液と分離する。また、本発明の水性ゲル
は加温により収縮して、水を放出する性質を有するので
、くり返し使用する場合には分離後の水性ゲルを加温し
て吸収している溶液を放出させ、その後再び置換したい
溶液で膨潤させ、上記した方法を(り返し行う方法が採
用される。
タトエば、タンパク質、エマルション等の水溶液より溶
存する電解質を除去する場合、従来は半透膜等により行
っていたが、本発明の水性ゲルを使用することにより速
やかに行なうことが出来る。
すなわち、水性ゲルをその水溶液と接触させると水性ゲ
ル中へ電解質のみ拡散し、溶液中とゲル中での電解質の
濃度は等しくなり、結果として溶液中より電解質は除去
される。その時、溶液中の電解質が平衡濃度に達するま
での時間は極めて短時間で済み、20〜100メツシユ
のN−アクリロイルピロリジンの架橋樹脂を使用した時
には、2゜3分で平衡になる。したがって、そのような
操作をくり返すことにより、溶液中より電解質を除去す
ることが可能となる。
(2)のカラムクロマト式処理とは、粉末状、もしくは
粒子状の水性ゲルを一定温度でカラムに充填しておき、
そこに分離すべき溶液を流し、溶質の保水ゲル中への拡
散の差を利用して、透過選別を行うものであり、一般に
ゲル中への拡散の起こりにくい高分子量のものほど溶出
時間は速くなる。
また、本発明のゲルは温度により透過選別能を変えられ
るので、同一のゲルを使用しても温度の設定により分画
分子量を任意に変えられる。従って同一ゲルを使用して
も温度を変えるだけで非常に幅広く分画分子量を設定で
き、単一ゲルのみで非常に広範囲にわたる透過選別を行
うことができる。
(3)濾過式処理とは、本発明の水性ゲルを膜状または
必要に応じて保持体を使用して膜状、中空状に成型して
一方向より加圧または減圧或いは遠心力等を利用して溶
液を濾過するものであり、本発明の水性ゲルを使用した
場合、従来のものに比べて濾過流速を大きくすることが
可能であり、また温度を変えることにより濾過流速及び
分画分子量を制御できる。その時、膜を重ね合わすこと
により溶質の分画効率を上昇でき、一方、濾過を異なる
温度域を経由して行うことにより幅広い分画範囲での分
離が可能になる。
作用: 本発明の温度により変化する透過選別能を有する水性ゲ
ルの具体的応用例は極めて広範囲忙わたっており、たと
えば発酵液よりのビタミン、抗原、酵素、たん白質、ス
テロイド、抗生物質及びその他の生理活性物質の濃縮及
び分離、種々の糖類水溶液の脱色、脂肪族及び芳香族カ
ルボン酸、またはスルホン酸、更にはリン酸エステルの
濃縮及び分離、上記した水溶液よりの脱塩、液体クロマ
トグラフィーの充填剤、フェノール類の濃縮・除去、種
々の界面活性物質の濃縮・分離、種々の香料の濃縮・分
離、医薬、農薬等の種々の化学物質の濃縮=分離・精製
等、また水とアルコール等の低分子間の分離もあげられ
る。更には各種有用物質の徐放性基材としても使用でき
る。
本発明の透過選別方法は、(1)同一の水性ゲルでも温
度の設定により透過選別能を幅広く変えられるので広範
囲にわたる分離ができる。(2)水性ゲルはハニカム構
造をとるので、機械的強度及び膨潤・収縮を繰り返した
時の耐久性に優れており、通液する水溶液の流速あるい
は圧力を大きくできる。
(3)水性ゲル中への溶質の拡散速度が大きいので、水
性ゲル中での透過速度が大きくなり、短時間のうち忙効
率よく処理ができる。(4)本発明の水性ゲルは溶液中
の電解質による保水量の変化が小さいので、溶液中の電
解質濃度が変化しても、水性ゲルの透過選別能に及ぼす
る影響は小さい等の効果を有する。
以下、本発明を実施例により更に説明する。
実施例1 N−アクリロイルピロリジン5gを5ゴのサンプル管に
入れ、0.02,9のt−ブチルパーオキシ(2−エチ
ルヘキサノネートノを添加して、40℃で無溶媒重合を
行い、ブロック状のポリマーを得た。該ポリマーを粉砕
し、20〜100メツシ工留分を採取し、サンプルとし
た。該サンプル粉末を10℃の蒸留水中で膨潤させたゲ
ル10.4g(膨潤倍率25倍、含有水分量10g)を
温度10℃、濃度43チの19BRラテツクス(三井東
圧化学(株)製、ポリラック755 )109に添加し
、10℃で1時間攪拌した後にラテックスの濃度を測定
したところ、40%であった。また試験前のSBRラテ
ックスの25℃での電気伝導度は4,6−y−であった
が、試験後に液を金網で濾過して得られたr液の25℃
での電気伝導度は2.5m1J/備になっていた。
実施例2 実施例1で得られたサンプル粉末を50℃の蒸留水中で
膨潤させたゲル1 t4,1it(膨潤倍率8倍、含有
水分量109)を用いて、50℃で実施例1と同様の方
法で試験を行なったところ、ラテックスの濃度は42チ
となり、F液の25℃での電気伝導度は2.4 mQ 
7cmとなっていた。また濾過して得られた膨潤ゲルを
蒸留水で良く洗浄した後、10℃の蒸留水中に浸漬して
おいたゲル10.4.!9を用いて10℃で実施例1と
同様の方法で試験を行なったところ、ラテックスの濃度
は41チとなり、P液の25℃での電気伝導度は2.3
m7J/cmとなっていた。試験前後の膨潤ゲルを顕微
鏡で観察したが、攪拌等によるゲルの破砕等は生じてい
なかった。
実施例3 N−アクリロイルピロリジン5075.9とN、N’−
メチレンビスアクリルアミド2.6gとを蒸留水t17
o、9に溶解し、0.5wt%のN、 N’−メチレン
ビスアクリルアミドを含むN−アクリロイルピロリジン
の水溶液を調製した。該水溶液を10”Cに冷却した後
、2Eのステンレス製ジュワー瓶に移液し、11/mi
nの流量でき一ルフィルターを用いて窒素ガスを1時間
ノでプリングした。ついで該水溶液に過硫酸アンモニウ
ム2.55gを蒸留水1゜f!蹟溶解した液と亜硫酸水
素ナトリウム1.16.litを蒸留水10gに溶解し
た液とを同時に添加し、該水溶液を断熱的に重合した。
得られたゲルを細断して乾燥した後、更に粉砕して20
〜100メツシ工留分を採取しサンプルとした。該サン
プル粉末を10℃の蒸留水中で膨潤させたゲル10.5
g(膨潤倍率20倍、含有水分量10g)を0.9チの
塩化ナトリウム水溶液に溶解した卵白アルブミン(分子
量45.000)のt04チ水溶液10Iに10℃で添
加し、10℃で1時間攪拌した後その上澄液の2547
L7FLでの吸光度を測定する事により該水溶液の卵白
アルプミ/の濃度を算出したところ0.89%であった
。一方塩化ナトリウムの濃度は、25℃での電気伝導度
を測定する事により求めたところ、0.46%であった
。またサンプル粉末を30℃の蒸留水中で膨潤させたゲ
ル10.8F(膨潤倍率13.5倍、含有水分量10,
9ンを用いて30℃で同様の試験を行なったところ、卵
白アルブミンの濃度は0.93 %となり、塩化ナトリ
ウムの濃度は0.47%となっていた。
実施例4 実施例1で得られたサンプル粉末を10℃の1Nの塩化
す) IJウム水溶液中で膨潤させた後、グラスフィル
ターを用いて濾過し、蒸留水で該膨潤ゲルを洗浄したと
ころ、該膨潤ゲルの10倍量の蒸留水を用いた時点で、
該膨潤ゲル中の塩化ナトリウムの量は0となった。また
1Nの塩化ナトリウム水溶液中で膨潤させたゲルの膨潤
倍率は23倍であり、蒸留水中での値より8チ減少した
だけであった。
比較例1 アクリルアミドの30チ水溶液を用いて実施例3と同様
の方法によりサンプル粉末を得た。該サンプル粉末を用
いて実施例4と同様の方法により、1Nの塩化ナトリウ
ム水溶液中で膨潤させた後、膨潤したゲルを蒸留水で洗
浄したが、該膨潤ゲルの10倍量の蒸留水を用いても該
膨潤ゲル中に塩化ナトリウムは残存していた。また該サ
ンプル粉末の1Nの塩化ナトリウム水溶液中での膨潤倍
率は25倍であり、蒸留水中での値154倍より85チ
も減少していた。
比較例2 21 wt%のアクリル酸ナトリウムを含むアクリルア
ミドの30%水溶液を用いて実施例3と同様の方法によ
りサンプル粉末を得た。該サンプル粉末を用いて実施例
4と同様の方法により、1Nの塩化ナトリウム水溶液中
で膨潤させた後、膨潤したゲルを蒸留水で洗浄したが、
該膨潤ゲルの10倍量の蒸留水を用いても該膨潤ゲル中
に塩化ナトリウムは残存していた。また該サンプル粉末
の1N−の塩化ナトリウム中での膨潤倍率は30倍であ
り、蒸留水中での値505倍より94チも減少していた
実施例5 (L5wt%のN、 N’−メチレンビスアクリルアミ
ドを含むN−n−プロピルアクリルアミドの30チ水溶
液を用いて実°施例3と同様の方法によりサンプル粉末
を得た。該サンプル粉末を10℃の蒸留水中で膨潤させ
たゲル10.6,9(含有水分量10g)及び50℃の
蒸留水中で膨潤させたゲル12.5,1it(含有水分
量10g〕を各々10℃、50℃の、表−1に示した濃
度、分子量のポリエチレングリコール水溶液1011に
添加し、各々10℃、50℃で1時間攪拌した後、その
上澄液の25℃での屈折率を測定する事により該上澄液
のポリエチレングリコールの濃度を算出し、表−1に示
す結果を得た。
表−1 実施例8 実施例3で得られたサンプル粉末を10℃の蒸留水中で
膨潤させたゲル10.5,1it(含有水分量10g)
及び50℃の蒸留水中で膨潤させたゲル118g(含有
水分量10.i9)を、各々10℃、50℃の表−2に
示した組成の各分子量のポリエチレングリコールの混合
水溶液に添加し、各々10℃、50℃で1時間攪拌した
後、その上澄液中の各分子量のポリエチレングリコール
の濃度をケルパーミッションクロマトグラフにより測定
し、表−2に示す結果を得た。
実施例9〜11 4.7wt%の2−アクリルアミド−2−フェニルプロ
パンスルホン酸ナトリウムを含むN−アクリロイルピロ
リジン水溶液を、芒硝等を用いて塩析懸濁重合した後、
得られたゲル粒子を乾燥してサンプル粒子とした。該サ
ンプル粒子を10”Cの蒸留水中で膨潤させたゲルio
、6g(含有水分量10g)及び50℃の蒸留水中で膨
潤させたゲル11、117 (含有水分量10g〕と表
−3に示した濃度、分子量のデキストラン、水溶液とを
用いて実施例5と同様の方法により上澄液の濃度を測定
し表−3に示す結果を得た。
表−3 参考例 実施例1で得られたサンプル粉末を蒸留水中で膨潤させ
た後、該保水ゲルを液体窒素を用いて凍結乾燥し、走査
型電子顕微鏡で観察したところ、第1図に示した様に、
小さなセルの集合した蜂の巣状のハニカム構造が形成さ
れているのが観察された。
【図面の簡単な説明】
第1図はN−アクリロイルピロリジンのポリマー粉末を
蒸留水中で膨潤させた後、凍結乾燥した粒子の表面の走
査型電子顕微鏡写真である。 特許出願人 三井東圧化学株式会社 TV     イt〕

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一般式( I )または一般式(II)で表わされる
    ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (上式でR_1は水素原子またはメチル基、R_2は水
    素原子、メチル基またはエチル基、R_3はメチル基、
    エチル基またはプロピル基を表わす。) ▲数式、化学式、表等があります▼(II) (上式でR_1は水素原子またはメチル基、Aは−(C
    H_2)−_nでnは4〜6を表わす。)N−アルキル
    またはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドの単
    独または共重合体、もしくは他の共重合しうる単量体と
    の共重合体を水に不溶化してなる重合体の水性ゲル温度
    を変化させて透過選別することを特徴とする透過選別方
    法。
JP10396885A 1985-05-17 1985-05-17 透過選別方法 Granted JPS61263603A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014208604A1 (ja) * 2013-06-27 2014-12-31 国立大学法人大阪大学 分子内相互作用に基づく高強度ゲル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014208604A1 (ja) * 2013-06-27 2014-12-31 国立大学法人大阪大学 分子内相互作用に基づく高強度ゲル
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