JPH0678375B2 - 高分子多孔体の製造方法 - Google Patents

高分子多孔体の製造方法

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JPH0678375B2
JPH0678375B2 JP60275037A JP27503785A JPH0678375B2 JP H0678375 B2 JPH0678375 B2 JP H0678375B2 JP 60275037 A JP60275037 A JP 60275037A JP 27503785 A JP27503785 A JP 27503785A JP H0678375 B2 JPH0678375 B2 JP H0678375B2
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meth
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俊見 中川
敦彦 新田
富夫 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高分子多孔体に関する。更に詳しくは特定の
(メタ)アクリルアミド誘導体の重合体を水に不溶化し
て後凍結乾燥してなる高分子多孔体に関する。
〔従来技術とその問題点〕
従来、後記一般式(I)または(II)で示される特定の
(メタ)アクリルアミド誘導体の重合体を水に不溶化し
てなるもの(以下「該水不溶化重合体」と略す)は吸水
して水性ゲルとなる。該水性ゲルは従来のもの、たとえ
ばアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート等の各種親水性単
量体を重合したもの、あるいはアガロース等の多糖類を
架橋したもの等よりなる水性ゲルとその性質を異にして
おり、温度を変えることによりそのゲル中の含水量が変
化し、低温ほど含水率が高くなり、加温により減少する
という特徴を有する(特開昭60−90010)。現在、上記
した特徴を生かして多方面への応用研究がなされてい
る。
しかし、該水不溶化重合体を吸水させて水性ゲルとする
際該水不溶化重合体の形態により、吸水する状態に大き
な差異が存在する。すなわち、比較的粒径が小さく比表
面積が大きいものでは、速やかに吸水して水性ゲルとな
る。しかし、板状、円筒状等の比表面積の小さいもの或
いは粒径の大きいものでは、吸水が緩慢となり平衡の含
水状態に達するまで多大な時間が費される。そのことは
該水不溶化重合体を吸水させて水性ゲルとして各種用途
へ応用させる場合大きな問題となる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記した点に鑑み、該水不溶化重合体の吸
水速度の向上を鋭意検討を行っていたところ、該水不溶
化重合体の水性ゲルを凍結させて、その状態で水を除去
したもの、具体的には凍結乾燥したものは高分子多孔体
となり、吸水速度が大きく増大することを見い出して本
発明に到達した。
即ち本発明は一般式(I)または一般式(II)で表わさ
れる 一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子、
メチル基またはエチル基、R3はメチル基、エチル基また
はプロピル基を表わす。) 一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、AはCH2
でnは4〜6またはCH2 2OCH2 である。) N−アルキルまたN−アルキレン置換(メタ)アクリル
アミドの単独または共重合体、もしくは他の共重合しう
る単量体との共重合体を水に不溶化して後凍結乾燥して
なる高分子多孔体である。
本発明に用いられるN−アルキルまたはN−アルキレン
置換(メタ)アクリルアミド単量体としては、具体的に
はたとえばN−n−プロピルアクリルアミド、N−n−
プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリル
アミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチ
ルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N
−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−アクリロ
イルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−
アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジ
ン、N−アクリロイルモルホリン等をあげることができ
る。
また、上記した単量体と共重合体可能な単量体として
は、親水性単量体、イオン性単量体、親油性単量体等が
あげられ、それらの一種以上の単量体が適用できる。具
体的には親水性単量体として、たとえばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、各種のメト
キシポリエチレングリコールメタクリレート、各種のメ
トキシポリエチレングリコールアクリレート、N−ビニ
ル−2−ピロリドン等をあげることができるし、また、
酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート等を共重合によ
り導入して、それを加水分解して親水性を賦与すること
もできる。イオン性単量体としては、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸等の
酸及びそれらの塩、N,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド等のアミン及びそれら
の塩等をあげることができる。また、各種アクリレー
ト、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリロニトリル等を共重合により導入して、それ
を加水分解してイオン性を賦与することもできる。親油
性単量体としては、たとえばN−n−ブチルアクリルア
ミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−tert.−
ブチルアクリルアミド、N−tert.−ブチルメタクリル
アミド、N−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−ヘ
キシルメタクリルアミド、N−n−オクチルアクリルア
ミド、N−n−オクチルメタクリルアミド、N−tert.
−オクチルアクリルアミド、N−n−ドデシルアクリル
アミド、N−n−ドデシルメタクリルアミド等のN−ア
ルキル(メタ)アクリルアミド、誘導体、N,N−ジグリ
シジルアクリルアミド、N,N−ジグリシジルメタクリル
アミド、N−(4−グリシドキシブチル)アクリルアミ
ド、N−(4−グリシドキシブチル)メタクリルアミ
ド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミ
ド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド
等のN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アクリ
ルアミド誘導体、エチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、
ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、グリシジルメタクリレート等の(メタ)アクリレ
ート誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、ブテ
ン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、
ブタジエン、イソプレン等をあげることができる。
次に上記した単量体の重合体を水に不溶化する方法とし
ては、重合時に不溶化する方法と重合後の処理で不溶化
する方法があるが、具体的な不溶化方法として、分子中
に少くとも二個以上の二重結合を有する架橋性モノマー
と上記した(メタ)アクリルアミド誘導体と共重合する
方法、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド誘
導体を共重合する方法、上記した親油性モノマーの比率
を高めて(メタ)アクリルアミド誘導体と共重合する方
法、塊状で重合する方法、重合体を加熱処理する方法、
セルロース等の水に不溶の繊維状物質等と重合体を一体
化する方法、または重合体中に水酸基あるいはアミノ基
等が存在する場合には、それらとエピクロルヒドリン等
の多官能性化合物を反応させて架橋し、不溶化する方
法、更にはカルボキシ基、スルホン酸基、水酸基等のよ
うに活性水素を有する置換基の置換された単量体との共
重合もしくはそれら置換基の置換された重合体との間で
複合体を形成させ、不溶化する方法等を採用できる。
より具体的には第1の方法では架橋性モノマーとして、
たとえばN,N−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジア
リルアクリルアミド、トリアクリルホルマール、N,N−
ジアクリロイルイミド、N,N−ジメタクリロイルイミ
ド、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、各種ポリエチレングリコールジ
アクリレート、各種ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジメタクリレート、各種ポリプロピレン
グリコールジアクリレート、各種ポリプロピレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、グリ
セロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロー
ルエタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レート等を使用できる。第2の方法でのN−アルコキシ
メチル(メタ)アクリルアミド誘導体としてはN−ヒド
ロキシメチル(メタ)アクリルアミドも含み、たとえば
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−nブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−tert.−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等を使用できる。第3の方法での親
油性モノマーのアンフィフィリックな性質を有する(メ
タ)アクリルアミド誘導体に対する比率は(メタ)アク
リルアミド誘導体と親油性モノマーとの組合せにより変
化し、一概に断定できないが、一般的には、1%以上好
ましくは3%以上である。第4の方法による塊状で重合
する方法としては、溶媒で稀釈せずにそのまま重合して
重合体ブロックを得る方法或いは溶媒に懸濁させながら
モノマー滴中で重合を行い、粒子状重合体を得る方法等
を採用できる。第5の方法である重合体を加熱処理する
方法において加熱条件は重合体により異なり一様ではな
いが、一般的には、60〜250℃、好ましくは80〜200℃の
温度で、塊状重合、懸濁重合、溶液重合等で得た重合体
を加熱処理する。その際、溶液重合においては、乾燥或
いは溶媒の留去と加熱処理を兼ねて行ってもよい。第6
の方法である繊維状物質等と一体化する方法としては、
セルロース、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の繊
維またはポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体等でできた不織布等の水に不溶の繊維状物質あるいは
シリカ、アルミナ、ゼオライト等の水不溶の多孔質無機
物質に上記した(メタ)アクリルアミド誘導体を含浸重
合或いはグラフト重合する方法、及び重合体を含浸させ
る方法等を採用できる。第7の方法であるエピクロルヒ
ドリン等の多官能性化合物を反応させて架橋し、不溶化
する方法では重合体中に水酸基あるいはアミノ基を予め
導入しておく必要がある。アミノ基は共重合により容易
に導入できるが、水酸基の場合には、ヒドロキシエチル
メタクリレート、イソプロペニルフェノール等との共重
合または酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート等を共
重合で導入して、その後塩基性物質でケン化して水酸基
を導入する方法もある。ついで、前記した重合体とエピ
クロルヒドリン等の多官能性化合物とを塩基性物質の存
在下に反応させて架橋し、不溶化する。その際、水溶液
そのままで不溶化すると寒天状となり、それを破砕する
ことにより実用に供される。また水溶液を油中に分散さ
せて不溶化すると粒状ゲルとなる。第8の方法は活性水
素を有する単量体たとえばアクリル酸等と(メタ)アク
リルアミド誘導体とを共重合してアクリル酸基とアミド
基との間で複合体を形成させて不溶化する方法であり、
その際予めアクリル酸をアンモニウム塩のような弱塩基
の塩として共重合してその後、酸等を添加して活性水素
を賦活させて複合体を形成させてもよい。
上記した8つの方法を各々単独で採用してもよいし、併
せて採用してもよい。概ね併用したほうがより効果的な
結果を得ることができる。
上記した方法に従って、本発明の高分子多孔体を製造す
るに当って採用できる重合のより具体的方法としては、
たとえば(1)モノマーを溶剤で稀釈せずにそのまま重
合して重合体ブロックを製造する方法、(2)溶剤中で
重合して重合後乾燥或いは貧溶剤中に重合体を析出さ
せ、重合体を得る方法、(3)懸濁重合により粒子状重
合体として得る方法、(4)水溶液中でゲル重合して、
それをそのままあるいは更に水で膨潤させて、水性ゲル
として提供する方法、(5)水に不溶な繊維状物質また
は多孔質無機物質に重合体溶液の含浸あるいはグラフト
重合等の方法で重合体を一体化する方法等を採用でき
る。その際、重合を開始する方法としては、加熱のみに
よっても行いうるが、通常重合開始剤を使用したほうが
良好な結果が得られる。重合開始剤としてはラジカル重
合を開始する能力を有するものであれば制限はなく、た
とえば無機過酸化物、有機過酸化物、それらの過酸化物
と還元剤との組合せおよびアゾ化合物などがある。具体
的には過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過酸化水素、
tert−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、
クメンヒドロキシパーオキシド、tert−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、過安息香酸ブチル等が
あり、それらと組合せる還元剤としては亜硫酸塩、亜硫
酸水素塩、鉄、銅、コバルトなどの低次のイオン価の
塩、アニリン等の有機アミン更にはアルドース、ケトー
ス等の還元糖等を挙げることができる。アゾ化合物とし
ては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−
2−アミジノプロパン塩酸塩、2,2−アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、4,4−アゾビス−4−シアノバ
レイン酸などを使用することができる。また、上記した
重合開始剤の2種以上を併用することも可能である。そ
の場合の重合開始剤の添加量は通常採用される量的範囲
で充分であり、たとえば単量体当り0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜2重量%の範囲である。
このようにして得られる重合体のうち、ブロック状のも
の、または溶剤を留去して得られる重合体は、粉砕によ
り粉状に、または融解して粒状、フレーク状、繊維状ま
たはフイルム状に成型し、粒子状重合体はそのままの形
で、またラテックス状重合体は布および紙のような繊維
状物質に含浸コーティングしたり、またはフイルム化し
て、該水不溶化重合体を製造できる。
より具体的な製造法として、ブロック状のものには塊状
重合あるいは型枠中での水性ゲル重合が適用できる。
粉末状品は水溶液中でゲル重合を行い、その後乾燥粉砕
して得る等種々の方法をとりうる。一方、粒状品は一般
的には懸濁重合法により容易に製造されるのであるが、
本発明で使用されるアクリルアミドもしくはメタクリル
アミド誘導体は一般に水溶性が高いので、懸濁重合法と
しては、単量体またはその水溶液等を油中に分散した逆
相懸濁重合、水溶液中に多量の電解質等を溶解して単量
体の溶解度を抑制して行う塩析懸濁重合、更には重合体
の曇点以上の高温で重合を行い、重合体を析出させる析
出懸濁重合等の方法が採用される。更にシリカ、アルミ
ナ、ゼオライトのような多孔質無機質粒子表面に重合体
溶液の含浸あるいはグラフト重合等の方法で重合体と一
体化したものも採用できる。
以上のように製造した水不溶化重合体は固体状であり、
水との接触により吸水して水性ゲルとなり、ついで該水
性ゲルを凍結して、その状態で水を除去すること、具体
的には凍結乾燥することよる高分子多孔体を製造でき
る。該水不溶化重合体を水と接触させて吸水させて水性
ゲルとする具体的方法としては、粉状、フレーク状、ビ
ーズ状、繊維状、フイルム状、ブロック状の該水不溶化
重合体を水に接触させて該基材に水を吸収させ、その後
そのようにして形成された水性ゲルを水溶液と分離すれ
ばよい。その時の水との接触時間は基材の大きさにより
規定される。たとえば、粉状あるいはビーズ状のように
大きさが1m/mもしくはそれ以下のものにおいては、数分
で水性ゲルを形成してしまうし、一方、ブロック状のも
ののように大きさが1cmもしくはそれ以上のものにおい
ては、数日から2、3週間かかる場合もある。また、温
度により吸水量を制御できる。
一方、樹脂と接触させる水は、イオン交換水、蒸留水、
水道水、工業用水等のどのような水でもよく、更には目
的に応じて種々の溶質の溶解した水溶液を使用してもよ
い。その溶質としては無機、有機の電解質、親水性有機
化合物、親水性高分子化合物等種々のものが使用でき
る。その時、該水不溶化重合体の特徴として(1)吸水
時において、低分子化合物はゲル中にとり込まれるが、
高分子化合物はゲル中には実質的にはとり込まれず、結
果的にゲル表面に存在する。(2)無機塩のような電解
質が含まれている場合、従来の保水ゲルでは吸水量は急
激に減少し、たとえばメチレンビスアクリルアミドで架
橋したアクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体
(アクリル酸ナトリウム含量:21重量%)では、蒸留水
中と1規定塩化ナトリウム水溶液中とでその吸水量は17
分の1に低下した。一方、本発明の水性ゲル用基材を用
いた水性ゲルでは、その低下率は10%前後であり、塩が
共存してもその低下率は小さく、共存塩に対してその影
響の少ない安定な水性ゲルを形成する。
更に、該水性ゲルは温度を変えることにより吸水量を変
化させることができる。従って、後述する高分子多孔体
の孔径等を温度による水性ゲルの容積制御を通して任意
に設定できる。一方、温度によるゲル容積の変化を少な
くする場合には(1)親水性またはイオン性モノマーと
共重合させて、その比率を高めること(2)疏水性モノ
マーと共重合させて、その比率を高めること等の方法が
採用できる。(1)の場合にはゲルの含水率の高いとこ
ろで温度による容積変化を少なくできるし、一方(2)
の場合にはゲルの低含水率のところで温度による溶積変
化を少なくできる。ゲルの含水率については、重合体の
組成により変化し、一様には規定できないが、概ね常温
において(25℃)、50%より99%程度である。
次に上記した水性ゲルを凍結する方法としては通常の方
法を採用できる。具体的には水性ゲルを少くとも0℃以
下の条件、好ましくは−5℃以下、更に好ましくは−10
℃以下の環境に放置することにより凍結できる。その
際、水性ゲル中に水溶性の無機物、有機物等が溶解して
いる場合には凍結温度を下げたほうが好ましい。より具
体的には冷凍室中での放置あるいは液化窒素、液化石油
ガス等の極めて沸点の低い液体中への浸漬またはその液
体より蒸発するガスに暴露することにより凍結できる。
その際、凍結すべき水性ゲルの大きさにより凍結方法等
を考慮しないといけないが、一般的には冷凍室中で数時
間放置しておくことにより容易に凍結できる。また、液
化窒素等中に浸漬することにより瞬時に凍結することも
できる。
次に上記した方法で凍結した水性ゲルより、水を除去す
る方法としては、水の昇華による凍結乾燥法を採用でき
る。具体的には凍結した水性ゲルを真空下に放置するこ
とより水の昇華が起こり、水分を除去できる。その時の
真空度は10mmHg以下、好ましくは5mmHg以下、更に好ま
しくは1mmHg以下である。その際、水の昇華に伴い昇華
熱により凍結した水性ゲルの温度が下がり、水の除去が
緩慢になる場合があるが、その時は凍結した水性ゲルを
加熱する等の工夫を行ってもよい。凍結乾燥のより具体
的な方法としては、棚段型乾燥器、角型回転式乾燥器、
ベルト式乾燥器等多種のものが使用できる。その際、凍
結は乾燥器外での予備凍結法、器内での自己凍結法更に
は器内での冷却凍結法等を採用できる。
以上の方法により製造されてくる高分子多孔体は後述す
る実施例に走査型電子顕微鏡で観察した結果として第1
〜5図に写真で示してあるが、その写真より小さなセル
の集合した峰の巣状のハニカム構造をとっていることが
示される。その峰の巣構造を形成する1個1個のセルの
大きさは該水不溶化重合体の種類及び組成に依存し、一
概には言えないが、概ねその孔径は0.05〜20μであり、
以下の方法でその孔径を制御できる。(i)該水不溶化
重合体の水不溶化度を変える。具体的には、たとえば架
橋性単量体の比率を変えることであり、その比率を高め
ると孔径を小さくできる。(ii)凍結すべき水性ゲルは
温度を変えることによりその吸水量が変化するので、温
度によりその膨潤容積を任意に設定できる。すなわち、
50〜60℃という比較的高温で膨潤したものは膨潤容積が
小さくなり、それを凍結乾燥した多孔体の孔径は小さく
なる。一方低温で膨潤したものは逆に多孔体の孔径は大
きくなる。
また、凍結すべき水性ゲル中に水溶性の有機化合物また
は無機化合物を溶解した水性ゲルを凍結乾燥したものは
それらの化合物の一体化した高分子多孔体となる。
上記した高分子多孔体は従来の該水不溶性重合体と比較
して次の効果を有する。
(i)多孔質であるので水の拡散が迅速であり吸水速度
が増大する。
(ii)平衡吸水量に達するまでの時間が大幅に短縮でき
るとともに平衡吸水量のバラツキも小さくなる。
従って、上記した本発明の高分子多孔体の特徴を生かす
ことにより、ソフトコンタクトレンズ、人工臓器、血液
透析膜等の医療用材料、育苗培地用ゲル、種子皮覆材料
等の各種農業資材、ゲル過用樹脂、電気泳動用ゲル等
の各種の分離樹脂基材、バイオリアクター等の各種機能
材料等種々の分野に有用な水性ゲルを提供できる。
また、前記した方法で本発明の高分子多孔体と水溶性の
化合物を一体化したものはそのものを水溶液中に浸漬す
ることにより、該化合物を徐放することができる。
また、高分子多孔体の多孔質構造に着目することによ
り、各種ガスの透過用基材としても有用となる。
〔実施例〕
実施例1 N−アクリロイルピロリジン125.0g、N−アクリロイル
ピペリジン374.9g及びメチレンビスアクリルアミド10.1
gを水1170gに溶解し、10℃に冷却した後、2のステン
レス製ジュワー瓶に移液し、1/minの流量でポールフ
ィルターを用いて窒素ガスを1時間バブリングした。つ
いで該水溶液に過硫酸アンモニウム2.55gを水10gに溶解
した液と亜硫酸水素ナトリウム1.16gを水10gに溶解した
液とを同時に添加し、該水溶液を断熱的に重合した。得
られたゲルを細断して乾燥した後、更に粉砕して20〜10
0メッシュ留分を採取しサンプルとした。該サンプルを2
5℃で蒸留水中で一昼夜膨潤させて水性ゲルを得た。該
水性ゲルを液体窒素中に投入して凍結した。ついで凍結
したサンプルを液体窒素中より取り出し、該サンプルを
箱型真空乾燥器に放置し、25℃で0.1mmHgの真空下で10
時間凍結乾燥した。
該凍結乾燥サンプルの表面を歩査型電子顕微鏡で観察
し、その結果を写真として第1図に示した。
また、該サンプルの比表面積をBET法(窒素ガス使用)
で測定したところ、1.3m2/gであった。なお、水に膨潤
前のサンプルの比表面積を測定したところ、比表面積が
小さすぎて有効な測定値が得られなかった。
実施例2−5 単量体として実施例2ではN−アクリロイルピロリジン
510g及びメチレンビスアクリルアミド2.6gを、実施例3
ではN−アクリロイルピロリジン507.5g及びメチレンビ
スアクリルアミド5.1gを、実施例4ではN−アクリロイ
ルピロリジン502.3g及びメチレンビスアクリルアミド1
0.3gを、実施例5ではN−n−プロピルアクリルアミド
510.0g及びメチレンビスアクリルアミド2.6gを使用した
以外は実施例1と全く同様にして重合を行い、サンプル
を製造した。
ついで実施例1と全く同様にして凍結乾燥を行い該凍結
乾燥サンプルの表面を走査型電子顕微鏡で観察し、その
結果を写真として実施例2では第2図に、実施例3では
第3図に、実施例4では第4図に、実施例5では第5図
に示した。
実施例6 N−アクリロイルピロリジン5.0gを5mlのサンプル管に
入れ、0.02gのt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキ
サノネート)を添加して、40℃で無溶媒重合を行ない、
直径16mmの円柱型のブロック状ポリマーを得た。該ポリ
マーから金鋸を用いて厚さ3mmの円盤状ポリマーを切り
取り、切り口を400番の布やすりでみがいて滑らかな面
とし、直径16mm、厚さ2mmの円盤状ポリマーを得、サン
プルとした。該円盤状サンプルを蒸留水中に25℃で100
時間浸漬し膨潤させ、膨潤後の円盤状サンプルゲルの吸
水量を測定したところ、1g当り24gの水を吸水してい
た。ついで、該水性ゲルを−20℃の冷凍庫に放置して凍
結した。該凍結サンプルを箱型真空乾燥器に放置し、25
℃で0.1mmHgの真空下で24時間凍結乾燥した。
該凍結乾燥サンプルの重量は5.5gであり、白色の円盤状
の多孔体であった。ついで該サンプルを蒸留水中に浸漬
したところ、ただちに吸水して透明になった。1時間浸
漬後の吸水量を測定したところ、1g当り23gの水を吸水
していた。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明の高分子多孔体の粒子構造の例の表
面走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)または一般式(II)で表わさ
    れる 一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子、
    メチル基またはエチル基、R3はメチル基、エチル基また
    はプロピル基を表す。) 一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、AはCH2
    でnは 4〜6をまたはCH2 2OCH2 を表す。) N−アルキルまたN−アルキレン置換(メタ)アクリル
    アミドの単独または共重合体、もしくは他の共重合しう
    る単量体との共重合体を水に不溶化処理せしめて水不溶
    化重合体とし、該水不溶化重合体を所望の温度の水中に
    浸漬・膨潤せしめそれに応じて吸水量を変化せしめ、か
    くして温度に応じて膨潤度を変化せしめた該膨潤体を凍
    結乾燥し、膨潤度に応じた孔径の多孔体とすることを特
    徴とする高分子多孔体の製造方法。
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