JPS6126340Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコークス炉炉蓋のシール装置の改良
に関するものである。

コークス炉の炉蓋は、炉内からコークス炉ガス
が洩れないようにシールするため、その外周には
ナイフエツジによるシール装置を設けてある。第
１図は炉蓋の断面を示す図である。１は石炭を装
入して乾溜する炭化室であつて、２は炉蓋であ
る。炉蓋２は、炉蓋枠３に耐火レンガ４を内張り
した長方形の蓋であつて、その外周にナイフエツ
ジ５が取付られ、炉蓋２のナイフエツジ５を窯口
フレーム１２に押付けシールするようになつてい
る。このナイフエツジ５は、長方形の炉蓋外周に
長辺側のナイフエツジ２本と短辺側のナイフエツ
ジ２本によつて構成され、従来、この長辺側およ
び短辺側のナイフエツジは、溶接によつて接合さ
れ、所定間隔で設けた保持金具によつて、炉蓋枠
３の外周に取付けられている。

第２図は、従来のナイフエツジの接合状態を示
す図である。５−１は長辺のナイフエツジであ
り、５−２は短辺のナイフエツジである。長辺の
ナイフエツジ５−１と短辺のナイフエツジ５−２
の接合部６は溶接により接合され長辺形の炉蓋に
周設されている。

しかし、炉蓋枠３は鋳鉄製、ナイフエツジ５は
耐熱耐蝕鋼で製作されるのが一般的である。その
ため熱膨張率はナイフエツジ５の方が炉蓋枠３よ
り大きく、冷時ナイフエツジを溶接により接合組
立てて炉蓋枠に取付すると、コークス炉へ装着し
た際、熱膨張率の差によつて炉蓋枠とナイフエツ
ジ間に間隙が生じ、ガス洩れが発生する。

このため、従来は仮溶接によつてナイフエツジ
を接合組立てて炉蓋枠に取付け、これをコークス
炉に装着して１日程度使用したのち、現場におい
てナイフエツジの膨張分を調整して本溶接するた
め、この間押出機、ガイド車が占有され、しか
も、乾留時間の関係から早朝や深夜作業となるこ
とが多い。

さらに、コークス炉の炉蓋は高温にさらされる
ため、炉蓋枠ならびに窯口フレームは相反する熱
変形をおこす。第３図はその変形の１例を示す図
である。炉蓋枠３が窯口フレーム１２が図のよう
に変形すると、ナイフエツジ５と窯口フレーム１
２間に間隙が生じるので、ナイフエツジ５を叩出
し、フレーム１２面に密着せしめるのであるが、
溶接により固着接合されている短辺側のナイフエ
ツジ５−２は、炉蓋枠３に対して角度をもつてず
れ、その接触面７は線接触となり、シールが不完
全となる等の欠点がある。

この考案はこのような欠点を除くもので、高温
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による炉蓋枠窯口フレームの変形にも対応して調
整できるシール装置を提供するものでその特徴と
するところは、炉蓋の長辺側ナイフエツジが短辺
側ナイフエツジを挾むように組合せ、長辺側ナイ
フエツジ両端部に長孔を設けると共に、該長孔に
対向して短辺側ナイフエツジに締付板を立設し、
長孔と締付板間にボルトを配設して両ナイフエツ
ジを締付接合することを特徴とするものである。

第４図はこの考案の一実施例を示す図である。
長辺側ナイフエツジ５−１の上下両端部に長孔８
を設ける。長孔８は１個でもよいが２個以上設け
る方が短辺側のナイフエツジ５−２の角度を調節
して締付るには好ましい。ついで短辺側のナイフ
エツジ５−２に締付板９を立設する。締付板９は
ナイフエツジの巾と同じ程度のもので長孔８に対
向して溶接等によつて立設するものである。この
締付板９と長孔８をボルトナツト１０により締着
する。このようなナイフエツジの接合を長方形の
各コーナーとも行なうものである。すなわちナイ
フエツジの接合は溶接ではなくボルト１０で締付
けるもので、取付け取外しはボルトの着脱によつ
て行うものである。又長孔８は、ボルト１０の締
付け位置をずらすことによつて短辺側のナイフエ
ツジ５−２の位置を変えることができ、さらに角
度を変えることも可能である。

以上のように構成されるので、炉蓋とナイフエ
ツジの熱膨張率の差によつて、ナイフエツジと炉
蓋枠との間に間隙が生じても、ボルト１０を長孔
８にそつて移動させ締付けると間隙をなくするこ
とができる。又熱変形に対処するため、ナイフエ
ツジを叩出すことによつてナイフエツジと炉蓋枠
に角度が生じても調節することができる。第５図
はこの考案シール装置の使用状況を示す図であ
る。熱変形によつてナイフエツジを叩出しナイフ
エツジ５−２と炉蓋枠３が図のように角度をもつ
て変形した場合は、ボルト１０をゆるめてナイフ
エツジ５−２を炉蓋枠の面１１に合せて締付ける
とナイフエツジ５−２と炉蓋枠３の接触は面接触
となり、シールはより完全になる。

又、従来ナイフエツジの取付けの場合は、溶接
接合であつたため、その膨張率のちがいにより発
生する間隙を防止するため、最初仮付けを行い予
熱したのち本溶接を行う必要があつたが、この考
案シール装置は高温になつて熱膨張率の差によつ
て間隙が発生した場合はボルトを再締付けを行へ
ば間隙は簡単になくなりシールが完全となる。又
取付け取外しが簡単なためナイフエツジ部掃除も
完全に実施できる等多くの効果をもつものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は炉蓋の断面を示す図、第２図はナイフ
エツジの接合状態を示す図、第３図は炉蓋の変形
の１例を示す図、第４図はこの考案の一実施例を
示す図、第５図はこの考案シール装置の使用状況
を示す図である。 １……炉内、２……炉蓋、３……炉蓋枠、４…
…内張りレンガ、５……ナイフエツジ、６……接
合部、７……接触線、８……長孔、９……締付
板、１０……ボルトナツト、１１……炉蓋枠の
面、１２……窯口フレーム。 〓〓〓〓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉外の長辺側ナイフエツジが短辺側ナイフエツ
   ジを挾むように組合せ、長辺側ナイフエツジ両端
   部に長孔を設けると共に、該長孔に対向して短辺
   側ナイフエツジに締付板を立設し、長孔と締付板
   間にボルトを配設して両ナイフエツジを締付接合
   することを特徴とするコークス炉炉蓋のシール装
   置。