JPS6125823B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、針幹と非減衰の状態で枢動するよう
に針幹の長手方向スロツト内に支持されているピ
ボツト穴付きべらとを有する編機又は織機用べら
針に関する。閉成位置ではべらはニードルスプー
ンと共にフツク上に位置し、解放位置即ち後部位
置に於いてはべらの背面は針幹の上縁の近傍の座
面上にある。

〔従来の技術〕 丸編機のような高速編織機に於いては、べらは
非常に大きな応力を受ける。べらが通常のものの
ように60Hzまで又はこれ以上の周波数でべらの閉
成位置と解放位置との間を駆動すると、大きな加
速度と減速度がべらに生じる。これらの力はべら
に曲げ応力を生じるばかりではなく、ニードルス
プーンがフツクを打つ時又はべら背面が針幹に設
けられた座面を打つ場所にかなりのエネルギが弾
性変化によつて吸収され又摩擦によつて失われ
る。これらの大きな応力によつて、ニードルスプ
ーンとフツクが損傷するばかりでなく、べらが壊
れたり、損傷がピボツトと針幹に起きたりするこ
とがあり得る。

ドイツ連邦特許第2714607号のように、後部位
置でべらの衝撃を針に設けた長手方向スロツトに
よつて減衰することが知られている。針の長手方
向スロツトの側面にある針幹側部とべら背部の座
面のくさび状に収斂するフランクとが協働する結
果、べらが衝撃を受けると、針幹の側部が弾性的
に開き、同時にべら背部上で互いに係合するに至
る座面と針幹の側部で摩擦が生じ、全体の結果と
して、べらは減衰された状態で制動がかけられ
る。然しながら、針幹の側部の弾性は針幹の厚さ
が増せば減少するという事実によつて、針幹の側
部の広がりは制限される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、べら及び針自体に損傷の恐れ
なしに大きな応力を吸収する、高速機に特に適し
たべら針を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

べらは、ピボツト穴とニードルスプーンの間の
領域に少なくとも一つの通し凹部（通し溝）を有
する。

これによつて、不必要なべらの質量を減少さ
せ、加速度及び減速度による力からべらにかかる
応力が減少し、ニードルスプーンがフツクを打ち
又はべら背部が関連の座面を打つ時に、衝撃エネ
ルギが減少する。他方、べらの弾性的な可撓特性
が改善され、この結果、そうでなければ、特に衝
撃があつた場合張力の局部的なピーク値がなくな
る。従つて、べら針は、丸編機のような高速機に
用いた場合でも、べら及びピボツトに損傷を与え
ることなしに作動中長期に互つて生じる応力を吸
収することが出来る。

非常に有利であると分つている一例では、貫通
凹部はスリツト状の長い形状に成つており、ピボ
ツト穴の近傍がニードルスプーンの近傍よりも広
くなつており、べらに幾分くさび状の断面を与え
るようになつている。他の例では、べらの一列に
かつ互いに離間いて配設された複数個の円形穴又
は凹部を有している。凹部がピボツト穴を含むべ
らの中央平面に付いて対称に配置されるのが適当
である。

ステロスポイントニードル（Stelos point
needle）の形式のべら針は靴下その他の編物製品
の修理に用いられるものであるが、このものは、
例えば、米国特許第2596311号に示すように、べ
らの領域内にてだてを講じている。そして、この
てだては、通し凹部を設けるか壁の一部の厚さを
減少させるかすることである。然し、このステロ
スポイントニードルは、フツクと協働する端部に
べら自体よりも数倍長い作り付けの延長部を有す
る。この長い延長部は当然にべら自身、特に、フ
ツク協働するべらの部分に特に大きな応力を掛け
るから、その重量を減少させるために、この延長
部に円形穴状の貫通凹部を設けるか、べら自体と
比較して壁厚を全体的に減らしている。実際のス
テロスポイントニードルは、標準の編機用べら針
と比較することが出来ないもので、かなり質量が
大きく、従つて、スプーンは設けられていない。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明を実施例に基づい
て説明する。図中実施例として示されたべら針
は、その一端部に設けられたフツク２付きの針幹
１を有する。長手方向スロツト３が針幹１内に設
けられ、針幹１の下縁につらなるスリツト又は開
口４が形成されており、べら５が、ピボツト６の
回りに減衰を受けずに枢動出来るように長手方向
スロツト３内に支持されている。リベツト６は、
横側に長手方向スロツトを３を定める側部から延
びる２つの支持タング７によつて形成されてお
り、べら５はピボツト穴８によつて支持タング７
上に支持されている。べら５はその一端にスプー
ン（ニードルスプーン）９を有しており、べら５
が閉成位置にある時は、このスプーン９とフツク
２の先端が重なり合うようになつている。後部位
置又は解放位置に於いて、べら５はその背面のく
さび状に収斂するフランクに形成された座面で以
て針幹の座面１０に係合しており、この長手方向
スロツト３が形成された針幹１の側面の上縁の領
域内にある該背面に適する形状になつている。べ
ら５の解放位置及び閉鎖位置は、第１図及び第３
図では、破線で示されている。

リベツト穴８とべら５との間の領域では、べら
５は、以下の実施例では、少なくとも１個の開口
又は凹部を設けている。

第１図及び第２図に示す実施例に於いては、長
いスリツト形状の貫通凹部１１がべら５の上述の
領域内に設けられている。この凹部１１は、ピボ
ツト穴８の近傍がスプーン９の近傍よりも幅が広
く、従つて、これに隣接し若干くさび形になつた
側面１２と共に薄いリブ１３を規定している。こ
れらのリブはべら５を構成する材料によつて端部
が結合され、ピボツト穴８を含むべら５の部分と
スプーン９とを接続する。長細の開口または凹部
１１は、べらの不要な質量を減少させるのみなら
ず、べら部に望ましい動的可撓性を与える。

第３図及び第４図に示す実施例は実質的に第１
図及び第２図の実施例に対応する。従つて、両者
に共通する要素に同一の参照符号を付し、繰返し
ては説明しない。

第３図及び第４図の実施例に於いては、ピボツ
ト穴８とスプーン９との間に複数個の円形穴又は
円形凹部１９を設けている。これらの凹部１９
は、円筒形の穴で、互いに離間して一列に並べら
れ、それらの軸はピボツト６を含む平面１８内に
ある。円形凹部１９の直径は、同じであるか、ピ
ボツト穴８からスプーン９の方へ向けて順次に小
さくなるようにすればよい。これらの断面形状の
他に、凹部１９は別の形状、例えば、長方形であ
つてもよい。これら凹部１９は共通平面１８内の
軸上にある一列に並べられたものではなく、べら
５の側面に分散したものでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づくべら針の１実施例の主
要部の一部破断側面図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図は本発明のべら針の他の
実施例の主要部の一部破断側面図、第４図は第３
図の−線に沿う断面図である。 １……針幹、２……フツク、３……長手方向ス
ロツト、４……スリツト（開口）、５……べら、
６……ピボツト、７……支持タング、８……ピボ
ツト穴、９……スプーン（ニードルスプーン）、
１０……座面、１１……貫通凹部、１２……側
面、１３……リブ、１８……平面、１９……円形
穴（円形凹部）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端にフツクが形成され本体内にべら用座面
   を有する針幹と、一端部をピボツトを介して前記
   針幹に枢支され他端部に閉じた時に前記フツクに
   係合し開いた時に前記座面に係合するニードルス
   プーンを有するべらと、前記ニードルスプーンと
   前記一端部との間に形成され前記べらの開閉に応
   じて前記ニードルスプーンが前記フツク及び前記
   座面に衝接する時に前記べらに可撓性を与え応力
   を吸収するため、開口を具備して成り、前記ニー
   ドルスプーンが前記座面に接している時は前記ニ
   ードルスプーンが前記針幹から前記フツクと同じ
   側に突出する構成としたことを特徴とする高速丸
   編機用べら針。 ２ 前記開口は前記べらに沿うスリツト状に形成
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の高速丸編機用べら針。 ３ 前記開口は前記べらの前記一端部側の方が前
   記ニードルスプーン側よりも広くなつていること
   を特徴とする特許請求の範囲第２項記載の高速丸
   編機用べら針。 ４ 前記開口は１以上の実質的に円形の穴である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の高
   速丸編機用べら針。 ５ 前記開口は前記ピボツトの軸を含み前記べら
   の中央を通る平面に関して対称であることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の高速丸編機用
   べら針。