JPS6335743B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、編機に用いられる打抜き加工された
編針に関する。ここで言う編針という概念には、
べら針、スライド針、シンカ及び、パイル編地を
製作するための例えばプラツシユフツクのような
べらのない針が含まれる。

従来の技術 ドイツ連邦共和国特許出願公開第2820925号明
細書に開示された編針では、編針の針幹はブリツ
ジ状に構成されていて、すなわち針幹の上縁に沿
つてまつすぐに延びたウエブと、いわば橋脚のよ
うに針幹上縁から下方に延びていて編針の摺動を
案内する少なくとも２つの案内部とから成つてお
り、この場合ウエブの高さが1.1mm以内で、針幹
長手方向におけるウエブもしくはウエブ区分が少
なくとも８mmの長さを有しており、針幹には少な
くとも１つのバツトが設けられている。この公知
の編針は下記の認識、すなわちウエブの高さを
1.1mm以下に制限して、案内部によつて支持され
ていないウエブ区分の長さを８mm以上に設定する
と、ニードルカムによつてバツトに加えられる制
御衝撃は、ニードルヘツドに到るまでの間に曲げ
振動に変えられてフツクの破損がもはや生じない
ほどに又は少なくとも耐用寿命が著しく延びるよ
うに減衰せしめられるという認識に基づいてい
る。そしてこの公知の構成では、前記寸法設定に
よつて得られるウエブ区分における曲がり易さの
結果、ニードルカムによつてバツトに加えられる
制御衝撃はニードルの対称平面における大きな振
幅の曲げ振動に変換される。この場合ウエブが針
幹の上縁に沿つて設けられていることによつて、
針幹がニードルヘツドの溝又はニードルシリンダ
の溝に設けられたニードルスリツトの底部によつ
て損傷せしめられるおそれはなくなる。

しかしながらこの公知の編針にはその形状安定
性が不十分で、強い負荷には耐えられないという
欠点がある。このような強い負荷は例えば緊張下
にある糸によつて加えられる。

また互いに交差する針（シリンダ針とダイヤル
針）による編成の場合には、針が交差しているこ
とによつて針縦軸線に対して横方向に、たわみや
すい針が耐えられないほどの力が加えられ、この
結果針が通路底部からはずれてしまうこともあ
る。通常形状安定性は、例えば柄だしのために第
２のバツトが設けられている場合のように編針の
長さが長くなるにつれて低下する。

発明の課題 ゆえに本発明の課題は、上に述べた公知の編針
における利点を維持しながら、形状安定性の点に
おいて改良された編針を提供することである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明の構成では、
編針の針幹が、針幹の上縁に沿つてまつすぐに延
びた上側のウエブと、この上側のウエブに対して
平行に針幹の下縁に沿つて同じくまつすぐに延び
た下側のウエブと、針幹の少なくとも始端部及び
後端部において上下のウエブを互いに結合してい
る結合部とから成つていて、針幹には、上下のウ
エブと結合部とによつて制限された針幹長手方向
に延びる少なくとも１つの切欠きが設けられてお
り、この場合上下のウエブの高さが共に1.1mm以
内で、切欠きが針幹長手方向で見て少なくとも８
mmの長さを有しており、少なくとも１つのバツト
が針幹の切欠きのところにではなく、針幹長手方
向に適当な長さを有する結合部の上に設けられて
いる。

作 用 本発明のように上側のウエブに加えて下側のウ
エブを設けて、両ウエブを端部において結合部
（案内部）によつて結合することによつて、針幹
は上下２つの帯状体を有することになり、このこ
とは取りもなおさず、これによつて形状安定性が
著しく高められることを意味する。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2820925号明
細書の考えとは相反するが、組立て状態において
ニードル案内溝の底部に接触している第２の下側
のウエブは上側のウエブにおける曲げ振動の発生
を妨げないので、ニードルフツクの、制御衝撃に
対する保護は維持されることになる。

また、長い編針においては上側のウエブと下側
のウエブとの間における切欠きが付加的な結合部
によつて長さ８mm以上の切欠きに分割されている
と有利である。

作業バツトと柄出しバツトとの間においてべら
針の針幹に長手方向の切欠き区分を配置すること
自体は既に公知である（ドイツ連邦共和国特許出
願公開第1760336号明細書）が、しかしながらこ
の公知の場合には前記切欠き区分は針の重量を減
少せしめるという目的のためにだけ設けられてい
る。

アメリカ合衆国特許第4036036号明細書に基づ
いて公知のべら針においては、バツトに加えられ
る制御衝撃を吸収しかつ振動を減衰するために、
バツト内にまで延びているスリツト又は切欠きが
針幹に設けられている。この場合には、針の形状
安定性はさらに低下してしまうので、バツトにお
いて生じる制御衝撃を曲げ振動に変えるという提
案は受けいれられない。

実施例 次に図面につき本発明の実施例を説明する。

第１図〜第３図に示されたべら針はそれぞれフ
ツク１と頚部２と腹部３とスロート部４と、この
スロート部４に続く針幹５とを有している。腹部
３には、図平面に対して平行に形成された縦スリ
ツトと図平面に対して垂直に延びる回転軸６とが
設けられており、べら７は一端で前記縦スリツト
内において回転軸６に支承されていて、旋回によ
りフツク１の内側にある糸室を開閉する。針幹５
は作業バツトとしてのバツト８と、場合によつて
は、柄出しバツトとして働くバツト９とを有して
いる。

第１図に示された針幹５は針幹の下縁に沿つて
まつすぐに延びた下側のウエブ１０と、この下側
のウエブ１０に対して平行に針幹の上縁に沿つて
まつすぐに延びた上側のウエブ１１と、針幹５の
始端部及び終端部において上下のウエブ１０，１
１を互いに結合しかつべら針の移動を案内する結
合部１２，１３とから成つている。従つて針幹５
には、上下のウエブ１０，１１と両結合部１２，
１３とによつて制限された長手方向に延びる切欠
き１５が形成されている。

第２図及び第３図に示されたべら針は第１図の
べら針に比べて長い針幹５を有しており、この場
合上下のウエブ１０，１１は針幹５の始端部及び
終端部においてのみならず両端部の間に設けられ
た付加的な結合部１４によつても結合されてい
る。従つて針幹には針幹長手方向に延びた複数の
切欠き１５が設けられている。

第１図〜第３図に示されたすべての実施例にお
いてバツト８，９は切欠き１５が存在するところ
にではなく、針幹長手方向に適当な長さを有する
結合部１３，１４の上に設けられている。またウ
エブ１０，１１は共に高さ1.1mm以内で、切欠き
１５は針幹長手方向で見て少なくとも８mmの長さ
を有している。

発明の効果 以上述べたことから明らかなように本発明によ
る編針では、ニードルカムによつてバツトに加え
られる制御衝撃を曲げ振動に変えてニードルヘツ
ドの損傷を回避することができるのみならず、上
下に設けられた２つのウエブによつて編針の形状
安定性を先行技術のものに比べて著しく高めるこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は１つのバツトを備えた短いべら針を示
す図、第２図は１つのバツトを備えた長いべら針
を示す図、第３図は２つのバツトを備えたさらに
長いべら針を示す図である。 １……フツク、５……針幹、３……腹部、４…
…スロート部、５……針幹、６……回転軸、７…
…べら、８，９……バツト、１０，１１……ウエ
ブ、１２，１３，１４……結合部、１５……切欠
き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 編機に用いられる打抜き加工された編針であ
   つて、編針の針幹５が、針幹５の上縁に沿つてま
   つすぐに延びた上側のウエブ１１と、この上側の
   ウエブ１１に対して平行に針幹５の下縁に沿つて
   同じくまつすぐに延びた下側のウエブ１０と、針
   幹５の少なくとも始端部及び後端部において上下
   のウエブ１０，１１を互いに結合している結合部
   １２，１３，１４とから成つていて、 針幹５には、上下のウエブ１０，１１と結合部
   １２，１３，１４とによつて制限された針幹長手
   方向に延びる少なくとも１つの切欠き１５が設け
   られており、 この場合上下のウエブ１０，１１の高さが共に
   1.1mm以内で、切欠き１５が針幹長手方向で見て
   少なくとも８mmの長さを有しており、 少なくとも１つのバツト８，９が針幹５の切欠
   き１５のところにではなく、針幹長手方向に適当
   な長さを有する結合部１３，１４の上に設けられ
   ていることを特徴とする編針。